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??? 視点
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「きゃあああああああ!!」
場は変わり、悲鳴が聞こえた瀞霊廷内の広場へと移る。
その中で一つの真っ白い外壁には似つかわしくない、赤い液体が重力に従って地面へと流れ落ちていた。
その液体の出所は胸に刀を突き刺され、壁に貼り付けられた死神の死体から滴る物だった。
これを目撃して悲鳴を上げたのは雛森で、悲鳴を聞いて駆け付けた副隊長達が唖然とする。
「あ、
「(え?)」
「ど、どうして藍染隊長が?!」
「?????」
雛森が目を見開いたまま周りの人達の驚愕している顔を見る。
何故なら
確かに死体は
「(よし、取り敢えず成功…………と言うか何も
これ等を潜んで見ていた三月が別の意味でびっくりしている雛森と、外壁に貼り付け状態の死体を互いに見る。
「きゅ、救護班を呼ばないと────」
「────あら、これは凄い事になっとるなー。 一大事やね」
雛森の言葉を遮り、その場に似合わない態度で市丸が彼女に近づいてくる。
「へ、あ、え────」
混乱している雛森に彼の笑みに何処か『違和感』を感じていた。
「可哀そうに、早よ降ろさなあかんな?」
「(不味い!)」
三月が雛森に近づく市丸の言動に冷や汗を掻いて、
「あ────」
雛森が貧血を起こしたかのように突然気を失い、倒れる。
「────雛森!」
そこに日番谷が彼女の体が地面に落ちる前に受け止めて、これを面白そうに市丸が何時ものニヤニヤとした表情のまま見ていた。
「あらら、気を失ってもうたんか」
誰かが呼んで駆け付けた救護班が外壁の死体と気を失った雛森の具合を診る為に二手に分かれる。
そして市丸と日番谷の周りに誰もいなくなると、日番谷が市丸に近づいて睨む。
「市丸…テメエ、今雛森を殺そうとしたな?」
「ん~?」
「今の内に言っとくぜ? 雛森に血ぃ流させたら、テメエを殺す」
「おー、怖い怖い────」
そこから日番谷と市丸の間に一触即発の雰囲気が『原作』のように一瞬漂うのを確認してから二人その場を後にし、その間に三月はチエに念話を送る。
『先に
『もう良いのか?』
『当初とは違う速度と人手が足されたからね、次の出来事に備えたいわ』
『回収した後は?』
『持っておいて、後で“証拠品”として使えるかもしれないから』
『分かった』
チエがスピードを更に上げて瞬く間に三月の視界から消える。
「(よし、市丸は『原作』の様に隊長格達の
考えに浸っていた三月はお腹周辺に鋭い痛みが生じるのを感じ、顔をしかめる。
「見つけたぞ────」
「(────な────?!)」
そして頭を声のした方向へ振り向くと自分を追っていた藍染の仲間である
「(────
三月はジワジワと血が出る傷を片手で押さえ、回道を使いながら取り敢えず傷口だけでも塞ぎ、追って来るコーンロウと褐色の肌をしたバイザーをした
『
九番隊隊長であると同時に瀞霊廷通信編集長である彼は『原作』でも、最後の最後で藍染の仲間と判明した描写があったのを思い出した。
余談ではあるが、もし彼女が平常心を保ちながら東仙の声を聴いていたのなら「スラムダン〇の『水戸洋〇』?」と言っているところだが……
今はそんな場合ではなかったそんな事は微塵も考えていなかった。
「(そもそも存在を限りなく消しているのに、どうやって私を見つけた?)」
「私には
「……チッ」
まるで彼女の考えている事を読んだ言葉に舌打ちをする。
「(こいつ、まさか私達の衣擦れ、息遣い、心拍音と言った、極僅かな『音』で場所を特定して攻撃をしたの?)」
それは東仙からすれば至極単純な判断だった。
彼からすれば霊圧や
どちらにせよ、『斬っても間違いは無い』部類。
「(仕方ない、
そう思い彼女が降り立ち、運動量方程式によって「ズサササー!」と足が地面の上をすべりながら刀を宙に浮かんだ歪みから取り出して、鞘をやりの様に東仙の頭部へと投げつける。
だが彼はこれをいとも簡単に首だけ曲げて躱す。
「ほぅ、思い切りの良い者だ。 潔いな」
「…………」
「黙っていても無駄だ。 それとも、
「(こいつ……)」
お腹の傷が
「(さて、どうするか……『
彼女は眼を瞑り、次に開けると何時もとは違う
「ん? 貴様、
姿形に変化がなく、僅かに漏れた霊圧と相手の纏う
そして次に三月が口を開けると、東仙の仏頂面が驚愕へと移る。
「ふむ。 今度の場は面白い所よな」
「なッ?! 馬鹿な! 貴様は、
三月の口からは彼女に似つかわしくない、
「さて、時は止まってくれぬ故続けるとするか。
「貴様、ふざけているのか?!」
イラつく東仙に三月(?)はニヒルな笑みを返す。
「何、先に申した通り
────さもなくば死ぬぞ」
「ッ」
東仙は自分の背がゾクリとすると同時に三月(?) が背を向けるかのように立ちながら、刀を構える。
「『秘剣────』」
「(これは
「『────
気が付けば、もう目の前まで三月(?)は接近しており、東仙は
「……………ッ?! 奴は、どこに?」
東仙は先程まで聞こえていた音が
何せ相手はつい先ほどまで
そして『瞬歩』といった技などの高速移動手段は
如何に遠くや早く動いたとしてもその際に使った霊圧の残滓や、『音』が生じる筈。
だが
「ッ。 この霊圧、今度は更木か」
パキ、パリンッ!
東仙が何かに気付いたかのように頭を動かすと、彼の着けていたゴーグルの
「……………覚えておこう、『
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右之助 視点
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「ズズズ……フイー。 チエ殿、遅いのぉ。 ついでにあの異国の者」
右之助は屋敷で待ちくたびれていた。
チエと彼女の(自称)姉が突然来た事により練っていた覗き作戦 スケジュールを急遽キャンセルしたものの、戦時特例宣言の所為でロクに瀞霊廷を自由に歩けなくなった。
そんな中、チエと彼女の(自称)姉が『救護班の手伝いをしたい!』と言い、二人は出かけた。
すぐに帰ってくると思いきや、一日ほどずっと出たまま。
「じゃが、チエ殿が一緒にいれば安全じゃろうて────」
ヒュルルルルルルルルルルルルルルルルル────
────ドゴォン!!!
「────ブハ?! な、なんじゃああ?!」
中庭から来た衝撃音で右之助がびっくりしてそこへ向かうと、三月が大の字で地面に埋もれていた。
お腹からは再び開いた傷口から真っ赤な血が滲み出ていた。
「お、お主…大丈夫かえ?」
「ぁ……………か………………」
体中痛むのか微動だにせず、三月はただ言語にならない
元から三月に
なので初めに投げた鞘に工夫を施し、タイミングを見計らって蒲原が開発した『簡易転移装置』の更に即席版を急造して、右之助の屋敷の上空へと鞘が出たところで東仙に威嚇の攻撃をして、転移を使い即離脱。
と言う、
「(全身の筋肉が痛い! これって権と筋肉が破れているわ絶対! あのへっぽこ農民、人の体になんて無茶をさせるのよ?!)」
『お主が私に依頼して来たのだぞ?』
「(うるさい、このNOUMIN!)」
『はっはっは』
「(笑って誤魔化すな!)」
『ハッハッハ』
「(キャス子の気持ち、今なら痛いほど分かる! 実際痛いし!)」
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??? 視点
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時は丁度、『原作』の様に一護が十一番隊隊長の更木との一騎打ちがクライマックスに入ろうとした頃。
ルキアが捕らえられている懺罪宮に岩鷲と花太郎、そして
「さて、この扉だけか────」
「────あ、やべ。 今は鍵持っていねぇんだった」
「────はぁ?!」
岩鷲が「鍵が要る」と言った恋次に呆れる。
「じゃあどうすんだよ、ここまで来て?!」
「そりゃ始解して何度も斬りつけりゃあ何とかなるだろ」
「アホかテメェ?!」
ゴリ押しで事を進めようとする
「あ、大丈夫です。 僕、地下水道の牢錠保管庫から予備の鍵を拝借して来ましたから」
「お、おい大丈夫かよお前? そんな事して?」
「大丈夫な訳ねぇだろうが。 三級犯罪ぐらい行くだろうよ」
「それでも……僕はルキアさんを助けたいです」
「花太郎………お前………」
「へ! よく言ったぜ四番隊の! 度胸あるじゃねえかよ!」
今までの花太郎とは思えない言葉に岩鷲と恋次が彼の見方を(ほんの)少しだけ変えた。
鍵が開けられ、重い音を立てながら扉が開くと同時に恋次が元気よく声をかける。
「ルキアー、居るかー?」
「れ、恋次?! な、何故またここに?! 面会は、断られた筈では────?!」
前回、リカが言った『ルーちゃん』呼ばわりについて面会を申し込んだ恋次だが断られ、彼の怒鳴る声が建物の中にいたルキアの居る所まで響いていた。
「────『面会』じゃねえよ、今回はお前を助けに来たんだよ」
「こ、この戯け! これではただの『脱獄』ではないか?!」
「でもお前を助ける事が出来るだろ?」
「胸を張りながら言うモノでは無い、この馬鹿者!」
「ルキアさん! ………あれ? 岩鷲さん?」
ルキアを見て嬉しがる花太郎が、岩鷲の変わった様子に戸惑う。
「て、テメェは────」
岩鷲に気付いたルキアが目を見開く。
「ッ! その服の紋様、墜天の崩れ渦潮…………まさか、志波家の者か?」
「あ? 志波家だぁぁぁぁ?!」
恋次も同じくびっくりする。
何せ没落したとは言え、かつては大貴族の家柄の志波家を今まで呼び捨てで『岩鷲』や『お前』や『テメェ』と呼んでいた。
「やっぱり…テメェかよ! 死神ぃぃぃ!」
「あ? おいちょっと待て岩鷲、何────」
「────そいつは! 俺の兄貴を殺した張本人だ!」
「ッ! お前の兄貴って、まさか────!」
「────やはり、海燕殿の………………お前になら、私は殺されても文句は言うまい────」
「────何弱気になっていやがるんだル────?!」
そこに『ズンッ!』と、重い霊圧が場を支配して、皆の体から汗が噴き出す。
「こ、この霊圧は────!」
「あ……そ、そんな………まさか…………」
花太郎が震える声で唖然と外の橋を見る。
彼に釣られて見た者は全員、そのまま固まった。
「そこで何をしているのだ、恋次?」
橋の上に立っていたのは朽木白哉だった。
「に、義兄様」
「隊…………長…………」
「あいつが………朽木白哉」
「し、知っているんですか? 岩鷲さん」
「大貴族の朽木家、現当主。 今の護廷十三隊隊長の中で恐らく一番有名な奴だ」
「私は『何をしているのだ』……と聞いたのだぞ、恋次」
白哉には恋次とルキアしか眼中になかったような振る舞いだった。
恋次はゴクリと喉を鳴らし────
「────お、俺は………見ての通り、ルキアを助けに来ました」
「法に触れた者を救うに、同じく法に触れてか?」
「そ、それでも……自分なりに考えて、出した答えです! だから………だから────!」
「────だから何だと言うのだ?」
有無をこれ以上言わせない、白哉の言葉と威圧感に恋次が口を開けては閉じたりとパクパクとする。
これを白哉は無表情のまま、無言で見ていながら
「容赦はせぬ。 『散れ、せ────』」
そこに更に別の男の声が聞こえた。
「────良かった! まだ戦っていないんだな!」
白哉の後ろに白い髪をした長身の男性が立っていた。
「浮竹か」
「浮竹…隊長…」
朽木義兄妹が時間差でこの新たに現れた男、『
この男は下級貴族の出身ではあるが白哉や京楽と同じで十三番隊隊長であり、ルキア直属の上官。
「隊首会にも顔を出せなかった程
「先に言っておくが、こんな所で斬魄刀の解放なんて一級禁止条項だぞ。 いくら相手が恋次や旅禍とは言え────」
「────戦時特例により、斬魄刀の解放は許可されている」
これに浮竹が驚く。
「戦時特例?! そこまで状況は悪化していたのか?!」
実はというと白哉が指摘したように、浮竹は隊首会に出ていなかったのは幼少の頃より肺病を患っていたからだった。
なので時折血を吐く事もあり、体がままならないほど動けずに寝込む事もあった。
そのことも絡んでおり、彼は瀞霊廷の現状況について疎かった。
そんな彼でも『藍染の死』のニュースは流石に聞いてはいたが、先ほど分かったばかりの『戦時特例』宣言で、「旅禍が藍染の事件に関係しているかも知れない」という考えが頭を過ぎった時に、新たな霊圧を空から白哉たちと同じタイミングで感じた。
「な、なんだ、この霊圧は?! 明らかに、隊長クラスだが
戸惑う浮竹とは違い、ルキア、岩鷲、花太郎、恋次、白哉の五人が別々の反応をする。
「この霊圧、まさか────!」
「ったく、心配させやがって────!」
「す、凄い! 生きている────!」
「あの馬鹿、カッコつけやがって────!」
「………(来たか────)」
橋に降り立ったのは独自のオレンジ色をした髪の毛に、背丈ほどの斬魄刀を背負い、腕には変な鳥の髑髏と羽を合体させた籠手をした一護だった。
平子:なんやねんこれ?
作者:………………と、取り敢えず書いたものを投稿しようと思いましてハイ────
三月:────それじゃないと思う
作者:あり? 何でお前も正座?
平子:決まっとるやろ? あのワサビの菓子と茶や
作者:………………え? まだ根に持っているの?
平子:当たり前や! ハッチなんかは未だにおかきの前でビクビクしとんねんで?! どんだけ辛かった思うてるん?!
三月:まあ、タバスコソースも上乗せしたから………
作者:エグッ?!
平子:せやからお前ら二人は当分正座や