白と黒の世界は夢を見る   作:haru970

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お待たせしました、次話です!

読んで頂きありがとうございます!

近頃リアルが忙しいですが、頑張ろうと思っています。 (汗

10/21/21 9:04
大きな修正をいたしました!

まさかタグのつけ方を間違っていたとは....一生の不覚でした!

大変皆様にご迷惑をおかけしました申し訳ございませんッ!!!!


第95話 13km

 ___________

 

 一護 視点

 ___________

 

「(よし! 攻撃が通った! 傷を負わせられた!)」

 

 一護は内心、藍染に傷を負わせられたことに『希望』をもう一度持った。

 

 いや。

 持たなければ、先ほど隊長三人に攻撃されたチエの状態を思い出してしまうからだ。

 

()()は私に任せてください! 黒崎一護さんは()()を頼みます!』

 

 そう言って泣きながらチエの治療に専念し始めた雛森の姿を思い出すのをやめて、今は眼前の敵に一護は『天鎖斬月』を再度構える。

 

 もしこの時、護廷の者で雛森に親しい者が彼女の言葉を聞いていれば藍染の事を呼び捨てにしたことに驚いていただろう。

 

 だが護廷だけでなく、『仮面の軍勢(ヴァイザード)』、そして出血多量によって青白くなり、瞼をつむっていたチエのように皆は気を失っていたか余裕がなかった。

 

 パキパキパキパキパキパキ。

 

 だがなんの悪い冗談なのか、一護の目の前で藍染の傷は独りでに塞がっていった。

 

「(『超速再生』か?!)」

 

「言っておくが、『超速再生』などではないよ?」

 

 そこで藍染は、自身の胸に埋め込んだ『崩玉(ほうぎょく)』を一護に見せた。

 

「(『崩玉(ほうぎょく)』を体に埋めた……だと?)」

 

「そう言えば、礼を言うのを忘れていたよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

「………………どういうことだ?」

 

 先ほどチエに『戦いの最中に言葉の場所はない』と言われた彼だが、あまりにもピンポイントな指摘を藍染にされて思わず疑問を口にした。

 

()()()()()()()だよ。 

 君は朽木ルキアと出会い、死神の世界に入り込んだ。

 石田雨竜と競争、そして戦いから死神としての力を完全に目覚めさせた。

 阿散井恋次(あばらいれんじ)と戦って己の斬魄刀の能力を知り、更木剣八では卍解と虚化のヒントを掴んだ。

 次に君はグリムジョーとの戦いで虚化をモノとし、ウルキオラの『刀剣解放第二階層(レスレクシオン・セグンダ・エターパ)』で()()()()()()()()()()()()()。」

 

「(こいつ……ウルキオラの事まで?)」

 

『この姿は藍染様にもお見せしていない。 光栄に思え、黒崎一護。』*1

 

 ウルキオラが一護に言った言葉が、彼の脳内を過ぎる。

 

「何が言いたいんだ?」

 

「君の『朽木ルキアから出会ってから今までの戦いは全て私の手の上だ』、と。」

 

「……………………………………」

 

 自分の脈を打つ心臓が耳朶に響く。

 言葉が見つからなかったので、余計にうるさく響いた。

 

「そんなに驚くことはない。 君は私の探究(たんきゅう)に最適な素材ゆえに、君の成長を手助けした。 一度も君はおかしいとは思わなかったのかい?」

 

『そんな筈がねぇ。』

 

 そう思いながらルキアとあってからこの八か月ちょっと、今までの出来事が藍染の言葉によってぽつりぽつりと蘇る。

 

「その見開いた眼……そんなに信じられないかね? 考えてみるといいさ。

 君はその短い十年そこそこの人生で、虚なんてモノは滅多に目にしなかった。 それが突然、朽木ルキアと出会ったその同じ晩に君と君の家族は虚に襲われて君は『死神の力』を譲歩された。」*2

 

「(確かに……………)」

 

「次に、滅却師が虚の大量滅却(めっきゃく)などに使う低能な撒き餌に、大虚(メノス・グランデ)が現れて君の霊圧が比較的高いことが判明した。」*3

 

「(そういや、石田の野郎も驚いていた。 『そんな馬鹿な、大虚(メノス・グランデ)だと?』とかって……)」

 

「そんな君が『いっぱしの死神業務』に慣れ始めて、それまでずっとソウル・ソサエティに捕捉されなかった朽木ルキアが()()()()発見されて連れ戻された。」*4

 

「…………………」

 

 息が詰まりそうな空気と時間が止まったような感覚の中で、思わず虚化が解けても俺はそれに気付かなかった。

 

「そこから君は『三席の班目一角』。*5 

『副隊長の阿散井恋次』。*6 

『隊長の更木剣八』。*7 

『破面落ちのドルドーニ』*8、などと戦った。

 それらの者が全て、まるで君の『成長』と競うかのように、君が戦う相手の実力がまるで誘導されているかのように────

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────そう()()()()()()()()()()()()()()()のかい?」

 

 思考が真っ白になる。

 

『何言ってんだ』とか、『待ってくれ』とか言いたくは無かったと言うか、その時の俺はとにかく頭の中がグチャグチャだった。

 

「………………筋が通らねぇ。」

 

 気付いたころには、俺はそんなことを口にしていた。

 

「『事実』だが?」

 

「今までの戦いがお前の手の上? 誰が信じられるかよ?!」

 

「なるほど。 私は『事実』と言ったのに、君は『信じられない』と言ったね?

 それはこの世界に存在するモノすべては自分に都合が良い『事実』を皆、『真実』と誤認するからだ。

 そこで君に質問だが、君は()()()()()()()()()()()のかね?」

 

「…………………………」

 

「知らないのならば()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 ()()()()()()()()()()。」

 

「…………………………なんでだ。 なんでアンタは……俺がアンタの『探究(たんきゅう)に最適な素材』となるって……どうやって……いつ、何を根拠に確信した?」

 

「『いつ』と問われれば、()()()()だ。」

 

「適当なことを言ってんじゃ────!」

 

「────私が『初めから』と言っているのは、『君が君の母親の子宮に存在した時から』だ。 なぜなら君は『人間』と────」

 

 ドン!

 

「────っと、そこから先は家族事情だぜ? 藍染。」

 

 藍染から一護を護るかのように、死神化した一心(一護パパ)が上空から現れた。

 

「……………………………………………………………………………………お、親父────?」

 

 ガッ!

 ヒュッ!

 

「────グェ?!」

 

 一心は一護の胸倉を掴んで『瞬歩(しゅんぽ)』で一気に距離を藍染から取り、藍染はただ薄い笑みを浮かべたまま彼らを追う動作などはしなかった。

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

「見間違いじゃねぇぞ。」

 

 一心が彼にしては珍しい真面目な顔で自分と一護(海燕)を互いに見る海燕(一護)にきっぱりとそう伝える。

 

「俺も聞きてぇことは山ほどある。」

 

 一心はそう言いながら海燕をジト目で見る。

 

「こっちにも事情がアンだよ。」

 

「見りゃわかる。」

 

「あー……………一つだけ聞かせろ親父。」

 

「(あ、やっぱ親父なんだ。 マジでこの人何やってんだか。)」

 

「なんだ、一護? 見ての通り、俺は死神────」

 

「────こいつは親父の()()()かなんかか?」

 

「「ブ?!」」

 

 一護が海燕を指さしながら一心を軽蔑するような目で質問し、それに対して一心と海燕が同時に噴き出す。

 

「おふくろが知ったら悲しむぞ。つーか、多分半殺しにされっぞ?」

 

「どう見たって親族だろうが?! お前の目は節穴かよ?!」

 

「あぁ?!」

 

 だんだんとヒートアップする似た者同士(一護と海燕)の言葉に一心は頭を抱えた。

 

 そこで海燕は言い返すのを一旦やめて、一護に問う。

 

「おい、お前。 『月牙天衝』以外に、何か使えるのか? 鬼道とかよ?」

 

「え? ………………………いや、ねぇけど?」

 

「えっ、もしかしてそれ(月牙天衝)だけか?」

 

「悪かったな、これ(月牙天衝)だけで。」

 

 海燕が一心にジト目ながらもアイコンタクトを取る。

 

『お前、こいつにちゃんと死神の事を教える気あんの?』

『そもそも俺は遺伝子以外ほぼ無関係だ!』

『アンタ、マジで何やってんだ?』

『50年前に死んだはずのお前のほうに俺が訊きてぇよ!』

『てか、このガキ…意外と聞くポイントが違ったな。』

『おう! “さすがはおれの子”ってな!』

 

 そんな二人は意外と『一護が今聞きたいのはそれだけか?』というような考えに陥ったのを察したかのように、一護が口を開ける。

 

「……今まで話さなかったのには理由があったんだろ? だから、俺は待つよ。 親父たちが話したい時まで。」

 

「(へぇ? 意外とガキじゃねぇところもあるじゃねぇか。)」

 

「いっぱしの口、利くようになったじゃねぇか一護。」

 

 海燕と一心は純粋に感心した。

 

「ま、こういうのって初めてじゃねぇし*9……それに、今聞いたところで事情が大きく変わるってんなら話は別だがよ……で? 作戦か何かあんのか、親父?」

 

「え? あんのか? 勝算?」

 

「いや、だってそうだろ? 出なきゃ『今更ながら出てくる』ってのタイミングがおかしかねぇか?」

 

「確かに…」

 

「「ジー。」」

 

 一護と海燕が一心を見ると、彼は高らかに胸を張って宣言した。

 

 ()ぇ!」

 

 ゴスッ!

 

 一心の清々しいほどまでの開き直りにキレかかった一護と海燕が同時に一心の顔面を殴る。

 

 「「テメェに期待した俺がバカだったぜ!」」

 

 一心はただ震えながら顔を覆い、声を出す。

 

「しょ、『勝算』や『作戦』っつーか…… 『今の藍染は“崩玉(ほうぎょく)”を体内に埋め込んだ状態。 つまりはどうなるか分からないから、様子を見てから行動するっス♪』、との事だ。」

 

「……あー、俺らってもしかして『噛ませ犬役』か?」

 

「??????????」

 

 口調で一護は察した。

 

 そして海燕はただ?マークを出す。

 

「ま、そういうこった。 そこで一護。 お前にはここにいる、藍染の最後の仲間である()()()の相手を頼みてぇ。」

 

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

「やぁ、ギン。 長い見物だったね?」

 

「いややなぁ、人聞きの悪い。 藍染隊長の巻き添えを食らいたくないだけですわ。」

 

「そうか。 なら、()を頼んでもいいかな?」

 

 ギィン!

 

 ザバァン!

 

 市丸は後ろから斬りかかってきた一護に対応する間、藍染のいる場所が下から大きな水の波が突き破って、彼に襲い掛かる。

 

 これを藍染が飛んで躱すとそこに現れた一心が彼に斬りかかって、無理やり一護たちのいる場所から距離を取らせた。

 

「これはこれは、随分と久しく見ていない顔ぶれだ。」

 

 藍染の前に一心、そして槍のような(もり)の『捩花(ねじばな)』を独自的な構えをした海燕がいた。

 

「んじゃ、いっちょ肩慣らしと行こうじゃないの海燕。」

 

「全部終わったら俺と一緒に空鶴(くうかく)岩鷲(がんじゅ)たちに顔を合わせに来てもらうぜ。」

 

んげ………………………あー……やっぱ、しないといけねぇか?」

 

「うし。 『あいつらが生きている』ってことをアンタが知っているのは今ので分かった。」

 

「おい、誘導尋問なんて汚ねぇぞ海燕?!」

 

「うるせぇぇぇぇぇぇぇ!」

 

 一心の抗議を合図に二人が藍染に襲い掛かる。

 

 

 ___________

 

 一護、市丸ギン 視点

 ___________

 

 市丸の脇差っぽい斬魄刀と一護の『天鎖斬月』が持ち主たちの力みによってギリギリと音を立てる。

 

「いやー、こうやって君とやりあうのは随分と久しぶりやねぇ~?」

 

「……分からねぇ。」

 

「うーん、僕の事を『覚えていない』? 挑発のつもりやったら、もっとこう────」

 

「────そうじゃねぇ。 俺はアンタの剣から伝わる……『“心”と“考え”が分かんねぇ』って、言ってんだ。」

 

「…………………」

 

 一護は幼少から武術を習っていた者が無表情ゆえか、『原作』より多少は相対する相手の『思考』と『心構え』が()()()()()感じ取れることが出来た。

 

 とはいえ戦いの最中などの間に気を配れるわけも無く、ほとんどの場合はその時その場で直感のように体と脳がそれらを受け取り、一護は相応の行動を無意識に取っていた。

 

 なので彼が相手の『思考』と『心構え』に関してゆっくりと思い出せる時と言えば戦いの後。

 そしてよほど『強い思い』や『印象深い相手』でなければ一護は覚えていなかった。

 

 そして一護が市丸と一瞬だけ瀞霊廷の正門でのやり取りで感じたことと言えば『()()()()()』。

 

『市丸は呼吸をするかのように、己の事を無に()していた』。

 そんな市丸が強く内心に持っていたことは一護に強い印象を与えていた。

 

「アンタは()()()()()()()()まで、()()()()()んだ?」

 

 ズッ。

 

 一護を、一気に膨れ上がった市丸の霊圧が襲う。

 

「なんや、『おもろい子』と思っとったけど……『気味の悪い子』に変えるわ。」

 

 市丸の笑みが深くなり、一護は汗を流す。

 

 ギィン!

 

 市丸は一護を無理やり自分から遠ざけるが、追撃はしなかった。

 

「そういえば、僕の『神鎗(しんそう)』がどのくらい伸びるか説明してなかったなぁ~。 ざっと『刀百本分』、昔は『百本刺し』呼ばれたなぁ。 懐かしいわぁ~。」

 

「いや訊いてねぇし。」

 

「そこで質問や。 僕の卍解、どれくらい伸びるでしょうか♪」

 

「俺はクイズ大会をしに来たわけじゃねぇぞ。」

 

「釣れないなぁ~。 おおよそ、3.3()や。 君ら人間でいうところの………………」

 

 市丸が『ニィー』っと笑う。

 

 「13㎞や。」

 

「……(13㎞って……えーっと……どれぐらいだ?)」

 

「ピンとけえへんやろ? 見せたほうが早いかもな。 卍解、『神殺鎗(かみしにのやり)』。」

 

 市丸は両目を開いて卍解の解号をしてグルリと回る。

 

 すると周りのビルや障害物が巨大な草刈り機にでも刈られたかのような広範囲に、『スパッ!』っと音もなく斬られていく。

 

 ギィン!

 ザッ!

 

 そんな中、一護は市丸の『神殺鎗(かみしにのやり)』を受け流し、カウンター気味に『月牙天衝』を打ち込んで市丸に傷を負わせる。

 

「うん。 やっぱり、『気味の悪い子』認定や。 怖い怖い♪」

 

 市丸がカラカラと笑いをするような口調に一護はとある異変に気付く。

 

 市丸の手にしていた斬魄刀がさっきまでは地平の彼方まで刀身が長くなっていたのに、今では元の脇差サイズになっていたことに。

 

「(()()だ? ()()小さくなった? 俺はあいつから目を……まさか?!)」

 

 一護が『とある推測』に考えが辿り着いた頃に、市丸が純粋な斬術の戦いを一護に挑む。

 

 二人の斬魄刀での攻防……………と言うよりは、市丸の一方的な『攻め』に一護は必死に『防御』をしていた。

 

「ひゃー、ホンマに怖いわぁ♪」

 

 そこで市丸は自分の斬魄刀を自らの胸の前で持つ。

 

「怖くておっかなくて、()()()()()()()()()()()()()わぁ。」

 

 ビュッ!

 

 市丸の刀身を一護が紙一重で避けたことに、市丸は珍しく笑みを崩して目を開ける。

 

「やっぱりな。 アンタの卍解の怖いところは『長さ』じゃねぇ。 『速度』だ。」

 

「……………………ホンマにおっかないわ、君。」

 

 パァン!

 

 市丸が手を拍手するかのように叩く。

 

「ご名答や。 ちなみに速度は()()()()()や。」

 

『音速の五百倍』。

 それはマッハ500。

 

 およそ秒速約17、0145(メートル)の距離。

 

 ちなみに比較すると、『最速のジェット旅客機』であったコンコルドは約マッハ2.02。

 自衛隊が使用しているF-2は最高速度マッハ1.7、そしてF-15Jはマッハ2.5。

 

 市丸の言葉が『真実』と仮定すれば、どれほどの速さか一護でも今回は理解はした。

 

 だが彼はあきらめず、市丸と対峙し続けた。

 

 ()()()()のだから。

 

 …………………

 ………………

 ……………

 …………

 ………

 ……

 …

 

「『死神としての限界』だぁ?」

 

 傷を負った一心と肩で息をする海燕に、藍染の言ったことを一心が復唱していた。

 

「そうだ。 ようやく、『崩玉(ほうぎょく)』が私の意志と同調し始めたのでね。」

 

「『意思の同調』、ね? まるで『崩玉が生きている』とでも言っているようにしか聞こえねぇなぁ。」

 

「(さすがは一心、俺の事(時間稼ぎ)も含めて藍染から情報を聞き出すとは。)」

 

 思い出して欲しいが、海燕は50年ぶりに()()()()()()()()()()()()()()()

 だと言うのに藍染と言うバケモノの(一心と一緒だったとはいえ)相手をされていた。

 

「その通りだよ、志波……いや、今は『黒崎一心』と名乗っていたか?」

 

「『その通り』って言われても、寝言にしか聞こえねぇよ。」

 

「君や、創造者である浦原喜助が知らないのも無理はない。 

 さらに言えば『崩玉(ほうぎょく)』の能力は『相反(あいはん)するものの境界(きょうかい)を支配する』モノなどではなく、『()()()()()()()()()()()()()()()()()()能力』だ。」

 

 ここで一心の表情が強張り、海燕が驚愕する。

 

「前例を挙げると、今までの黒崎一護、朽木ルキア、浦原喜助の周りで起きた数々の『()()』がそうだ。 ただそれぞれの者の、『自らの望みが叶った』ことで誤認、あるいはさっきの『奇跡』としてそれらの出来事を片付けた。」

 

「何を────?」

 

「────無論、『崩玉』()限度はある。 周囲の対象人物が元来、その願いを具現化し得る力を有していなければ具現化はできない。 そういう意味で、『“崩玉”は望む方向へ導く力』とも言えよう。 そしてありがとう。」

 

「「?」」

 

 藍染に感謝をされた一心と海燕は?マークを出す。

 

「『()()()()()()()()()()()()()()()。」

 

 ズン。

 

『崩玉』を中心に、白い膜のようなものが藍染を包み込む。

 

 ズドォン!

 

 その瞬間、両手両足に鉄甲(てっこう)をはめた夜一が上空から藍染を殴り倒した。

 

 おおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉ!

 

 ズドドドドドドドドドドドドドドドッ!

 

 そのまま彼女は雄たけびを上げながら、藍染を全力マシマシの連打を撃ち続けて一心たちの近くに浦原が現れた。

 

「遅くなってスミマセン!」

 

「『勝算』は?!」

 

「『出たトコ勝負』っス! でもこれ以上は時間を────夜一さん! 避けてください!」

 

 夜一は浦原の声でその場からすぐに離脱する。

 

 バキン!

 

「チィ!」

 

 その瞬間、彼女の片足に装着していた鉄甲が割れる。

 

「さすがは元隠密鬼道の長、『瞬神(しゅんしん)の四楓院夜一』。 他の者ならば鉄甲ごと、足を失くしていただろう。」

 

「相手を褒めるとは、随分な余裕ぶりだのぉ?」

 

「うーん、対破面用に作った特製の鉄甲がこうもあっさりと壊されるとは────」

 

「────おい喜助、今の『ワシの所為じゃ』の言い方はなんじゃ?」

 

「いやいやいやいや、滅相もありませンよ。」

 

 ゴッ!

 

「痛い! 鼻が?! ナンデ?!」

 

「念の為じゃ。」

 

「ひどいよ?!」

 

「なぁ、一心。」

 

「なんだ、海燕。」

 

「あの二人、今でも変わんねぇのな?」

 

「……ああ。」

 

 呆れ顔をする海燕と一心は、未だにガミガミと老夫婦のように騒ぐ浦原と夜一を見ながらそう互いに言う。

 

「さて、どれだけの策を練ったのか見ものだ。 かかってこい。 黒崎一心、四楓院夜一、志波海燕に浦原喜助。」

*1
84話

*2
11話より

*3
16話と17話より

*4
18話より

*5
25話より

*6
26話より

*7
27話より

*8
74話より

*9
12話より




作者:ついに出ましたね

リカ:13セン────キロメートルが。

作者:…………………………………………

リカ:なんですか?

作者:君が言うと、別の意図を感じるんだけど?

リカ:なお近いうちに新たなアンケートを出す予定のようですので、何卒ご協力お願いしますとの事らしいです。

作者:自分のセリフゥゥゥゥゥ?!

リカ:何気にこの先の展開などが変わるらしいですので、前もって言っておかないとダメじゃないですか?

作者:いや、まあ……それはそうなんだけども……

リカ:ちなみに『13㎝』と言えばよかったですか?

作者:やっぱりソッチ系のことじゃないですか? ナンデ?

リカ:マユちゃんとネムネム────

作者:────GODAM〇IT。

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