完全な自己満足用。
遊んだセッションで使った自分のPCの過去編の話です。

GM並び、一緒に戦ったPLの皆さんに感謝!!

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嘗ては人斬りの修羅だった男

14年前

雷雨が伴う嵐の中、一人の少年が日本刀を振っている。

そんな中、一人の女性が彼に近づく。

「君が、現代の剣聖、立花風音くんだね。私は、プランナーと呼ばれている。君の力を欲しい」

「俺は、家族から切り捨てられてしまった、怪物だ。怪物と刺されて尚、何かを求めて力を身に付けようとしてる。こんな人間を欲しいのか?」

「ああ。君の家族とは交渉している。私は、君の力を知って尚、欲しいんだ」

「俺を必要としてくれるのなら、この胸の中にある霞も晴れるかも知れない」

「ようこそ、FHへ」

少年は女の手を握った。

 

 

 

あれから四年経った。俺が入ったFHという組織には、俺以外にも、俺と似たような超能力というべき力を持った人間がいた。

あの日から一人ぼっちだった俺に、差別の目を向けず接してくれる人が沢山いた。

再び、家族を得た気分になった。だが、俺がプランナーから直接スカウトされた事もあり、春日という一族を筆頭に嫉妬の目線を向けてくる人物も多かった。

FHの戦闘員の中で、俺だけが破壊力を持っていなかったこともあり拍車が掛かった。

ある日、俺はプランナーに聞いた。

「どうして、俺をスカウトしようと思ったんだ。俺は、ここにいる誰よりも破壊力がない。正直弱いとも感じてしまう。必要なのか?」

普段表情を変えない女が、少し面食らった顔をしていた。大方、俺が環境に満足しているから、質問されないとでも思っていたのだろう。

「お前が誰よりも、強い自我を持っていたからだ。今なお、力を求めていながら力に呑み込まれずにいる。そこに興味があった。それに、オーヴァードといえど、人間だ。死ににくいが、急所を斬れば死ぬ。静かに動いてくれる駒も欲しかった。だから、誘った」

そう答えて、部屋へ帰って行った。俺に見合った使い方がある。確かに、俺は暗殺や閉所での戦闘任務が多かった。派手に行動しない駒という意味では、FHにおいて、俺以上に使い勝手の良い存在は少ないだろう。

そして、俺は数日後に運命の出逢いをする。今にしてみれば、これはプランナーが予期していたことだろうかと疑問に思う。

だが、あの子との出逢いは、俺に変化を伴った。

 

 

 

あれは、珍しく人殺しではなく、海外の遠い地で行った調査任務だった。

調査の途中で、土地勘がなく、迷子になってしまった。

そこで、一人の少女に俺は道を教えて貰った。

感謝の気持ちを伝えたかったが、俺は言葉が分からず、ただ頭を撫でた。

任務が終わり、折角だからと甘い御菓子を持って、少女に会いに行った。

だが、そこには暴行されている少女がいた。

なにに暴行されていたかは、分からない。

初めて、自分ではない何かが心から現れ、そこにいた何かを斬り伏せていた。

少女は死に体だった。抱えて医者の所まで行こうと思ったときに、傷が癒えだし、血が戻っていく。

少女はオーヴァードに覚醒していた。

もしかしたら、自分の時のようにFHで保護できると考えた。日常で生きるのはきっと難しい。自分がそうだったように。ならばと思ったときには行動していた。

俺が世話をするからFHで保護して欲しいと頼み、その望みは叶った。

UGNに入れるべきだったと、今更ながら後悔もしている。

でも、不安に思わないように、俺が側にいようと思ってしまった。14の子供に何が出来ると今なら思うが。

 

 

 

日本に帰ってからは、俺は任務の日以外は、レリアに付きっきりになった。

日本語を教えて、簡単な算数を教えて、道徳を教えた。

日常的な人として生きる為に出来ることを、沢山教えた。

その生き方が叶わないとしても、教えずにいられなかった。

この国にいる沢山の人が、どうやって暮らしているかを教えたかったのだ。

いずれ、レリアがFHを去り、一人の人間として生きるときに、役立てて欲しいと、心の底から願って教え続けた。

俺自身にも変化が訪れていた。

レリアの「お兄ちゃん」という声を聞き続け、迷いが生まれだしていた。特に、戦闘中が酷い迷いを生じだし悩み続けた。

だからこそ、戦闘中はもう一つの人格に委ね続けた。そうすることで、レリアの下に、傷を負うことなく帰り続けられたから。

しかし、俺は間違えた。

UGNのオーヴァードを殺し、UGNの上役を殺すとき、その人はオーヴァードではなかった。

俺は無抵抗の人間を殺してしまった。

その日の俺は、凄く不安定だった。そして、レリアを視認して、吐いてしまった。レリアを暴行した何かに自分を重ねたからだ。

俺はその日から、自分自身と本当の意味で向き合いだした。

自分が何に飢えているのかを探し始めた。

 

 

 

 

あの日から長い年月が経った。

自身の二重人格を操れるぐらいに、自分が安定していた。

時折、とびっきり胸クソ悪い事件を起こすこともあるものの、自分がやらないなら、という意志で俺はFHに居続けた。残った理由には、レリアの事もあった。

ある日、プランナーに「少し遠くへ行かないか」と誘われたが、俺は「レリアから離れる時間は少なくしたい」と返答した。

プランナーは「彼女も16なのに、妹離れができないか?」と笑われたが、俺は多分、微笑みながら頷いた。

そんな俺にプランナーは何を思っていたのだろうか...

数日後、プランナーは失踪した。

それから、日本のFHは統率の取れた組織ではなくなった。

俺は、テロ行為ばっかり行うFHに日に日に嫌気を出していった。

そんな中、ある任務で、一般市民に攻撃しようとしたエージェントの同僚を俺は、自分の手で殺した。

一般市民に幼いレリアを重ねてしまったから、咄嗟の反応で殺してしまった。

そして、俺は自分が何に飢えていたかを、理解した。

俺は、力ない人間を救いたいと。

プランナーについて行けば、その願いは叶っただろうかと、考えるときもあった。

俺にとってのプランナーはきっと、神より、親だった。

だが、俺は自分の意志で、自分の道を進み出した。

 

 

 

「レリア・ジュリーか?当然だろう、有名な話だ」

 

 

俺は、俺の選択に後悔はない。

ただ、レリアの事を放っておいてしまった事だけが後悔している。

だからこそ、レリア。

お前は、自分の意志で生きて欲しい。

その選択が、お前の意志なら、尊重しよう。

でも、自分の意志が全くないのなら、俺は、俺自身の手で、レリアを止める。

この命に代えてでも。




PL、GMの皆さん。一緒に遊んでくれてありがとうございました。!!

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