いつも読んでくれて誠に、ありがとうございます!
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??? 視点
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時は丁度浦原から『外出OK』を貰い、ソウル・ソサエティへと駆け出したカリンとチエが右之助の屋敷へと着いた頃へと戻る。
四番隊の綜合救護詰所の病室の一つの部屋で目が覚めた雛森は、近くの
彼女を気遣うようになるべく『藍染隊長』に関連する単語や話題などを吉良は避けていたが、この行為が逆に雛森を意識させていた。
何せ
その上『
そして旅禍の侵入のタイミング。
最後に『偽藍染の死』以来、姿を見せない
雛森は漠然としない心境の所為で
「こ、これは日番谷隊長?!」
「おう。 お疲れ様、吉良副隊長。 行っていいぞ」
「は、はい」
吉良がそそくさと出て、ここでやっと日番谷の入室に気付いた雛森は複雑な笑顔を彼に向けながら挨拶をする。
「あ、シr────
「大丈夫か、雛森?」
「…………」
「雛森?」
雛森の俯いていた顔を覗き込む日番谷を彼女は見て、口をおずおずと開ける。
「日番谷君……………藍染隊長は……」
気まずそうにそっぽを日番谷は向きながら答える。
「ああ、
「……そう…………(やっぱり、
「書類業務は今の所、
「────待って、
日番谷が退室しようとするところで、雛森が彼を呼び止める。
「だからそれ止めろって────雛森?」
最初こそ苛ついていた日番谷だが、どこか思い詰めていた雛森の表情に何かを感じていた。
「どうかしたのか?」
「…………………う、ううん。 何でも無いの! ありがとうね、日番谷君!」
「……ああ」
「(あの人なら、何か分かるかも………振る舞いも、
日番谷の面会を最後に、五番隊副隊長の『雛森桃』が病室から
その夜、丁度ボロボロだった三月を右之助の屋敷からチエとカリンが身柄を引き取った後へと変わる。
右之助はやっとチエが返ってきたと思った矢先、今度は重体の怪我人を『別の場所へと移す』行為に反対していたが、「右之助に迷惑をかけたくない」との事で彼は渋々了承した。
後でもう一度世話になる事をチエと約束を取り付けてからだが。
そんな三人が瀞霊廷を(カリンが行動制限に不満を隠さずに)気配と霊圧を消しながら移動していると────
『────止まって!』
「あいたぁ?!」
「ッ」
『キィーン』と耳鳴り(脳内鳴り?)する程のきつさで、三月の声らしきモノがチエとカリンの中で響いて、二人が顔を同時にしかめた。
『んだよ
『あそこを見て!』
『どこだ? 指を指せ』
『
『トリか────』
『“トリ”って、どっちだ?』
チエが左を見て、カリンが?マークを出しながら問う。
『9時の方向! この『チャド
『なんだとテメェ?!』
チエと三月(そして時差でカリン)が見ていた視線の先では、『原作』に似た場面があった。
市丸ギンと吉良イヅルが日番谷冬獅郎と対峙していた。
日番谷が
これは『原作』とは違う理由で藍染隊長と
何故なら彼の言動は他の隊員達と違い、まるであの遺体が『偽藍染』と
そこで
この行動は、日番谷に接触した三月の所為でもあった。
実は雛森が気を失った日、彼女の病室の外でソワソワとしながら、部屋のドアの前を行ったり来たりしていた日番谷に(四番隊に偽装中の)三月が病人である彼女の様子を見に来たのを口実に接触。
その際に気が
これにより、日番谷に『市丸はもともと藍染の下で五番隊に居た』という事実を意識させる事に成功させた。
成功させたのだが、日番谷にとって意外だったのが、自分から市丸に接触した雛森をほぼ初見で
勿論これは市丸がワザと『気を張り詰めながら自分を尾行していた
「日番谷隊長?!/日番谷君?!」
「へぇ~」
突然の登場に吉良と雛森はビックリしていた事に対し、市丸は
「市丸テメェ! 雛森に何する気だ?!」
「別になんもあれへん。 彼女が僕になんか話したい言うて来たんで?」
「だったらその
「んー……じゃあ雛森ちゃん。
『藍染隊長の手紙』。
これは『
そしてその
偽藍染が殺される日の明け方までは在った筈の書類が、遺体の発見とほぼ同時に部屋の中をいくら隊員達に探せたとしても出てこなかった。
この行為は明らかに『
そしてタイミングからして
ならば────
「え────?」
それは少し離れていた吉良にも効果覿面で、彼と雛森の二人は膝を地面へと付きそうになりながら、汗を体中から噴出させていた。
「市丸ぅぅぅ!!!」
これが
抜き出しの斬魄刀で。
バリバリの殺気で斬りかかって来る彼を
「あぁ、あかん。 こないな事で斬りかかって来るんなら、僕も
二人の護廷十三番隊隊長が激しい攻防を繰り広げ、遂に始解の解放と打ち合いへとヒートアップする中、日番谷は追い込んだ市丸の奇襲攻撃を
「あーあ。 避けてもうたやないか────」
「────何────?!」
市丸の浮かべる薄ら笑いが更に深いものへと変わる。
「────自分が誰の為に前出た思とるん?」
「────雛森ィィィィィィィィィィィィ!!!」
日番谷が市丸の二重策に気付き、自分の後ろで混乱と困惑で固まっていた雛森の名を叫び、雛森は自分に迫ってくる市丸の『神鎗』の刃をただ唖然と見ていた。
世界がスローモーションに動いているような錯覚に彼女は陥って、脳裏には様々な記憶が素早く過ぎった。
始めは白い髪の毛をした
そして藍染隊長に救われたあの現世での出来事。
彼の周りにいると落ち着く自分────
「(────ああ、これが死ぬ直前の走馬灯なのね)」
今まで何がどうなっているのか理解の追い付いていなかった雛森だが、途端にそう何処か冷静な自分の声が聞こえた気がして、彼女は目を瞑る。
そこで彼女の鼻をフワッとくすぐったのは、い草の香りだった。
「(あ、コレ……藍染隊長に似て────)────え?」
彼女は自分の体が浮くような浮遊感で目を開けると、月が出始めていた空をバックドロップに、中世的な見た目をした黒髪赤眼の人物の顔を雛森は見上げていた。
流れる時の速度は通常に戻り、市丸ギンは見開いた目で新たに現れた者を日番谷と吉良同様に注目をしていた。
「(こいつ、『神槍』を避けながら
「ッ! だ、誰だお前は?!」
「ひ、雛森君!」
「………………────」
「────え────?」
黒髪赤眼の者が口を動かして雛森を抱えたまま、その場に居る者達が反応出来る前に姿を消す。
「────隊長! 隊長の霊圧────市丸隊長? 吉良君まで? これは一体────?」
その時、日番谷の副官である『
『原作』から一連を外そうとする
『
…………………
………………
……………
…………
………
……
…
「フゥム、そんな事が瀞霊廷内で……」
『遊び場』の地面の上に引かれたブルーシートで胡坐をかく浦原が、一連の事を畏まりながら説明する雛森&彼女が気を失っている間や他の情報を付け足す休憩中の恋次が居た。
そこには同じく胡坐をかくカリン、正座しているチエが居て、ボロボロの三月は裏手にある温泉に一人で浸かっていた。
『原作』での『浸かるだけで回復する温泉』である。
「……………あ、あの!」
「ん?」
「私……私はどうなるんでしょうか?」
浦原が雛森を見て、彼女はチラチラと周りの人達を見る。
「………………」
浦原が彼女の視線を辿ると────
「(────おや、まあ……)」
訂正、視線は
これに気付いた浦原の笑みは更に大きくなる。
「………んー、早い話が『交渉材料』ッスかね~?」
「『人質』の間違いじゃねえのかよ?」
浦原の疑問形の答えに恋次が『ム』っとして、少々苛つきながら
「いえいえ、滅相もありません。 別に彼女を軟禁や拘束するつもりはないッスよ?」
浦原がニヤニヤしながら何故か
「??? どうしたのだ浦原?」
「いやいやいや! チエさん隅に置けませんねー! はッはッは!」
「「?????????」」
チエと同様に?マークを出す恋次。
向かいの浦原の開いた扇子にはまたもや『青・春』の二文字。
そして視線をチラチラと横目でチエを見る雛森。
「(やっぱ若いって良いッスね~♪)」
余談ではあるが、少し後で意識がはっきりとなって傷が癒えた三月が雛森の事を聞いては素っ頓狂な声を上げた
「アンタ何やってんのよぉぉぉ?!」
訂正。
辺りの小石がカタカタと震える程の音量で、素っ頓狂な叫びを上げ
「あの
「あ、
「あー、そういや
「阿散井君?!」
結局話し合いの末にチエと恋次が雛森の
「ま。ぶっちゃけ彼女を拘束するにも人手が足りませんし、彼女を持って帰って来た人と馴染みがいれば大丈夫でしょうと判断したまでですよ」
「そう……ですか……」
この事に雛森は不安どころか、かなり久しぶりに安堵を感じていた。
「? どうした雛森殿?」
雛森の視線にチエが気付き、卍解会得の特訓をしていた一護と恋次から視線を外して彼女を見返す。
その際に雛森は目線をサッと外す。
「ッ! い、いえ何でも無いんです! そ、それに私の事は気軽に呼んで下さい!」
「そうか。 なら……『
「ファ?!」
雛森は両手で口を覆い、赤くなって行く彼女の豹変ぶりに困惑するチエから顔を逸らす。
「??? どうした、顔が赤いぞ? 熱か?」
「だだだだだだだだだ大丈夫れす!」
チエの何気ない気遣いの言葉に噛む雛森を見ていた三月は複雑な顔をしていた。
「(うわー、私のあだ名をそのまま使うなんて無いわー。 そりゃ無いわー。) あ! 私、『渡辺三月』と言います!」
「あ、はい。 初めまして。 五番隊副隊長、『雛森桃』です」
互いにぺこりと頭を下げながら自己紹介をする三月と雛森。
尚、チエとは『遊び場』に向かっている途中で雛森がチエの名を訪ねていたので彼女は勿論チエの苗字を────
「────へ? 『渡辺』って────?」
雛森が『渡辺チエ』の方を見る。
「ああ、私の姉だ(自称の)」
「へ?!」
雛森がパチクリと瞬きをしながら
「……………何だ、
「ハウ?!」
「あー、そこまでにした方が良いわよ?」
「そうか。 では『雛森』と────」
「────『桃』と呼んでください!」
「分かった、桃」
「ハワァ?!」
最初はチエと恋次の周り以外ではオロオロとしていた雛森だが、神経が図太いのかかなりの速さで場の空気に馴染んで行った。
その姿はマイのようで、別名『天然』とも呼ぶ。
少々後になり、一羽の
「────と、言う事なんだよ」
暇そうなカリンが同じく何ともない声のトーンで事を伝える。
「(ったく、自作自演なんてメンドクセー)」
「「そうか」」
「んあ?」
カリンは予想していたのと違い、ルキアのニュースを聞いた一護と恋次はそのまま卍解の修行へと戻った。
「……何だあいつ等?」
「あ、あのカリンさん…ですよね?」
「あ? あー、そうだけどよ? 『カリン』だけで良いぜ『メロンパン』」
「め、『めろんぱん』???」
雛森がタジタジになり、カリンは彼女の
「オメェの頭、メロンパンに似てんだよ」
「……『めろんぱん』とは何ですか?」
「な?! 知らねえのかよテメェ?! コンビニぐらい行った事あるだろうが?!」
「『こんびに』? ……ああ! 雑貨屋みたいな所でしょうか?」
「マジか……良し、決めた。 メロンパン野郎、お前はオレ達と一緒に空座町に連れてってやるよ。 んで先ずはコンビニに行って街を歩く所だな」
「え? でも私、副隊長義m────」
「────んなこたぁ知るか! 決定事項だ!」
上記のように
「んで、三月サンはどうやってあんなにボロボロになっていたんスカ?」
「隊長に襲われた」
「「「……………え」」」
その場に居た雛森、浦原、夜一が一瞬固まってから三月の方を見た。
「……えーと、スミマセン。 もう一回良いスカ? 今『隊長に襲われた』と────」
「────うん。 九番隊の」
「………それってもしかして、東仙隊長ですか?!」
「えーと………うん」
雛森は自分より幼い(と自分が思っている)子が隊長格と戦って、ボロボロになりながらも生きて帰還した事に心底驚いていた。
驚いていたのは彼女だけでなく、浦原と夜一も同一だった。
『違う理由で』だが。
「あそこまでボロボロになるとは、意外じゃな」
「まあね。 後ろから『グサリ』と不意打ち食らっちゃったし」
「(フム?)」
「グ、『グサリ』って────」
「────ああ、うん。 斬魄刀でお腹貫かれた」
「………よく生きていますね三月サン?」
「アハハ~」
「わ、笑い事じゃないんですけど~?!」
「アハハハハハ~」
雛森の言葉に、乾いた笑いを続ける三月。
そして表情を変えずに考えに浸る浦原だった。
「何、お腹を貫かれた
「わ、
「少なくとも首をh────」
「────本人が居る前で物騒な話しないでよ?!」
最後にチエに怒る三月だった。
作者:いや、マジでお前どうしてくれてんの?
チエ:????????
三月:いくら何でもフリーダム過ぎる……
作者:と言うか雛ちゃんどうすんの?
チエ:フム………………三月、何かいい手はないか?
作者:逃げんなよ!?
三月:しかもそこで私に振るか普通?!
チエ:いや、気ままに────
三月:────あ、うん。 これアンタが悪いわ
作者:何でよ?! おいちょっと待て?!