白と黒の世界は夢を見る   作:haru970

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三日連続投稿ぉぉぉぉぉぉ!

楽しんで頂ければ幸いです。


第52話 Unternehmen Panzerfaust

 ___________

 

 ??? 視点

 ___________

 

 さて。

 少々長くなる過去の話だが、チエ&三月側がどうやって『現世』に戻っていたのを説明する為には時間を少し巻き戻そう。

 

 場所と時は『双極の丘』の上で、一護達が穿界門(せんかいもん)を通った直後。*1

 

 そして穿界門(せんかいもん)()()()()()()()状態。

 

「「「「「…………………???」」」」」

 

 本来なら穿界門(せんかいもん)は異常や例外が無い限り、長く開いている事など無い。

 

 全く閉まる気配の無い門を不思議に思っていた隊長達と山本総隊長をそっちのけで、雀部がチエに近づき、何かの袋を渡す。

 

「ではこれを『あちら』へお持ちになって行って下さい」

 

「うむ。 苦労を掛けるな、雀部副隊長」

 

「いえ」

 

「じゃ、()()()()?」

 

「おう! しっかり掴まっていろよ『メロンパン(雛森)』!」

 

「へ?」

 

 三月の掛け声でカリンがキョトンとしていた雛森を担ぎ────

 

 

 

「「「「「んな?!」」」」」

 

 

 

 ────三月達と担がれた雛森がそのまま一気に穿界門(せんかいもん)の中へと飛び込んで、隊長達とルキアがビックリする。

 

「隊長ぉー! 現世からのお土産お待ちしていまーす!」

 

「私もお菓子(お土産)を待っていまーす!」

 

「僕は別にお土産は要りませんが、良い土産話をお待ちしています」

 

 五番隊の席官三人衆(平塚、櫃宮、田沼)にチエが一瞬振り返った。

 

「そうか。 ではまたな、重国」

 

 二千年前の最後に聞いたようなセリフを言い、チエが穿界門(せんかいもん)に飛び込んでところで門が閉じる。*2

 

 さっきまで吹いていた風が収まった瞬間、辺りは皮膚がチリチリとする程に空気から湿気が無くなっていった。

 

 この異様な現象の発生源は、体に纏った霊圧が炎の如く渦巻いていた山本元柳斎だった。

 

「「(これは少々不味いな/ね)」」

 

 今の山本元柳斎の感じが、浮竹と京楽の二人を同時に少し前の『双極破壊』後の怒り具合を連想させていた。

 

 「雀部長次郎副隊長よ、何か弁明はあるかの?」

 

 そこには『激怒』状態の山本総隊長がいた。

 額の十字傷が青筋のように浮かんで。

 

 だがそんな姿の総隊長に臆する事無く、雀部は一つの文を出した。

 

「ここの許可証に、山本隊長の判子が御座いますが?」

 

「許可証じゃと? 貸せ

 

 山本元柳斎が許可証を受け(ぶん)取って、それを読み始める。

 そして判子は確かに山本元柳斎の物だったが、書類は見た覚えの無い物だった。

 

「???? (はて? 『()()()()()()()()』等という重要な届出書をワシが覚えていないほど老いて────)」

 

 彼が少し考えに浸ると、とある一つの出来事が脳裏に浮かんだ。

 いつもなら他人に助けなど頼まない彼だからこそすぐ思い出せて、すぐに自分のやった事に気付く。*3

 

「…………………………………………………………………のぅ、ささk────?」

 

「────駄目です」

 

 さっきの様子とは180度一転した、弱弱しい山本元柳斎の言葉を雀部が(一刀両断す)る。

 

「あの……………ワシ、まだ何も言っておらんのじゃが────?」

 

「────駄目です」

 

 ピシャリと取り付く島もない雀部だが、山本元柳斎は諦めなかった。

 

「ワシ、ちゃんとノルマ越して来たじゃろ?」

 

「そうですね」

 

「頑張ったじゃろ?」

 

「ええ、確かに」

 

「じゃあワシ、ちょっと視察に────」

 

「────駄目です

 

「いや、じゃからあくまで偵察────」

 

「────総隊長自らが、しなくても良い任かと存じ上げますが?

 

 ここでそろそろ冷や汗を無数に流し始める山本元柳斎。

 

「(ニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤニヤ)」

「え? え? え? ここでか? ()()でも見れるのか?」

 

 そしてとうとう他人(他の死神達)の前で『オフ』状態の『山じい(元柳斎先生)』を見ながら裏表共々笠帽子の下からニヤニヤし始める京楽と、戸惑いながら秘かに喜ぶ浮竹。

 

 ここでメタな電球が……………

 

 ではなくロウソク型電球に光が『ジジジ!』という効果音と共に彼の頭の上で灯る。

 

「そう言えばチエ殿の姉妹である……『クルミ』と言ったかのぉ? あ奴から譲り受けた紅茶が茶の間に────」

 

「────ええ、大変良いブレンドですね。 美味()()()

 

 山本元柳斎の頭の上にあったメタ的なロウソク型電球の光が雀部の言葉によって『フッ』と消える。

 

「「…………………………………………………………………………」」

 

 シュバッ!

 バチバチバチバチバチバチ

 

 長い沈黙の後、山本元柳斎が瞬歩を使う際とほぼ同時に雀部が空に向かって雷を撃つ。

 

 そして数秒後に未だに『双極の丘』でポカンとしていた隊長達、及び他の死神達に以下の()がギリギリ聞こえて来た。

 

 『『『『『『『確保ぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!』』』』』』』

 

 『し、しもたぁぁぁぁぁぁ?! 偽の穿界門(せんかいもん)に気を取られるとは不覚────は、離せぇぇぇぇぇ!!!』

 

 これにより雀部以外の死神達は、各々が別のリアクションをとる。

 

 何せ殆どの者が初めて見る&聞こえる山本元柳斎の言動が、余りにも何時もの様子からかけ離れた『愉快なお爺ちゃん』になっていたからだ。

 

「ぷ……ぷぷ……げ、元柳斎先生……」

 

「元柳斎殿……」

 

「そ、総隊長が……」

 

「ンフフフ~♪ ()()()だからねぇ~。 でも山じい、穿界門(せんかいもん)の正偽が見破られない程、あの娘の後を追いたかったのかい?ま、気持ちは分からないでも無いけどさ

 

 かつての処刑場だった丘の上に、ルキア奪還時に感じていたピリピリとする空気はどこにも見当たらなかった。

 

 

 

 同時刻で場は断界内へと変わり、走っているのは一護達ではなく先程のチエ達だった。

 

「おおおお?! スゲェ所だな、オイ?!」

 

「時間があればもっとゆっくり────へぶ?!」

 

 ベシャ!

 

 リカが何も無い所でコケて、顔面を打つ。

 

「ほら。背中に乗ってください、リカ」

「ピピピ♪」

 

「恩に着ます、クルミにポイちゃん。 でも意外ですね、貴方が他人の心配をするなんて」

 

「いえ、このままだとあの煙の列車(拘突)に追いつかれてしまいますから。 というか何を背中に『正に』と言わんばかりに飛び乗るんです?」

「ピッ!」

 

 クルミが平然と答えた事に対し、彼女の頭の上に乗っていたポイちゃん(燬鷇王の雛鳥)が『ドヤァ』とふんぞり返る。

 

 ただ雛鳥ゆえにその姿は『威厳』というよりも『威嚇』に近かった。

 

 この愛らしいしぐさをカリンはジッと走りながら横目で見ていた。

 

「え? ちょっとカリンさん?! わ、わた、私には業務が! と言うかチエさんも────?!」

 

「────()()()()()()()()()()

 

「…………………………………………………………………はへ?」

 

 雛森は流石に山本総隊長の名が出てくるのを想像もしていなかったのか、頭が一瞬真っ白になった。

 

 というかまたも変な気の抜けた声が出た。*4

 

「抜けるぞ!」

 

 ここでチエと三月の二人が走るのをやめて、クルミ、クルミに背負われたリカ(&乗っていたポイちゃん)、ツキミ、そしてカリンと彼女に担がれていた雛森が横を通る。

 

「皆! 先に行っていて!」

 

「私も三月もすぐに追いつく」

 

「────ぁ」

 

 雛森が何かを言いたそうな顔をするが、カリンが出口に飛び込む事でその場から消える。

 

「三月、早くしろ」

 

「無茶言わないで! リハ無しぶっちゃげ本番なんだからね?!」

 

 三月が宙の歪から様々な物体を出しては戻していった。

 

「あれでもないこれでもないそれでもない────もの多すぎよ、金ピカの奴!」

 

 三月がブツブツと言っている間にチエは何かに気付く。

 

「来たぞ、三月!」

 

「あった! 『Engage(エンゲージ) Portal(ポータル)』!」

 

 三月が何かの杖を取り出し、断界の地面(?)を叩く。

 

 そうすると地面が抉られたかのように凹み、飛び上がった『地面だったモノ』が『門らしきモノ』へと形を変える。

 

「『Gate open(ゲート オープン)』!」

 

 三月の掛け声と共に『門らしきモノ』が開き、強く流れる風と小石などの小さな物が()共に中から飛び出す。

 

 それから数秒後、()()()()()()()()()が次々と出て来ては断界の中を不思議に見渡す────

 

「────早く出ろこの阿呆共────」

 

「「「────のわぁぁぁぁぁ────?!」」」

 

 ────見渡す前にチエに無理矢理出口へと投げ出される。

 

 そして拘突が三月にも目視出来るほど近くに来た距離で、少々傷ついたロバートと彼に肩を貸しているハッシュヴァルトの姿が門の中から現れる。

 

「これにて全員です、『皇女殿下』────」

 

 「────そんなんええから早よ出ろやお前ら!」

 

 三月の切羽詰まっ(イラつい)た声と方便と拘突の光でロバートに肩を貸したハッシュヴァルトの二人が三月に押されて出口を出る。

 

「『Gate close(ゲート クローズ)』!」

 

 三月が杖を地面から無理矢理引き離し、門が崩れ始めるのを確認してから出口に振り返る。

 

 だが門が完璧に崩れる前に()()が門を通過して、出口へと飛び出る三月に着弾────

 

「────ガハッ────?!」

 

 ────訂正しよう。

 三月は夜の空座町の宙に出て落ちていきながら、自分の()()()()()()脇腹を見る。

 

「(今のは『何』? 『必中』? 『防御無視』? おじさんの『起源弾(魔術礼装)』に似ていたけど違────)────ぶえ?!」

 

「どこまで落ちる気だ、戯け」

 

 そのまま空座町の地面と情熱的なキス(にロープ無しのバンジージャンプ)をしそうな三月をチエが首根っこを掴んで止める。

 

「って、何で皆して私の首根っこを掴むのよ?!」*5

 

「??? 猫の親はそうしているぞ?」

 

「私は猫じゃないわよ?!」

 

「…………………では(大河)の────」

 

 フシャアァァァァァ!!!」

 

 三月が自身の治療中に反論(威嚇?)をチエは無視しながら地上へと降り立ち、場所は夜の空座町。

 

 一護や竜貴の家から空須(からす)川を挟んだ、椿台(つばきだい)公園の木々の中で『見えざる帝国』の滅却師達は先に現世に出ていたカリン、クルミ、ツキミ、リカ(+キョトンとしてウロウロしている雛森)が彼らに何かを渡しながら現状&現世の説明をしていた。

 

 その間、持っていた拳銃と剣をしまい、木々の中から夜の空座町を見ていたロバートとハッシュヴァルトにチエと三月が降り立つ。

 

「どうだ、現世は?」

 

「………………我々の知っている時代より、()()変わってますね」

 

「ええ。 それにこの『外部霊子収集圧縮装置』は目を見張るべき物ですね」

 

 ハッシュヴァルト達がチエに答えながら、掌の中にあった()()()()()()らしきオブジェをしみじみとみる。

 

『外部霊子収集圧縮装置』とはその名の通り、外部にある霊子を収集し続けるという代物。

 

 三月が眼鏡(雨竜)との共同作業中に創っていたモノで、かつての試作(魔術礼装)のアイデアをベースにしていた。*6

 

 ただしこちらは『()()()()()()()()()()』という機能ではなく、『外部にある原子(霊子)を収集する』という所謂、正反対の機能を持つ物だった。

 

「そうよ! 創った私でも、結構良い出来だと思うもの!」

 

 三月が誇らしく「フフン!」とドヤ顔+(未だにほぼ無い)胸を張る。

 尚脇腹の治療は終えたが破けた服はそのままだったので、彼女の雪のように白い脇腹が露出していた。

 

「(この娘、やはり利用価値がありますね)」

 

 ロバートが眼鏡についた土を出したハンカチで取り払いながらそう思った。

 

「…………………………………………」

 

 対してハッシュヴァルトは目を逸らした。

 

 頭を空っぽにして。

 

 その間、『穏健派』及び『中立派』の滅却師達に空座町の事をチエ達(というかまたも丸投げされた三月達)がする。

 

 その間、雛森はチエのそばを一切離れずに、何かを聞きたそうな視線を送っては逸らすという行動(ループ)を続ける。

 

「何だ、桃?」

 

「ハワ?! ………………えっと、総隊長の任とは────?」

 

「『現世での駐屯地、及び拠点の確保と下調べ』だ」

 

「そ、そうですか? それと…………この人達は何ですか? チエさん達のお知り合いか────?」

 

「────『滅却師』だ」

 

 雛森の目が見開く。

 

「く、く、く、『滅却師』?! で、で、でも! 彼らは確か、二百年前に────?!」

 

「(ほぅ。 雛森はやはり博識だな)」

 

「────あ? 誰だこいつは? なーんか冴えねえ野郎だな」

 

 目を白黒していた雛森達に近づいてきたのはキャンディス。

 

「フーン……地味ね」

「でもミニーは~、頭のお団子は可愛いと思うの~」

「オレはキャンディと同感で『冴えねえ野郎』と思う」

「でもボクの直感が言っているよ? 『この子はちょっと着飾ったら化ける』って」

 

 次々と来る『バンビーズ』(バンビエッタ、ミニーニャ、リルトット、そしてジゼル)に囲まれて五人の感想にタジタジとする雛森は、出来るだけ近くに居たチエの背中に隠れようとする。

 

「ああ、それには私も同意だ」

 

「はぇ?!」

 

 チエの何気ない一言で雛森が本日二回目の変な声を出す。

 

「「「「「…………………」」」」」

 

「お~い! さっさと移動するぞテメェら!」

 

「行くぞ────」

 

「────ぁ」

 

 呆けそうになった雛森の手をチエが引く。

 

「……あの二人の関係なんだろう?」

「『兄妹』、とかと思うけど~? (。´・ω・) ?」

「それにしちゃあ、小さい方は余所余所しかったな」

「別に何でも良いじゃねえか」

「そうだね♪ キャンディなら三人でも四人でもイケるものね♪」

「あ″?! やんのかジジ、テメェ?!」

「嫌よ、こっちから願い下げだもんねぇー」

 

 バンビエッタ、ミニーニャ、リルトット、そしてケンカ腰になるキャンディスとジジのやり取りから前方で歩いている三月、ロバート、ハッシュヴァルトの三人に景色が変わる。

 

「それで、『こっち』に来た滅却師達は合計何人ほどいますか?」

 

「我々も入れて総勢数十名ほどです。例のモノと服も十分足りていますのでご安心を」

 

「……………それで何人亡くなりましたか?

 

 三月が後ろを見て、傷の負った滅却師がボロボロになった負傷者の手当てをしている様子を見ながら小声で聞く。

 

「深い傷を負った者や、負傷者などは出ましたが『皇女殿下』達の采配で少なくとも()()()死者は出ていません」

 

「…………………そ。 (良かった)」

 

 ロバートの言葉に三月がホッと胸を撫でおろし、彼の呼び方に未だ気付いていなかった。

 

 三月が立てた計画は一護達が『現世』に帰る時のドタバタを利用する事で、先ずは出来るだけ護廷十三隊が独自の戦力底上げを出来るように色々と企画。

 

 だがそれには自分とチエ()()では限界があると思い、『クルミ』と言う成功例があったので()()()()を呼ぶ事にした。*7

 

 何せ自分の知っている『原作』を、より良い結果にする事に『二人』はあまりにも少なかった。

 

 特に相手が『藍染』という、用心の上に用心しても尚用意周到な人物(化け物)で、目的の為ならば容易に数百年の時間と、数千────否、下手すれば()()の『命』を平気で自身の野望の為に使()()()と言う様な化け物(人物)相手では。

 

 その過程で()()()予期せぬ出来事や、予想していたより大きな変化などは在ったが。

 

 例えば『雛森』とか。

『阿散井恋次』とか。

『朽木白哉』とか。

『右之助』とか。

『ポイちゃん』とか。

『山本元柳斎』とか。

 とかとかとか。*8

 

「(と言うか最後のヤツを一番予期していなかったわよ?!)」

 

 三月が内心愚痴るが、頭を振って次の段階へと考えを移す。

 

 取り敢えず、上記の事と並行し『見えざる帝国』の(今の所)協力的な『穏健派』と『中立派』の滅却師達を『現世』に連れて来る為に『金ピカ(ギルガメッシュ)』の蔵から道具を借りて(拝借して)、滅却師の居る『影の領域』から直接『断界』を経由して『現世』へと避難させた。

 

 尚、『現世』にいるマイに頼んで滅却師達の住居は確保済みと確認が取れている前提での作戦だった。

 

 この際に開いた転移門を合図に、『穏健派』と『中立派』が『銀架城』の自爆装置を起動し、急遽非難する。

 

 といっても、『影の領域』とソウル・ソサエティの間には時間差があるのでぶっつけ本番の上に全員が避難出来るまで転移門を守る必要があった。

 何せ追手が門を通過すれば避難先がソウル・ソサエティではなく『現世』と悟られてしまうからだ。

 

 二つの協力的な派閥の中で実力者であるハッシュヴァルトが盾役に、そして「敏捷に自信がある」と言ったロバートがかく乱役へと二人が志願した。

 

 ちなみにこの移動方法については浦原の転移装置がインスピレーションの元となっていたのを三月は認めたくはなかったが、状況的にやむを得なかった。

 

 そして概ね想定通りに事が進んだ事で『タカ派』を無理矢理全滅せずに、かつ穏健派と中立派は『現世』へと避難出来た。

 

 その上『瀞霊廷クーデター計画』の為に築き上げた『銀架城』という拠点を失う事により『タカ派』は瀞霊廷に攻め込みたくとも()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「ですが宜しいのですか?」

 

「ん? 何が?」

 

 ハッシュヴァルトの問いに三月が?マークを出す。

 

「我々の住居の事です『皇女殿下』」

 

「ああ、それなら私達のいるアパート────って、『()()殿()()』?」

 

 三月は自分に指し、ロバートが『さもありなん感』たっぷりで頷く。

 

「…………………………なんでさ?」

 

「いえ、次なる『滅却師達の国』のトップであれば────」

 

「────え。 パス」

 

「左様ですか。 残念です、貴方様ほどの実力者ならばと思ったのですが────」

 

「────あら~、凄い団体さんね~」

 

 やっとアパートの近くに着くとマイペースでおっとりなマイの声にチエ達は彼女の姿がはっきりと見えた。

 

 そこには何某メディアでよく出てくる(出ていた?)『アパートの管理人(割烹着エプロン)(竹箒無しバージョン)』姿をしたマイだった。

 

「少々見ないうちに『ふぁっしょん』を変えたか、マイ?」

 

「……え? その姿は?」

 

 平常運転のチエと疑問に満ちていく三月。

 

「……ふむ、私の名はロバート・アキュトロンと言います」

 

「ユーグラム・ハッシュヴァルトです」

 

「あら~、礼儀正しくて嬉しいわ~。 私は『マイ・プレラーリ・渡辺』よ~」

 

「……なんかぁ~、『イラ』っとするわねぇ~ (#^ω^)」

 

「「「「お前が言うな」」」」

 

 ミニーニャの言葉に周りのバンビーズがツッコんだ。

 

「よ!」

 

「あ~、カリンちゃん達も来ていたのね~♪ 久しぶり~」

 

()()()()()()()そうなりますね」

 

「そやな~」

 

「えっと……住居は確保しているって言ったわよね? 夜遅いけど、今からでも住み込む事は出来る?」

 

「ええ、問題ないわ~。 何せ()()()()()()()()()()()もの~。 書類も()()()()のを作っておいたわ~」

 

「流石マイですね」

「ピィ」

 

「え、ちょっと待って。 『書名済み』って……その姿で『まさか』と思ったけど────」

 

「────ええ、(マイ)がここのアパートの『管理人代理』を務めているわ~」

 

「え」

 

「だからみ~んな()()()住めるわよ~?」

 

「え」

 

「食材足りるかしら~?」

 

 

*1
第48話より

*2
第2話より

*3
第40話より

*4
第40話より

*5
作者の他作品より

*6
作者の別作品、『天の刃待たれよ』より

*7
第23話より

*8
第23から40話より




作者:余談ですが前の話とこの話の題名は実際に起こった第二次世界大戦の作戦名です

平子:そんなんええから早よ俺等の話に行かんかい?!

作者:だから頑張っているでしょうが?! 仕事とかリアルとか説明不足が大変なんだよ!

ひよ里:さいですかー

作者:クッ……お前ら、覚えていろよ

平子/ひよ里:……………………………………え

前作品の『バカンス取ろう』と『天の刃待たれ』の作品などを読まなくても、『気ままにバカンス』は楽しめていますか?

  • 楽しめる
  • 両方とも事前に読むことを推薦
  • 『バカンス取ろう』を先にに読むことを推薦
  • 『天の刃待たれ』を先にに読むことを推薦
  • それよりも文章量が短かすぎる
  • それよりも文章量が長すぎる
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