花で奏でる。   作:斉藤努

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どうも、初めましての方ははじめまして。既に私の小説を読んでいてくれている方はお久しぶりです。斉藤努と申します。
楽しんで頂ければ光栄です。

それでは本編。


第1話

黄昏の空の下、向かい合って話ている子供が2人。

 

「本当に行っちゃうの?どこ、遠く?僕、ついていきたい」

 

「ううん、大丈夫。すぐに帰ってくるから」

 

「絶対だよ?はいっ、ゆびきりげんまん」

 

少年は大粒の涙を溢しながら小指を差し出す。

 

小指同士を絡ませながら逆の手では少年の頭をなで、年齢に合わない寂しそうな顔をしていた。

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 少年の名を神崎啓斗(こうさきけいと)という。

啓斗はふにゃあ、と声を上げて起きた。少しだけ感傷に浸っていたが時計を見て我に帰えったのか着替えをしながら冷静に過去を思い出すと自分の頬に涙が流れていることがわかり、拭ってパンを片手に家を出る。

 

 

 

 

 啓斗が食パンをもぐもぐやっていると後ろから声がかかり、後ろを向くとそこには少女の顔がドアップで映った。

「たえ⁉︎どうしたの、近いよ!」

 

「?おはよう啓斗。私もパン食べていい?」

 そう言われて啓斗は『か、関節キス⁉︎』という異次元な妄想をしたところで咥えていたパンが小さくなっているのに気付く。

最初は焦ったが、たえの咀嚼音を聞くと顔が林檎の様に真っ赤になりその場でしゃがみ込み自分の頭を殴る。

たえはそんな事お構いなしに遅刻するからと啓斗の体を引きずる。啓斗が断末魔の叫びを上げていたのはまた別の話。

 

 

 

 ようやく一人で歩ける様になった啓斗は一向として前を向かない、というか前を向けない。

まだ顔が真っ赤なのだ。本人はもうお嫁に行けないだのなんだのゴニョゴニョ言っている。

「あはは、啓斗顔真っ赤。林檎みたい」

 

「だっ、誰の所為だっつーの!俺だって男なんだよ‼︎」

 

「なんかその言い方有咲みたい。面白いね」

 

「俺はツンデレじゃねえー!」

青空の元絶賛不機嫌な少年の啓斗と、能天気なたえが元気に登校しているのであった。

 

 

 

 

 

 時は経ち、放課後。学生にとっては1日の中の唯一のオアシスと言っても過言ではない。友達とカラオケで歌うことや、アルバイトに勤しむこともあるだろう。

 

 だがしかし、啓斗には男友達がいない為カラオケを楽しむことはできないし、アルバイトはやっているが今日はシフトが入っていない為そういう用事もない。

 

そして満を持してたえに声をかけたのだがバンドの練習があると言って、断られてしまった。

 

つまり、今啓斗はいわゆるボッチなのである。啓斗にとってこれは日常茶飯事なことなので大体駅前でぶらぶら歩いて適当に遊んで家に帰る。

独り寂しくカラオケを歌ってゲーセンで金を溶かし、帰ろうとした時。啓斗は音に聞いた。

 

ベースの音色、それがわかったのか啓斗は無意識に足を向けて歩き出す。

 

そこには少しだけ人だかりがありよく見えなかった為に胸を高鳴りさせながら背伸びをすると……知らない男がベースを使って弾き語りをしているのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 人が一人だけ居る一軒家。これが啓斗の家でその中の一室で寝転んでいる。

 

昔の夢を見て泣いた事、駅前での演奏を聞いた後から啓斗自身、胸につっかかりができていた。

 

あまりよく覚えていない過去の記憶を急に呼び起こされて戸惑っているというのと、早くその人に会いたいというジレンマで悩んでいた。

 

「幼馴染みかぁ、レイちゃんだっけな」

 

と、そう呟く。その声がお世辞にも大きいとは言えない部屋を反響してより啓斗の脳内に残り続ける。軽く頭の痛みを感じた啓斗だったがそれもすぐ治った。

 

夜ご飯を食べようと体を起こすと一冊のアルバムが啓斗の目に留まる。それを手に取ると幼い啓斗と長髪で黒髪の少女が遊んでいたり、一緒に歌を歌っている写真がたくさん出てきた。

 

その中に一つだけどちらも涙を流している写真がある、別れの際のものだ。

それを見た啓斗は暫くの間、化石のように固まっていた。




いかがだったでしょうか。初めての三人称小説なので四苦八苦しました。誤字訂正、おかしいところの指摘等、お待ちしております。
感想、お気に入り、評価もしていただけると泣いて喜びます。
ではまた次の話でお会いしましょう。
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