誤字報告、誠にありがとうございますコミケンさん!
何時も読んでくださってありがとうございます!
これからも頑張って書き続けたいと思います!
第48話 The New Semester
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黒崎一護 視点
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瀞霊廷にかなりのドタバタや業務の効率化や設備近代化などの、ある種の『革命騒ぎ』と言っても過言ではない事が続いて時間は過ぎて行き、現在は『現世』で夏休みが終わる頃。
つまり一護達の『新学期』が始まる寸前の時で、ついにソウル・ソサエティとの別れの時が来た。
現世組の一護、織姫、佐渡、雨竜は勿論、蒲原と夜一も『双極の丘』の上に現れた瀞霊廷の正式な
「浦原さん達も一緒なのかよ?」
一護はジト目でニヤニヤと開いた扇子の裏で笑っている浦原を見る。
「ま、アタシ達は
「お前相手にそれはねえな」
「あら、それは少し残念」
一護は浦原の冗談を一刀両断したあと後ろを向き、自分達を
そこには護廷十三隊の隊長と副隊長がほぼ全員来ていて、席官達も何名かいた。
その中には勿論
「……なぁ。 また、会えるか?」
一護は幼少の頃からの知り合いの女性二人に声をかける。
一人は
そして最近知ったが
やはりどこかの貴族っぽい名と
今では慣れたが。
「そりゃあね。 今生の別れとかじゃないし」
「と言うか一護氏は泣くのでしょうか?」
「リカは黙っとき」
「そうそう、別に茶々を入れる時じゃないぜ?」
「え? お茶あるのですか? どこ? 喉乾きました」
そして三月の、『プレラーリ家』の
背丈と見た目は『ヌボ~』と冴えない表情と、
八重歯(と関西弁)が特徴のツキミ。
何時の時も表情が落ち着いたクルミ。
そして活発で(かなり)男勝りで
「三月も言ったように、しばしの別れだ」
「ッ……………そう…………だよな」
今度は黒髪赤目の女性に対して、一護はバツが悪いような顔をして目を逸らす。
名を『渡辺チエ』と言い、一護の母である黒崎美咲の命の恩人でもある。
自分とあまり変わらない歳と体で、女性なのに性別の事に対して無関心とも言え、話す相手が男だろう女だろうが大人だろうが間合いが悪いだろうが関係なく、ズバズバと
そして小学生の頃に、自らの命を張ってボロボロになりながらも虚と戦い、自分と母を守ってくれた馴染み。*2
最初に会った彼…………彼女の目を見たとき、ルビーのように赤い目が印象的だったのを今でも鮮明に覚えている。*3
その所為で、無神経な事を子供の頃に尋ねた事も。*4
「どうした一護?」
「あ、いや……何でも、ねえよ」
チエの問いに答えを濁す一護。
そして彼女達と彼のやり取りを聞いた茶渡は何処となく気まずそうな顔をした。
織姫と雨竜の表情は変わらなかったが、織姫は恐らく何の事か分からなかった。
雨竜に関しては、気持ちを胸奥に仕舞い込んだだけかも知れない。
「お前らがそう言うんなら、俺もとやかく言わねえけど……竜貴達にはせめて、近い頃に話をしろよ?」
「…………………………………」
三月が一瞬ポカンとした顔するが、すぐにニヤニヤし始める。
「な、なんだよ? その邪悪な笑みは?」
この笑顔を一護は知っている。
「べっつに~♪」
彼女のこの顔は一護が何かに気付いていない時にする、
「…………………………」
そしてチエのジト目顔は『まだ分からないのか、この馬鹿が』と言いたそうな表情だった。
子供の頃から長年一緒に育ったから、チエの微妙な表情の変化に彼は気付けた。
だがそれらに気付いた所で、一護には理由まで思い至らなかった。
「??? (俺は……何かを見落としているのか?)」
「一護君!」
「浮竹さん?」
集まった隊長達には浮竹の姿もあり、一護の手にドクロを描いたような絵馬を手渡される。
浮竹曰く、その物体は『死神代行戦闘許可証』(通称『代行証』)はソウル・ソサエティの死神代行に対応した法律で、ソウル・ソサエティに有益だと判断された場合に渡される代物らしい。
「…………………じゃあな、ルキア」
「……ああ」
尚、朽木ルキアは『原作』とは違った体験をして来たが、やはり『原作』同様にソウル・ソサエティに残る事になった。
色々な事があり、それらと向き合うつもりだそうだ。
「では皆サン!
浦原が勢いよく
最後に、一人になった一護は自身も飛び込む前にもう一度後ろを見る。
さっきまでしていた元気な顔は何処に行ったのか、彼の表情は今にでも泣きそうで切ないモノだった。
このような気持ちになったのはかつての雨の日で必死に助けてを求めた以来で、自分がどれほど無力な存在と感じた時以来。*5
一瞬一護は口を開き、迷うが、数秒後に口を閉じる。
『お前らも来ないのか?』
そう彼は言いたかったが今声を出したらみっともない声が出てしまうと、彼が感じたから躊躇して止めた。
数秒後、彼は無言で前へと向き直して
「ハァ~」
一護はトボトボとした足取りで、黒崎家へと空座町の暗い道を歩いていた。
これはさっきまで断界の中をまたもや拘突に追われて全力疾走した体で気分がだるく感じていた事も理由に入っていたが、それよりも────
「────柚子と花梨にタツキ達やマイさんに
そう、一護が悩んでいたのはソウル・ソサエティにかなり溶け込んで残った三月とチエの事である。
何せ一人は『隊長代理』に任命され、もう一人は家族の活躍で有名人になった上に、『多才』と言う事が知れ渡った『
一護は現世の知人たちにどう説明すればいいのか迷った。
しかも今回はルキアが連れ戻された時のように記憶を弄られてはいないので、彼女の場合と違って皆はまだ覚えている筈だ。
『まぁ……マイさんならある程度事情を又もや知っているかもしれないが、以前のように』、と一護は道端にあった小石を蹴りながらそう思ったが。*6
「よっと」
一護は久しぶりとさえ感じとれる
「
────ノックをしようとして、部屋の中からコンに全く似合わない、気弱な声が聞こえてきたので、一護は窓を開ける。
入ると俯せにベッドに伏せていた(一護の体に入った)コンの姿が見えた。
「と言うか窓のカギ開けっ放しにするなよ、不用心だな」
「あ゛あ゛あ゛、ヤベェ~。
「コン……お前、大丈夫か?」
ここまで気の滅入ったコンを、一護は初めて見て本気で心配をし始める。
何せルキアを連れ戻しにソウル・ソサエティへと旅立つ日までは『ヒャッホウー! 人間の体を堪能するぜベイビー! マイさんのシフトは何時かな~♡』と息巻いていたのだから。
そして体を起こし上げたコンの顔を見て一護は『ギョッ』とする。
コンの顔は真っ青で、疲労の影が抜けきっていなかった様子で、虚ろな目で一護を見ていた。
「おお~、一護がいる幻覚だぁ~」
「お、おい。 お前どうし────」
「────次は~、
どこかゲス やらしい顔をしたコンに、とうとうイラついた一護が顔に蹴りを入れる。
ここでコンの意識が覚醒したのか、痛む鼻を抑えながらやっと焦点の合った目で一護を再度見る。
「一護?! と言う事は姐さん────!」
コンが辺りを見渡し、ルキアがいない事に?マークを出す。
「あれ? 姐さんは?」
「
「……そうか…………………う…………うううぅぅぅぅ」
コンが突然泣き始めた事に一護がまたもびっくりする。
「お、おい────おわぁ?!」
一護にコンが抱き着いて涙と鼻水でグショグショになった顔で頬擦りをする。
「────俺死ぬかと思ったんだぞ一護この野郎?! 良く帰って来たな!」
「泣いたまま抱き着くな! 鼻水も擦りつけるな! ていうかあれだけイキがっていたのにどうしたんだ?! マイさんと会えて嬉し────い゛?!」
マイの名を聞いた瞬間、コンは『スッ』とハイライトの消える目と重~い空気を出しながら一護を見上げた。
何時もチャラチャラしているコンとは程遠い様子だった。
「ぼく、まいさんのしゅぎょうもうやだ」
ついに言語が幼稚化したコンで、色々と察する一護だった。
主に昔、チエに『武術の教え』と言う名の『なぶり殺し』の日々がフラッシュバック風に一護の脳裏を過ったと言えば伝わるだろうか?
「…………お前も苦労したんだな。 分かるぜ、その気持ち」
そして泣きじゃくるコンをあやしてから彼の体を探し出すと、コンが元々入っていたライオンのぬいぐるみはボロボロだった。
どれ程かと言うと、コンが動き出した瞬間に綿がポロポロと零れ落ち、プラスチックの目が糸一本でどうにか繋がっていたその様子は一護に、何某『生きる屍達の晩』と言う映画を連想させた。
ぶっちゃけると一護が思わず無言でドン引きするほど。
「引くなよテメェ!」
「いや、すまん……というか、どうしたんだそれ?」
そしてコン曰く、何故かぬいぐるみが浦原商店のジン太が持っていて、頑なに手放したくなく、
その説明の間にも綿はドンドンと漏れ出していき、ライオンのぬいぐるみフォルムが崩れていく。
「マイさんに修行をさせられていて、初めて『良かった』と俺は思ったぜ。 でなきゃやられていたな────って、まだ引くのかよテメェは?!」
コンは部屋の隅まで引いていった一護に叫ぶ。
「いや……何言っていいか分かんねぇから……………後で石田かマイさんに────うおあぁ?!」
一護がまたも『マイ』と言った瞬間に生気(?)が更にコンから抜けていくのを一護が見て慌て、一体どんな事が起きればこんなコンになるのか地味に気になった一護だった。
何とかコンをなだめて就寝しようとしたその夜、彼はボーっとしながら久しぶりのベッドの感触を背中に感じながら天井を見上げて────
『(────ったく、情けねぇヤツだなテメェはよ?!)』
「ッ!」
一護の目が見開いて、彼は寝返りを打ち、枕をヘルメットのように、又は心の中から来た声を遮る為に耳を力強く塞いで目を閉じる。
『(────ギャハハハハ!ガキみたいにこわがってやんの!)』
「(き、消えろ!)」
『(────声がドモっているぜぇ~一護ぉ~?)』
「(消えろ! 消えろ消えろ消えろ消えろ消えろ消えろぉぉぉぉぉ!)」
『(ギャハハハハハハハハハハ!)』
そう強く一護が念じている間に、体や精神的疲れがやっと追いついたかのように、彼の意識は微睡みの中へと消えていく。
…………………
………………
……………
…………
………
……
…
新しい新学期が始まった次の日、一護が気の抜けたまま学校へ登校する。
かつての日常へと戻った事に、実感が未だに湧かずに。
「イーチー────ゴッフゥ?!」
「おう」
反射的に一護は猛烈な朝の挨拶をしてくる
「おはよう、一護」
「おーす、水色」
「おっはよう、黒崎君!」
「……………………ん」
「おう。 おはよう、井上にチャド」
「相変わらず能天気な髪形で何よりだ」
一護はただ雨竜を無言で睨み、復活した浅野がギャアギャアと騒ぐ。
「なんで?! 何何何何何?! 何なのお前ら?! 急に距離が近くなっていない?!」
一護は浅野を無視した事によって、浅野は更にギャアギャアと騒ぐ。
モニュン。
「グッモーニングヒ────!」
モニュン、モニュン。
「ひゃあ?!」
ゴス。
「────メ゛?!」
後ろから織姫の胸部を鷲掴みにした千鶴を、竜貴が文字通り彼女を蹴飛ばす。
「あんたは一年中サカリっ放しね」
「オフコース!」
「千鶴、鼻血を拭きな」
「ぁ」
一護が竜貴を見て、少し気まずく目を泳がせる。
「おす一護、
竜貴と言う『
「(コン……………お前……………ほんっっっっっとうに苦労したんだな)」
「てかさ、あんた達聞いた?」
「あ? 何を────?」
「────おはよう、竜貴」
「おはよう、タっちゃん!」
「おう!
一護は後ろから聞こえた声へと振り向く。
胸がよくわからない気持ちいっぱいになりながら。
そこにはこんなにも早く再開するとは思わなかった馴染みの
彼は自分がどんな顔をしていたのかも分からなかったし、今は気にもしていなかった。
「お、お前ら……何で『
「ん? 何の話だ?」
一護の思わず出た問いに、チエが反応する。
「だって……お前ら……残って……」
そこで一護は悪戯っぽくニヤニヤしていた
「て、テメェ三月…………知っていたな?!」
「えー? ミッちゃん、何の事か分っかんなーい☆」
三月の
「とぼけんなよ?! 海に突き落とすぞテメェ!」
「ヤメテ、ソレダケハカンベンシテオネガイシマス」
まるで一護に処刑宣言をされたかのように、三月は青ざめながら言葉が
彼女にしてはかなりの豹変ぶりで、同じく幼少からの付き合いがあった竜貴がびっくりする程。
「ちょっと一護、今のは────?」
このタイミングで教室のドアが開き、担任の越智先生が入って来た事によって生徒達は自分の席へと移動する。
その間、竜貴はチラッと席に座り時に横目で一護のズボンポケットからはみ出ていた
「おーし! 皆揃って居るなー?! 今日はそんなお前らに素敵なお知らせだ! 転入生
ビビビビビビビビビビビ!
『ホロウ! ホロウ! ホロウ!』
「ぬお?!」
またもタイミングを計らうかのようにけたたましい音が一護のポケットの中にあった代行証から発されて彼、織姫、茶渡、そして雨竜がそれぞれ反応する。
「よーし、じゃあ一人ずつ────」
「────越智せんせーい。 クモを発見したので、窓を開けて逃がして良いですかー?」
「ん? ああ、
「────だから『成長中』です────!」
「────ああ、ハイハイそうね。 窓くらい開けなー」
「はーい」
三月が立って近くの窓を開けると同時に
これによってクラスメイトの殆ど、及び担任は本能的に目を一瞬だけ瞑る。
その間に三月は片手を銃の形にして狙いを澄まし、
「いや~凄い風だったなー。 良し。 じゃあ一人目、入って来てくれ!」
「あ、あのぉ……他の方達も今、来ましたけど────」
「────お! そいつぁ良かった!」
「で、ですがその間にお一人、何処かに行っちゃいました……」
教室の外から担任の誘いに帰って来たのは、何処か遠慮している少女の声だった。
「え………………取り敢えず、一人目入って挨拶をしてくれ」
明らかに何処か行った転入生を探す気のない担任の声で、恐らくは先程の声の持ち主がおずおずと入って来る。
「「「「ッ?!」」」」
この入って来た
ジン太:そういやマーの姉貴がつけたこの『訓練』って何だろうな?
ウルル:わ、分からないよ
ジン太:俺も頼もうかな?! そうすりゃ、今より────!
テッサイ:────骨は拾いますぞ
ジン太/ウルル:え
テッサイ:私があと50年若ければお供したというのに……悲しい事です
ウルル:…………………………や、やめたほうがいいと思うよジン太
ジン太:…………………………だ、だな