白と黒の世界は夢を見る   作:haru970

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どうも、作者のharu970です。

まずは何時も読んで下さる方たちに感謝の言葉を先に言いたいと思います。
何時も読んでくれて、誠にありがとうございます。

投稿中止とかの前書きではありません。

ただ注意事項を先に言いたかっただけです。

猛烈にご都合主義や独自解釈が更に炸裂します。

後ユーハバッハが酷い仕打ちを受けてしまいます、ご了承くださいますようお願い申し上げます。

では、本編の続きへと舞いりましょう。


第42話 Beyond the Tunnel

 は~い。

 皆さん、久しぶりー元気ー?

 三月でーす。

 

 こんな風に『モノローグする』のって懐かしいような感じがするけど……

 ウザかったらゴメンねー?

 

 えー、何で『これ(モノローグ)』をしているかというと……

 穴の先に在った景色の所為なんだよねぇー……

 

 もう真っ白。

 

 一面真っ白。

 

 ホワイトアウト状態。

 

 あ、映画の事じゃないよ?

 そのままの意味だよ?

 

 え? 『捻りも何もないやんけ』?

 

 ……

 

 ス、ストーリーを続ける前に、言っておきたいッッ! 

 私は今、あ…ありのまま、今起こった事を話すわよ?!

 

『私は“BLEACH”の瀞霊廷内に存在するのを知らなかった空間隙(くうかんげき)のトンネルを抜けた先は雪国のような景色だった。』

 

 な、何を言っているのか分からないと思うけど頭が……

 

 というよりは眼がどうにかなりそうだった…

閃光弾(フラッシュバング)を喰らった』とか……

『太陽を直視した』とか、そんなチャチなモノじゃない……

 

 あ、あと……私の髪形は別に電柱風じゃないけど────

 

 

 

 

 ___________

 

 『渡辺』チエ、『渡辺』三月 視点

 ___________

 

 

「────お前はさっきから何をブツブツと言っているのだ?」

 

 チエがジト目で『ポルナレ〇ゴゴゴゴゴゴ』シーンとポーズを再現していた三月を見る。

 

「あ、うん。 ちょっとトリップ(現実逃避)しそうだっただけ」

 

「ふざけるのは止せ」

 

「いやいやいやいやいやいや?! この真っ白な雪国シーン(場面)に『城』ってどう考えてもおかしいわよね?! 私だけじゃないわよね、こんな反応するの?! 『普通』よね?! ……………………………………………『普通』よね?

 

 テクテクと歩くチエに、置いて行かれそうになる三月が小走りについていく。

 

「こんなに白かったら常人ならとっくに気が狂いそうになっているわよ?!」

 

「なら良かったな。 ここにいるのが『人間(ヒト)』ではなくて」

 

「いやまぁ……………そりゃあそうなんだけども────ってポイントはそことちゃうやろがぁぁぁぁぁ?!

 

 二人はそのまま真っ直ぐ歩くと、大きな門のような扉へと着く。

 その間、三月はずっと拭えない『違和感』を胸の奥に持ち続けていた。

 

「ふむ、これは奇妙だな」

 

「ね、ねぇチーちゃん? 引き返さない?」

 

 チエはそのまま歩みを止めずに、扉を開けて奥に行くと男性の声が辺りに響いた。

 

「……誰だ、私の眠りを妨げるのは?」

 

 その部屋は皇帝や中世の王の城内にある『謁見の間』を思わせるような作りで、王座に座っていた男がまた口を開けて先程の声の持ち主と同一人物なのを知らせる。

 

「ほぅ? これはまた奇妙な侵入者達だ、それにこのタイミング────」

 

 この男の言葉に対してチエはただ黙り、三月は素直な第一感想を上げていた。

 

「────凄い髭とモミアゲ」

 

 これに王座に座っていた黒髪黒髭の男性の笑みが深くなる処か、急に笑い出す。

 

「ふ……フハッハッハッハッハッハ! 数多ある第一印象を、私は聞いて来た筈だが『凄い髭とモミアゲ』は流石に初めて聞いたぞ? フハッハッハッハッハッハ! ……私を楽しめさせた褒美に少々の時間をくれてやろうではないか、名乗れ」

 

「(あ、こいつ金ピカ(ギルガメッシュ)と同類のタイプだわ)」

 

()()『渡辺チエ』で通っている。 五番隊隊長()()だ」

 

「(あー、うん。そうなるわよね。) 私は『渡辺三月』よ。 (()()ね。)」

 

 王座に座っている男が愉快そうに笑みを深くさせる。

 

「意外だ。 素直に応じるとは余程の度量を持っているか、或いは…………まあ良い。 戯れだ、私も名乗っておこうではないか」

 

 男は王座に座り直す。

『王』。 

 あるいは『皇帝』。

 いずれにしても『支配者』の雰囲気を発していた。

 

「私の名は『ユーハバッハ』。 『滅却師の皇帝』を務めている」

 

 男の名乗りに三月は違和感を覚える。

 

「(『滅却師の皇帝』??? ……………………()()()()()()()()? というかこの『ユーハバッハ』…………なんだか『他人』と感じられないのは何故────?)」

 

「────しかし『隊長()()』とはな……そんな者に侵入を許してしまうとは……後で調査をしなければならぬ。 礼を言うぞ?」

 

「そうか。 なら礼代わりに『()()()()()』?」

 

「『ここ』は『Wandenreich(ヴァンデンライヒ))』。 純血統滅却師(エヒト・クインシー)達が集い、私が納める『国』だ」

 

「(『エヒト(Echt)』? ……『検索』………あった。 ってドイツ語で『純血』? ……成程。 眼鏡(雨竜)のお父さんかお母さん、そして真咲さん(一護の母)のような滅却師と何が違うのかしら?)」

 

「流暢に喋るのだな?」

 

 黙って考え込む三月と違い、チエが喋る。

 

 何時もとは逆の立ち回りだった。

 

「たかが『隊長代理』に『小娘』が一人ずつ。 教えたとしても、その情報を持ち帰られなければ何も問題は無い」

 

「ほぅ────?」

 

「────待ってチエ」

 

 チエが前に歩き出す寸前に三月が『待った』をかける。

 

「ん?」

 

 三月はスカートの端をチョンと持ち、頭を下げて一礼をする。

 

「お初にお目にかかります、陛下。 御身が皇帝の身とは知らず、我々の先程の数々の無礼をお許しください」

 

 ユーハバッハは片方の眉毛を上げる。

 

「……成程。 何処(いずこ)の貴族の出の者か」

 

「私の本名は『三月・()()・プレラーリ』と申します。 こちらの『渡辺チエ』は()()()()です」

 

『おい三月。 どういう事だ?』

『いいから、今は私に合わせていてチーちゃん。 情報が欲しい』

『分かった』

 

 ここでチエも三月のように頭を下げる。

 

「成程……面を上げろ」

 

「滅相もございません。 御身のような方を前に、頭を上げるなど恐れ多く、とても出来ません」

 

 かつてない程の笑みにユーハバッハはなり、また笑い出す。

 

「フハッハッハッハッハッハッハ! これが『()()()()』とは笑わせる! まったく、山本重国もとうとう老いたか! 衰えたか! いや『甘くなった』というべきか! 愉快愉快! フハッハッハ!」

 

 一瞬だけ三月の体がゾクリと寒気に反応して内心慌てる。

 

『チーちゃんステイ! 気持ちは分からないでもないけどス・テ・イッッッ!

『ッ』

 

「クククク……」

 

「……発言しても宜しいでしょうか?」

 

「私は今、かつて無いほど気分が良い。 話せ」

 

「ありがとうございます。 先程陛下が仰った『純血統滅却師(エヒト・クインシー)』と、()()()滅却師は違うのですか? 無知な我々にご教授頂けると────」

 

 ここで初めてユーハバッハの笑みが少し崩れる。

 

「────フンッ。 『混血統滅却師(ゲミシュト・クインシー)』の事か。 奴らなど、『純血統滅却師(エヒト・クインシー)』に比べれば所詮は『雑種』。 まぁ……有象無象な奴らでも僅かにだが役には立った────

 

 

 

 

 

 ────私の()としてな。 そこでどうだ、そこな『隊長代理』と『小娘』よ? 私の()()となり、ソウル・ソサエティの最期を見届け────?」

 

 ────ブチ。

 

「「(真咲さんを殺したのはこいつか(この戯けめ、我のモノに手を出そうとは))」」

 

 何かが無理矢理力尽くで引き千切られる音が聞こえるような錯覚と共に、三月が立ち上がって()()()を開け、()()()()()()()()()()()()()()が不敵な笑みを浮かべる。

 

「「(────万死に値する!(────ブチ殺す!))」」

 

 全くもって、()()()似合わない表情だった。

 

「────ほう。 貴様、面白い冗談を言うのだな?

「(え? あれれれれれれ?!)」

 

 言葉使い、表情、声、そして()()()()でさえまでもが変わった事にユーハバッハの目が細められる。

 

「……貴様、()()?」

 

ハッ! この王たる()を知らぬとは……『皇帝』と聞いて片腹痛いわ!

「(ちょ、ちょっと待ってよ?!)」

 

 この豹変ぶりにユーハバッハは立ち上がり、三月を見下ろす形になる。

 

 否、そう思った途端に彼女の体は宙へと上がって逆にユーハバッハが見上げる形へと変わる。

 

我を差し置いて『王』を称する不埒者が、誰の許しを得て我を見あげる?

「(これってもしかしてもしかしたらもしかする?)」

 

「貴様も王たる者ならば名乗りを上げてみてはどうだ? よもや己の威名を憚りはすまい?」

 

問いを投げるか? 小物風情が、王たるこの我に向けて?」

「(()()()だぁぁぁぁぁぁぁ?!)」

 

 三月(金ピカ)が明らかに不機嫌な表情をしながら、赤い線が入り込んだ自らの手足と体を見る。

 

まぁ、我の姿形は()()……否。 我が拝謁の栄に浴して尚、不敬なその態度……そんな蒙昧(もうまい)は生かしておく価値すらないと知れ!」

 

 ユーハバッハの周りの宙に無数の歪みから様々な武器が姿を現しながら、彼へと射出される。

 

 ガキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキンッ!!!

 

 金属と金属が衝突するような音の次に聞こえて来たのは────

 

「────フッフッフ……………ハッハッハッハッハッハ!」

 

「────チッ

「(────ええええ? 嘘ぉぉぉぉぉぉぉぉ?!)」

 

 三月(金ピカ)が舌打ちを打ち、笑っているユーハバッハが土煙の中で悠々と直立していた。

 

 攻撃を躱した、または防いだと思いきや、彼の足元の床や後ろの王座は傷ついて、粉々になっていた。

 

()()()()()?! 全くもって面白い、面白いぞ貴様は! フハッハッハッハ! 愉快だ! 気に入ったぞ、私の下に下れ!」

 

『ビキキキキ』、とするような音の歯ぎしりと共に三月(金ピカ)の目つきは更に鋭くなり、さっきより遥かに不機嫌なもとへと変わる。

 

痴れ者が……………………その不敬は万死に値する! 否! 貴様は未来永劫の(とき)を苦しむが良いわ!

 

 そこで一つの歪みに三月(金ピカ)は手を入れて、()()()()()()()()()()を取り出す。

 

 その槍に何か異様なモノを感じたのか、ユーハバッハの顔が冷めたモノへと変わる。

 

「何だ、『ソレ』は?」

 

 ここで先程のように三月(金ピカ)が笑みを浮かべる。

 

問答無用、()くと()

 

 槍がユーハバッハへと飛ぶ様を、彼はただ見ていた。

 

 否。

 

「(体が、()()()()()……だと?!)」

 

 体が膠着したかのように身動き一つ取れないまま、槍が彼の胸と接触した瞬間に何か冷たいモノが広がるのを感じた。

 

「(こ…れは?!)」

 

 これも正確では無い。

 何故ならこの感覚は()()()()()()()()()()()()()()()に過ぎず、彼は既に声帯で声を発する事の出来る状態ではなくなっていた。

 

「(私の…………計画が! 999年の計画がッ!!! こんな…()()()()()()()()()にッッッ!!! こんなところで────!!!)」

 

 ユーハバッハが消えて槍が床に突き刺さり、三月(金ピカ)が床へと降り立つと同時に()()()()()()()()()()()

 

ふむ……『固有時制御(タイム・アルター)』とやら。 中々に使える『固有結界』ではないか。 流石はあの贋作者(フェイカー)()()と言ったところか。  勿論、我が使い手となればどんなみすぼらしいモノでも────」

 

「────お前は……」

 

 チエが立ち上がり、三月(金ピカ)が彼女に振り向く。

 

確か『チエ』と言ったな? 他世界の我がお前に興味を持っていたのは……成程、()()()()()

 

「その口調に『神代回帰(しんだいかいき)』の模様……やはり『()()()()()()()』か」

 

固有時制御(タイム・アルター)』。

『固有結界』。

神代回帰(しんだいかいき)』。

『ギルガメッシュ』。

 

 それらは全て『BLEACH』という世界には存在しない────否。 今まで()()()()()()()もの等。

 

 それらは別の世界での術や人物の名称である。

 

 簡単に説明すれば、『固有結界』とは『自己の心象風景を現実に具現化する』という()()の類である。

 

 そして『固有時制御(タイム・アルター)』は『固有結界』の中でも、()()()()()によって本来は大掛かりな準備などを前以て必要とする大技(秘奥)を、戦闘向きに縮小されたモノ。

 

 最後に『ギルガメッシュ』という人物と『神代回帰(しんだいかいき)』なのだが…………………………

 説明しようにも文章が長くなり過ぎるので詳細は型月のFATEシリーズ作品、又は作者の前作に位置する『天の刃』か『バカンス』を参照してください。

 

 敢えて一言で片づけるのならば『チートガン積みキャラ』。

 

如何にも。 丁度、こ奴の怒りと我の怒りが合ったからな。 ()()()()()()()()()()()()()という所だ

 

 三月(ギルガメッシュ)がチエに近づき、彼女の頬に手を添えて自分と同じ赤い目をしたチエを覗き込む。

 

姿形は小娘に変わったが、我にとっては些細な事。 どうだ? ()()()()、我のモノになってはみないか?

 

 この場にとあるタイプの人物達(千鶴や浅野)などが居合わせていれば、担架で病院へと急行されているだろう。

 

 主に貧血状態で。

 

「断る」

 

 チエは顔色一つ変えずに何時もの調子で三月(ギルガメッシュ)の誘いに拒否の言葉を返す。

 

フ、やはり『もう一人の我』も────ん?

 

「ああ、数人来ているな」

 

 困惑する三月(ギルガメッシュ)に続いて、チエの言葉が合図だったかのように二人がいた謁見の間の扉の向こう側からドタドタとする足音と声が聞こえて来る。

 

『ユーハバッハ様の霊圧が消え────!?』

 

『あり得ん! ここに侵入者など────!』

 

『急げ────!』

 

ほう?

 

 三月(ギルガメッシュ)が笑顔になる。

 

 主に悪戯をこれからするような、純粋無垢な子供のようなモノへと変わる。

 

 そのまま彼女はボロボロになった王座に歩き(そしてチエがその後ろを歩いて)、上から新たに黄金の王座を宙の歪みから降ろす。

 

 ドォン!

 

 黄金の王座がボロボロの白い王座を粉砕させる音と同時にその部屋の入口が乱暴に開けられて、軍服をモチーフにしたような白い服装の者達が数十名程雪崩れ込む。

 

「陛下、御無事で────ッ!?」

 

 長い金髪が見たのは丁度黄金の座に座って、踏ん反り返る三月(ギルガメッシュ)とその横で白い王座だった瓦礫の上に立っていたチエだった。

 

 チエの死神装束を見た、眼鏡をかけた白髭の中年男性は驚愕し、彼の隣にいた双子らしき男達が叫ぶ。

 

「死神だと────?!」

「────何故ここへ────?!」

「────いやそもそも────」

「「────どうやって辿り着いた?!」」

 

戯け。 ()は『死神』などではない

「(いぃぃぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁ?!?!?!? 私の体を返してぇぇぇぇぇぇぇぇ?!)」

「(フン。 勝手に我の宝物庫に手を出した報いだ。 ()()()()()()無に帰さないだけありがたく思え)」

 

 三月(ギルガメッシュ)が王座にいる事が当然の様に振舞いながら、楽しそうに来客達を見下す。

 

「お前! 陛下をどこに────!」

 

「────消した

 

「「「「「………………………………は?」」」」」

 

まるで効果音で『ムッフー』とするようなドヤ顔に似た表情で三月(ギルガメッシュ)が言葉を放つ。




三月:いやぁぁぁぁぁ?! 鈴鹿えもん、助けて~?!

鈴鹿:それ、チョ~ハードル高いんですけどー? というか無理言うなし

三月:……どうしてくれてんのよ?!

作者:いや、その、これ……昔、自分が書いたプロットに基づいた────

ギルガメッシュ(天の刃体):────これしきの事で騒ぐな、戯け!

作者/三月:ぎゃああああああああああああ?!

ギルガメッシュ(天の刃体):フハハハハハ! 『バカンス』でも、『天の刃』でも我の扱いが余りにも酷────否、『面白くなかった』のでな。 少しばかり遊ぶぞ?

三月:え

作者:ああああああ困ります! それは困ります王様! R-18指定になってしまいます!

ギルガメッシュ(天の刃体):騒ぐなと言ったはずだ、雑種! それにR-18、大いに結構ではないか?!

作者:えーと、自分がどうにかなっちゃいそうですのでお止め下さい。 というかハズみから死ねる自信アリですので

ギルガメッシュ(天の刃体):……………今までの仕打ちの鬱憤、『ここ』で晴らせても良いのだぞ?

作者:どうぞ彼女の体をお使いになって下さい

三月:冗談ではない!

作者:良いかな? この世に偶然なんて無いさ。あるのは必然、それだけだ。

三月:……………………………………鳩尾パンチ!

作者:ゴハァオブエェェェェェ?!

鈴鹿:汚な?! もうマジ最悪なんですけどー?!

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