「定例会を開始するよ」
深夜2時、ホロ電話の先でローグが口を開き定例会の開始を告げる。
フィクサー達が情報の共有と今後の方針を決める為に行われるこの会議。
今回を含めて第何回だったかは数えてはいないが大体一週間程の間隔で行われるこれはどのフィクサーにとっても大事なものだと皆理解している。
「各地域の状況は?」
「ウチのシマは大してないなぁ」
「ダウンタウンとコーポプラザはあまり変わりないな。いや、一件あったがワカコがどうにかしてくれた」
「ワトソンの方もあまり変わり映えしないわね」
「サントドミンゴはも変わり無し。いつも通りだ」
「バッドランズもいつも通……いや一件あるね。後で話すよ」
「パシフィカも変わりはない」
「ヘイウッドもさして変わりはないな」
ローグが各地域の状況を確認を取ると各フィクサーから現在の地域情報が話される。
どれも大して変わりがなく、いつも通りとの事だがバッドランズ方面……ダコタの担当地域に何かあったようだ。
「じゃあ後で聞くとしてだ。こっちで新しいソロが誕生したよ」
「ほう?」
「ディノはんが言うとった件やな。パドレはんとウチのシマに跨いであった件があったやろ?今度はディノはんのシマでやってたらしいんやが試しに送ってみたら解決してくれたわ」
「手際がいいな。そいつの名は?」
「
パドレが興味を示しワカコがディノ・ディノビッチ、パドレ…セバスチャン"パドレ"イバラ、ワカコの支配地域に渡って行われていた人攫い事件を新規登録したソロに斡旋し終わらせた事を言う。
件の事を知っていたエル・キャピタンが手際の良さを軽く称賛しそのソロの名前を聞く。
ワカコから亡霊という名前が告げられ、人攫い共を処理した時の映像があると言う。
全員が見ると言い、その映像が全員に出力される。
街の監視カメラからの映像で、亡霊と思わしき女が音もなく縁の上に登っていく。
その後右腰のホルスターから拳銃が抜かれ顔の前に構えられ祈りのような姿勢を取る。
パドレが「ほう……」と声を出す。聖職者である彼は気になったのだろうか?
その後銃を構え直し発砲。消音器が取り付けられているのか発砲音がカメラで拾えていないのが分かる。どうやら奥にいる人間を撃ったようだ。
そのまま続けて二度発砲し男を抱えている二人組の頭を打ち抜いた後銃をホルスターにしまう。
その後縁から降り周囲を確認、右手を頭に当て…おそらくワカコに連絡を行う。
連絡が終わると男を担ぎ上げ移動したところで映像が止まる。どうやら再生が終わったようだ。
「どうや?」
口がにやけてると言わんばかりの気色に満ちた声でワカコがどうだと確認を取る。
十分……いや、十二分すぎる結果だ。
隠密能力もさる事ながら優先順位の設定、銃の取り扱い等新人とは思えない動きをしている。寧ろどこかの企業の暗部にでも居たのかと思わせる程だ。
パドレの方はそれに加え何かに祈るという行為が高評価のようだが……
「せや、ウチの子達とも偶々やりあったみたいなんやけどな?そん時は命は取らんかったみたいやわ」
「へぇ、そいつは面白いね。どうやったんだい?」
「ログを総洗いしたからやっとわかったんやが、クイックハックやな」
「……どの程度だい?」
ログを総洗いしたという所からローグの口調に緊張が出てくる。
確かに本人は元ネットランナーと言い、
そしてワカコが続けて言う言葉を聞き笑いしか出なくなる。
「Pingでの人数確認からの
「アハハハ!お人好しなのに随分な戦闘技巧じゃないか!」
「お人好し?なにかあったのか?」
「あぁあったとも。やっこさん、これから世話になるからと言ってアフターライフに1万€$ポンと出したんだ。面白いだろ?」
そう言いクックックと笑いを堪えるように笑うローグ。
1万€$を即座に出せる度量といい戦闘能力といい謎な部分が多いが人柄に関してはこれから判断を付けていけばいいだろうという結論に至った。
他愛無い雑談の後、後で話すと言っていたダコタからバッドランズで起こっている案件が話される。
「さっき言っていた一件なんだが、どうやらラフェンの連中がスカベンジャーと取り引きをしてるみたいでね、どうもキナ臭い」
「そいつは穏やかじゃないね」
「で、だ。それを近々調査して欲しいってとこなんだが誰か適任はいるかと思ってね」
「成程…」
ナイトシティとバッドランズ、両方の厄介な連中との取引が行われているとダコタが言う。
下手な傭兵では情報は掴めず、かと言って情報戦だけのやつでは取って食われる。
その両方を持っていて、ネットランニングなどに詳しい人物をあてがわなければならないのだが……
「……亡霊が不思議なくらいに状況に適してるね」
「マッチポンプじゃないかって程にだがね」
そう、何故か新参者のソロである亡霊がぴったりと条件に嵌るのだ。マッチポンプと疑いたくもなるだろう。
だが、放っておいても厄介な事になるのは必然的であり、対処は迅速かつ的確に行わなければならない。
皆が暫く思案し、熟慮を重ねて確認を取る。結果として言うならば、亡霊を派遣するという事に決定した。
「では、亡霊をラフェンの元に潜入、情報を盗み出し脱出するという事でいいかい?」
ローグが最終確認を取り、各フィクサーが同意を示す。
そしてダコタにローグからメールが届く。確認を行うとそれには亡霊のホロ通話アドレスが書かれていた。これで連絡をしろということだろう。
「では、今回の定例会はこれで終わりにしよう。次はダコタ、あんたから開催の日付を言っておくれ」
「分かった」
そう言った後ローグが通信を切る。それを皮切りに各フィクサーも通話を切る。
定例会が終わった事とこれからの事を考えダコタが深く溜息を吐き、一度深呼吸を行う。
「さて、お手並み拝見といこうか」
そう言いダコタは口元をにやけさせるのだった。
夜の性的描写って細かい内容(プレイ内容)って書いた方がいいのでしょうか…?
R15までだと盛大に<USSR!>とか入れないとキツイような気もしますがどうしようか…