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三月、チエ 視点
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そしてとある小学校の入学式にはドレス姿の三月と半袖とズボンのチエ、そして
そして何故か浦原喜助がそばに。
「いや~、本当に奇遇ですね~。 散歩の道に皆サンに会うとは。 はっはっは」
「何と白々しい」
「あ、アハハハ」
「まあ~、それなら仕方ないわよね~」
カラカラと笑う浦原に、彼に苛つくチエ、気まずそうに笑う三月と彼女に似た成人女性。
「しかし、良く出来た
『義魂丸』。 丸薬の形状をしており、肉体に入った時のみ擬似人格を持つ魂魄として作用する特殊な道具。肉体から魂を強制的に抜き取るために用いられる。
また裏技ではあるが
「さぁ、何処でしょうね~? (本当は
三月が受け流すような回答をして、成人女性がぺこりと浦原に頭を下げる。
「初めまして~。『マイ』と申しま~す、以後お見知りおきを~」
おっとりと、のほほんとした『大人の余裕』で成人女性────マイが頭をあげるとそのタワワな胸が動きに『ポヨヨ~ン』と反応するのを浦原はニマァとした顔で見ていた。
「いえいえ。こちらこそッス、マイサン」
彼の視線は勿論顔より下向けだった。
「お? こりゃ珍しいな」
三月、チエ、そしてマイの後ろから声がして三人が振り返るとガタイの良い男性と、長い茶髪が波うっている美人の女性の二人に抱きかかれている黒髪と茶髪の女の子。
そして彼らの間に立っている
「おやおや。 黒崎一家では無いですか。 ご無沙汰ッス、一心サン」
「浦原じゃねーか。珍しいな」
「(ちょ、えええぇぇぇぇぇぇぇぇ?!?! 浦原喜助と黒崎一家って知り合いだっけ?! え?!
三月が無数の?マークを出して、当然のように互いに挨拶をする黒崎一心と浦原喜助を見ながら
が、靄がかかったように上手く思い出せない事に更に?マークを出した。
「お久しぶりです、浦原さん」
「真咲サンも、お元気そうで何より」
「(ちょっっっっっっっと待ていぃぃぃ?! 黒崎真咲も知り合いかよ?! ええぇぇぇぇぇ?!)」
更に?マークを三月が出すが、ある事を思いついた。
「(あれ? じゃあもしかして彼女も
「あ、初めまして~。
マイが黒崎家族に向かってニッコリとしながら三月とチエの二人を紹介する。
「(ま、今考えてもしょうがないか。)初めまして、三月と言います!」
「………………チエだ」
「へぇ~、良い子達ですね」
黒崎一心と真咲がチラチラとマイ達を互いに見る。
「…………マイさん、何か困った事があれば何時でも連絡してくださいね?」
「ありがとうございます、助かります~」
「なぁ、あのへんなぼうしがとうさんなのか?」
「「「ブフッ」」」
少年の何気ない一言で吹き出した黒崎一心、
「ううん、違うわよ?
マイが笑顔を絶やさずに少年に答える。
「君のお名前は、な~に?」
「あ、おれはいちごだ!」
「そうなの~、三月とチエ共々よろしくね~?」
「ああ!」
ニカッとマイに向ける一護の笑顔は眩しかった。
「ウフフフ~」
「(
「…………………………」
「あ、おまえ………めがあかいんだな?」
「……………………」
一護がチエの珍しい眼の色に気付いてコメントすると、チエはただジーっと彼を見た。
「………それで?」
「なんかかっこいい!」
「そうか」
さっきよりどことなく若干緩い雰囲気を出すチエだった(表情は全く変わっていなかったが)。
…………………
………………
……………
…………
………
……
…
そして小学生となった三月とチエはそれなりの日々を過ごしていった。
三月は
チエは三月から教わっていた『物静かな子で文系を思っていたら実は武系だった』の枠を。
まあ、未だに布に巻いた刀を常に持ち歩けば誰にでもその想像は付くが(ただいま竹刀と偽造中)。
「チエ達のかあさんもくるの、あしたのさんかん日?」
そして何故か絡む一護。
「…………そうだ」
「そっか、おれのかあちゃんもきてくれるんだよ!」
「良かったな」
「うん!」
「(眩しい! 主人公補正マジヤバイ! と言うか何気に可愛い!)」
そう内心思いながら三月は周りの子達と話しながら片目片耳で一護とチエのやり取りを見ていた。
尚三月は偶然か意図的にか、長めの金髪を二つ編みにして伊達眼鏡をしていた。
それは俗に言う、『地味な子』と言うイメージに似せていた。
「それはそうと、一護は何故私に逐一報告をする?」
「え? めいわく…だった?」
「いや、そうではない。 そう気落ちするな。 似合わんぞ」
「う~~~~~」
チエが一護の頭を撫でると、彼はムッとした顔を逸らす。
「(何かとチエに突っかかるよね~、一護って)」
そう、今まで数か月間ほどの時が経っている間、一護は持ち前の元気良さで友達が大勢出来ていたにも関わらず、何かとチエ達と話をしに来ていた。
最初は三月にも良く話をしに来ていたが、この頃はチエの方に回数が増えて行ったのは気のせい…………………では無かった。
だが理由まで三月は
三月にはそんな
「(それに案外、彼は
ちなみにチエからすれば────
「(────やはり子供は素直で良いな)」
────と思っていたに過ぎず、先程の行動も『
…………………
………………
……………
…………
………
……
…
「チエは何をしているの?」
一護は何故か古ぼけていた駄菓子屋の中でチョコンと座布団の上で正座をしながら『浦原商店』と書いてあったエプロンを着けていたチエに問う。
「店番」
何故チエがここに居るかと言うと、前回お店に来た際に見た品ぞろいを気に入ったチエに三月が「じゃあここでバイトしたら?」と言う提案から始まった。
チエ自身、これに反対する理由もなく承諾して、交代制で店番をしていた。
「………………楽しいの、それ?」
「ああ」
「「…………………………」」
「一護~! 何ボーっと立って────って、あれ? チエ?」
次に来たのは黒髪に活発そうな少女の『
「有沢か」
「や、だから竜貴で良いって」
どうやってチエが竜貴と知り合ったというと、小学校からの帰り道が
ちなみに竜貴は自身の名前が嫌いで、どれほどかと言うと自分で名前を書く際には常に平仮名で書いている程。
ただこれもチエの何気ない「良い響きで、強そうな名では無いか」という所から徐々に認識が変わりつつあった。
「あ! ねえ聞いてよチエ!
「まあ、有s────竜貴は強いからな」
「強いなんてものじゃねえよ! こいつこの間、中学生の男子に勝ったんだぜ?!」
「中学生の男子に勝つ小学生女子か。 もはや化け物だな」
「おいチエ、表出ろ。 今度こそ決着つけてやる」
「断る。 今は店番中だ」
「そうだよ! 二人が本気出したら店が壊れちまうだろ?! 見た目からもう既にボロボロだし!」
「こんにちは~」
「あれ? 何でここに二人が?」
「あ、マイさん!」
「それに三月じゃん」
チエを迎えに来たマイ達の登場に和む竜貴とジト目の一護。
「な、何?」
「いつも思うんだけど、三月のそのメガネ外したら良いんじゃね?」
「あ、アハハハ」
「そうだよ! そうすればアンタも空手やって、あわよくばチエも引き込んで────」
「────や、だから無理だって。
実はと言うと竜貴とチエは過去に数回既に手合わせをしている。
武系の疑いが元々あった為、竜貴と一護が「一回やってみたら?」という事から始まり、チエは一護や他の男子を倒し、竜貴と手合わせする事に何回かなり、その度に引き分けと終わっている。
しかもチエは竜貴と違い、道場などには積極的に通っていない事がチエ本人の証言から判明してしまったので竜貴は割と悔しかったらしく、そのストレスを一護に発散していた。
マイに愚痴りに来る一護の話によるとだが。
そんな風に笑い合う中、三月は迷い始めていた。
「
日付は6月の月頭で
つまり────
「(────黒崎真咲が
────『原作』で言う、『黒崎真咲』と言う
彼女が死ぬのは6月17日。
一応三月には色々な考えがあったが、もし『助ける』としたら三月の『知っている物語』から物事が外れ始める恐れがある上に『世界の修正力』が更に働きかける恐れがあった。
しかも『原作』での一護が何故あれだけ必死に戦えたかと言うと、過去に大事な人を失ったからこそ、「もう二度とそんな苦しみは嫌だ」と思いながら戦えた。
と、三月はそう解釈していた。
「(メリットは黒崎一家の中心人物を失くさず、あの家族は幸せに笑い続ける事。 デメリットはもし、『物語』のまま一護がソウル・ソサエティへ行くとして
三月がチラッとチエの方を見る。
「(かと言ってチエに協力を仰いで無理矢理成功させたとしても、これが
そして悶々と考えを続ける三月であった。
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三月 視点
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そんな三月がある日、上機嫌になっていた。
「もう
「あううう…………三月
次の日、店番をしていた三月は蒲原商店で暮らす事となった
『
彼女は
彼女は『
普通の人から見ればどこからどう見ても5歳児の少女にしか見えない上にその年相応の行動をしているが、その気になればそこら辺の電柱など鉛筆をへし折るみたいな力を所持している。
ちなみに『原作』を知らない者が読んでいるかも知れないので追記して置くが、浦原喜助は紛うことなき
今ではただの駄菓子屋さんの
「(ハァ~~~ン♡ 漫画で読んで分かっていたけど、ウルルってマジ可愛いくて暖かいよ~! しかも特典ボーナス付きで
この様に遊んでいられるのには訳があった。
それは浦原商店の来客が雨の日はほぼゼロとなるからである。
普段から人気の場所とは言い難く、最近の子供達はどちらかと言うとコンビニなど空調の効いた場所へ行く。
駄菓子屋に行くのは物好きな人か(本業が別の職にある為)超激安の値段設定されているお菓子目当てだけだ。
どのぐらい激安かと言うと普段の6割ほどで、破格のセールプライスである。
「ねえお姉ちゃん────」
「────ハウ♡ (桜ボイスの『お姉ちゃん』呼びの破壊力高過ぎぃぃぃぃ!!!)────」
「────これ、どうしよ?」
ウルルは手に持っていたテルテル坊主を三月におずおずと見せる。
「………………あー、うん。
ウルルがシュンとするのを三月は見逃さなかった。
「────けなかったんだね。 良いよ、お姉ちゃんが吊るしてあげる」
三月はテルテル坊主を手渡されて、浦原商店の前の通りを見渡す。
「(
三月はフワッと
ちゃんとウルルの描いた可愛い顔が見えるように。
「
「……………………」
ウルルがポケ~ッとした顔でキラキラと目を光らせていた。
「(あ、不味い。 気が緩んでいたな、私。 つい何時もの癖で『力』使っちゃった……………微々たるモノだけど)」
三月がストンと地面に降り立つ。
「す────」
「────す────?」
「────凄い、凄~い!」
ウルルにしては大きい声ではしゃいだので三月は唖然としていた。
「いまのどうやったの、ねぇ?! ……………あれ? でもお姉ちゃん、
「ギクッ。 あ~」
?マークを出すウルルに三月は目を泳がす。
「わ、私はね? 実は『
苦し紛れの良い訳に近い言葉で、ウルルの問いに答えになっていなかった。
しかも台詞がほぼ丸パクリであった。
「凄い! ウルルにも出来るかな?」
「で、出来るんじゃないかな? (と言うかこの子、霊力で使いこなせるんじゃないかな? マジで)」
そのように三月はなるべく
そして願っていた。
「
「? お姉ちゃん、どこか痛いの?」
「え? どうしてそう思うんだい?」
「だって泣いているよ?」
三月は何時の間にか泣いていた事に気付き、震えながらウルルを抱き締めていた。
「ごめんね、ウーちゃん。 さっき浮いた時、ちょっとゴミが目に入ったみたい」
それから三月はずっとウルルを静かに抱き締めた。
マルタ:その先は地獄よ
三月:え? ちょ、なんで?
マルタ:私も同じだったから
切嗣(バカンス体):僕のセリフ…
三月:ギク
作者:い、勢いですから! 次話は明日頃、または明後日を予定しております!