白と黒の世界は夢を見る   作:haru970

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お、お待たせしました次話です!

少し短いですが……(汗

パソコンはまだ部品交換中です、申し訳ございません……

前話は今のところ、誤字修正のみしました。

9/1/21 8:26
こちらの話も誤字修正しました。 


第73話 『ドМ』

 ___________

 

 瀞霊廷内の死神たち 視点

 ___________

 

 場は急遽決戦準備が進められていた瀞霊廷のいたるところで連絡に隠密鬼道の者たちが各々の隊長に伝えていくタイミングへと代わる。

 

 その内容とは────

 

「申し上げます! 六番隊副隊長の阿散井恋次! 及びに十三番隊の朽木ルキアの二人が隊舎から消えました!」

 

 ────恋次とルキアが『独断でどこかへ消えた』という事。

 

 二人がこの時、一護の元へと向かったのは言わずとも読者たちには分かるだろう。

 

 これを聞いた隊長とその側近はというと様々なリアクションをとった。

 

 ある者は『あのバカ者どもめ!』とイラつき、ある者は『ああ、俺も暴れてぇ~』と(なげい)いたそうな。

 

 そして────

 

「おい白哉、聞いたか?!」

 

 ────ニュースを聞いた浮竹(十三番の隊長)は慌てながら平然としていた白哉(ルキアの義兄)のいる隊長室に駆けこんでいた。

 

「ああ。」

 

 白哉はただ静かに書類業務を続け、浮竹は困惑していた。

 

「…………………………」

 

「なんだ、浮竹?」

 

「い、いや『ルキアがいなくなったのに冷静だな』って……お前?! まさか知っていたのか?!」

 

「…何のことだ?」

 

 少しの間を置いてから白哉が答えたことに浮竹が気付き、彼は笑みを浮かべる。

 

「なぜそう私を見る?」

 

「いや? 白哉は相変わらず、(子供の頃)から『一見して冷静沈着に見えて実際は感情を正当化して行動をするタイプだなぁ』って────」

 

「────黙れ。」

 

 浮竹はただニヤニヤとして、いつも以上の仏頂面な白哉を見る。

 

「邪魔するぞい。」

 

「せ、先生?!」

 

 そこで(あらた)に入ってきたのは山本元柳斎で、手には小さな包みを持っていた。

 

「総隊長殿か。」

()()も元気そうじゃの。」

「…何用でしょうか?」

「なに、お主の好きな『激辛マーボー入り菓子パン』が手に入ってのぉ?」

「ありがとうございます。 では私はお茶を淹れてきます。」

「ホッホ、いつもすまんの白哉。」

「雀部副隊長は?」

()いて来た。 この老眼に、書類はやはり苦しくて敵わん!」

「眼鏡などはどうでしょうか? 恋次がよく行く店は眼鏡も取り扱っていると聞いたのですが────」

 

 浮竹は二人のやり取りをポカンとした顔で見ていた。

 

 ちなみに余談ではあるが、上記の『激辛マーボー』は『とある世界』の激辛物好き神父のアイデアを流用したものを使ってあり、白哉のような辛い物好きや()()好きの者たちを瞬く間に虜にしていったのだった。

 

「美味しぃ~!」

 

「櫃宮……お前よくこういうモノを食べれるな? 田沼なんかは気絶しながら痙攣しているぞ?」

 

「ブクブクブクブクブク……」

 

 それは五番隊舎にいた席官三人衆(平塚、櫃宮、田沼)も例外では無かったらしい。

 

 発案者と思われる『とある人物』はこのアイデアの出所を頑なに漏らさず、ただ『イチコロだヨ♡』と言葉を(愉快そうに)口にするだけだった。

 

 

 ___________

 

 『渡辺』チエ、ルキア、恋次 視点

 ___________

 

 景色は一護たちがいる虚圏(ウェコムンド)に戻り、時は恋次とルキアがちょうど彼に怒った(を殴った)後となる。

 

「久しいな二人とも。」

 

「お、おう……」

 

 恋次はどもりながらチエに返事をし、ルキアが何か文のようなものをニヤニヤとしながらチエに渡す。

 

「そしてこれは義兄様からだ。 こっちに来て会うことがあれば、チエに渡すよう言われてな?」

 

「「ッ?!」」

 

「んな?! じゃ、じゃあお前らを虚圏(こっち)に送ったのって…白哉かよ?!」

 

 雨竜と茶渡が何とも言えない、複雑な顔をして一護は皆が想像していたことを代弁するかのように驚愕しながら二人に問う。

 

 またも白哉を呼び捨てにしながら。

 

「隊長は俺たちを現世に送って、そっからは浦原さんの『黒腔(ガルガンタ)』で来たんだけどな。」

 

「あとこのマントもだ! 『虚圏は砂埃(すなぼこり)が酷いと聞いている』と言ってくださったのだ!」

 

「そうか。 では行くぞ────」

 

 ルキアが『フフン!』といつもの調子(ブラコンぶり)で胸を張り、虚夜宮(ラス・ノーチェス)に向けて出発しようとするチエを一護が彼女の肩を引っ張って止める。

 

「────ちょっと待てよチエ、おかしいだろうが?! な、なぁルキア? アイツ(白哉)はお前たちを連れ戻した一人の張本人だろ?」

 

「そこまで話さなければいけないか一護? 察しの悪い奴だ、おそらくは『連れ戻せと(うけたまわ)った(めい)は完了した。 その後どうしろというモノまでは受けていない』とでも言ったのだろう。」

 

「お? 流石チエ殿だ! 義兄様をよく分かっているな!」

 

 ルキアはさらにニカッとした笑顔をチエに向ける。

 

「(さすが義兄様が好意を向けるだけはある!)」

 

 盛大な勘違いとともに。

 

「へぇー、あの朽木白哉がねぇー…………」

 

 一護は感心を示すようなことを口にし、恋次が付け足す。

 

「ああ、あと『あの小僧(一護)が一人で来ても虚圏側は不愉快だろう』とも隊長が言っていたぜ。」

 

よし、呼び捨て決定だ。

 

 その時近くで(たたず)んでいた、ヒビが入った骸骨型の仮面を被った緑色の髪の毛をした小柄な少女がショックと恐怖から一早く回復して叫んだ。

 

「あわわわわ! わ、ワルモノがもっといっぱいダスゥー?!」

 

 

 ___________

 

 ??? 視点

 ___________

 

 上記の小柄な少女である『破面』の名は『ネル・トゥ』と言う。

 

 なぜ一護たちが彼女のもとへと移動したかというと、クワガタ虫を模したような仮面の破面の『ペッシェ・ガティーシェ』、巨大な頭をした異形の『ドンドチャッカ・ビルスタン』、そして大きなムカデっぽい『バワバワ』たちにネルが追いかけられていたからである。

 

 彼女(ネル)の悲鳴を聞いて一護たちは割り込んだものの、実は全員が兄妹(きょうだい)(?)(そしてバワバワはペット)と自称し、ただ『無限追跡ごっこ』を楽しんでいただけらしい。

 

 尚、この自己紹介時に一護がネルの出していた『本気の悲鳴と涙』について追求すると────

 

『ネルはドМだもんで、ちょっと泣くぐらいじゃないと楽スくねえンす!♪』

 

 ────と彼女があっけらかんと答え、一護は兄妹(きょうだい)(?)を自称するペッシェとドンドチャッカを問答無用で殴ったそうな。

 

 幼女らしき幼体のネルを見て、彼女が『ドМ』と似つかわしくない言葉を使ったことに注意すれば分からなくもないが。

 

「────というわけで全員虚……というか破面だ。」

 

「い、いや『というわけで』と言われても困る。」

 

「……多分。」

 

「多分かよ?!」

 

 バワバワの背中に一護たち(+恋次とルキア)に乗りながら移動している間に、死神の二人(恋次とルキア)に今までのことをチエが説明していた。

 

「よっと………んじゃ、ぶち抜くか────」

 

 ドゴォォォォン!!!

 

 そして前では一足先に飛び降りた一護が力ずくで虚夜宮の壁に穴をあける。

 

「────よし、貫通したか。」

 

 ヒュオォォォォォ~。

 

 一護に答えるかのように大気の空気が穴の中へ吸い込まれるのを恋次が感じ取る。

 

「らしいな、風が抜けている。」

 

 これを見たネルが慌てて手をバタつかせる。

 

「なななな何をするスか?! 正門なら三日歩いた先にあるスよ?!」

 

「アホか。 友達(ダチ)の家に行くワケでもあるまいし、正面から入らねぇよ。」

 

「それに三日も歩けるかってんだ。」

 

 バシ!

 

「「いで?!」」

 

「子供相手にムキになるな、この阿呆ども。」

 

 チエが一護と恋次の頭を同時にはたく。

 

「……ハァ、わかったよ。 ありがとな、ネル。」

 

「はぇ?」

 

 自分に微笑む一護を見て、ネルの目が点になる。

 

「これ以上俺たちとかかわると、本格的にお前とお前の()()が『裏切り者』として藍染たちに見られちまう。 だからここでお別れだ。」

 

「行くぞ、お前たち────」

 

 ルキアのかけ声で一護たちが暗闇の中へ駆ける。

 

「ま、待つっス!」

 

「「ああっ! ネル!」」

 

「ネルたつはルヌガンガ(番人)様に見つかった時点で裏切者っス! もし藍染様がお許し(無視)したとしても十刃(エスパーダ)に殺されるだけっス!」

 

 ネルは小さな体で一護たちを必死に追いかけ、ペッシェとドンドチャッカもドタドタと走る。

 

「ネルも連れてってくんなきゃ……泣くっスよ?!」

 

「……どうする?」

 

「無視だ無視。 ほっときゃ別行動している三月たちが何とかするだろう。」

 

 ちなみに三月たちとはぐれた事に彼(+他の者たち)は前例(尸魂界』)があったので心配していなかった。

 

 違いがあるとすれば、チエが今回一緒に同行していたことだろう。

 

「い、一護のアホ~! ハゲ~! うんこたれ~!」

 

 聞こえないフリをする一護たちを見てネルは泣きながら次々と言葉を叫び、流石の一護も気まずくなったのか彼は足を止めて後ろのネルに振り向いた。

 

「うるせえ! 分かったから泣くな!」

 

「インポ~!」

 

「インポじゃねえ!」

 

「『いんぽ』とはなんだ、恋次?」

 

「うげ?! お、俺に聞くのかチエさん?!」

 

「別に石田でも茶渡でもいいが────」

 

「────童貞(どうてい)~~~~!!! ぶええええええええええ!」

 

 だからうるせえってんだろうがッ?!

 

「れん────?」

 

 「「「俺/僕たちに聞かないでくれ。」」」

 

 チエが聞こうとしたことを恋次、雨竜、そして茶渡たちが気まずい表情を浮かべて遮る。

 

「しっかし暗いな?」

 

「へ、これだから素人は……俺に任せろ一護!」

 

「あ? なんか手があるのか恋次?」

 

「おうよ! 『破道(はどう)の三十一・赤火砲(しゃっかほう)!』」

 

 ポン!

 

 恋次の手の中に小さなピンポン玉サイズの火の玉が現れる。

 

「へぇ、小さな明かりだね。 君がそんな控えめな奴だとは思わなかったよ。」

 

 雨竜がどこかトゲトゲしい、遠回りな嫌味を恋次に放つ。

 以前、ルキアを力ずくで尸魂界に連れ戻そうとして恋次にやられた時のイザコザは今、関係無い(と思いたい)。

 

「このたわけ。 お世辞にも鬼道が使えないクセにかっこつけようと詠唱破棄などするからだ。」

 

 ルキアがアホ(不器用)馴染み(恋次)に呆れ、その気はルキアには無かったのだが、どうやら彼女の言ったことは図星だったようで恋次が明らかなショックを受ける。

 

「気にするな恋次。 お前の髪に反射して、少しは明るくなった。」

 

 チエが悪意ゼロの気休めを言って慰めようとして、恋次がワナワナと肩を震わせる。

 

「ほら、よく言うじゃねぇか恋次。 『真っ赤なお鼻のトナカイさんは皆のわr────』♪」

 

 「────!」

 

 恋次は顔ごと真っ赤になりながら歌い始める一護の言葉をかき消すかのように叫ぶ。

 

 少ししてから一護たちはとある部屋に着き、周りの松明に火がついて明かりが五つの道を照らす。

 

「………………五つ同時に別々の道を行くとしよう。」

 

「そうだな、チエの言うとおりだ。」

 

「待てよ、相手は『十刃』だぜ?! 戦力を分散────」

 

「────アホか一護。 効率を考えろ。 私たちは何も『敵を殲滅しよう』と思っているわけではない。 なら『敵の各個撃破』より『探索に使う時間の短縮』を考えろ。」

 

 一護が効率論を前に、唖然とする。

 

「け、けどよ────」

 

「────では聞くが、一護は()()()()ここ(虚夜宮)に来た?」

 

「………………わかったよ。」

 

 ルキアの指摘に、一護は渋々再確認をする。

 

「んじゃ、一つ『まじない』をやろうぜ。」

 

「恋次、まさか『()()』か?」

 

「「「『アレ』?」」」

 

 一護、雨竜、茶渡がルキアの目線に釣られて恋次を見る。

 

「おう、大きな戦いを前にやる『護廷の儀式』っつーか……(すた)れちまって今じゃもう、やってる隊なんてほぼいねぇが……」

 

「意味があるのか?」

 

「取り敢えず、統一感と士気を上げる掛け声みてぇなもんだ! ほら! 手を重ねろ!」

 

 恋次の手の上にルキア、一護、雨竜、茶渡が自身の手を出す。

 

 そこで皆は微動だにしなかったチエを見て、恋次が口を開ける。

 

「ほら、アンタもだ。」

 

「…………………意味が分からん。」

 

「だぁぁぁぁぁぁ! いいから、ほら?!」

 

 一護がしびれを切らしたのかチエの手を無理やり掴んで重ねさせる。

 

「よし……『我ら、今こそ決戦の地へ!

 信じろ、我らの刃は(くだ)けぬ!

 信じろ、我らの心は折れぬ!

 たとえ歩みは離れても、(こころざし)は共にある!

 (ちか)え! 我ら、血肉が()けようとも!

 再び、共に!』」

 

 そこで一護、茶渡、ルキア、雨竜、恋次は手を振り下ろして各自が別の扉へと駆け込む。

 

「行っちまったでヤンス、ペッシェ……」

 

「行ってしまったな。 私らはどうする、ドンドチャッカ?」

 

 そこでネルは突然走り出してペッシェが彼女を呼ぶ。

 

「あ! ま、待てネル! ど、どこへ行く?!」

 

「一護を追っかけるっス! 一緒にいて楽スかったっス!」

 

「ネル! お、おい死神!」

 

 ペッシェが見ると、チエはただ自分の手をジッと見ていた。

 

「えーい、ドンドチャッカ! 私たちも────!」

「────行くでヤンス!」

 

 ペッシェとドンドチャッカもネルみたいに駆けだす。

 

 別々の扉の中へと。

 

 その間にもチエは何かを思っているのか、ただ手を見ていた。

 

 ___________

 

 クルミ・プレラーリ 視点

 ___________

 

 時は同じ頃、クルミは織姫と夷守がいた部屋の中で形が戻ってきた右腕を握ったりなどをして調子を見る。

 

「(フム、意外と使えますね『吸血』。)」

 

 クルミの脳内に一瞬だけ蘇りそうになったのは織姫の血を吸った時に感じた、この世とは思えない『歓喜の(かたまり)』を体の芯に直接注入されたような何とも言えない感覚。

 

 己が満たされていくような────

 

「(────っと、思い出に浸るのは後ですね。 まずは現状の把握と()()()()()()()()に取り掛かるとしましょう。)」

 

 クルミは横目で死人のような雛森に声をかけ続ける織姫を見る。

 と言っても織姫自身も無理をしているのは明らかだったが。

 

『ほんt────』

 

「────ふぁわ?!」

 

 織姫がビックリしながら変な声を出し、雛森がびくりと肩を跳ねさせる。

 

『…………………あー、今は無視してください井上さん。』

『あ……う、うん。』

 

 クルミはため息を出しながら念話に少し工夫を加える。

 何某風に言うと『周波数を変えた』。

 

『……こちらクルミです。』

『うん、良好よ。 そっちはどう?』

『雛森の様子は一向に変わりません。 強いて言うのなら“原作”より酷いですね。 簡単な行動以外はアウトです。 そもそも斬魄刀も持っていませんし。』

『なら井上さんとヒナモちゃんを守りながらの強行突破は無理っぽいわね……よし! じゃあ、アナタは現状維持を優先して。 必要とあれば独自行動もいいわ、こっちのだれかでフォローするわ。』

『了。』




雁夜(バカンス体):幼女が『ドМ』って……

桜(バカンス体):いっちゃだめなの?

作者:そういえばそっちのイリヤも『雁夜はおそらくМだ』って言ってたな?

雁夜(バカンス体):そのネタ、忘れてくれ……

桜(バカンス体):じゃあ、さくらは『えす』になるね!

雁夜(バカンス体):ダメだよ桜ちゃん?! あ、でも桜ちゃんになら……………………………ね、ねぇ桜ちゃん? おじさんの背中を踏んで『マッサージ』をしてくれるかい?

桜(バカンス体):うん! たのしそう!

作者:……何も言わんとこ……
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