駐車場(?)に車を止め、降車して街中を歩く。
ちょっと進んで右を見ると開店前の店のショーウィンドウ内でポールダンスをしている男と女がいる。
左を見ると……やっぱりというか本編開始一年前からいるのかと呆れたくなるが予言者ギャリーが微妙に当たっていて微妙に外れている事を嘯いている。
それを横目にしつつほんの少し進むと……あった。MISTY'S ESOTERICA AND CHAKRA HARMONIZATION(ミスティズエソテリカ アンドチャクラハーモニゼーション)。翻訳するとミスティの秘境 チャクラの調和場。
そう、本編……いや一年後にて『V』の友人でありジャッキーの恋人であるミスティの店だ。
"リパードク"ヴィクターが銃創だらけの体を癒したりクロームを変えたりするのならばミスティはチャクラ、精神を癒してくれると書かれている(データベース参照)通りミスティの店の内部はハーブ等のリラクゼーション品が置かれている。
店先で一度深呼吸し、店内に入るとそれに気づいたのかミスティが顔を上げて声をかけてきた。
「いらっしゃい」
「えぇ、どうも」
「クロームの方?」
「そうです」
「あー……なら少し待ってほしいかな。今診療中なの」
「了解です」
「待ち時間にと言ってはあれなんだけど、占いをしてもいい?」
軽い挨拶を交わし、診療の方をお願いするもどうやら今診療を行っているらしい。
時間潰し…いや、彼女的には何か気になったのか占いをしてもいいか聞いてきた。
個人的にもミスティの占いには興味があるし実際自分もついついゲーム内でやりに来ていたのを思い出したので快諾する。
「タロット?太さ的に78枚ですか?」
「よく知ってるね。貴女もするの?」
「戯れ程度かつ独自の方法ですけどね。」
「ちょっと気になるかな。次にお願いしていい?」
「喜んで」
タロットカードをシャッフルしながら他愛無い話をする。
暫くカードを切る音が続き、これで十分と思ったのかシャッフルを止める。
そしてミスティが上からカードをめくり机に置いていく。
「愚者。全ての始まり。足下にある危険にまだ気づいていないみたい」
「魔術師。貴女は何をするにも才能があるみたい。だからこそ足元の危険性に気付かないでいたのかも」
「戦車。突き進む力に溢れていて苦難に合った時に助けてくれる人がいたり逆に誰かの助けになるのかもしれない」
「運命の輪。何か…貴女なのか他の人かは分からないけど転換点や定められた結末を変えられるかも」
……全て大アルカナとは驚いた。
総評すると……
まだ足元の危険性に気付いておらず、力と知恵はあるからなるようにはなる。自分への困難、他人の困難にはそれを突破する為の力ある人物が助けてくれる。またはその困難に対する突破口となりうるだろう。
そして貴女の存在は良くも悪くも転換点になりうるだろう……と。
フーン……成程成程……足元の危険……企業か…?転換点……多分『V』君か…?
「全て大アルカナっていうのはまた…拘束力が高そうだ……」
「そうだね。でも、貴女はそれを打開する力があるっていうのが出て来てるから問題はないのかも」
「そうあって欲しいですよ……」
ミスティが机に出したタロットカードを山札に戻して少しシャッフルして私に渡してきた。
先程のやり取りの通り今度は自分がやる番だと理解し受け取る。
そして適度にシャッフルを行い、一度タロットカードを机に全て置く。
「では始めます。山札から好きな場所から、12枚時計周りに裏面で配置してください」
私の言葉に従いミスティが12枚山札から取っていき時計周りに配置していく。
配置し終わったのを見て、私が山札の一番上から一枚を取り真ん中に配置する。これで準備は完了。
「私のやり方は時間の力を借ります。長針は今、短針は過去、秒針は未来を示します」
現在時間は13時35分40秒。
先ずはその位置にあるカードを全てめくっていく。
「過去、ソードの10。現在、恋人。未来、運命の輪。……全部正位置ですね」
「そして真ん中のカードは貴女自身を現すカードになります」
そう告げ、時計状に配置したカードの中心のカードを捲り表にする。
「成程、星のカード、位置は正位置」
「総評を聞いてもいい?」
「えぇ。では総評を」
一度深呼吸を行い、出てきたカードの意味を纏める。総評するならこうだ。
「過去からいきます。貴女はどうやら過去、幼少期や今現在にくるまで苦痛に苛まれたようですね?で、ワンドのキング。どうやらある男性に助けられたようだ」
ソード10の次の位置、時計的に言うなら2時の針のところをめくり出てきたワンドのキングに結び付ける。
その次の時間は……まぁ端折っても大丈夫だろう。
「現在、恋人。過去軸にあるワンドのキングを見るにその男性と恋仲なのかな?そして店を構えている事を鑑みるに立ち位置はしっかりしている、と。おっと、ここで愚者の正位置ですか」
先程ミスティが言った内容の通り、全ての始まり、足元の危険に気付いていない状態。
だがこれはミスティ自体には適用されてはいないだろうと読み取る。それを踏まえるとこうだろう。
「これは多分その男性の状態ですね。これから始まる事に対して足元の危険にまだ気づけてはいない。これを打開するには…」
そう言い山札から一枚捲る。出てきたカードはワンドの9。これも正位置。
「成程、ワンドの9。警戒を行い窮地に立ったとして焦らず冷静にいる事が大切になると」
ふと顔を上げミスティの顔を見ると口をつぐみ真剣な顔をしている。心当たりがあるのだろう。……もしかしなくてもジャッキーの件だろうな。
「未来、運命の輪。これは貴女が先程言っていた通りですね。これより未来はやめておきましょう。大アルカナで悪魔の逆位置なんて出たら目も当てられない」
そう言いタロットカードを片付ける。少々待っているとミスティが顔を上げ少し微笑む。
「ありがとう。他人に占ってもらう機会なんてあまりないから参考になったよ」
「こちらこそ」
その後、他愛無い話をしていると裏手の方から扉が開く音が聞こえてきた。
数秒後、ガタイのいい男が歩いてきたのを見てあぁやっぱり君かとため息気味に息をはいた。
「やあジャッキー。昨日ぶりですね」
「おぉ!亡霊じゃねぇか。ヴィクターの所に用事か?」
「えぇ。流石に一度見て貰っておこうかと思いまして」
「ジャッキー、亡霊って朝話してた助けてくれた
亡霊の名前に反応したミスティがジャッキーに問う。
というかジャッキー、話したのか。……まぁ話すだろうな。
呆れたような感じに肩を竦め手を上げてやれやれといったポーズでもしておこう。
「そうそうあの亡霊だ。…おっと、すまねぇな」
そうその亡霊だとジャッキーは言い、移動して自分に奥に行くように促す。どうやら空いてるから行ってくるといいという事らしい。
それでは。と右手を上げ行ってくるとジェスチャーで挨拶して奥の自動扉から外に出る。
そのまま真っ直ぐ歩き、上がり階段と下り階段の所まで来たら下り階段を使い下っていく。
下りきった所に自動扉があり、そこに近づきアクセス、自動扉が開いたので中に入る。
中は仄暗く、宇宙船の中の様な雰囲気でテレビからの音声と空調の音が聞こえる。
そのまま歩き、また扉…柵?仕切り?にアクセスして開ける。
奥を見ると男が椅子に座りテレビを見ながら自分の腕に取り付けてある器具を弄っているのが見えた。
音に気付いた男が器具を弄っている手を止め、顔を此方に向け、自分に向けて声をかけてきた。
「らっしゃい」
……凄く今更だけど緊張してきた…
タロットの占いに関してですが、亡霊がやった占いの仕方はほぼ完全にオリジナルです。
タロットの意味な等に関してはwiki等色々調べて書いていますので大体意味合いは合っていると思います。