ゾイドワイルドクロス アナザーZERO   作:オーガスト・ギャラガー

19 / 86
 ゾイド、それは銀河の彼方の惑星に生息し、金属の肉体と動物の本能、自ら戦う意思を持つ金属生命体である。
 ゾイドが生息する惑星Ziが滅亡の危機を迎え、そこに住む人類は第二の故郷として地球を目指すが、あるトラブルにより、ゾイド因子が暴走し、それによって不慮のタイムワープを起こし、21世紀の地球に不時着し、地球にゾイドが現れ、ゾイドによる破壊と度重なる地殻変動で地球は一度滅びた。
 サリーという謎の少女が持つペンダントの力によって復活した伝説のビーストライガーを相棒にした少年レオはビーストライガーが新たな姿を得て進化したライジングライガーの力によって強敵セードとジェノスピノを打ち破り、新たな仲間を加え、再び地球再生のための冒険の旅に出掛けた。


第19話「村ノ 守護神」

 ゴールデンゲートブリッジから少し離れた場所まで来たレオたち、ユウトのハンターウルフ改、メルビルのギルラプター改、そして禁制地区に霧の中から現れる謎の存在との戦いで、ライガーたちが傷付き、バズの車が破壊されたため、ライガーたちのメンテナンスを行えるための道具と場所を求めて進んでいった。車を破壊されたバズはフォックスに乗っていた。

 

 「なあ、バーンの旦那。この狭さ、何とかしてくれないか?」

 

 「無茶言うな。そもそも俺のフォックスは2人乗りじゃないんだぞ! 嫌だったら、あっちのお姉さんたちのゾイドに乗れば?」

 

 「いや、でも……ラプトリアはもっと狭そうだし、そしてもう1人の共和国の姉さんは乗せてくれなさそうだし……」

 

 「けっ、仕方ねぇな。」

 

 その時、サリーが何か見付けた。

 

 「ねぇ、あれ何?」

 

 「ん?」

 

 サリーが指差した方の森にキャタルガがいた。

 

 「あれって、確か、バズの知り合いのキャタルガじゃない?」

 

 「言われてみれば、ラプス島であの時、私たちを助けてくれたキャタルガだわ。でも見たところ、主人を失っているから、帰るところがなく、乗ってくれるライダーも現れず、野良ゾイドになってしまったそうね。」

 

 「全くだ。あんな得体の知れないもん、俺に紹介しやがって! 酷い目に逢ったのはこっちの方だよ!」

 

 「でも、あのキャタルガ、何か落ち着かない様子。」

 

 サリーが指摘している通り、キャタルガは何かソワソワしていた。そして、レオたちの方を見た後、森の奥の方に行った。それを見たレオは、

 

 「もしかしたら、あのキャタルガ、俺たちを道案内しているのかも。ついていってみよう!」

 

 「お、おい、待て! レオ。」

 

 「ここは彼を信用した方がいいかもね。」

 

 パキケドスBRもライガーの後についていき、バーンとアイセルも渋々ながら、その後についていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 キャタルガの後についていくと、森の奥にネジ曲がった空間があり、そこに何やら、街が見えるが、空間の歪みではっきりと見えなかった。キャタルガは再びレオたちを見て、そのまま空間の歪みに入っていった。

 

 「おいおい、またへんなところに行っちまったぜ! これは引き下がった方がいいんじゃないか? レオ。」

 

 「レオ……」

 

 「キャタルガが俺たちをここまで連れてきてくれたんだ。きっとこの中に何かある!」

 

 レオは迷いなく、空間の歪みに入った。

 

 「お、おい! な……なあ、共和国のお姉さん、俺たちは入らない方がいいんじゃ……」

 

 「私はロックバーグ中尉よ! 根性がないなら、さっさと帰れば? それにこんなものがあるなら、調査しないわけにもたいかないわ。」

 

 そういって、ロックバーグ中尉もパキケドスBRと共に空間の歪みに入って行った。

 

 「行くしかないな!」

 

 「お、おい! バーンの旦那。」

 

 「何なら、降りれば……」

 

 「わ、わかったよ!」

 

 フォックスもラプトリアも続けて空間の歪みに入った。そこはとある村、村の家は形式によると、先住民の村のようだった。

 しかし、空間の歪みの中にあってこの村だけはその空間の歪みの影響がほとんどない。

 それどころか非常に色彩も鮮やかで丸でついさっき出来たような綺麗さのようだった。 その村にレオたちは驚きを隠せなかった。

 

 「この森にこんな村があるなんて……」

 

 「でも、この村普通じゃないわね。」

 

 村の中を散策するレオたち、しかし、村には人の気配が一切無かった。

 

 「誰もいないの?」

 

 「ちょっと調べてみるわ。」

 

 ロックバーグ中尉はパキケドスから降り、拳銃を取り出して、近くの家に行き、ドアをノックした。だが、いくらノックしても反応はない。そればかりか、ドアには鍵すらかかっていない。ロックバーグ中尉はドアをゆっくり開き、銃を向けた。しかし、中には誰もいなかった。

 

 「誰もいないわ。」

 

 バーンたちもゾイドから降り、他の家を調べてみると、同様だった。

 

 「こっちもいない。どうやら、この村完全に無人のようだな。」

 

 「それにしても、何故……ん?」

 

 その時、ロックバーグ中尉はテーブルに置いてある手紙を見つけ、その日付を見た。

 

 「2025年……まさか、これは!」

 

 「教官殿、どうしたんですか?」

 

 「これを見て。」

 

 ロックバーグ中尉はレオたちに家にあった手紙を見せた。

 

 「これがどうかしたんですか?」

 

 「日付を見て!」

 

 「日付って、8月……1日……。」

 

 「違う! その前よ。」

 

 「その前? 2025年?」

 

 「どうなってたんだ? 俺たちの使っている暦とは違うのか?」

 

 「そう、軍に入った時に少し調べてみたけど、ゾイドクライシスが起きる前の地球には西暦という暦を使っていたらしく、そしてその2025年とは西暦2025年……即ち、その手紙はゾイドクライシスが起きた日に書かれているものなの。」

 

 それを聞いたレオたちは驚きを隠せないでいた。

 

 「ち、ちょっと待ってください。ロックバーグさん。それって、つまり……」

  

 「そう、どうやらここはゾイドクライシス時から存在してた村らしいわ。」

 

 「おいおい、どうなってたんだよ!? ゾイドクライシスに遭った街はどれも廃墟になってるんだぜ! なのに何でここだけこんなしっかりのこっているんだよ!!」

 

 「そう、それが問題なのよね。」

 

 村の周囲を見渡し、家に植えられていた薔薇を見つけ、それを取ると、切り花が枯れずに残っていた。それに疑問を抱き始めるアイセル。

 

 「何十年以上も経っているはずなのに、こんなはっきり残るなんて……」

 

 「これって、もしかしてボルテックスじゃない?」

 

 「ボル……何だ、それ?」

 

 「ボルテックス! 時間が止まった街のこと。実は父さんが共和国から委託を受けて世界中を調査していた時のノートにそれが書いてあるんだ。ほら、見て!」

 

 レオはノートを取り出し、サリーたちに見せる。その時、 落ちた写真を拾い、それを見るサリー、 敬愛するコンラッド博士の所有物が目の前にあることに興奮を隠せないアイセル。

 

 「え、それって、コンラッド教授の日記!? 嘘、そんなものまで残っているなんて、感激!」

 

 「これだ。街は未知のエネルギーが渦巻いていて、まるで時間が止まっているようだったって!

 その強力なエネルギーが砂嵐で街を外の世界と隔絶し、時間の流れまでも変化させてるんじゃないか、って父さんは推測してる。

 その未知のエネルギーを、父さんは“ボルテックス”と名付けたんだ。」

 

 「へぇ~、そんなことが書かれているなんて、お前の親父さん、随分研究熱心なんだな。」

 

 

 サリーが見た写真に写っているのはレオの父であるコンラッド博士。レオの赤い毛髪は父親譲りだった。

 

 「これがレオのお父さん……」

 

 その横でロックバーグ中尉もコンラッド教授の写っている写真を見ると、何か思い出したような表情をした。

 

 「この人って……まさか!」

 

 「このノートによると、ボルテックス現象があるところにもしかしたら、端末がある可能性があるんだと思うんだ。」

 

 「ちょっといいかしら?」

 

 その時、ロックバーグ中尉が口を開いた。

 

 「何ですか? ロックバーグさん。」

 

 「あなたの父、コンラッド教授って、一体いつからあなたと離れたの?」

 

 「え? どういうことですか? もしかして父さんのことを知っているの?」

 

 「知っているも何も、コンラッド教授は共和国随一の考古学者。 彼のおかげで、共和国の領土開拓にも貢献してくれたのよ。」

 

 「え? そうだったの?」

 

 「何だ? アイセル知らなかったのか?」

 

 「いや、私も初耳なんだけど……」

 

 「知らないのも無理はないわ。彼が共和国にいることはギャレット大将とハント大佐と私しか知らないの。」

 

 「でもよ、何でその人のことはそんな機密事項のようなことになってるんだ?」

 

 「彼は優秀な考古学者で、ギャレット大将直属だったのよ! でも、突然、禁制地区の謎を明かしたいと言って、軍上層部の静止を振り切って、このことは誰も話さないでくださいとギャレット大将に頼んで、禁制地区に入ってそれ以来行方不明になったかららしいわ。確か、それは5年前だったと聞いていたけど……」

 

 「そうです! 5年前に父さんは行方不明になっていたんです! でも、父さんは仕事の詳しいことは母さんにも教えてなくて、それ以来帰って来なかったんだ。

 その後、母さんが病気で死んで、俺1人で探したんだけど、見付からなくて……」

 

 「そして、そこをこの運び屋の俺が拾って今に至ったってわけさ!」

 

 「なるほど、家族にも秘密にしていたってことは、自分が禁制地区を調べていることを外部に知らされるのは危険と判断して、ギャレット大将に頼んで機密事項にしていたのね。」

 

 「それで、父さんはどうなったんです?」

 

 「禁制地区に一度でも入ったら、生存率は0%と言われているから、公式には死亡したということになっているけど、確かな証拠がないし、それに教授は地質にも詳しいから、もしかしたら、生きている可能性はあるかもしれないわ。」

 

 「てことは、教官殿が俺たちに同行したもう1つの目的って……」

 

 「そう! 行方不明のコンラッド教授も探し出すことよ。」

 

 「もしかしたら、父さんがこの近くにいるかもしれない! とにかく端末を探そう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 レオたちが村を散策していくと奥に遺跡のようなものがあった。

 

 「何だろ? あれ。」

 

 「何かの遺跡みたい。」

 

 その遺跡に進んでいくと、ライガーが警戒した。

 

 「どうした? ライガー。」

 

 ライガーが見ている遺跡の入口に一体のアンキロックスがいた。

 

 「あ? 何だ。あれ?」

 

 「あれはアンキロックスね。でも、こんなところにいるなんて……」

 

 そのアンキロックスは遺跡を守護しているような体制を取っていて、レオたちを見て低く唸った。

 

 「あのアンキロックス、もしかして私たちを敵だと思ってるの?」

 

 「そうね。あの様子じゃあ、私たちを侵入者だと思っているようね。」

 

 アンキロックスの目を見たサリーは、

 

 「あのゾイド、何だか悲しそう。」

 

 「うん、俺の左腕からも感じる。ずっと1人だった孤独感が……」

 

 「でも、これ以上あの遺跡には入れなさそうね。一旦戻りましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アンキロックスが守る遺跡から離れ、再び村の家に戻るレオたち、

 

 「たく、一体この村どうなってんだ? ゾイドクライシスからずっと残ったままの上に人ッ子1人もいないし、オマケに遺跡を守るアンキロックスと、ホントわけわかんねぇぜ!」

 

 「でも、こんなにはっきり残っているのにどうしてこの村に人がいないのかしら?」

 

 その時、サリーはテーブルにある日記を見つけ、それを見た。同時にレオもそれに気付き、

 

 「それ、何?」

 

 「誰かの日記みたい。」

 

 サリーはその日記を読み上げた。その日記にはこう書かれていた。

 

 10年前、私は優秀な米海兵隊の1人だった。だが、かつて制圧した反政府のテロ組織の破壊活動に巻き込まれ、最愛の妻を失い、左腕を失った。

 私は何とか生き残り、破壊から免れた息子も無事だった。しかし、テロ組織の猛攻は終わらなかった。私は息子と共に組織の手の届かない場所まで逃げ、この村に辿り着き、そこに移住した。

 この村は一般的な先住民の村と対して変わりはなかったが、少し違っていた。この村には信じられないちょっとした伝説があった。

 ある先住民から聞いた話によると、この星に人類が生まれるずっと前の時代に突如、この星に邪悪な存在が現れ、その邪神はその時代に栄えていた生物を一瞬の内に絶滅させ、星を壊滅寸前にまで追い込み、この星だけでなく、この世の全てのものを支配しようとしていた。

 だが、そんな時にこの時代に栄えた生物とよく似た姿をし、邪神に匹敵する力を持った救世主が現れ、果敢に立ち向かい、邪神を封じ込め、この星を救った。

 彼らによると、人類はこの星に現れた邪神とそれを封じ込めた救世主の力によって生まれ、邪神のような悪の部分もあれば、救世主のような善の部分があり、我々は邪神の闇に屈せず、かつてこの星を救った善の心を忘れてはならないという伝統があった。

 キリスト教信者の私には信じられない神話だったが、少し興味があった。そして、その神のご加護があってか、この村が秘境の地でもあったため、組織の驚異にさらされることなく、平和に暮らした。

 しかし、2025年8月1日、突如、空に幾つものオーロラが現れ、更に上空から青色に光った方舟が落ち、天変地異が起きた。

 ラジオ中継によると、その災害は世界規模に起こっているらしく、更には金属の身体を持つ謎の巨大生物まで現れ、街を破壊し、人間も襲っていたらしい。正に神々の怒りともいえる光景だった。

 私も息子や村の人々と共に逃げようとしたが、世界規模に起こっている災害から逃げる術はなかった。

 我々はただ、死を待つだけだった。だが、そんなとき、金属のアンキロサウルスが村に現れた。私は息子と村の人々を守るために銃を取ったが、左腕を失い、海兵隊時代の感覚を失った私には勝機がなかったが、最愛の妻を亡くした以上、これ以上失うわけにはいかなかった。

 私が銃を向けたその時だった。突然、息子がゆっくり金属の怪物に近付いていった。

 私は必死に息子を止めたが、息子は私の静止に応じず、怪物に近付いた。その時だった。怪物は突然、襲うのを止め、ゆっくりと息子に近付いていき、なついてきた。

 信じられない光景だった。何のその正体もわからない奇怪な怪物が息子と絆を結んだのだ。だが、驚異はそれだけでなかった。突然、複数のラプトル型の怪物も現れ、我々に襲いかかってきた。

 しかし、息子は怪物に乗り、突然怪物の身体から現れたキーを差し込んだ後、その怪物の身体が変形し、一瞬の内にラプトル型の怪物を葬った。そして同時に謎の光が現れ、ドーム状の空間が村を覆い、外の世界と完全に切り離され、村は守られた。それ以来、村の人々は怪物を神話で伝えられる救世主の使いとして感謝し、その怪物は息子の相棒として村を守った。

 それから数ヶ月後、村は平和になり、息子は怪物にラセットという名前をつけ、これまで通りの生活に戻った。

 しかし、私は安心出来なかった。いくら謎の空間の力で天変地異に見舞われている外の世界と切り離されたとはいえ、これがいつまで続くのかわからない。

 私は必死に密かに脱出する手段を模索した。その時、無線から天変地異を逃れた生存者が地球に現れた謎の方舟に似た宇宙船の開発に成功し、地球への脱出を計画していた。

 私はこの機会を逃さないために村の人々に避難を要請し、その宇宙船のいる場所へ向かおうとした。だが、息子はそれを拒否した。初めて友達になったラセットと離れることに躊躇していた。

 だが、妻を失った私には息子の要求に従うことが出来なかった。いくら友から離れたくないとはいえ、そのおかげで私の家族を失いたくない。例え、何が起ころうと私と息子は生き残るべきなのだ。

 私は無理やり、息子とラセットを切り離し、村の人々と共にこの村を脱出して宇宙船の元に向かった。

 息子を死なせたくないとはいえ、私は息子が初めて親友と呼べる存在を見棄て置き去りにしてしまった。

 例え、死んだラセットに許しを濃いても許されないだろう。だが、私は敢えてこの日記を残す。もしラセットがまだ生きているなら、この日記を読んでくれた人にもう一度ラセットと再び親友になって欲しい。それが私のせめてもの報いだ。

 

 サリーは日記に書いてあることを全て読んだ。

 

 「てことは、あのアンキロックスは地球を脱出した親子の帰りを待ってずっとこの村にいたっていうのか!?」

 

 「帰ることもない人を待って、この村をずっと待っていたのね。なんて可哀想なゾイド。」

 

 「てことは、俺たちの内の誰かがあのアンキロックスのライダーにならなきゃならないってことになるのか?」

 

 「そうなるわね。でも、私にはラプちゃんがいるし……」

 

 「俺もフォックスがいるしな……」

 

 「かといって、共和国軍に保護されても野生体として保護してくれるとは限らないし……」

 

 ロックバーグ中尉、アイセル、バーンは一斉にバズを見た。

 

 「お、おい、何なんだ? 揃いも揃って俺を見て……」

 

 「ライダー候補はお前しかいないだろう。ちょうど車がぶっ壊れて乗るもんがないしな。 それにこれ以上俺のフォックスに乗せるわけにもいかないし……」

 

 「確かにバズが一番適任ね。バズは車の免許持っているから、ちょうどいいわ!」

 

 「それにゾイドに乗れば、ほとんど邪魔だったあんたが戦力外から外されるから一石二鳥ね。」

 

 「何だよ! おまぇら、揃いも揃って言いたい放題言いやがって! 言っとくが、車の運転とゾイドの操縦を一緒にするな!!」

 

 

 その時、レオが声を上げ、

 

 「俺、いきます……」

 

 「レオ……でも、あなたにはライガーが……」

 

 「いえ、あいつには俺がいかなきゃならないと思うんです。 とにかくアンキロックスは俺に任せてください。アイセルたちは手を出さないでください。」

 

 そういって、レオはライガーと共に遺跡に向かった。それを心配そうに見たサリーも付いていった。

 

 「レオ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 遺跡の入口で、レオはライガーを離し、アンキロックスに近付いた。アンキロックスは低い唸り声を上げてレオを警戒した。レオは左腕を出し、

 

 「怖がらなくていい。俺は敵じゃないよ。」

 

 しかし、アンキロックスはレオを敵と思っているため、警戒を更に強め、レオの左腕が発光し、レオはアンキロックスが自分を怖がっているのを感じた。

 

 「アンキロックス……」

 

 その時、アンキロックスは尻尾を振り回し、レオに攻撃してきた。レオはそれを間一髪で避け、

 

 「そうだ。あの時と同じだ。」

 

 レオは幼い時、父のジョシュアと一緒にいた時のことを思い出していた。近くの森でジョシュアは幼いレオに肩車をしていた。

 

 「ワア、高い高~い! お父さん高いね。」

 

 「ハハハ、でも、いつかはレオももっと大きくなって、お父さんを追い抜くかもしれないぞ。」

 

 「お父さんよりも?」

 

 「そうだ。そして、強く育つんだぞ!」

 

 「うん、ん? あれ、何?」

 

 森の中で何か動いたようなものを見付けたレオ、その時、草木から謎の影が現れた。それは野生体のラプトールだった。

 

 「危ない!」

 

 襲いかかってくるラプトールを振り切って、ジョシュアはレオを抱き抱えて守った。レオは襲いかかってきたラプトールに怯えた。

 

 「お父さん……」

 

 「レオ! ここにいろ!!」

 

 「で、でも、お父さん……」

 

 「今は父さんの言う通りにするんだ!」

 

 「う、うん……」

 

 レオはジョシュアの言うことに従うしかなく、ジョシュアはレオを安全なところに行かせ、1人で、ラプトールの元に向かった。レオは心配そうに見ていた。ラプトールは低い唸り声を上げてジョシュアを見詰めた。

 

 「さあ、大人しく元の場所に帰るんだ!」

 

 グギャァー!!

 

 ラプトールは興奮して爪でジョシュアに攻撃してきた。しかし、共和国軍に所属していることもあって、それを間一髪で避ける。

 

 「私が怖いのか? 心配ない。私はお前たちゾイドの敵じゃない。」

 

 ジョシュアは優しく語りながら、ラプトールにゆっくり近付く。しかし、ラプトールはジョシュアを警戒し、再び攻撃しようとした。

 

 「父さん!!」

 

 それを見たレオは思わず声を上げ、ラプトールも気付いた。

 

 「レオ!」

 

 グギャァー!!

 

 レオに気付いたラプトールはレオに襲いかかってきた。

 

 レオは怖がって逃げられなかったが、ジョシュアは咄嗟に回り込み、ラプトールの爪がレオに当たる前にレオを抱き抱えて守った。

 

 「お父さん……」

 

 「大丈夫かい? レオ。」

 

 「でも、父さん、血が……」

 

 ジョシュアの背中には血がボタリボタリと落ちていた。

 

 「(さっきのラプトールの爪が直撃したのか。) 心配ない、父さんは無事だよ!」

 

 レオを守るジョシュアを見たラプトールは急に大人しくなった。ジョシュアはラプトールの頭を撫で、

 

 「私のように君にも守るべき存在がある。だから、大人しく元の場所に帰るんだ。」

 

 それを聞いたラプトールはそのまま帰っていった。レオはおもいっきり泣き出し、

 

 「父さん、御免ね。僕のせいで……」

 

 「いや、レオは悪くない。でも、レオ! これだけは覚えておいて欲しい。ゾイドも私たちと同じ生きている。

 だから、こちらから心を開けば、必ず、ゾイドは応えてくれる。それを忘れるな。」

 

 

 

 

 ジョシュアの言葉を思い出したレオは、

 

 「そうだ。父さんがやったことを、今度は俺がやるんだ。そうじゃなきゃ、俺は父さんに会うことは出来ない。そして、アンキロックスだって、1人から解放されない。」

 

 グルル……

 

 「聞いてくれ! アンキロックス。俺は敵じゃない!!」

 

 しかし、アンキロックスは尚もレオに攻撃してきた。レオはアンキロックスの攻撃の衝撃で足を挫い、

 

 「どうして聞いてくれないんだ? アンキロックス。」

 

 「レオ……」

 

 それを木の影で、サリーは心配そうに見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 村を覆う空間の外の森に突然、禁制地区に現れたのと同じ霧が現れ、その霧から大量のジャミンガが現れ、次々と空間の中に入っていった。 アイセルたちは家の中に待機していた。

 

 「レオの奴、あんなこと言ってたが、ホントに大丈夫なのか?」

 

 「彼には不思議な力が宿っているとはいえ、何故あそこまで?」

 

 「きっとレオに過去に何かあったのよ。」

 

 ヴルル……

 

 その時、フォックスが低い唸り声を上げ、それに気付いたバーンは外を出、

 

 「どうした? フォックス。」

 

 家から出ると、周りにはジャミンガで溢れていた。アイセルたちも家から出ると、その光景に驚きを隠せないでいた。

 

 「な、何でこんなところに大量のジャミンガがいるんだ!?」

 

 「私だって知らないわよ!」

 

 「不味いわ。これだけジャミンガがいると、レオたちにも危険が及ぶわ。」

 

 ロックバーグ中尉はパキケドスに乗り込み、遺跡の方に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 遺跡では、レオが必死にアンキロックスと心を開こうとするが、アンキロックスはレオと心を開かず、何度もレオを攻撃してきた。ライガーも助けに行こうとするが、レオに止められ、レオは攻撃に屈せず、ボロボロになりながらもアンキロックスを必死に説得した。

 

 「アンキロックス、俺の言うことを聞いてくれ。」

 

 「レオ……」

 

 サリーは涙組みながらもその様子を見守った。だが、その時、背後からジャミンガが襲いかかってきた。しかし、咄嗟に遺跡に来たロックバーグ中尉がパキケドスのコクピットから銃で撃ち倒し、直ぐ様、サリーの元に向かった。

 

 「大丈夫? サリー。」

 

 「ありがとうございます。ロックバーグさん。でも、レオが……」

 

 「レオ! ここにもジャミンガが現れたわ! 急いで避難して!!」

 

 「何だって!」

 

 レオが気付くと既に遺跡の周りから無数のジャミンガがまるで虫のように湧いていき、アンキロックスの背後にも襲いかかり、それに気付いたアンキロックスも尻尾で次々とジャミンガを凪ぎ払った。

 

 「俺たちも加勢しないと!」

 

 アンキロックスが戦うのを見て、レオはすかさずライガーに乗り込んだ。

 

 「行くぞ、ライガー!!」

 

 ガオォ~!!

 

 ライガーはA-Z機関砲と前足でジャミンガを蹴散らし、ロックバーグ中尉もサリーを乗せ、パキケドスでジャミンガと戦った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 村ではアイセルのラプトリアとバーンのフォックスも次々と現れるジャミンガと交戦したが、ジャミンガの余りの数の多さに苦戦していた。車を失ったバズは密かに家の影に隠れていた。

 

 「ひ~、何でこうもジャミンガと逢ってしまうんだ!?」

 

 しかし、バズが隠れているところにもジャミンガが現れ、バズに襲いかかろうとした。

 

 「う、ウワァー!!」

 

 その時、横からレオたちを誘導した先程のキャタルガが現れ、バズに襲いかかろうとしたジャミンガを吹っ飛ばした。キャタルガはバズの方を見詰めた。

 

 「お、お前、もしかして俺を助けに?」

 

 微弱だが、キャタルガはそれに応えるように声を上げ、コクピットのハッチを開けた。それを見たバズは武者震いし、

 

 「おいおい、マジかよ! この俺にゾイドが……!」

 

 バズは躊躇なく、キャタルガに乗り込み、

 

 「ようし、やってやる! 行くぞ、キャタルガ!!」

 

 ブオォ~!!

 

 バズが乗ったキャタルガは次々とジャミンガを蹴散らしていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 遺跡でも、ライガーとパキケドス、アンキロックスも無数に現れるジャミンガに苦戦していた。

 

 「くっ、 大丈夫か? ライガー。」

 

 グルル……

 

 ライガーが見詰める先を見ると、アンキロックスがスズメバチに群がるミツバチのように大量のジャミンガに群がれていて、アンキロックスが身動き出来ない状態になっていた。

 

 「アンキロックス……行くぞ、ライガー!!」

 

 ガオォ~!!

 

 「ライガー、進化 解放! エヴォブラストー!! ライジングガンスラッシュ!」

 

 エヴォブラストしたライガーの攻撃でアンキロックスに群がるジャミンガを全て蹴散らし、アンキロックスは何とか脱出した。しかし、次々とジャミンガが湧いていき、キリがない。

 

 「これ以上、ここに留まるのは危険ね。 レオ、急いでここから離れましょう!」

 

 「でも、アンキロックスを見捨てるわけにはいきません!」

 

 「けど、このままじゃ、全滅よ!」

 

 「1つだけ方法があります。」

 

 「サリー……」

 

 「遺跡にある端末を正常に作動させれば、ジャミンガは消滅するはずです。」

 

 「そうか! その手があった。ロックバーグさん、俺、サリーと一緒に遺跡に向かいます!」

 

 「でも、そんなことしたら……」

 

 「お願いです。ロックバーグさん、行かせてください。」

 

 サリーの言葉を聞いたロックバーグ中尉は、

 

 「仕方ないわね。でも、無茶はしないでね!」

 

 「はいっ!」

 

 サリーはライガーに乗り込み、遺跡の中に入っていった。奥に入ると、目の前に巨大な壁画があり、その手前に端末の姿があった。しかし、その周りには先には進ませないと大量のジャミンガが湧いていて、端末にも多くのジャミンガが群がっていた。

 

 「そんな、まさかここにも……」

 

 「いや、いくしかない! 行くぞ、ライガー! ライジングガンスラッシュ!!」

 

 タテガミショットで周囲のジャミンガを狙い撃ちしながら、前に進むが、端末にもジャミンガが群がっているため、中々撃ち込めなかった。それを見たレオはライガーのコクピットから出、

 

 「レオ!」

 

 「ここはアンキロックスが長年守ってきた村なんだ! お前たちが来る場所じゃない! そこをどけー!!」

 

 レオは取り出したアンカーで、ジャミンガを蹴散らした。しかし、ジャミンガは尚も端末から離れなかった。

 

 「ウォー!!」

 

 怒ったレオは左腕でジャミンガを殴った。その時、レオの左腕が発光し、殴られたジャミンガの身体が砂になって消滅した。

 それにレオ自身やサリーも驚いたが、レオは緩めることなく、ジャミンガを蹴散らし、遂に端末の手前まで来たが、何処からか、更に現れたジャミンガに一気に取り囲まれた。現れたジャミンガがレオを襲うが、ライガーがそれを蹴散らした。しかし、既に完全に包囲されているため、ライガーでも手に終えなかった。包囲したジャミンガが一斉に襲いかかり、半ば諦めかけたその時、突然、アンキロックスが尻尾で凪ぎ払った。

 

 グオォ~!!

 

 「アンキロックス……」

 

 咆哮を上げたアンキロックスはレオを見詰め、レオの左腕も発光した。その時、レオの脳内に微かだが、声が聞こえた。

 

 「オレモテツダウ。」

 

 グオォ~!!

 

 再び咆哮を上げたアンキロックスの身体が突然青色に発光し、尻尾が変形した。なんと、アンキロックスはライダー無しで自力でワイルドブラストしたのだ。

 ワイルドブラストしたアンキロックスは尻尾のメイステイルを高速回転させ、一瞬の内にジャミンガを一掃した。ジャミンガがいなくなったのを見たレオは、

 

 「サリー! 今のうちに端末を!」

 

 「わかったわ!」

 

 ライガーから降りたサリーはペンダントを取り出し、端末に触れ、強い光を発し、地球儀のホログラムが出現する。その後、転がり始めた端末は角を下にして立ち、ドリルのように地面を掘り返し始める。

 

 「今のうちに出ましょう!」

 

 「よし!」

 

 レオとサリーはライガーに乗り込み、遺跡から出て、アンキロックスもそれに付いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 村ではフォックスとラプトリアがほとんどのジャミンガを蹴散らしていた。

 

 「これで全部かしら?」

 

 「ところで、バズは?」

 

 「あ、そういえば、何処に行ったのかしら?」

 

 「ようよう、お二人さん!」

 

 そこにバズの乗るキャタルガが現れた。

 

 「バズ! そのキャタルガは?」

 

 「どうだ! 凄いだろう? 俺の相棒、キャタルガだぜ!!」

 

 キャタルガに乗ってウキウキなバズにバーンとアイセルはキョトンとしていた。

 

 「そうだ! レオたちのところに行かなきゃ!」

 

 「お、おい、待てよ! 無視するな!!」

 

 遺跡の方に向かうフォックスとラプトリアにキャタルガも付いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ライガーとアンキロックスが遺跡の外に出ると、遺跡と村を襲ったジャミンガは次々とオレンジ色に発光して消滅していった。

 そして端末を正常に作動させたことで遺跡と村を囲った空間徐々に晴れ、正常に時が流れ出し、今まで時がとまていた遺跡と村は正常な時の流れに戻り、綺麗なままの姿で建っていた家は朽ち、瑞々しかった木々は枯れていった。

 

 「皆、崩れていく。」

 

 「端末が正常に作動したから、ゾイドクライシスで止まった時間も経過していっているんです。」

 

 しかし、喜んだのも束の間、突然、アンキロックスが苦しみだした。

 

 グオォ~!!

 

 「どうした? アンキロックス!」

 

 「あ……」

 

 苦しみだしたアンキロックスの身体が徐々に石化していった。

 

 「サリー! これは一体どういうことなの?」

 

 「もしかしたら、アンキロックスがゾイドクライシスからずっと生き続けたのは、ボルテックス現象のおかげだったから。

 そして端末を正常に作動させたことで、止まった分の時間が動き、アンキロックスの寿命も縮まったっていうの……そんな、私の判断で、アンキロックスをこんな目に遭わせるなんて……」

 

 「そんな……アンキロックス! しっかりしろ! アンキロックス!!」

 

 力尽きていくアンキロックスはレオとサリーを見詰め、レオの左腕がアンキロックスの目の側に触れると、再び左腕が発光し、レオの脳内に再び声が聞こえた。

 

 「オマエに会エテ良カッタ。 オマエはイママデズットヒトリダッタオレニ手ヲサシノベテクレタ。

 ダケド、コレデ良カッタンダ。 オレの役目ハ終ワッタ。コレデ、安ラカニ眠レル。 アリガトウ。」

 

 そう言い残し、アンキロックスの目の輝きが無くなり、遂に身体全体が石化して力尽きていった。それを見たサリーは目一杯の涙を浮かべ、

 

 「そんな、嘘。嫌…イヤー!!」

 

 力尽きたレオも落ち込み、

 

 「何で、何でこうなったんだ? どうして死ななきゃならないんだ!? ウワァー!!」

 

 レオは後悔するように思いっきり悔しそうな声を上げた。そして、そこにパキケドスとフォックス、ラプトリア、キャタルガもレオとサリーの元に着いた。

 

 

 

 

 

 

 

 サリーは石化したアンキロックスに墓を建て、レオたちはその墓で拝んだ。レオは拳を思いっきり握り締めた。それを見たサリーは、

 

 「レオ……」

 

 「何?」

 

 「どうして、あの時、アンキロの説得を受け入れたの?」

 

 「父さんを思い出したんだ。」

 

 「え?」

 

 「あの日記を見て、父さんといた時、父さんが野生のゾイドを沈めたことを思い出して、俺がやらなきゃ、って思ったんだ!

 でも、それが出来ず、アンキロを救ってやれなかった。やっぱり俺は父さんのようにはなれないのかな?」

 

 落ち込むレオにサリーは優しく肩を撫で、

 

 「ううん、レオのせいじゃない。それにお父さんのようになれなくてもレオはレオじゃない。」

 

 「サリー……」

 

 グルル…… 

 

 ライガーも励ますようにレオを見詰めた。

 

 「ライガー……ありがとう。 俺、決めたよ。こんな悲しみを生まないためにも、俺は全ての端末を再起動させ、地球を再生してみせる!

 そして、父さんやサリーのお爺さんを何としても見つけ出してみせる。ライガー、これからも俺と一緒にいてくれるか!?」

 

 グルル……

 

 ライガーはそれに応えるようにゆっくり頷いた。

 

 「それにしても、アンキロックスが守っている遺跡とこの村に伝わる神話って何かしら?」

 

 アイセルの疑問を解くためにレオたちは遺跡の中に入っていった。奥に入ると、端末のあった場所に壁画があった。

 苔に覆われていたため、はっきりと見えないが、左に巨大な怪獣が暴れ、その下には怪獣によって死んだ生物たちの死骸が転び、右には青色のティラノサウルスが4体の赤いライオンを引き連れ、その怪獣に立ち向かう姿が描かれていた。

 

 「もしかしてこれが神話?」

 

 「左の怪獣が邪神で、右の恐竜とライオンが救世主ってとこかしら?」

 

 「でも、この怪獣と救世主って何処かゾイドみたいだけど……」

 

 「行こう……」

 

 「あ、待って!」

 

 遺跡から出ると、村の家は時間が経つように徐々に崩れていった。サリーはアンキロのために建てた墓を見て、

 

 「ねぇ、この村どうなるのかしら?」

 

 「きっと、天国に行ったアンキロックスがずっと守ってくれる。アンキロックスはいつまでも帰りを待っているから。そして、僕も必ず父さんのところに……」

 

 レオたちが去った後、遺跡は時間が経つようにゆっくりと草木が芽生え、サリーが墓を建て、石化したアンキロックスの身体にも自然と同化するように草木が芽生え、アンキロックスの魂が天に上るかのように太陽の光がアンキロックスの身体を照らした。

 

 To be continued




 次回予告

 ランド博士の指示で、デスレックスの突然変異種の眠る火山地帯に向かったユウト、そこにはデスレックスに酷似した化石が見付かり、通常のデスレックスを遥かに上回るパワーを持っていた。
 だが、完成にはサリーのペンダントが必要だった。ユウトはペンダント奪還に向かうが、火山地帯の基地にはランド博士によって密かに脱走し、レオたちに復讐の炎を燃やすアルドリッジ元少佐とシーガル元准将がいた。

 次回「湧キ上ガル 怒リ」

 走り抜け、ライガー!!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。