白と黒の世界は夢を見る   作:haru970

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若干長めです。


第61話 力VS力、そしてホバー機能を得る

 ___________

 

 現世組、死神組 視点

 ___________

 

 ルキアは大量に汗をかいていた。

 

 それは決して夜なのに夏の残り火のような蒸す暑さのせいではなく、目の前で余裕の笑みを浮かべたグリムジョーの放つ霊圧からだった。

 

「(なんだ、こ奴は?! 破面(アランカル)…………にしては、さっきの奴(ディ・ロイ)とはケタ違いだ! 本当に同じ種族か?!)」

 

「ッ?! 朽木────!」

 

 急に茶渡が自分を押し退けたとルキアが思えば、素早く動いたグリムジョーの貫手が茶渡の右腕を()()していた。

 

「────ぐああああああ?!」

 

「雑魚は引っ込んでろ。」

 

「茶渡?!/チャド?!」

 

 グリムジョーが腕を振るい、茶渡が近くの塀に叩きつけられる前にルキアが移動────

 

「グッ、ふ…かく…………(こ奴の速さと実力……次元が違う…)」

 

 ────する前に、またも高スピードで動いたグリムジョーの腕が近くのルキアのお腹をえぐっていた。

 

「へ。 テメェも()()な。」

 

「ルキア?! テメェェェェェェェ!!!」

 

 一護が怒りをあらわにし、グリムジョーは逆に笑みを浮かべたままだった。

 

 ガシッ!

 

「なッ?! だ、誰だ?!」

 

 一護の肩を、誰かががっしりと掴んで彼がびっくりする。

 

「熱くなるな、一護。 (特にお前は動きが単調になりやすいからな。)」

 

「チエ────?!」

 

「────よそ見するたぁ、いい度胸だなぁ?!」

 

 背後に現れたチエに一護が動揺して、一瞬固まった隙をもちろんグリムジョーが見逃す訳もなく、一護達に襲い掛かる。

 

(はじ)け、『飛梅(とびうめ)』!」

 

「なに?!」

 

 グリムジョーは横からくる、雛森の『飛梅』が撃ちだした()()()()()()サイズの火の玉を左手で受け止める。

 

 ジュワッ!

 

「ガッ?! チィ!」

 

 グリムジョーの顔が一瞬不愉快さから歪んで彼は火の玉を振り払い、未だに熱気が抜けないのか、手を閉じたり開いたりする。

 

 まるで()()()確かめるかのように。

 

「テメェ……」

 

 斬魄刀の刀身が七支刀みたいに変わって、久々の死闘に体が強張る雛森をグリムジョーが静かに睨む。

 

「(できた! 三月ちゃんの提案した、『限りなく縮小した火の玉』!)」

 

 これは三月たちがまだ現世に帰ってくる直前の日、雛森に尋ねたことがきっかけだった。

 

「『飛梅』が鬼道系の斬魄刀ならば、『範囲』や『質』に『大きさ』は調整できないか?」と。

 

 それをもとに試行錯誤を雛森は始め、先ほどの『接触している間、敵を焼き続ける火の玉』攻撃が辿り着いた一つの例である。

 

 グリムジョーの姿が消え、雛森も彼を見失う。

 

 なお破面達が使っているのは死神の『瞬歩』と違い、霊圧探知が困難な技。

 何せ『瞬歩』は術者が自身の霊圧を一瞬で急激に高め、それによって爆上げした脚力を使ってそのまま移動する術に対し、破面が使っているのは『響転(ソニード)』というモノ。

 

 これは足元に霊圧を集め、それを『弾く』ことで高速移動をする術。

 故に霊圧探知で術の始めに『霊圧が弾ける瞬間』は察知できても、『移動先の特定』が困難である。

 

 ガシッ!

 

「「「ッ?!」」」

 

「手癖の悪い(やから)だ。」

 

 ただし、『移動先の特定が困難』となるのは現在の瀞霊廷の死神たちのように、『霊圧探知』のみに頼り過ぎた場合。

 

 基礎の動体視力が優れていれば反応できない事は無く、実際にグリムジョーの腕をチエが今ガッシリと掴んでいた。

 

 驚愕からか、グリムジョーの目が大きく見開き、彼は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 この行動に対してチエは彼の腕を離し、鞘に入った刀を半分ほど抜いて受け止め、弾き返す。

 

 ガキィン!

 

「雛森、ルキアたちを頼む。 一護。」

 

「オウよ!」

 

 グリムジョーとチエが空中で後退り、その間に一護が卍解して(天鎖斬月を使って)戦いに加わる。

 

「(さて…『リーゼントの不良姿』に『ほっぺに仮面』ということは、こいつが『じーじぇいじぇいじぇい(グリムジョー・ジャガージャック)』とやらか。)」

 

 ………

 ……

 …

 

 同時刻、他の死神たちはそれぞれの破面を相手にしていた。

 

()()()()()

 

 シャウロン(冷静沈着)は日番谷と。

 イールフォルト(キザなナルシスト)は恋次と。

 ナキーム(おかっぱデブ)は乱菊と。

 

 そして────

 

「うお?! ま、また地鳴りか?!」

 

 ────浅野圭吾(あさのけいご)は姉のみづ穂にパシられていた。

 

 彼はビクビクしながらも周りに警戒して夜道を進む。

 

 また()()()()と出くわさないように。

 

 ビュン!

 

「やってられるかぁぁぁぁぁぁ?!」

 

 その浅野を風のように全力で走り去ったのは涙目で叫ぶアフロの死神(車谷)

 

「わ?! あのオッサン…確か()()()怪獣とアクションしている────?」

 

 ドォン!

 

「どわぁぁぁぁぁぁ?! なななな、なんだぁぁぁ?!」

 

 近くの塀が木っ端みじんに粉砕されて、血を流す一角が立ち上がる。

 

「あ、あ、あ、アンタは昼間学校の校門前で見たハゲ────」

 

 ────あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″?!

 

「ヒィィィィィィ?! 違いました人違いですぅぅぅ! で、で、で、ですがなぜ木刀ではなく日本刀をお持ちにぃぃぃぃ?!」

 

「テメェ、俺が視え────グハァ?!」

 

 一角が顔面にビンタじみた攻撃を、アシンメトリーな髪型が印象的なラテン男の破面(エドラド)から受けて浅野の足元に吹き飛ばされる。

 

「ブハハハハハハ! 大したことねぇなぁ、死神ぃぃぃ?!」

 

「は? へ?! し、シニガミ?! へ?! ど、ドッキリ?!」

 

 一角がムクリと起き上がって、ドクドクと血が出ているのにも浅野に迫って話しかけ始める。

 

「オイ小僧。 ()()()があんだけどよ、乗るよな?」

 

「は?! そ、その話の内容によりますケド?」

 

「実は俺たち、寝所がねぇんだ。 そしてテメェは今戦いに巻き込まれて死にそうだろ? そこで────」

 

「────いやどちらかと言うとアチラさんは貴方を────」

 

「────そ・こ・で! 俺がテメェを助けるからしばらくテメェの家に泊まらせろ! 良いな?!」

 

「え。」

 

 浅野の気の抜けた返答(?)に一角がブチ切れ寸前の血走った目で浅野のむなぐらをつかんで、至近距離で殺意のこもったガンを飛ばしながら浅野の顔に叫ぶ。

 

 「────しばらくテメェの家に泊まらせろ?! 良いな!

 

「は、は()ぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

 

 浅野が体から僅かなアンモニア臭と共に言葉を発する。

 

 匂いのもとはご想像にお任せします。

 

「よし! おいデカいの、名は何だ?」

 

 浅野を遠ざけて一角がエドラドともう一度相対する。

 

「今更かよ。 オレは№13(アランカル・トレッセ)、エドラド・リオネスだ。」

 

「更木隊、第三席の『班目一角』だ。

 

 

 

 

 

 テメェを殺す男の名だ!

 

 そこから一角とエドラドの攻防が再開するのを浅野は茫然と見ていた。

 

「な、なんだよ。 なんなんだこいつら?! カメラどこ?!」

 

 浅野は尻餅を地面についたまま、目の前のトンデモバトルに困惑する。

 

「彼は更木隊第三席の『班目一角』。 ソウル・ソサエティ()()の十一番隊で、二番目に強い男だ。」

 

 浅野の背後からくる声に、浅野エドラドと一角の戦う姿を見て平然としていた弓親に振り向く。

 

「そ、『そうるそさえてぃー』? 『じゅういちばんたい』? 意味わかんねぇよ?!」

 

 エドラドが一角の機転により、顔に深い切り傷を受ける。

 

「………………やるな、お前。」

 

「あてゃり────ん? ……プッ!」

 

 カラカラカラカラ。

 

 一角は口の中に何か入っていたのか、言葉がうまく出せなかったことを不思議に思い、口をモゴモゴと動かし、その異物等(数本の歯)を吐き捨てる。

 

「テメェのその『霊圧ビンタ』も底が知れた。 それじゃあ俺は殺せねぇ。 とっとと斬魄刀を解放しな。」

 

 一角が楽しむ笑みを浮かべながら、エドラドを更に挑発する。

 

「そうだな、そうしよう。 ()きろ、『火山獣(ボルカニカ)』。」

 

 エドラドの鼻の周辺にあった仮面が消えて両耳の付近に仮面のようなものが形成され、肩の関節から両腕にかけての部分が鎧に覆われたように巨大化する。

 

「ヒュー♪ 斬魄刀の解放は解放でも、俺たち(死神)とは違うんだな?」

 

「……破面の斬魄刀は『力の核』を、『刀の姿』に封じたモノだ。 死神のそれとは全くの別物。」

 

 エドラドが拳を一角から離れた場所から放ち、大きな火炎を噴射して一角がそれに包まれる。

 

「クッ……」

 

「驚いたな、まだ立っていられるのか。」

 

 エドラドは火炎が収まり、ボロボロになりながらも原形をとどめている一角に感心する。

 

「だがこれで分かったはずだ。 俺たち破面が斬魄刀を解放すれば、能力は数倍に跳ね上がる。」

 

「………………弓親ァァァァ! ()()()()はどうだ?!」

 

「苦戦しているみたいだよ、一角。」

 

 弓親の答えに一角が歓喜から微笑む。

 

「よし、予定変更だ。 テメェ相手に使う気はサラサラ無かったが……そこまでテメェが出し惜しみしないって漢気(おとこぎ)を見せられちゃあ、俺も相応の対応をしなきゃな? 卍解!」

 

 大きな竜巻らしきものが一角を中心に出現し、班目より三つの巨大な刃物を鎖で一連に繋いだ特殊な形状をした武具を手にしていた一角が現れる。

 

「『龍紋鬼灯丸(りゅうもんほうずきまる)』ッ!!!」

 

「……それがお前の卍解、すげぇな。」

 

「世辞はよせよ。」

 

「そうかよ────!」

 

 そこからが合図だったみたいに、一角とエドラドが同時に互いへと突進し、互いを傷つける。

 

 エドラドは両腕を。

 一角は己の武器を。

 

 まさに力と力の対決()()()

 

 なぜ過去形かというと、時間が経つにつれて一角が持っていた三つのうち真ん中の刃の側面に、彫られた龍の紋が赤く染まっていく度に彼の力が増していった。

 

 そこで突然、一角が距離を取って龍の紋が彫られた刃を手に取る。

 

「俺の卍解は、俺と違ってのんびり屋でな? 敵を攻撃して、攻撃を受けて()()()()()んだ。 で、今が最大出力ってところだ……ここらで()()、出せよ。」

 

「……オウ。」

 

 エドラドが一角の言葉に行動で答えるかのように拳を振り、一角は突進する。

 

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

 

 一角の意識が戻って次に自覚したことは自分が地面に仰向けになっていて、空座町の夜空を見上げていた。

 

「(チッ。 ()()は昼で、今回は夜かよ。)」

 

 今の状況は彼が以前、一護と戦い敗北したのと似ていた。*1

 

「(ま、今回は『勝ち』なだけマシってところか。)」

 

 彼が言うように()()()勝ちで仰向けに倒れていたが。

 

「目が覚めたかい、一角?」

 

 一角の視界に、愉快そうな弓親の顔が現れる。

 

「弓親か……状況は?」

 

「さっき、ちょうど『限定解除』の申請許可が下りたみたいだよ。 つまり、君が卍解するのも『時間の問題』だったというワケさ。」

 

『限定解除』。 これは本来、『現世』への()()()()()を及ぼさぬよう、体の一部に霊圧を本来の2割程度に抑える『限定霊印(げんていれいいん)』を打たれた隊長、および副隊長たちが『本来の力を振るって良し』という許可を示す。

 

 つまりもし破面達と互角、または苦戦していたとすれば『限定解除』の許可が下りればほぼ逆転できる。

 

 力を抑えられた状態で互角であれば圧勝。

 苦戦しているのであれば、爆発的に上がった力に相手が動揺した隙を狙えばいい。

 

「そうか……この襲撃、俺()()の『勝ち』か。」

 

「一応はね。 でも…………」

 

『………もしそもそも『限定霊印(げんていれいいん)』をされた状態で、同じ人数の破面達に苦戦するようであれば、これからの戦いは苦労を強いざれるを得ない。』

 

 そう一角は弓親の言葉の続きを解釈し、それは他の場所で戦っていた死神たちも同じ考えだった。

 

 ………

 ……

 …

 

「クソ…『限定解除』の動揺で隙を突いたから良かったものの、最初から全力で戦ってたら………」

 

 恋次は血まみれの自分とボロボロになった己の卍解、『狒狒王蛇尾丸(ひひおうざびまる)』を息切れしたまま先のイールフォルトとの戦いを思い返していた。

 

「あの、大丈夫……ですか?」

 

 恋次の近くに救急箱を持ったウルルが心配からか、オドオドしながらも声をかける。

 

 彼女は浦原商店の近くで戦闘を感知してはひっそりと隠れて観戦していた。

 

本来(原作)』では異常にまで強い気配の破面()を前に、彼女は無謀にも『改造魂魄』としての本能(プログラム)を刺激され、イールフォルトを攻撃して瀕死の傷を負わされていた。

 

 が、以前からチエたちの手伝いをしていたのが功を現して彼女は我を失わずにいた。*2

 

 ………

 ……

 …

 

「…………乱菊、後は頼む。」

 

 シャウロンに決して浅くはない傷を負って、それを自分の氷結能力で無理やり止血していた日番谷は意識を失い、体中から血が吹き出しながら倒れる。

 

「織姫! こっちに来てちょうだい!」

 

 乱菊は幸い、ほとんど逃げに徹していたので無傷だったが、日番谷の傷の出血をし始めて彼女の死覇装が赤黒く染まる。

 

 ………

 ……

 …

 

「しゃらくせぇ!」

 

「チィ!」

 

 グリムジョーが鬱陶しそうな顔で一護の天鎖斬月の刀身を手で掴み、一護を投げてはチエの斬りかかりを自分の斬魄刀でそらして彼女をガードの上から蹴飛ばす。

 

「クソ!」

 

 天鎖斬月によってスピードが上昇した一護がそのままグリムジョーを攻撃する。

 

()()()()邪魔だ!」

 

「グッ?!」

 

 今度は一護を投げるのではなく、グリムジョーは彼の顔面を蹴る。

 

 グリムジョーに蹴られた勢いのまま、一護が地面へと叩き落されるのを見たチエが攻め込む。

 

 ガキィン!

 

 またも刀と斬魄刀がぶつかり、耳をつんざくような音が周りをビリビリと響かせる。

 

「(やはり『()()()』は難しいな。)」

 

「テメェは()()()?!」

 

「『月牙(げつが)────』」

 

 チエとの膠着状態だったグリムジョーの意識が一護の声に一瞬そらされ、チエはこれを好機と見て彼のアゴを蹴って後ろへと飛ぶ。

 

「『────天衝(てんしょう)』!」

 

 一護の刀身から黒い斬撃そのモノがよろめくグリムジョーへと飛び、迫る攻撃に気付いた彼はそれを避ける暇もないのを本能で悟ったのか、考えもせずに両腕を上げて防御し、これを直に受け止める。

 

「…………こんな隠し玉を持っているたぁな。」

 

 戦闘が始まって以来、グリムジョーの両腕と左肩から右の腰あたりまで傷を負って血がジワリとにじみ出る。

 

「は。 どうだよ、破面(アランカル)? (クソ! モロに直撃したってのに、あんな浅い傷だけかよ?!)」

 

 一護は笑みを浮かべていたが、内心かなり焦っていた。

 

 もともと『白い一護(内なる虚)』の技である『月牙天衝』を使ったことにより、彼の叫び(誘う)声がより一層強くなったことに。

 

「(あと2、3発ぐらいってところか……()()()()、俺は────!)」

 

「────無事か、一護。 顔色がわr────」

 

「────ッ?! だ、大丈夫だ!」

 

 隣にチエが来たことに一護はびっくりした────

 

 

 

 

 

 

 

 ────だけではなく、『白い一護(内なる虚)』の叫びとソレにそって流れてくる感情が変わったことに驚愕していた。

 

 それは────

 

「────テメェらまとめてぶっ殺す!」

 

「「ッ」」

 

 一護達が見上げると、グリムジョーが自分の手に傷を負わせ、その手を自分達に向けていた。

 

「くらえ! 『王虚(グラン)────』!」

 

「────そこまでだ、グリムジョー。」

 

 その場違いな冷静そのものを声にした口調に背後から名を呼ばれたグリムジョーの体がびくりと跳ねる。

 

「テ、テメェ…なんでだ?!」

 

 そしてルキアと茶渡の治療をしながら見ていた夷守がポツリと新たに現れた人物の名を口にする。

 

東仙(とうせん)()()?!」

 

「(東仙が来たか。)」

 

「『何故』?()()だからだ、グリムジョー。」

 

「ハァ?! どういうこった! オレはまだ戦え────!」

 

 東仙の言葉にグリムジョーがいやな顔と荒ぶる声を隠さずに抗議を上げる。

 

「────藍染様の命令を()()()()()()のか?」

 

「………………」

 

 だが返ってきた東仙の言でグリムジョーは口を慎む。

 

「行くぞ。」

 

「……解かったよ。」

 

 宙が避けたみたいな空間に、東仙とグリムジョーの二人が入る。

 

「待ってください! どこに行くんですか?!」

 

 雛森の叫びにグリムジョーが彼女を見る。

 

「うるせぇチビだな。 帰んだよ、虚圏(ウェコムンド)に。」

 

「ふざけんなよ?! 勝手に来て、勝手に帰るだぁ?! まだ()との勝負はついてねぇだろうが?!」

 

 一護の掛ける声にグリムジョーが彼を睨む。

 

「『勝負』だぁ? ふざけんなよ、勝負がつかなくて命を拾ったのはテメェのほうだぜ?! さっきの技はテメェにもダメージを当てえているってことは見りゃわかる。 せいぜいあと数発ぐらい撃てるってところだろ? けどそれを無限に撃てたとしても、俺の『解放状態』は倒せねぇよ。」

 

「(『解放状態』? アイツら(破面達)の斬魄刀の『始解』か『卍解』のことか?!)」

 

「(そんな…まさか虚が……破面(アランカル)がそこまで)」

 

 ここで一護と雛森はほかの死神たち同様に、破面達がまだ強くなる能力がある疑惑が確信へと変わる。

 

「俺の名は『グリムジョー・ジャガージャック』! テメェ()を殺す奴の名だ!」

 

 それを最後に、宙の裂け目が閉じからチエは刀を鞘に収める。

 

「(何とか乗り切ったか…………さて、三月()()にも報告しておくか。)」

 

 ………

 ……

 …

 

 場は別の場所に変わり、夜というのに明るく照らされたどこかの白い部屋の中で雨竜は息を切らしていた。

 

「(外からの霊圧の震えが止まった、ということは、敵は去っ────)────うわ?!」

 

 雨竜はその場から素早く飛んで、()()()()()()()を躱す。

 

「クッ!」

 

 次に追い打ちをかける霊圧の矢をも雨竜は横に身を投げて間一髪のところで避ける。

 

「考え事か雨竜?」

 

「外の事が気になるみたいねー。 別にそこは責めないけどー?」

 

 体中が汗でべっとりとしている雨竜に関して、弓を手にしている竜弦が雨龍に問いを掛けて、霊剣を手にする三月がコメントを付け加える。

 

「ああ、『本当にこんなやり方で僕の能力(ちから)が戻るか?』ってな。 霊化銀(れいかぎん)と、霊化ガラスでできたこの部屋でアンタ(竜弦)と渡辺さんの攻撃を延々と躱し続けることで?!」

 

 竜弦と三月が横眼で互いを見て、三月が滑るように床を高速移動しながら霊剣を持っていない手で霊丸(れいがん)を撃つ。

 

「ウァ?!」

 

 雨竜が攻撃を躱すことに専念し始め、竜弦が矢を構える。

 

「(やはりこの娘も呼んでよかった。 このような技術、見たことも聞いたこともない。 『世界は広い』、と言う事か。)」

 

 三月の()()()()を見て、竜弦は感心した。

 

 それに対する三月は────

 

「(来て正解だったわ~! 『飛廉脚(ひれんきゃく)』って思ったより応用が効くし、何より『リ〇ク・ディアス』の真似が楽しい~!!!)」

 

 ────今この瞬間を思いのほか、楽しんでいた。

 

飛廉脚(ひれんきゃく)』。  これは死神の『瞬歩』、そして破面の『響転(ソニード)』と似て非なるモノ。

『足元に()()()霊子の流れに乗り、高速移動する』といったモノで、死神とも破面とも違う、滅却師の高等歩法。

 

 その応用で、三月はアイススケートの上を文字通りほぼ自由自在に滑るかのように動き、霊剣と霊丸を使って上記の『リック・デ〇アス』並みの機動戦を繰り広げていた。

 

 あと完全に余談ではあるが、彼女が使用している武器が霊剣と霊丸の二つだけなので正確には『リック・ディ〇ス』よりはその機体のベースとなった『ド〇』のほうが近い。

 

「(………………クルミやリカ達に教えれば『ジェットストリ〇ムアタック』の再現をできたりして。)」

 

 訂正。

 三月もそのように考えていた模様である。

 

「(でも先ずは『破面編』を切り抜けないと。 この『空間凍結(くうかんとうけつ)』ってのは思ったより厄介だわ。 まるで人為的な『固有結界(こゆうけっかい)』ね。)」

*1
25話より

*2
10話より




ギン:なんや凄いことになってんなー

作者:これからさらにスゴイ事になると思う

士郎(天の刃体):へー、BLEACHにも『固有結界』があるんだな?

ギン:誰? この赤白毛?

作者:あー、ついに来たかー

士郎(天の刃体):そういう糸目のお前はなんだよ?

ギン:まぁまぁ座って話そうや。 ほい、梅昆布茶。

士郎(天の刃体):いらねぇよ!

作者:しかもピンポイントで相手の嫌なものを出すとかマジで嫌がらせの天才か、『市丸ギン』は?

追記:

瞬歩やソニードなどの設定(+霊圧探知不可能)とかに関しては自己解釈などが入っています。
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