花で奏でる。   作:斉藤努

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どうも斉藤努です。
二話目、どうぞご覧ください。


第2話

 和奏レイは焦っていた。少女がこの地に戻ってきてから早数ヶ月、帰ってくることを約束した幼馴染みと会えていないくのだ。

 

もしかしたら相手は自分を忘れているかもしれないし他の所で暮らしているかもしれない。そういった考えがレイを焦らせている。

 

「けいくんに早く会いたいな。……花ちゃんにも」

 

レイのその声は誰にも届かずただ夕焼けの下に佇むのであった。

 

 

 

 

 レイは今日もよくわからないライブハウスに足を運ぶ。所謂サポートというやつだ。今回のサポートも相手を引き立たせる様な演奏をして、観客を喜ばせる。それがレイにとっての日常となっていた。

 

 

 帰り道、レイはまたもや幼馴染みの事を考えながら歩いていた。しかし、その時レイの瞳に一組の男女が映った。手を繋いでいる二人。それが自分の幼馴染みとだと気付くのに一秒の時間もかからなかった。

 

だが、それと同時にあんなにも仲良く隣を歩くという事は二人は男女の仲であるとのだと悟ってしまった。嫉妬、憎悪、後悔。上げればキリがないくらいの負の感情が湧き上がっていた。

 

自分がこの地から離れなければあそこにいる事ができたのだろうか?そう考えるレイだがただ棒立ちで二人が行くのを見送る事しか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時は遡り花咲川高校。HRが終わり生徒は帰り支度を進めていた。

 

「啓斗、皆待ってるから早く用意して」

 

たえの言う皆というのはたえが所属しているバンド‘’Poppin‘Partyのメンバーの事だ。一年の時は一人以外は同じクラスだった為全員と仲が良い。今でも時々一緒に帰ったりお昼ご飯を食べたりしている。勿論の事、メンバーは啓斗の恋心に気付いて影から応援している。

 

帰る時にメンバーがやっているがある。それは必ずたえと啓斗を隣にすること。そして後日それをネタにして啓斗を揶揄う事だ。そしてほぼ毎日同じ事をされているのに懲りていない啓斗がいるのも事実である。

 

 そのまま他の人と別れ、たえと啓斗だけが隣で歩いている。これも他のメンバーの気遣いとでも言うのか。しかしながらこんな大事な時に言葉が出ないのが男の性である。

 

「ねえ、昔の啓斗ってどんなだったの?」

 

「昔……恥ずかしいから言わない」

 

「ならいいや。あのね、啓斗。私幼馴染みいるんだ。けど遠くに行っちゃって」

 

啓斗は自分と似ているなぁ、思いながら相槌を打つ。その際にも啓斗の顔は朱く染まっているが気付く様子は微塵もない。

 

「最近思い出したんだけどね、その子すっごい歌が上手いんだ」

 

「ふーん、聞いてみたいな」

 

「私も久しぶりに会いたいし、啓斗にも紹介したい」

 

そう言うとたえはニコッと効果音が付きそうなぐらいの笑顔を浮かべると、より一層啓斗の頬の色が濃くなっていく。その時、啓斗とたえの手が少し触れる。

 

「あっ、こんな話したらちょっと寂しくなっちゃった。手繋いでいい?」

 

「えっ!?まぁ、たえがいいならいいけど……」

 

「ありがと。啓斗の手って暖かいね」

 

そう言ってたえは啓斗と繋がれた手を上に掲げてまじまじと見つめる。

啓斗の手は悪く言えば男としては少し頼りない、よく言えば華奢で綺麗といえる。

 

「啓斗、好き」

 

「え///好きって?本当?」

 

「うん、啓斗の手すべすべできめ細やかで色も…」

 

「やめて!俺の勘違いだから、恥ずかしいから!!」

 

ちょっとした勘違いを起こす啓斗。それに気付かずナチュラルに受け流すたえ。他から見たらカップルがいちゃついている様にも見えるだろう。

 現にそう見られているという事がわかるのはもう少し先の話である。

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