あと、気になるところなどがありますのでアンケートを出しています。 ご協力をお願いします。
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リルトットが
相変わらず口をモグモグと動かしてバターと、マーマレードがたっぷりと塗られたライ麦パンを頬張りながら。
「(『代謝障害』ってのも、案外と『上手い言い訳』を考えたものだな。 おかげでいつでもどこでも食べていても、文句を言われなくて済むぜ)」
『代謝障害』とは『正常な代謝の過程が乱れている状態』の事で、何故リルトットがところ構わずに物を食べられるかを、周りからの質問に
しかしこれはあながち『嘘』ではなく、彼女の『滅却師としての力』とは別の『能力』から由来するデメリットで、それは『常時お腹が空く』状態。
勿論、この『能力』の事をチエ達に伝えた訳ではないのだが、『現世』に来た夜の晩餐の際に彼女が自分と同じ体型である三月と同等(もしくはそれ以上の量)のお代わりをリルトットが食していたので、体の調子を聞かれた。
何せ彼女も他の滅却師達と同じ『外部霊子収集圧縮装置』を持っている筈なので、霊視濃度の薄い『現世』に来た事により滅却師としての能力は
その時、リルトットはただ────
「………………
────とだけ短く、ぶっきらぼうに答えた。
「(チッ、オレの能力の嫌な所だぜ。)」
彼女は更に事情を追及される事を予想し、多少身構えたが────
「────あ、そうなんだ。 うーん、どうやって言い訳しよう────?」
「────『代謝障害』。 という『設定』はどうでしょう?」
「あ、それ良いわねリカ! というかすぐに出たわね?」
「まぁ、『
「……ああ、なーるへーろそー。」
余談ではあるが三月の脳裏に浮かんだのは今もなお存在する『
そしてそのままの流れで食卓はせっせと進んでいった。
まるで気にも留めていない事に、リルトットは不思議な感じのままその夜を過ごし、次の日『チエが男ではない』事に気落ちするミニーニャを慰め、
「なんか……変な気分だな。」
「へ? 何か言ったリルちゃん?」
「別に。 なんでもねえよ。」
リルトットのボソリとした独り言に気付いたミニーニャの質問に対し、彼女はそっぽを向いた。
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『渡辺』三月、『渡辺』チエ、『
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「ンゲッ。(わ、忘れてたぁぁぁぁぁぁ!
「お?」
「???」
場所は一護の1年3組の教室。
そして黒板には『
つまりは
「助平の『平』に~、
平子は『原作』と違い、頭と首に包帯をしていた。
先日
「うおーい。 平子君、文字が逆だよ逆ぅー。」
「「「「「(ツッコミ所がそこだけじゃないと思う越智
頭を下げながらサラリと下ネタっぽい平子の自己紹介に、彼の逆に書いた名前に対してだけ担任の越智先生がコメントした事に、クラスが内心ツッコむ。
「(フム。 まさか平子の奴が転入してくるとはな。)」
平子が自己紹介を続ける中、平常運転のチエが彼の視線を辿る。
「(………………そして井上の胸を見るか。 変わらないな、奴も。)」
その間、浮かない顔と共にボーっと遠い目をする一護を三月は互いに横目でチラッと見た。
「(うーん、取り敢えず
「よろしゅうな、黒崎くん♪」
「(あれ? あの人……今、こっちを見てもっと笑った?)」
平子は座る際、横目で同じクラスのチエと三月、そして雛森を見ては笑みが深くなった事に疑問を持つ雛森。
一護の隣に座る平子に対し、滅却師組が第一感想を思う。
「(チャラ男。)」
「(多少のファッションセンスはあるようだけど、自己紹介と髪型が『アレ』じゃあね~。)」
「「(
「(あー、早く終わんねぇかなぁー。
「(ほぅ。 この男もマークすべきですね。)」
上から(今度はカツサンドをハムハムと食する)リルトット、ミニーニャ、上がってくる暴力的衝動を押し込むジゼルとバンビエッタ、
「(恐らく今夜辺りに一護と接触するつもりね、『
『
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一護 視点
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その夜、一護は何時も通りに死神代行証の探知した虚を討伐して空座町に
「ったく、俺は黒崎一護! 死神代行! ほら、代行証!」
「……『代行証』ぉぉ? そんなもの見た事も聞いた事もないわ!」
「ハァ? (っかしいな。 浮竹さんが言っていたように、死神化以外に全ッッッ然役に立たねえじゃねえかコレ?)」
「あんまり騒ぐなや、
「ッ!? な────?!」
一護が後ろを向くと、空中に立っていた平子が
「ひ、平子?! それにそれ……斬魄刀なのか?!」
「シィー。 一護、お前のその霊圧を先にどうにかせえ。
昼に会った時とは全然違う『圧』を持った平子の言葉に、一護は冷や汗を流す。
「ぎゃ、『逆探知』って……誰にだ? 誰がだ?!」
「………………ホンマ、鈍い奴やっちゃなぁー。」
この二人を見ていた善之助は心底、あまりにも
「……チッ、さっそくお出ましかいな────」
平子が舌打ちをしながらげんなりと一護から視線を外す。
「────平子……テメェ、何者だ?!」
「『何者』って………………んじゃあ、解かりやすくここで質も~ん。 『
そこで平子が
これを見ては様々な事が一護の脳裏を駆け巡り、彼の喉がカラカラになる。
「お前、俺を今、『何者』やと聞いたやろ? つまりはこういう事。
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石田雨竜 視点
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雨竜はその夜、コンビニで買った
「……………………ッ!」
そして僅かな違和感を感知し、真後ろから来た攻撃を避ける。
「やはり虚!」
回避した際に振り向いた雨竜は空間を裂いて現れた、ベロらしき物が長い虚に驚愕する。
「空間を割ってきた?
雨竜はさっそく
「(こいつの霊圧、やはり
雨竜は懐から小さな銀色のカプセルのような物を取り出して虚へと投げつけ、
「『|大気の戦陣を杯に受けよ《レンゼ・フォルメル・ヴェント・イ・グラール》』、 『
小さなカプセルが『霊子の柱』を宙で作成し、彼を追っていた虚の腕を
「(能力を失う前に霊力を流し込んでおいた『
驚きながら肝が冷えていく雨竜は目の前の虚の腕が新たに生えてくるのを見ては、次の策を練る。
近くの木々を行き来して、糸を張り巡りさせる。
「(これで、その巨体が仇に────)────上半身が消えた、だと?」
虚の下半身だけがあった事に雨竜の思考が一瞬止まるが、彼は後ろから来る霊圧で瞬時に理解する。
「(分離、いや元々
そこでちょうど
雨竜は矢野北方向を見て、予想してもいなかった人物に顔が驚愕へと変わる。
「────無様だな、雨竜」
「あ、あんたは……
雨竜の視界に現れたのは白い髪に白いスーツに眼鏡の『石田竜弦』。
黒崎真咲が以前、『竜ちゃん』と呼んでいた
「実の父親を呼び捨て……か。 相変わら────」
「────■■■■■!」
虚が自分の撃ち抜かれた舌に対して雄叫びをあげ、竜弦が険しい表情で虚を睨む。
「うる────」
「────うっさいよお前!」
「「え」」
竜弦が弓を構えたと思った瞬間、その場に似つかわしくない
「■■■■■!」
「お前もや!
次に下半身のフリをしていた虚を、少女はもう片方の指の先から撃ち出した
「……ハ?! 私は、何を?!」
少女は自分のやった事を後悔しているかのように、頭を抱えながら地面に
ここで口がポカンと開いていた雨竜が少女の名を口にする。
「……
竜弦はズレた眼鏡を掛け直す。
「ほぅ。 君が
「え? う、『噂に聞いた』って誰から?」
頭を抱えていた『渡辺三月』が、竜弦の言葉に彼を見上げた。
「
「え″。」
「だが君の事は後だ。 まずは
「……何故あんたが、あんなに毛嫌いしていた滅却師の能力を────?!」
「────だからお前は馬鹿なのだ。 私が『興味が無い』と言ったのは別に、『私にその能力が無い』という訳では無い。 その点、
「僕を見下す為にわざわざ来たと言うのか?」
「愚か者が。 お前の失った能力、元に戻せると言いに来たのだ。」
「な────?!」
「────嘘だと思うか? 事実だ、『コレ』にかけてな。」
竜弦が銀で出来た、五角形のペンダントを取り出す。
「
「そうだ。 お前の祖父、そして私の先代だった『石田宗弦』から全ての力と技術を継承し、『石田家、最後の滅却師』と名乗る事を許されたのが
「……能力を戻す条件は何だ?」
「お前にしては話が早いな。 滅却師の能力を取り戻したければ、死神に関わらないと誓え。 そして────」
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一コン 視点
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さて、『原作』では死神化して間もない一護から逃げ延びたグランドフィッシャーが新たな力を手に入れ、一護に逆恨みをした挙句(一護の体に入った)コンをこのタイミングで追いかけまわしていた。
だがとある『
ならばコンは怯える事無く、夜の空座町をエンジョイ出来るかと言うと────
「うおあああぁぁぁぁぁぁ?!」
────『そうでも無かった』、と付け加えよう。
一コンは全力で空座町の市街地を駆け出していた。
ビルとビルの屋根たちを飛んで。
「なんだよなんだよ、なんなんだよ?! 俺が何かしたってのかよ?!」
そして逃げの一手の一コンを見ては虚が笑いながら後を追う。
「フハハハハハ! 逃げろ逃げろ、
「うおおおおおおおお! 俺はぁぁぁぁぁぁ! 一護じゃ、ねぇぇぇぇぇ!!!」
一コンが生死のかけた鬼ごっこを始めて数分、虚は
何せ今の場所は人間がいる市街地ではなく
まわりにあるのは水と、川沿いにある道路、。 して民家だけ。
「終わりとするかの。 ん?」
そう虚が言った瞬間、前方に立ち止まった一コンの姿が見えた。
「観念したかぁぁぁぁ────!」
キィン。
「────ぁえ?」
耳を劈く様な、或いは薄い金属製の鈴が鳴るような音と共に、虚の視界がズレ始める。
「あ″あああ″あ″あ″あ″?! オデの顔がぁぁぁぁぁ?!」
「うるさい、黙れ────」
「────チエさん!」
一コンが自分を通り過ぎた死神の姿をしたチエに振り向き終わり、彼女のそばには消えてゆく虚の姿があった。
「無事か、コン?」
「もうそりゃ、チエさんのおかげで!」
「すまなかったな。 桃が手放してくれてなかったので、『
「『代わり』?」
場が一瞬チエの居た部屋に戻ると、『絶対に離さないッッッ!』という勢いで誰かの胴体を力一杯に抱きながら寝る雛森の姿。
ちなみにその『誰か』は、顔が青色に変わっていくカリンだった。
「いや~、相変わらず凄い斬術ッスねぇ~。 さすが現役♪」
「『さすが現役♪』って、俺あての嫌味か浦原?」
「滅相もありません! 『ロートル』だと一言も────♪」
「────本音漏れてんぞコラ。」
コンが聞こえてきた浦原の声と、
「え? な? へ? な、なんでアンタが『その格好』をしてんだよ?!」
「あ? 『なんで』って、そりゃあ…なぁ、浦原?」
「いえいえ、そこでアタシに振られても♪」
暗い空座町でコン達が見たのは浦原喜助と、
「あ、アンタ……死神────?」
「──── 一心殿か。」
「へ。」
呆けるコンを横に、一心がチエに対してムッとする。
「だから『一心』で言いつってんだろ? ガキの頃から見た目だけ変わりやがって」*3
「そうか………………どうした? 私をジーっと見て?」
一心がボリボリと首を掻く。
「あー、お前が『
「真咲に言いつけるぞ。 それに私は『代理』だ。」
「だからなんでお前らは真咲に逐一報告するんだよ?! 俺が何をしたって言うんだよ?!」
「マイとの一件後、真咲に頼まれたからな。 自分に聞くしかあるまい。」*4
「ウグッ……過去の浅はかな俺を殴りたいッ!!!」
「ハッハッハ! 相変わらず
「だって
浦原に逆切れする一心に対し、浦原はただ目を逸らす。
「二人して何故ここに来た?」
チエの指摘に浦原と一心は黙り、一コンは互いの者達を見ている間に空気がピリピリしていくのを感じる。
やがてその緊張感を保つのが疲れたのか、一心が頭を横に振ると場が和らぐ。
「チ……ヤメだ、ヤメ。 これで貸し借り一つなしだぞ、浦原?」
「ガクッ。 そこはもう少し粘ってくださいよ、一心サン!」
「無茶言うなこの野郎! 20年ぶりに死神化したんだぞ?! 戦闘ならともかくよぉ────」
「────私に、何か話があるのか?」
ワイワイし始める
「相変わらずド直球な奴だな…」
「ま、そこまで察しているのなら手っ取り早く済ませましょうか♪」
そこで浦原は一心の補足もあり、『
『
そして浦原と一心によれば、
「────恐らく
「『奴』?」
「……『藍染惣右介』っス。 アタシの見立てでは恐らく、『
「つまりは……なんだ?」
浦原と一心を見ながらチエが聞く。
「……皆が、動き出しますよ?」
「み……『皆』って?」
ここで空気同然になっていた一コンが思わず声を出し、視線を集める。
「……『
つまりは『
浦原がその言葉を言い放ち、チラッとギリギリ視界の外側で見えた月光の反射で何かが『チカッ』と光った方角を、珍しいモノを見るかのように目を細めた。
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??? 視点
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場は同時刻、浦原が見た光の反射の本元。
そこには迷彩柄の軍服を着た滅却師が数人、双眼鏡を構えて耳にインカムをしていた。
「はい、アキュトロン様の予測通りです……ええ、
活動報告も恐らくこれから利用すると思います。