花で奏でる。   作:斉藤努

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皆様、大変お待たせ致しました。
マジですみません。読んでそのお怒りを沈めて頂けると幸いです。



第11話

 啓人はベースを取り戻して約1週間。ランダムスターを手に入れたすぐ後の香澄のように何時でも何処でも手を離さずにいた。しかし、やはりブランクはあるためか弦で手を切り至る所に絆創膏が見える。

 学校でベースをいつでも触っていたら大層目立つ。そして元から顔がそれなりに良かったのが響いたか、女子に注目されることになった。それを良く思わない人間……主にPoppin’Partyのメンバーで、もっと言えばたえだ。最近は全く話すこともなかったためか怒りのボルテージがマックスなのである。

「啓人、最近調子乗ってる。懲らしめないと……」

 啓人がくしゃみをしてしまいそうな内容を昼休みにお昼を楽しんでいる最中(さいちゅう)にブツブツと愚痴を零すたえ。そんな事は露知らず、人生で最高のモテ期が来ていると思い込んでいる啓斗は大勢の女子の前で鼻の下を伸ばしているのだった。

 

 

「もう、一緒にお昼食べない」

「あれ〜? おたえ、嫉妬してる?」

「嫉妬じゃないよ。これは当然のこと」

「まーたしかにな。最近神崎のやつ調子乗ってるし私たちが懲らしめてやらないと」

「えー! 啓人のことそこまで思ってるなんて有咲は優しいね。いつも啓人にツンツンしてるのに」

「おまっ、馬鹿! そんなんじゃねーから! 私はなぁ、ただ、その、えっと、つまりだな……」

 啓人がいないと自分が揶揄われる対象が自分に変わることを思い出し心の中で『おのれ、神崎ぃ』と叫ぶ有咲であった。

 その五分後。重役出勤をしてきた啓斗だが、たえは完全無視、他のメンバーもたえにならい無言を貫く。それに違和感を感じた啓人は1番話しかけやすいと思った山吹沙綾に声をかけた。

「えっと、山吹? これはどういう状況で?」

「何か心当たりはない?」

「……ないけど、みんなどうしたの?」

「じゃあヒント。啓人さ、最近ベース持ってること多いよね。それで変わったこととかある?」

「勉強時間減ったかな」

「それはそれで問題あるけど不正解。じゃあさ、最近お昼一緒に食べてないよね。今日も遅れて来てたけどさ、どうしたの?」

「ちょっと屋上で練習しようとしたらお昼の時間終わっちゃってて、今日はずっと話しかけられてたな」

 これだけの会話劇をしてもわかっていない引き笑いをしながら、『それじゃあ多分一生だよ』と言ってまた元の状態に戻る一行。

 そこで何か思いついたのか啓斗が口を開いた。

「そっか、ごめんね。みんなでいつでも食べようって約束したもんね。それなのに俺ばっかり破って、ほんとにごめん!」

 そう、あの鈍感クソ雑魚メンタルの主人公野郎が己の所業に気付いたのだ。これは流石のPoppin'Partyの面々も鳩が豆鉄砲に打たれたかのような顔をしているのもしかたがないことである。

「け、啓斗? どうしたの、大丈夫? 風邪でも引いた? なら早退する?」

「山吹こそどうしたの? 俺は普通だよ? それはそうと本当に約束破っちゃってごめん。明日からはちゃんと来るから!」

「はぁ。ま、神崎にしたら及第点なんじゃね? おたえも許してやれよ」

「……自覚ができたみたいなら許す。けど啓斗、次はないからね。またこんなことがあったら……逃がさないようにしちゃうかもよ

 たえからの圧に押されながらもたわいもない話をしながら昼休みを過ごす啓斗達であった。




いかがだったでしょうか。今回はレイは出てこない閑話でしたね。
啓斗と有咲はいじりやすいところが似てますね。でもいじられ度は『有咲<啓斗』だと勝手に思ってます。啓斗はちょいMっけがあるので喜んでいたり喜んでいなかったり……?

次回は啓斗とレイのちょっとしたデート的な、そんな話になると思います。
それではまたどこかの作品で。
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