白と黒の世界は夢を見る   作:haru970

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お待たせしました、次話です!

活動報告にも記入した通り、昔作成したままのツイッターアカウントが生きていたので「使ってみようかな?」と(上手く使えるかどうかはさておき)気ままにログインしてみました。

『今更?』と思う方達もいらっしゃると思いますが、良ければフォローなどお願いします。
https://twitter.com/haru9702


第44話 The Chick and Old(en) People

 ___________

 

 ??? 視点

 ___________

 

 クルミが雛鳥を自分の頭の上に『ポス』っと乗せて、三人が暗い夜道の中(右之助の)屋敷へと戻っている途中で簡単に説明する。

 

「────井上昊(織姫の兄)を天馬で瀞霊廷に送り届けた際に怪我をしたこの子を見つけて手当をした後、その場を去ろうとしたらピィピィと鳴き付かれてしまいましたのでこっそりと世話をしていました因みにお風呂場では髪の毛の中に隠していたので────」

 

 普段の彼女には似つかわしくない早口になりながら。

 

「────成程。 母鳥と思われたのかも知れないな」

 

 そんな中、三月はポイちゃんをとにかく撫でまくる。

 

「ピ。ピピ、ピピピ♪」

 

「可愛い~~~~~♡ 小っちゃくてぇ~、温かくて毛もサラサラでフサフサしてるぅ~♡」

 

「良かったですねポイちゃん」

 

「ピィ♪」

 

「…………………(『ポイちゃん』って今考えたんだけど……『ポイ捨て』から取った『ポイ』の事かしら?)」

 

「ピ?」

 

 三月が雛鳥をナデナデしていると、雛鳥が彼女の指にハムハムと甘噛みをしてくる。

 

「(むぅ~、超可愛いんだけど~)」

 「(マジ可愛い! マジかわ! マ! 鬼ヤバ! ハァ~マジ癒される~セルフィー(自撮り)撮らせてぇ~ん☆)」

 

『キィーン』、と耳(脳内?)鳴りが収まったところで三月がイラつきながらも雛鳥────『ポイちゃん』の体を洗う為、彼女はクルミと共にまだ屋敷のすぐ外にいた。

 

「(鈴鹿、急に叫ぶのはやめてね? マジで大声は勘弁して)」

「(メンゴ~。 いやその子可愛くない? 超可愛くない? もうぎゃんかわ♪ この子の目見てきゅんきゅん来ないったら有り得ないでしょ♡)」

「(メ、『メンゴ』? 『ぎゃんかわ』? 『きゅんきゅん』は何となく分かるけど────)」

「(────草生える(www)―。 ミッ(三月)チャンってば結構頑張ってるけどさ、これぐらい分からなきゃテニ王(まだまだだ)ねー☆ そんなミッチャンも好きピだけどさぁー)」

「(???????)」

「(────そもそも髪型もストレート過ぎて捻りが無いから今度は巻いて────」

「(??????????????????)」

「(────あとマジ『普通』は似合わないというかさぁ、アタシもどうかと思うのよ。 それに普段のメイクも雑で────」

「(?????????????????????????????)」

 

 脳裏にペラペラととめどなく、機関銃のように浮かんで来る言葉(聞こえて来る声)に対して、三月はただ困惑に満ちた?マークを出す。

 

「(────あ、さっきから『意味不』の感じぃ? とりま時々アタシを呼び出してよ! 『その気あるある』なら秒で立派なJKに仕立てあげるわよー?)」

「(………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………ま、前向きに考えておきます)」

 

 長~い沈黙の後に三月がおずおずと返事をする。

 

「(かしま~)」

 

 静かになったところで三月は溜息を出しながら近くの屋敷の塀にぐったりと寄り掛かる。

 

「……………………ハァ~……鈴鹿と会話、滅茶苦茶疲れる。 たまに()()()()()()を口走って来るし……助かってはいるけど………………どうしたものか……ハァ~

 

 彼女(三月)にしては珍しく、悩みの愚痴を独りでに零していた。

 

「ではチエ、まずポイちゃんから土とか払うので先に入っていてください」

 

「そうする」

 

 チエが先に屋敷に戻っていると、少し疲れた様子の右之助と(最近までは)またも珍しく雀部無しで来ていた山本元柳斎が居間で一休みしていた所に出くわす。

 

「おおおお! チエ殿、湯加減はどうじゃった?」

 

「まぁまぁだな」

 

「ホッホッホ。 お眼鏡に適わなかったかの?」

 

「いや。 湯は良かったのだが、顔面に桶を投げつけられた」

 

 山本元柳斎の両目が『カッ』と見開いて、立ち上がる彼の後ろの空気が炎になる寸前の蜃気楼状態のように、霊圧で所々歪む。

 

 逆に右之助はニヤニヤと笑顔になっていた。

 

「どこのモノじゃ? ワシが折か────直に『()』をして来ようではないか」

 

「ああ、気にするな重国。 どうやら奴らは私を『男』と勘違いしていただけだからな」

 

「……………………………………………………………………はぇ?」

 

 山本元柳斎が呆気に取られて彼らしくない声を出し、遂に右之助から笑いの予兆が漏れ出す。

 

「プ…………プププ………………」

 

「どうした重国?」

 

「……………………チエ殿は……………『男』では?」

 

「????? ああ、()()()か。 私は『男』と偽ったつもりはないのだが────って、どうした?」

 

 山本元柳斎がここで腰を下ろして頭を両手で抱える。

 

「……………………」

 

「ブワハハハハハ! 山坊のその顔! その顔じゃ! 『サプライズ』は大成功じゃ~! ぎゃはははははは! 烈の奴にも見せたかったわい! うははははははは!」*1

 

 バキッ!

 

 山本元柳斎が爆笑する右之助を殴る。

 

「うげ?!」

 

 そして右之助の胸倉を掴む。

 

「右之助! 貴様、ずっと前から知っておったな?! 何故ワシに言わなかった、この阿呆?!」

 

「アホはそっちじゃ! チエが女だと気付かんお前の方が悪い、この修行馬鹿(脳筋)!」

 

「『強い』に『男』と『女』など関係ない!」

 

「矛盾しておるぞこの耄碌爺が!」

 

「何をぉぉぉぉぉぉぉぉ?! 杖があっても歩けないぐらい殴ってやるッ!」

 

あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛?! うるせえよ、山坊! 酒の無いワシの楽しみと言っては気軽に出来るのはこれぐらいの些細なもんじゃ! それにガキのテメェにやられるほど、ワシはまだ老いぼれていないわい!」

 

「言うか貴様! そもそも()()おかげで良い思いをしているクセに────!」

 

「────それこそ言い出したら()()おかげで何度死に体からお前が復活出来たと────?!」

 

 どんどんヒートアップしていく内に昔の口調に戻り始める山本元柳斎と右之助の言い合いを、チエはただ見ていた。

 

「(う~む……この『びーほるだー』はサラシより胸を潰すのに便利なのだが如何せん、他人が良く勘違いをしてしまうな)」

 

 それだけではないと思う。 By作者(with山田キートンさんボイス)

 

 山本元柳斎と右之助が遂に殴り合いを始め、そのカオスの中に三月とクルミが居間に入ってきて、場が更にカオスと化すまでおよそ5秒。

 

「「ただいま~────あ」」

 

 三月とクルミがボロボロになりかけの山本元柳斎と右之助を見る。

 

 山本元柳斎と右之助が二人をガン見して固まっていた。

 

 というより、クルミの手の中でスゥスゥと可愛い寝息を立てている雛鳥を見ては『ギョ』っと、目玉が飛び出る勢いで(更に)目を見開く。

 

 「「()()()じゃとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ?!」」

 

「ピピピピュイィィィィィィィィィィ?!」

 

 ポイちゃん(燬鷇王)がびっくりしてパタパタと翼を動かし、クルミの両手の中で寝起きながらも暴れ、三月が動じないクルミに振り返る。

 

「…………………………………………え。 何ソレ?」

 

「ですからポイニクス(フェニックス)からとって『ポイちゃん』と僕は名前を付けたつもりなんですけど」

 

 

 あたかも『当然』の言うかのようにクルミが平然と自分の付けた『ポイちゃん』という名前の由来を説明(?)する。

 

 固まる爺二人に、?マークを出す少女二人に、びっくりしてピィピィと鳴き続ける雛鳥一匹。

 

「(う~む、だがこの『びぃほるだー』だけを付けるというのも────)」

 

 そして無反応(関心)のチエだった。

 

 尚、『何時もの喧嘩』が始まって右之助の家の者達は近くで救急箱&担架で待機していた。

 ただ『何時もの喧嘩』の音が急に止まる事はあっても、小鳥のピィピィと鳴き続ける音は流石に不思議に思ったので居間に入ると上記の、駆け付けた彼らにとっては摩訶不思議な光景を目の辺りにした。

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

 翌日、瀞霊廷中に新たな噂が飛び散ったのは言うまでもない。

 

燬鷇王(双極)が生きていた』、と。

 

 2000年の時を生きて来た山本元柳斎と右之助だからこそ、その昔に閲覧した書物に幼い燬鷇王の見た目を見た事があるから『ポイちゃんが実は燬鷇王(の雛鳥)』と分かった。

 

 さて、『どうして双極(燬鷇王)が京楽と浮竹によって散り散りに破壊(爆散)された筈なのに健在なのか?』、というと以下の通りとなる。

 

 双極(燬鷇王)())は『斬魄刀百万本に値する破壊力を秘めている』。

 

 つまり二人(京楽と浮竹)によって『斬魄刀百万本と同等のモノが散り散りになった』。

 

 ただ流石に『天賜兵装(てんしへいそう)』という、最終兵器じみた代物を食らって平気な訳が無く、散り散りになった(本能)レベルの知能しか持ち合わせていない双極(燬鷇王)の欠片がそう長く、自力で持ち堪えられる筈が無い。

 

 勿論『藍染謀反騒動後』のゴタゴタが()()()()()()()()鬼道集と隠密鬼道が必死に『生きている個体』を探す為、瀞霊廷内をくまなく探していたが発見した時は既に遅かった。

 

 悪かったのはタイミング、つまりは『藍染謀反騒動()()』に検索しなかった事。

 

 思い出して欲しいが、クルミは殆どのタイムラグ無しで藍染が去った後、織姫に兄である昊を会わせる為に彼を流魂街から(遮魂膜を破って)瀞霊廷に(無理矢理)連れて来ていた。*2

 

 ただ幸か不幸か、クルミが使役していた天馬は()()()()()での『神の時代』という時から存在する個体で、言わばポイニクス(フェニックス)と同じ『幻想種』。

 

 そしてかなり弱体化しているとはいえ、天馬が同じ『幻想種』に興味を持つのは無理もなかった。

 そこでクルミは弱っていて餓死寸前だった燬鷇王(双極)のまだ生命活動を何とか続けていた欠片を保護した。

 

 これが丁度藍染騒動の終編、クルミが井上昊を織姫に送り届けた直後の出来事である。

 

 尚、ポイちゃん(燬鷇王)(クルミ命名)は瀞霊廷で新たな『双極』として育成する為に様々な要員や職人が来てはクルミから離れさせようとしたが────

 

 ────ピィィィィィィィィ!!!

 

「「────グワァァァァァァ?!」」

「「────イデデデデデデデデ!」」

「「────アチチチチチチチチ?!」」

 

 ────小さな(斬魄刀数本並の)嘴でクルミの元へ戻されるまで追い込まれた獣の如くに暴れ出して、ひたすら其処ら中を無差別に突か(斬りつか)れるか、ボヤ騒ぎになるほどの炎を体全体から常に出すかの状態などが続いた。

 

「うーん……ここはやはり、(クルミ)が世話をし続けるのが道理では?」

 

「ピィ♡」

 

「ですが燬鷇王はそもそも瀞霊廷に所有権が────」

 

 ────ポイちゃん(燬鷇王)がここでそっぽを役員に向ける。

 

「そちらにはこの子を扱える者がいるのですか?」

 

「「「………………………」」」

 

 そして(瀞霊廷の役人達が)あまり納得は出来なかったが、結局はクルミが主に『燬鷇王(ポイちゃん)』の世話を看る事となった。

 

 これによって更なる書類申請と、貴族達への説明を山本元柳斎と雀部(そして以前の事で関係者になってしまい、無理矢理巻き込まれた右之助)が急遽する事に。

 

 そして 『天馬』を操る『天女』は、『“燬鷇王”も自由自在に使役が出来る御方』とかなんとか。

 

「ふぅーん。 災難ですね」

 

「ピィー?」

 

 お前らが言うな。 By作者(キートン山田さんボイス)

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

『燬鷇王、健在』発覚事件から数日後、チエと三月はまたも真っ白な雪国っぽい場所へと来ていて、固まっていた。

 

 別に二人が氷漬けにされたなどという訳では無い。

 ただ単に動きを止めていた。

 

『…………………………………………』

『三月』

『言わないで』

『どうするのだ?』

『だから! なんで私に振るのよッ?!』

『お前の所為ではないのか?』

『違う! と、言いたいけれど心当たりが有り過ぎて断言出来ないぃぃぃッッ!!!』

 

 三月とチエの前には立ち並ぶ滅却師達。

 しかも全員が敬礼をしていた。

 

 これは翌日、クルミが(仕方なく)『ポイちゃん』の世話係役(の説明)の為に山本元柳斎が緊急隊首会を行った同じ日に『見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)』へと戻って来ていた。

 

 以前見た、真っ白な景色に城が見えて来たと思うと、何人かの滅却師が二人に近づき、()()()()()()()()

 

「お疲れ様です! 不肖、我々がお二人を丁重にご案内するよう、ハッシュヴァルト様達から聞かされております! このような身に余る光栄────!」

 

 ガスマスクをした滅却師が延々と膝を地面に付いたまま喋る。

 

 これにチエは無反応だったが、三月は若干引いていた。                         

 

「(え? ちょ、え? き、聞き間違いじゃないわよね?)」

「(アハハハハ! 何こいつマジウケるんですけどー? あたおかー♪)」

 

 そのまま二人は中へと案内されたまま入ると右左に『ビシッ!』、と効果音が出るような敬礼をする滅却師達がいた。

 

「(ど、どういうことなのぉ?)」

 

 そしてユーハバッハの王座があった部屋に入る。

 

「「「「お待ちしておりました」」」」

 

 修理された謁見の間に、(昨日より数はかなり減ってはいたが)星十字騎士団(シュテルンリッター)達と滅却師達がいた。

 

 それが二人(+一人?)の上記の()話までの流れである。

 

『だからどうするのだ、三月』

『分かんないわよ……………』

「(ミッチャンがパニクってる所おもしろ~☆ というかヤバくね?)」

 

 ハッシュヴァルトが前に出て喋り始める。

 

「我々からはまず、感謝の言葉を贈りたいと思います。 渡辺殿達のおかげで今この場にいる者達は『初心』に帰ろうと思っている者や、未だに『自ら他者に害を成そう』と思っていない者達のみ居ります」

 

「………………………………………へ?」

 

「??????????」

 

 三月がチエを見て、同時にチエが三月を見返しながら?マークを出す。

 

「「????????????????????????????????」」

 

 そして共に?マークを無数に出す。

 

「まず、我々は『瀞霊廷putsch(クーデター)計画』を────」

 

「────ブフ────?! (そんなヤバいモノを企んでいたの、こいつら────?!)」

「(────しかも外のすぐそこなんでしょここ(ヴァンデンライヒ)って────)」

 

「(────ヤッベェェェェェェェェェェェェ)」

「(────ヤッベェェェェェェェェェェェェ)」

 

 三月(達)がハッシュヴァルトの言った事で同時に内心がハモリ、肝を冷やす。

 

「???」

 

 チエはただ?マークを出し、ハッシュヴァルトは言葉を続ける。

 

「────この事に賛同しかねない者達はいますが……陛下無き今、実行へと動くのは現時点で、『無謀』としか言えません。 それと…………我々は自身を見つめ直す事にしました。 そこで渡辺殿達に、これからの我々の事に関して────」

 

 先日会った時のように腰の低い(?)ハッシュヴァルトとロバートを見ながら三月は困惑していた所にチエが話しかけ(念話を送っ)た。

 

『…………………どうする?』

F.U.〇.K(ファ〇ク)!!!』

『流石の私でもここで〇〇〇〇(自主規制)は────』

『────違うからボケないで!

『??? お前のほうが年上では────?』

 

 『────くぁwせdrftgyふじこlp!!!』

*1
第24話より

*2
第32話より




もう少しで『破面篇(?)』突入です。

ストックや書き置きが全くない状態ですが。 (汗汗汗汗汗汗

…………………………『自分に出来るかな?』という不安を持ちながらも、頑張って行きたいと思います。
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