Good morning,NightCity.   作:銀翁玉

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前回の話の感想欄の返答で書いたのですが、あの戦闘、かなりギリギリの戦闘でした。
シナプス加速器、ケレズニコフが起動中なら亡霊が勝てて起動してないならデイビッドが勝てる状態です。
ルーシー?残念ながらクイックハックに対する耐性はバグ染みてるので効きません。完全に戦力外です。ただし、モノワイヤーを使われると場合によっては危ないですが。

毎度の事ですが、誤字修正、感想共にありがとうございます!
感想欄は特に、こういう見方があるのか…や、その存在しない記憶のシチュエーションいいっ…!ってなる事があります。


質問 回答 忠告

 

 

「やぁお姫様。良い眠りはとれたかな?」

 

 女ランナーが気絶している状態から回復し、うぅ…と呻きながらデイビッドの膝の上から頭を上げてこちらを見る。普通、膝枕するのは逆だと思うんだけどなぁ…いや、気絶させたのは自分だけども。

 自分の存在に気付いた女ランナーがすぐさま臨戦態勢を取ろうとするのを片手を上げてまぁ、待てと静止させる。

 

「さてデイビッド。まずはこの女性を紹介して欲しいな」

「……ルーシー」

「OKルーシー。まずは飲み物を飲むと良い。リアルウォーターだけどよかったかな?」

 

 デイビッドから女ランナーの名前を聞き、女ランナー…ルーシーに近づき目の前でしゃがんでリアルウォーター(無炭酸)を渡す。ルーシーは困惑しながらもリアルウォーターを受け取ってくれた。

 デイビッドの質問に答える前に、一応今回何故襲撃したのか聞いておくとしよう。

 

「質問の答えの前に、なんで君達は私を襲ったのかな?」

「……」

「……」

「答え辛い?…まぁ私の勝手な予測だと、ルーシー関連で何か理由があってデイビッドは連絡と質問を兼ねて。で、ルーシーに対して私が攻撃したからデイビッドは参戦って感じだと思うけど、どうかな?」

 

 黙り込む二人にさっきの襲撃内容から思った自分の予測を話す。するとデイビッドはその通りだと言いたげに首肯した。成程、いい男じゃないかデイビッド。好きだよ、そういうの。

 さてルーシーの理由に関してだが…恐らくは"企業"関係だろう。まぁ、十中八九アラサカ絡みな気もするしその線で探ってみるとしよう。

 

「デイビッドが私を襲った理由は分かったけどルーシーが私を襲った理由はまだだね。これもまた自分の予測だけど、アラサカ絡みじゃないかな?」

 

 アラサカという名前が出た瞬間、僅かだがルーシーの身体が震えたのが分かった。ビンゴか。……優秀なネットランナー、アラサカ、オールドネット、ブラックウォール……まさかとは思うが、ルーシーは元アラサカのネットランナーか何かか?いや、だとしたらこの襲撃の理由としては弱いな。…恋仲の関係?

 少し考えていると、ルーシーが口を開き、自分に対して質問をしてきた。

 

「質問してもいいかしら?」

「私の知っている限りの情報でいいなら」

「…元コーポって本当なの?」

「(ライフパス:コーポなので)本当ですよ?部署までいいましょうか?」

「……いやいいわ」

 

 元コーポかという質問に対し、そうだと答え、なんなら部署まで言おうか?と言ったら断られた。何か思う所があったのか、ルーシーはそのまま考えるような素振りを見せ、思考の海に入っていった。

 

「あー……ルーシーが思考の海にダイブしたみたいだしデイビッドの質問に答えようか。確かオールドネットとブラックウォールだったね」

「あぁ」

「ではお話ししましょうか」

 

 デイビッドの質問への回答を行う前にリアルウォーターの缶のプルタブを開け、一口飲み喉を潤す。…うん、水だこれ。まぁ確かに、リアルウォーター(現実の水)という名前だけども…

 

「どこから言ったものか……うーん…オールドネットからにしますか。まずオールドネットについてだけど、今のネットになった理由はしっているかな?」

「確か…レイシィ・バートモスが原因だとは聞いているが」

「ではそこから詳しくいこう。当時の天才ランナー、レイシィ・バートモスがネットのアーキテクチャにDataKrash(データクラッシュ)ウイルスをばら撒いていたんだけど、当時は無害なものとして放置されていたんだ。だけど、彼が死んだ事でデッドマン・スイッチ(死後発動スイッチ)が起動され、そのDataKrashウイルスのR.A.B.I.D.S(ラビッズ)…正式名称、『Roving Autonomous Bartmoss Interface Drones放浪型自立式バートモス・インターフェース・ドローン』がネットに猛威を振るった。そのウイルスの仕様は単純明快。ありとあらゆるファイルをシャッフルするという物だ。R.A.B.I.D.Sはありとあらゆるデータ要塞を崩壊させていった。それと同時に第三次企業戦争の時に企業がネットにばら撒いたデーモンや攻撃AIも猛威をふるった結果、その時のネットウォッチ代表がサイバーデッキ、ネット対応のコンピュータをサイバーベースに接続されていたI-Gプロトコルを破壊し、ネットを殺すという事でなんとか耐えられたんだ。」

 

 まだ触りの部分だが、デイビッドが少し混乱し始めているのが目に見えた。おいおい。まだまだあるんだぞ?デイビッド…ルーシーはいつのまにか思考の海から戻ってきて自分の話を聞き始めていた。ネットランナーだし気になるか。続きといこう。

 

「さて、なんで攻撃AIやデーモンが跋扈していたのかだけど…その前にあるデーモンについて話す必要があるね。ルーシーなら知っていると思うけど、ソウルキラーというデーモンが重要な要素になるんだ。」

「ソウルキラー?」

「史上最悪のICEよ。使われたら最後、攻撃されたランナーは苦痛にのたうち回りながら魂を抜かれると言われているわ」

 

 ソウルキラーという単語にデイビッドが疑問を浮かべながらオウム返しするように言うと、ルーシーがどういうものかを説明した。その認識でまぁあってる。

 

「うん、そのソウルキラーなんだけど、元は人格をネットに保存する為のものだったんだ。それを企業が悪用して、対抗企業のネットランナーに使っていたんだけど、当然、人格はネットに保存される訳だ。その結果、今でいうオールドネットは元人間の放浪AI、企業の攻撃AI、デーモンが跋扈する空間になったんだ。で、話しをネットの崩壊に戻すけど、完全に崩壊する前、どうにか消失したデータをサイバー空間の残骸からサルベージする為蛮勇なネットランナー達がいたんだけどまぁそんな魔境に足を踏み入れて無事な訳はなく、どんどん狩られていったんだけど、その時、ブラックウォール計画という人間用ネットワークとAIの支配下のネットを隔てる壁を作るものが作られた。これが自分の知っているオールドネットとブラックウォールについてだよ」

「…あぁ」

「まぁ…デイビッドはソロだからピンとはこないと思うけど、ルーシーはどれ程危険な空間か分かったと思うよ」

「えぇ…」

 

 デイビッドは…仕方ないとしてルーシーは理解したのか、少々体が震えていた。

 

「もしかしてだけど、潜った事があるのかな?」

「……」

「潜ったみたいだね。……え?あの魑魅魍魎跋扈する空間を無事に?オルトにすら感知されず…?えっ…?」

 

 あまりの事に思わず驚いてしまう。嘘だろルーシー。踏み入れたら最後のあの空間から生きて戻ってきたのか?"あの"オルトに感知されず…?うっそだろお前…

 ………まぁなんにせよ、質問の回答は終わった。ルーシーになんで襲ってきたのかまだ聞いてないし聞かなければ。

 

「そういえば、ルーシーが何故自分を襲撃したのか答えを聞いてなかったね。話してくれるかな?」

 

 優しく、気遣うようにルーシーに何故自分を襲ったのかを質問すると、ルーシーは一度デイビッドを見た。デイビッドはそんなルーシーに対し大丈夫と言い、肩に手を置いた。…コーヒーをくれ、エスプレッソで。

 

「…さっき亡霊が言った通り、アラサカのエージェントだと思ったのよ…」

「成程成程。まぁ合点はいきますね。で、それだとなんでエージェントを襲撃しているのかという話になるんだけど……言いたくない?」

「……えぇ」

 

 予想通り、自分をアラサカのエージェントだと思って襲撃したと話したルーシー。だが、なんでアラサカのエージェントを襲撃していたという疑問が新たに浮上する。

 ルーシー自体は優秀なネットランナーと判断が付けられるが、少し材料としては弱い。そもそもアラサカなんて文字通り掃いて捨てる程ネットランナーはいる筈だからだ。だとすると、残る候補はデイビッド絡みしかない。恋に対しては弱い。分からんでもないよ。元男だけど。

 

「デイビッド絡みが要因とみてよさそうだね…そういやデイビッド。君、サイバーウェアは何を付けてる?」

「企業秘密と言いたいが、先にそっちが話してくれれば話してもいい」

「分かった。その交渉を飲むよ」

 

 実際、サンデヴィスタンのあの速度は異常だ。チアンTのワープダンサー(レジェンダリー)で90%の時間遅延なのは記憶している。自分のシナプス加速とケレズニコフを合わせて140%の時間遅延。普通に考えればデイビッドのサンデヴィスタンは140%の時間遅延環境の中、同じ速度で自分に接近し殴りかかってきたのだ。

 デイビッドにサイバーウェアは何を付けているのかと質問すると、そっちが付けている物を言えば話してもいいと返答された。ステルス迷彩、痛覚エディター等のヤバイものを除けば話してもいいだろうと算段を付け交渉を飲むとしよう。

 

「ではまず、目。キロシオプティクスMk3。腕、ゴリラアーム。神経系、ケレズニコフ、シナプス加速器。手、スマートリンク。脚、強化足関節だね。サイバーデッキ……は言わなくてもいいよね?」

「あぁ。それと、戦闘系のチップは入れてるのか?」

「……入れてないね」

 

 自分が入れているサイバーウェアを言っていくと、デイビッドの顔が少しずつ険しくなっていき、戦闘系のチップはいれているか?という質問に対して入れてないと答えると、顔がより険しくなった。……癪に障ってしまったなこれは。

 そう思いつつも次はそちらだと言うように手で催促すると、デイビッドが入れているサイバーウェアに付いて話した。

 

「サンデヴィスタン、ゴリラアーム、プロジェクタイルランチャー、人工肺、マイクロローター、強化足関節だ。」

「成程。随分と入れてるけど色々と大丈夫なのかな?」

「俺は"特別"らしくってね。平気どころか生身より馴染むくらいだ。」

 

 ………おかしい。基本サイバーウェアを付ければ付ける程サイバーサイコになる確率が跳ね上がる筈だ。だが、デイビッドを見た限りではその兆候は見られず、本人は寧ろ生身より馴染むくらいだと言っている。それに特別…?…いや、"特別"なんてものは存在しない。この体だって、ゲーム中かなりのサイバーウェアを入れたが影響がなかった。それは多分だがレリックによる能力だと予測はつく。そもそもサイバーサイコシスとは、言い直すと、義体化精神病という病気の一種だ。これは元の身体になかったものを付け加える事で人間の精神から乖離していくという病だ。故に体にいれられるサイバーウェアの数には個体差が生じる筈なのだが…まさか………いや企業ならやりかねんな

 

「ルーシー、もしかしなくてもだけどデイビッドの特別と関係があるね?」

 

 ルーシーにアラサカのエージェント襲撃はデイビッドと関係があるのかとカマをかけてみると、案の定、ルーシーは驚愕した顔でこちらを見た。

 

「腹芸をやれとは言わないけど分かりやすすぎるよ。まぁ、恋人絡みなら仕方ないか」

「…?」

「あー…デイビッド。どうやらルーシーは君の特別を知って狙っている企業の連中から守る為にエージェントを襲撃していたみたいだよ。もしかしてだけどアラサカの誰かから何回か勧誘もあったんじゃないかな?」

 

 疑問を浮かべるデイビッドに、ルーシーの顔と動作から予測した事をデイビッドに話す。それに対しデイビッドは思い出すような仕草をし、少ししてからあったと言った。……ビンゴかぁ…

 

「OK、OK分かった。まずルーシー、私は君に対して何か害をなそうとする気は一切ない。寧ろその恋路、応援するよ?」

「……!?」

 

 まずはルーシーに対し、害する気持ちはない事を伝え、恋路を応援する事を伝える。それを聞いたルーシーは顔を赤面させて驚いていた。……案外かわいい所あるじゃあないか。次、デイビッド。

 

「デイビッド、君に対しては何個かある。まず一つ、"特別"は存在しないし、特別と見えるだけで絶対的な要因と理由がある。これはお願いだけどサイバーウェアの動作が少しでも悪いと思ったらすぐ外して欲しいしこれ以上クロームは入れないで欲しい。私の予測だけどかなりギリギリのラインだと思う。次に怪しい依頼やフィクサーがいたら先ず自分に言って欲しい。追加人員として参加するし裏も探ろう。それと、よくルーシーと話して、絶対に離すなよ?色男」

 

 デイビッドに対し、忠告とお願いを言い、それじゃあと手を振りナザレに跨りセルを回して発進する。少しナザレを走らせると、一気に疲れがきたのか倦怠感が体に纏わりついてきた。今日はもう帰って休もう…

 

 

 

 

 

 

 

R18描写(ジョイトイ、ロマンス描写)の需要

  • ある
  • ない
  • エッジランナーズとの絡みマダー?
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