白と黒の世界は夢を見る   作:haru970

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申し訳ないです、今回は少し短いです

8/15/21:
誤字修正いたしました。


第7話 関西、参上

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 『渡辺』家 視点

 ___________

 

『チエが実は女の子』騒動から数週間ほど時間が経ち、今は夏。

 

 チエは袖なしシャツと(マイに進んで穿かされた)スカッツの上から『浦原商店』と書いたエプロンをして、店番をしながら自分の周りの変わり様を思い出していた。

 

 あのすぐ後の一護は三月と接する時みたいな余所余所しい態度になってしまったが、それも少し前から改善はされていた。

 

 主に一護の様子を見かねた竜貴が彼をヘッドロックをかまして 強制連行して物理的にチエと三月の居る場所へと連れて来た事から始まった。

 

「何で一護の様子がずっと変なんだ?! チエの所為か?! 一護がお前に何かしたのか?!」

 

「あ、いや、その────」

 

 一護の目が泳いでいる間にチエが何とも無い様な声で答えた。

 

「────私を『女性』とこの間気付いたらしい」

 

「「「「「………………………………………………………………」」」」」」

 

 チエの言葉に周りの子供達が全員黙り込んでチエの方を見た。

 

「??? どうした、皆?」

 

 「「「「「ええええぇぇぇぇぇぇ?!?!?!?!」」」」」」

 

 そこからは波乱の連続でチエと接する者達の豹変ぶりの仕方にはバラつきがあった。

 

「な~んだ、私と一緒じゃん」と言うような、竜貴みたいに態度を変えずに接する人達。

 

「えー、なんか変ー」、と気味悪がる子達。

 

「い、良い」、と意味不明な事を語る子達(男性&女性両組)。

 

 等等々。

 

 チエはただボ~ッと、蝉の鳴く外を聞きながら考え込むと、ガラガラガラと引き戸が開かれる音に集中を戻す。

 

「いら────」

 

「────ア゛ア゛ア゛ン?! 誰やお前?! 見た事ないクソガキやなぁ!」

 

 口の悪い関西弁の子供が来店して来てチエが黙り込む。

 

「………………………」

 

「何やクソガキ?! 文句あんのか、えぇぇ?!

 

「何かをお求めですk────?」

 

「────キッショ! 喋り方キショ! あのクソボケ思い出してまうわ、やめい! 鳥肌立つわ!」

 

「(喋り方はともかく、以前の私の無頓着な『ふぁっしょんせんす』とやらと大差がないな。 真っ赤なジャージは分からなくも無いが────)」

 

「────だからなに見とんねん、このハゲ!」

 

「バッ」と金髪ツインテール+ソバカス&関西弁少女がチエの頭を鷲掴みにしようとした腕がチエのガッシリと掴んだ手によって阻止される。

 

「ッ?!」

 

「お客様、それは困ります」

 

「客やないわ、このアホ! 手ぇ放せや!」

 

「では少々お待ち下さい。 店長を呼びに行きますので」

 

 チエが手を放すと金髪ツインテール+ソバカス&関西弁少女が恨めしそうにチエを睨む。

 

 が、チエは何処吹く風の様な涼しい顔で自分を(本人はこっそりとしているつもりの)監視していた浦原に顔を向ける。

 

「店長────」

 

「────ですからどうして私の居る場所が分かるんッスねー? 毎度毎度毎度…………気が滅入りますよ」

 

()()からな、お前は」

 

「ハハハ、ご冗談を。 これでも風呂は毎日────フゴォフ?!」

 

 金髪ツインテール+ソバカス&関西弁少女が飛び蹴りを浦原にお見舞いする。

 

「居んねんやったらとっとと早よ出てこんかい、このクソハゲェェェェ?!」

 

「店長、こちらから声が────おや、誰かと思えば。 お久しぶりですな」

 

「おう、何時も通りやな。 ボケハゲ」

 

 のっそりとチエ達が居る所に来たテッサイが金髪ツインテール+ソバカス&関西弁少女に挨拶をする。

 

 この様子にチエが頭を傾ける。

 

「知り合いですか?」

 

「この方は猿柿(さるがき)────グフッ!」

 

 「ガキ呼ぶなこのクソハゲェェェェェ!!!」

 

 金髪ツインテール+ソバカス&関西弁少女がテッサイに鳩尾パンチを食らわせると、彼は珍しく顔が一瞬歪む。

 

「いててててて…久しぶりなのに酷いッスよ、ひよ里サン?」

 

 ヨロヨロと顔面に飛び蹴りを受けた浦原が立ち上がる。

 

「ケッ! ならその蹴飛ばしたくなるような顔面をサッサと摩り下ろさんかい?!」

 

「何時にも増して理不尽ですねー、何かありました?」

 

「ッ…何も無いわ、ボケ!」

 

「店長、これをお使いになってください」

 

「ん? ああ、すみませんねチエサン」

 

 浦原にウェットティッシュの箱を持ってきたチエを『ひよ里』と呼ばれた少女は一瞬『ギッ!』と睨んだ事を浦原は見て、ニィーっと笑った。

 

「チエサン達って今日から何か予定在りましたっけ?」

 

「??? いや、特に聞いていないが?」

 

「ならちょっと遠出しません? 今の住居は丁度隣町でしたっけ、ひよ里サン?」

 

「ちょ、何勝手に他人を巻き込もうとしてんねん?!」

 

「では三月達に電話をしてくる」

 

「お前も勝手について来ようとすんなやー?!?!」

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

「ウルル。 もう出発しないと電車に間に合わなくなる」

 

 チエがズルズルと、未だ自分の胴体に抱き着くウルルを見て声をかける。

 

 あのグランドフィッシャーとの一件のすぐ後、怪我をした三月(矢を放った際に腕を折りギブス着用)とチエの姿(体中に包帯グルグル巻き)を見たウルルはその瞬間にワァワァと大号泣し、「絶対視界から出さないッッッ!!!」と言った勢いで三月とチエを抱き締めて、『彼女達(三月&チエ)の行くところにウルルあり』のような状態が数か月間ほど過ぎた。

 

 その間は『渡辺家』に世話になるような勢いだったのを渋っていた浦原に、「では、お泊り会ですね~」と言ったマイの提案で、浦原商店に三月とチエが寝泊まる事に。

 

『ウルルが落ち着くまで』といった大義の元、実質の今より更に監視される二人+通うマイの計三人の生活が始まった。

 

 最初こそずっとピリピリした空気の監視生活が続いたが、別に何もしないそぶりを見せないどころか、ボロボロだった店を直すなどの善意バリバリの行動を自らし初めた彼らを間近に見て、次第に緊張感は感じ取れなくなっていった(監視は続いていたが)。

 

 三月が繰り出す数々の手料理が功を現したのも要因の一つであるのは浦原商店の(ウルル以外の)人達はなるべく内緒にしようとしていたが、にやける顔やおかずの減り具合からモロバレだった。

 

「グスッ…………ヤァ」

 

 ぐりぐりと頭を埋めるウルルをマイが撫でる。

 

「浦原さんは『用事は直ぐに終わる』と言うので、すぐ帰ってきますよ~」

 

「帰ってきたら、ウルルの大好きなプリンも作るからさ? ね?」

 

「……………」

 

 渋々と手を放してチエ達を見上げるウルルの目は潤んでいた。

 

「……………絶対。 約束だよ」

 

「ああ。 ()()だ」

 

 それから浦原とイライラする金髪ツインテール+ソバカス&関西弁少女────『猿柿ひよ里(さるがきひより)』、そしてもう一人の()()()()()()()()と共に電車の駅まで歩く事に。

 

「平子サンも大変ッスね~」

 

「せやで。 『同じ口調やから一緒に保護者面しろ』言われた時は久しぶりにキレそうになったわ」

 

「あ、はじめまして~。『渡辺』マイと言います~」

 

「オウ。 平子真子(ひらこしんじ)や。 よろしゅうなデカパイの姉ちゃん。 出来たら夜もよろしゅうしたいわ」

 

「あら、照れるわ~。でも、夜更かしは肌に悪いから遠慮するわ~」

 

 平子の言った意味を全くスルー…………と言うかそれ以前に理解していないっぽいマイが天然的に断る。

 

「初めまして、『渡辺』三月です」

 

「十年経ったらもっかい言って来てみ、チビ眼鏡」

 

「(うっわ。『原作』読んだからある程度予想していたけど…と言うか何でスラムダ〇クの『ヤス』の声なのよ?! 対極的な人物でしょうがぁぁぁぁぁぁ?!?!?!?!)」

 

 平子は三月を一瞬だけ見て、子供のあしらい方をする。

 

「『渡辺』チエだ」

 

「……………ほぅ」

 

 布に巻かれた()()を背負ったチエを平子がジッと見て、目を細める。

 

「(こいつ…………死神か? 虚か? さっきのひよ里という者からも()()匂ったが………どういう事だ、これは?)」

 

「………………ほな行こか?」

 

 スッと平子は踵を返して、先を行っている浦原達の後を追う。

 

「(『平子真子』に『猿柿ひよ里』…………この二人は確か『仮面の軍勢(ヴァイザード)』のメンバー…………という事は彼らの()()()()()に行くって事?)」

 

 そう考えた三月は、『何故()()()()()()()()?』と考えながらも自分達へ視線を向けている平子となるべく目が合わないようにしていた。

 




作者:次話投稿、少し遅れるかもしれません…
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