白と黒の世界は夢を見る   作:haru970

56 / 193
お待たせしました、次話です。

あと、気になるところなどがありますのでアンケートを出しています。 ご協力をお願いします。


第54話 関西、眼鏡、そして一コン

 ___________

 

 ボブ金髪(リルトット) 視点

 ___________

 

 リルトットが最近(前話)の出来事を思い出しながらテンションダウンしたミニーニャと興奮するジゼル&バンビエッタを見る。

 

 相変わらず口をモグモグと動かしてバターと、マーマレードがたっぷりと塗られたライ麦パンを頬張りながら。

 

「(『代謝障害』ってのも、案外と『上手い言い訳』を考えたものだな。 おかげでいつでもどこでも食べていても、文句を言われなくて済むぜ)」

 

『代謝障害』とは『正常な代謝の過程が乱れている状態』の事で、何故リルトットがところ構わずに物を食べられるかを、周りからの質問に理由(設定)としていた。

 

 しかしこれはあながち『嘘』ではなく、彼女の『滅却師としての力』とは別の『能力』から由来するデメリットで、それは『常時お腹が空く』状態。

 

 勿論、この『能力』の事をチエ達に伝えた訳ではないのだが、『現世』に来た夜の晩餐の際に彼女が自分と同じ体型である三月と同等(もしくはそれ以上の量)のお代わりをリルトットが食していたので、体の調子を聞かれた。

 

 何せ彼女も他の滅却師達と同じ『外部霊子収集圧縮装置』を持っている筈なので、霊視濃度の薄い『現世』に来た事により滅却師としての能力は()()弱体化しているとは言え、()()()()()()()()()()()()三月と同じ量を食べるのは異常以外のなんでもない。

 

 その時、リルトットはただ────

 

「………………()()()()()()()()()なんだよ、オレは」

 

 ────とだけ短く、ぶっきらぼうに答えた。

 

「(チッ、オレの能力の嫌な所だぜ。)」

 

 彼女は更に事情を追及される事を予想し、多少身構えたが────

 

「────あ、そうなんだ。 うーん、どうやって言い訳しよう────?」

 

「────『代謝障害』。 という『設定』はどうでしょう?」

 

「あ、それ良いわねリカ! というかすぐに出たわね?」

 

「まぁ、『()()』の事もありましたから。」

 

「……ああ、なーるへーろそー。」

 

 余談ではあるが三月の脳裏に浮かんだのは今もなお存在する『以前の世界(天の刃待たれ)』で身についた、『小柄な体型にしては暴力的な食欲あり』の自分。

 

 そしてそのままの流れで食卓はせっせと進んでいった。

 

 まるで気にも留めていない事に、リルトットは不思議な感じのままその夜を過ごし、次の日『チエが男ではない』事に気落ちするミニーニャを慰め、()()()()()興奮するジゼルとバンビエッタを宥めようとした(効果はあまり見られなかったが)。

 

なんか……変な気分だな。

 

「へ? 何か言ったリルちゃん?」

 

「別に。 なんでもねえよ。」

 

 リルトットのボソリとした独り言に気付いたミニーニャの質問に対し、彼女はそっぽを向いた。

 

 ___________

 

 『渡辺』三月、『渡辺』チエ、『渡辺(雛森)』桃、『穏健&中立派』滅却師組 視点

 ___________

 

ンゲッ。(わ、忘れてたぁぁぁぁぁぁ! ()()ハプニングがまだあったんやぁぁぁぁぁぁぁ!!!)」

 

「お?」

 

「???」

 

 場所は一護の1年3組の教室。

 そして黒板には『二真平子(じんしこらひ)』と書かれた名前。

 つまりは()()()()()である。

 

「助平の『平』に~、小野妹子(おののいもこ)の『子』ぉ~、真正包茎(しんせいほうけい)の『真』に~、辛子明太子(からしめんたいこ)の『子』で~、『平子真二』でぃーす」

 

 平子は『原作』と違い、頭と首に包帯をしていた。

 先日()()()()()()時に出来た傷である。

 

「うおーい。 平子君、文字が逆だよ逆ぅー。」

 

「「「「「(ツッコミ所がそこだけじゃないと思う越智サン(先生)。)」」」」」

 

 頭を下げながらサラリと下ネタっぽい平子の自己紹介に、彼の逆に書いた名前に対してだけ担任の越智先生がコメントした事に、クラスが内心ツッコむ。

 

「(フム。 まさか平子の奴が転入してくるとはな。)」

 

 平子が自己紹介を続ける中、平常運転のチエが彼の視線を辿る。

 

「(………………そして井上の胸を見るか。 変わらないな、奴も。)」

 

 その間、浮かない顔と共にボーっと遠い目をする一護を三月は互いに横目でチラッと見た。

 

「(うーん、取り敢えず平子達(仮面の軍勢)が来たのは一旦置いとくとして………あの調子じゃ、一護は眼鏡(雨竜)の事を織姫に言われてから確認して、気負いしているみたいね。 全部が全部、自分(一護)の所為じゃないのに。)」

 

「よろしゅうな、黒崎くん♪」

 

「(あれ? あの人……今、こっちを見てもっと笑った?)」

 

 平子は座る際、横目で同じクラスのチエと三月、そして雛森を見ては笑みが深くなった事に疑問を持つ雛森。

 

 一護の隣に座る平子に対し、滅却師組が第一感想を思う。

 

「(チャラ男。)」

「(多少のファッションセンスはあるようだけど、自己紹介と髪型が『アレ』じゃあね~。)」

「「(陛下(チエ)に色目使ったらブッチKill(キル)ッッッ。)」」

「(あー、早く終わんねぇかなぁー。 ()()()()()ー。)」

「(ほぅ。 この男もマークすべきですね。)」

 

 上から(今度はカツサンドをハムハムと食する)リルトット、ミニーニャ、上がってくる暴力的衝動を押し込むジゼルとバンビエッタ、()()()()()()()を考えるキャンディス、そして平子を警戒するハッシュヴァルトだった。

 

「(恐らく今夜辺りに一護と接触するつもりね、『仮面の軍勢(ヴァイザード)』は。 と、言う事は…)」

 

 『()()』が()()()()へと入る事に、三月は考え込む。

 

 

 ___________

 

 一護 視点

 ___________

 

 その夜、一護は何時も通りに死神代行証の探知した虚を討伐して空座町に()()()()()()ルキアより前の地区担当でアフロをした死神、『車谷善之助(くるまだにぜんのすけ)』に絡まれていた。

 

「ったく、俺は黒崎一護! 死神代行! ほら、代行証!」

 

「……『代行証』ぉぉ? そんなもの見た事も聞いた事もないわ!」

 

「ハァ? (っかしいな。 浮竹さんが言っていたように、死神化以外に全ッッッ然役に立たねえじゃねえかコレ?)」

 

「あんまり騒ぐなや、()()()()♪」

 

「ッ!? な────?!」

 

 一護が後ろを向くと、空中に立っていた平子が()()()を手にしている姿を見る。

 

「ひ、平子?! それにそれ……斬魄刀なのか?!」

 

「シィー。 一護、お前のその霊圧を先にどうにかせえ。 ()()()、されるで?」

 

 昼に会った時とは全然違う『圧』を持った平子の言葉に、一護は冷や汗を流す。

 

「ぎゃ、『逆探知』って……誰にだ? 誰がだ?!」

 

「………………ホンマ、鈍い奴やっちゃなぁー。」

 

 この二人を見ていた善之助は心底、あまりにも自分が居た(ルキアが来る前の)頃と町の様子が変わった事に、空座町担当へと『戻った』事を後悔していた。

 

「……チッ、さっそくお出ましかいな────」

 

 平子が舌打ちをしながらげんなりと一護から視線を外す。

 

「────平子……テメェ、何者だ?!」

 

「『何者』って………………んじゃあ、解かりやすくここで質も~ん。 『()()』、なーんや?」

 

 そこで平子が()()()から出したのは白い、()()()()だった。

 

 これを見ては様々な事が一護の脳裏を駆け巡り、彼の喉がカラカラになる。

 

「お前、俺を今、『何者』やと聞いたやろ? つまりはこういう事。 

 

 

 

 

 

 

 

()()()()()()♪」

 

 

 ___________

 

 石田雨竜 視点

 ___________

 

 雨竜はその夜、コンビニで買った安売り(期限間近)の弁当を買って、夜道を歩いていた。

 

「……………………ッ!」

 

 そして僅かな違和感を感知し、真後ろから来た攻撃を避ける。

 

「やはり虚!」

 

 回避した際に振り向いた雨竜は空間を裂いて現れた、ベロらしき物が長い虚に驚愕する。

 

「空間を割ってきた? 大虚(メノスグランデ)か!」

 

 雨竜はさっそく安売り(期限間近)弁当を捨てて現れた虚の攻撃を躱しながら近くの公園内へと逃げる。

 

「(こいつの霊圧、やはり大虚(メノスグランデ)の類? ……良いだろう! 滅却師の能力を失くした今を、僕は想定していなかった訳じゃない!)」

 

 雨竜は懐から小さな銀色のカプセルのような物を取り出して虚へと投げつけ、()()し始める。

 

「『|大気の戦陣を杯に受けよ《レンゼ・フォルメル・ヴェント・イ・グラール》』、 『聖噬(ハイゼン)』!」

 

 小さなカプセルが『霊子の柱』を宙で作成し、彼を追っていた虚の腕を()()()()()()する。

 

「(能力を失う前に霊力を流し込んでおいた『銀筒(ぎんとう)』を使えば────)────『超速再生(ちょうそくさいせい)』か?!」

 

 驚きながら肝が冷えていく雨竜は目の前の虚の腕が新たに生えてくるのを見ては、次の策を練る。

 

 近くの木々を行き来して、糸を張り巡りさせる。

 

「(これで、その巨体が仇に────)────上半身が消えた、だと?」

 

 虚の下半身だけがあった事に雨竜の思考が一瞬止まるが、彼は後ろから来る霊圧で瞬時に理解する。

 

「(分離、いや元々()()────)────しま────!」

 

 そこでちょうど()()()()が、雨竜を襲っていた虚の伸びていた『舌』を打ち抜く。

 

 雨竜は矢野北方向を見て、予想してもいなかった人物に顔が驚愕へと変わる。

 

「────無様だな、雨竜」

 

「あ、あんたは……竜弦(りゅうけん)?!」

 

 雨竜の視界に現れたのは白い髪に白いスーツに眼鏡の『石田竜弦』。

 

 黒崎真咲が以前、『竜ちゃん』と呼んでいた眼鏡(雨竜)の実父である。*1

 

「実の父親を呼び捨て……か。 相変わら────」

 

「────■■■■■!」

 

 虚が自分の撃ち抜かれた舌に対して雄叫びをあげ、竜弦が険しい表情で虚を睨む。

 

「うる────」

 

「────うっさいよお前!」

 

「「え」」

 

 竜弦が弓を構えたと思った瞬間、その場に似つかわしくない()()のイラついた声がして、虚は縦に()()()()()()()で一刀両断され、石田親子は二人とも呆気にとられる。

 

「■■■■■!」

 

「お前もや! 家族(親子)の再会に茶々を! 入れるなぁぁぁぁ!」

 

 次に下半身のフリをしていた虚を、少女はもう片方の指の先から撃ち出した()()()()()で撃ち抜く。

 

「……ハ?! 私は、何を?!」

 

 少女は自分のやった事を後悔しているかのように、頭を抱えながら地面に(うずまく)る。

 

 ここで口がポカンと開いていた雨竜が少女の名を口にする。

 

「……()()さん?」

 

 竜弦はズレた眼鏡を掛け直す。

 

「ほぅ。 君が()()()()()『渡辺』とやらか?」

 

「え? う、『噂に聞いた』って誰から?」

 

 頭を抱えていた『渡辺三月』が、竜弦の言葉に彼を見上げた。

 

真咲(一護の母)から()()と、な。」

 

え″。」

 

「だが君の事は後だ。 まずはバカ息子(雨竜)からだ。 半端な滅却師の能力を持って、慢心して、その能力を失った愚息からな。」

 

「……何故あんたが、あんなに毛嫌いしていた滅却師の能力を────?!」

 

「────だからお前は馬鹿なのだ。 私が『興味が無い』と言ったのは別に、『私にその能力が無い』という訳では無い。 その点、お前(雨竜)には『才能が無い』。 この違いが分かるか?」

 

「僕を見下す為にわざわざ来たと言うのか?」

 

「愚か者が。 お前の失った能力、元に戻せると言いに来たのだ。」

 

「な────?!」

 

「────嘘だと思うか? 事実だ、『コレ』にかけてな。」

 

 竜弦が銀で出来た、五角形のペンダントを取り出す。

 

滅却十字(クインシー・クロス)?! それに……それは先生の────?!」

 

「そうだ。 お前の祖父、そして私の先代だった『石田宗弦』から全ての力と技術を継承し、『石田家、最後の滅却師』と名乗る事を許されたのがこの私(石田竜弦)だ。」

 

「……能力を戻す条件は何だ?」

 

「お前にしては話が早いな。 滅却師の能力を取り戻したければ、死神に関わらないと誓え。 そして────」

 

 

 ___________

 

 一コン 視点

 ___________

 

 さて、『原作』では死神化して間もない一護から逃げ延びたグランドフィッシャーが新たな力を手に入れ、一護に逆恨みをした挙句(一護の体に入った)コンをこのタイミングで追いかけまわしていた。

 

 だがとある『()()()()()()()』によりグランドフィッシャーは撃退され、消滅している。*2

 

 ならばコンは怯える事無く、夜の空座町をエンジョイ出来るかと言うと────

 

「うおあああぁぁぁぁぁぁ?!」

 

 ────『そうでも無かった』、と付け加えよう。

 

 一コンは全力で空座町の市街地を駆け出していた。

 

 ビルとビルの屋根たちを飛んで。

 

「なんだよなんだよ、なんなんだよ?! 俺が何かしたってのかよ?!」

 

 ()()()()()()()()()()()()()()、グランドフィッシャーとは違う、斬魄刀らしき物体を背負い、仮面が半分外れた虚が一コン(一護の体に入ったコン)を追っていた。

 

 そして逃げの一手の一コンを見ては虚が笑いながら後を追う。

 

「フハハハハハ! 逃げろ逃げろ、()()()()! さもなくば食うぞぉ?!」

 

「うおおおおおおおお! 俺はぁぁぁぁぁぁ! 一護じゃ、ねぇぇぇぇぇ!!!」

 

 一コンが生死のかけた鬼ごっこを始めて数分、虚は()()()()()

 

 何せ今の場所は人間がいる市街地ではなく()()

 

 まわりにあるのは水と、川沿いにある道路、。 して民家だけ。

 

「終わりとするかの。 ん?」

 

 そう虚が言った瞬間、前方に立ち止まった一コンの姿が見えた。

 

「観念したかぁぁぁぁ────!」

 

 キィン

 

「────ぁえ?」

 

 耳を劈く様な、或いは薄い金属製の鈴が鳴るような音と共に、虚の視界がズレ始める。

 

「あ″あああ″あ″あ″あ″?! オデの顔がぁぁぁぁぁ?!」

 

「うるさい、黙れ────」

 

「────チエさん!」

 

 一コンが自分を通り過ぎた死神の姿をしたチエに振り向き終わり、彼女のそばには消えてゆく虚の姿があった。

 

「無事か、コン?」

 

「もうそりゃ、チエさんのおかげで!」

 

「すまなかったな。 桃が手放してくれてなかったので、『()()()』を用意するのに手間取った」

 

「『代わり』?」

 

 場が一瞬チエの居た部屋に戻ると、『絶対に離さないッッッ!』という勢いで誰かの胴体を力一杯に抱きながら寝る雛森の姿。

 

 ちなみにその『誰か』は、顔が青色に変わっていくカリンだった。

 

「いや~、相変わらず凄い斬術ッスねぇ~。 さすが現役♪」

 

「『さすが現役♪』って、俺あての嫌味か浦原?」

 

「滅相もありません! 『ロートル』だと一言も────♪」

 

「────本音漏れてんぞコラ。」

 

 コンが聞こえてきた浦原の声と、()()()()()()()()()()にびっくりする。

 

「え? な? へ? な、なんでアンタが『その格好』をしてんだよ?!」

 

「あ? 『なんで』って、そりゃあ…なぁ、浦原?」

 

「いえいえ、そこでアタシに振られても♪」

 

 暗い空座町でコン達が見たのは浦原喜助と、()()姿()の黒崎一心だった。

 

「あ、アンタ……死神────?」

 

「──── 一心殿か。」

 

「へ。」

 

 呆けるコンを横に、一心がチエに対してムッとする。

 

「だから『一心』で言いつってんだろ? ガキの頃から見た目だけ変わりやがって」*3

 

「そうか………………どうした? 私をジーっと見て?」

 

 一心がボリボリと首を掻く。

 

「あー、お前が『()()()()』なんて羽織っているからチョイとな?」

 

「真咲に言いつけるぞ。 それに私は『代理』だ。」

 

 「だからなんでお前らは真咲に逐一報告するんだよ?! 俺が何をしたって言うんだよ?!」

 

「マイとの一件後、真咲に頼まれたからな。 自分に聞くしかあるまい。」*4

 

「ウグッ……過去の浅はかな俺を殴りたいッ!!!」

 

「ハッハッハ! 相変わらず真咲さん()に尻を敷かれていますねぇ、一心サン♪」

 

「だってアイツ(マイ)、真咲の性格と雰囲気をそのまま金髪ロングにして更に巨乳なんだぞ?! 男なら誰でもチョイといたずらしたくなるじゃん?! 不可抗力だッ!!!」

 

 浦原に逆切れする一心に対し、浦原はただ目を逸らす。

 

「二人して何故ここに来た?」

 

 チエの指摘に浦原と一心は黙り、一コンは互いの者達を見ている間に空気がピリピリしていくのを感じる。

 

 やがてその緊張感を保つのが疲れたのか、一心が頭を横に振ると場が和らぐ。

 

「チ……ヤメだ、ヤメ。 これで貸し借り一つなしだぞ、浦原?」

 

「ガクッ。 そこはもう少し粘ってくださいよ、一心サン!」

 

「無茶言うなこの野郎! 20年ぶりに死神化したんだぞ?! 戦闘ならともかくよぉ────」

 

「────私に、何か話があるのか?」

 

 ワイワイし始める二人(浦原&一心)をピシャリとチエが止める。

 

「相変わらずド直球な奴だな…」

 

「ま、そこまで察しているのなら手っ取り早く済ませましょうか♪」

 

 そこで浦原は一心の補足もあり、『破面(アランカル)』の話をし始める。

 

破面(アランカル)』。 それは『虚の上位種』とも呼べる存在で、普通の虚と違って『斬魄刀』を持つ虚。

 

 そして浦原と一心によれば、破面(アランカル)になっていく自然発症の存在()は長らく瀞霊廷でも確認されていたが、さっきの個体の『()()()』で二人はある確信をした。

 

「────恐らく()は、破面(アランカル)()()()から『真の破面(アランカル)』を創り出そうとしているんだろう。」

 

「『奴』?」

 

「……『藍染惣右介』っス。 アタシの見立てでは恐らく、『()()()()も絡んでいるでしょう。 でなければ虚が自然にあそこまで()()()()()()()()()()()()()()っス。」

 

「つまりは……なんだ?」

 

 浦原と一心を見ながらチエが聞く。

 

「……皆が、動き出しますよ?」

 

「み……『皆』って?」

 

 ここで空気同然になっていた一コンが思わず声を出し、視線を集める。

 

「……『仮面の軍勢(ヴァイザード)』、アタシ達、そしてソウル・ソサエティ。

 

 

 

 

 

 

 

 つまりは『()()()』ですよ。」

 

 浦原がその言葉を言い放ち、チラッとギリギリ視界の外側で見えた月光の反射で何かが『チカッ』と光った方角を、珍しいモノを見るかのように目を細めた。

 

 

 ___________

 

 ??? 視点

 ___________

 

 場は同時刻、浦原が見た光の反射の本元。

 

 そこには迷彩柄の軍服を着た滅却師が数人、双眼鏡を構えて耳にインカムをしていた。

 

「はい、アキュトロン様の予測通りです……ええ、情報(ダーテン)にあった『人工破面モドキ』でした。 いえ、我々聖兵(ゾルダート)だけでも対処できますが……それと、やはりあの()()()()()侮れません……はい、では撤収致します。」

 

*1
第6話

*2
第5話より

*3
第6話より

*4
第15話より




活動報告も恐らくこれから利用すると思います。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。