ゾイドワイルドクロス アナザーZERO   作:オーガスト・アベラス

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 ゾイド、それは銀河の彼方の惑星に生息し、金属の肉体と動物の本能、自ら戦う意思を持つ金属生命体である。
 ゾイドが生息する惑星Ziが滅亡の危機を迎え、そこに住む人類は第二の故郷として地球を目指すが、あるトラブルにより、ゾイド因子が暴走し、それによって不慮のタイムワープを起こし、21世紀の地球に不時着し、地球にゾイドが現れ、ゾイドによる破壊と度重なる地殻変動で地球は一度滅びた。
 サリーという謎の少女が持つペンダントの力によって復活し、更に進化を遂げた伝説のライジングライガーを相棒にした少年レオは強敵セードとジェノスピノを打ち破ったが、帝国の反乱組織真帝国がユウトの操るオメガレックスを生み出し、レオたちに襲いかかるが、レオのライジングライガーによく似た謎のライガーの助けにより、それを打ち破り、遂に真帝国を壊滅させる。
 だが、それは嵐の前の静けさに過ぎず、新たな脅威が襲いかかろうとした。


第31話「ライガーニ、宿ス チカラ」

 ニューホープの軍事基地、合同軍は消息不明となっているオメガレックスとプライドの居場所を探るため、禁制地区の付近等、各地を捜索していた。それを指揮しているリュック大尉は各地にいる部隊と通信を開き、

 

 「ノックス大尉、そちらは?」

 

 「駄目です。全くそれらしきものはありません。」

 

 「シェル軍曹は?」

 

 「こちらも収穫無しです。」

 

 「そうか……(荷電粒子砲の暴発によって、あれだけのダメージを喰らって、無事に生き延びているとは思えないが、以前敗れたあのジェノスピノが短期間で修復し、ネオゼネバスシティに現れたのだから、プライドに何かしらの技術で修復されている可能性は高いし、もしかしたら、既に奴の手に……)」

 

 「どうしました? リュック大尉。」

 

 「何でもない。それより、引き続きオメガレックスの捜索に入れ! あの怪物を再び両国に襲撃させるわけにはいかない。」

 

 「了解しました!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時同じくして、ニューホープの軍事基地では、ボーマン博士がコリンズ中将やギレル少佐ら帝国軍上層部、ギャレット大将、ディアス中佐ら共和国軍上層部に引き続き、ゼオルたちと行動を共にしていた時に禁制地区にあったものを話し、ある宇宙船らしき写真を出した。

 

 「それは?」

 

 「私が乗っていた科学船と同一の船です。」

 

 「科学船……というと、我々帝国、共和国の移民船が地球に移住するために汚染されていた地球を再生させるためのZiホーミングシステムを乗せたあの科学船か。だが、我々の移民船が地球に到着する前に行方不明と聞いたが……」

 

 「実は科学船が地球に到着する寸前、地球を自分たち色に染めようとする者たちが端末を奪うための反乱が起き、私は彼らに端末を奪われないために、密かに船のコースを変更し、反乱者のリーダーと思われる者が端末に触れた時、強烈な光を浴び、私はサリーと離れて、既に地球に着いていました。」

 

 「それで、その科学船は一体どうなったのだ?」

 

 「実はそこにいるレオが予め保存していたビデオテープに科学船に関する重大な情報が入っていました。 これを御覧ください。」

 

 ボーマン博士がレオが持っていたビデオテープを入れ、映像に130年前に地球を壊滅させたゾイドクライシスのニュース映像が流れていた。

 

 「(世界の各地で頻発している大規模な地殻変動、そして未曾有の異常気象の原因は1週間前に宇宙から飛来した巨大な飛行物体の墜落と何か関連があるものとして、現在……)」

 

 「これは……例のゾイドクライシスのことか!?」

 

 「はい、この映像から推測すると、科学船は両国の移民船が地球に到着する100年前に漂着し、その影響によって誤差動を起こした端末の力によってゾイドクライシスを起こし、地球を汚染させるようになったと思われます

。」

 

 「ということは、この星に到着した時に我々をあれだけの過酷な環境と生活を悔いるようになったのも、その船の反乱者によるものなのか!?」

 

 「何て奴だ。端末を奪うという目的で、反乱を起こした上に地球の壊滅を早めるとは実に愚かな行為だ。」

 

 「しかし、ボーマン博士。船に反乱を起こした連中は一体何者なのですか?」

 

 「残念ですが、彼らに関しては一切の情報がなく、私も彼らと顔を合わせることすら知らなかったので、その正体は全く不明です。何しろ、データが該当しないのです。」

 

 その時、ギレル少佐が口を開き、

 

 「実は以前の戦闘で破壊された我が帝国の移民船で、ランドが使用していた個室に科学船に関するデータが発見され、そのデータを調べてみたのですが、科学船には合計14人の乗組員が確認されていますが、判明されているのはボーマン博士とサリー・ランドとその他の3人の研究者ですが、残りの9人には該当するデータが一切消去され、何者かによって削除された可能性があるかと……」

 

 「では、その反乱を起こした連中が自分たちのことを悟られないために予め工作を……まさか、今でも活動しているということなのか!?」

 

 「馬鹿な! 例え、そうだとしても、それは130年以上前の話だぞ。第一130年以上も生きている人間がこの世にいるずが……」

 

 「だが、現にその130年以上前の人物であるボーマン博士が目の前にいて、写真では科学船の存在もあるのだ。恐らく生存している可能性も……」

 

 「実はその写真に写っている科学船を調査したのですが、どうやらそれは私が乗っていた科学船ではなく、ゾイドクライシス時の地球人が複製した科学船だということが判明したのです。」

 

 「他の地球人類が作った科学船だと!? では本物は?」

 

 「残念ですが、詳しく調査をする最中に突然の地震による地盤沈下によって船が沈んだことで喪失されました。更に悲しい知らせではありますが、その後もゼオルたちと行動を共にしながら、各地を調査していると、頻発する地震と不安定な火山噴火、そして不自然な場所でのオーロラ発生等が確認されました。

 それらはゾイドクライシスが起きて130年以上の年月が経っていることもあって、地球がこれ以上の汚染に耐えられない状況の予兆だと判明され、地球の寿命がかなり極端に短くなってしまったのです。」

 

 「因みに後、どれぐらいなのだ?」

 

 「少なく見積もっても、この星の寿命は後半年。それまでに全ての端末を再起動させないとこの星は確実に滅びます。」

 

 「なん……だと……」

 

 それを聞いた帝国、共和国の軍上層部は青ざめた表情をし、レオもゾッとするような顔をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ニューホープの軍事基地の司令室の会議を終え、バーンたちはサービスルームに待機し、自販機で飲み物を買ったバズはバーンの元に立ち寄った。

 

 「バーンの旦那、頼んでいたコーラだ。」

 

 「おお、ありがとうな。ところで、レオは?」

 

 「倉庫で修理中のライガーのところにいるよ。ジェノスピノの時程のダメージではないとはいえ、またライガーを傷付けたことが少しショックになっているそうだ。それにサリーのことも……」

 

 「そういえば、お前とレオがサリーを連れていたのって、サリーをボーマン博士のところに連れていかせることだったよな。」

 

 「ああ、でも、ボーマン博士に会うことが出来ても、肝心のサリーがここにいないからな。」

 

 「それに、あのプライドって奴は真帝国よりももっとヤバイことやりそうだしな。もしかしたら、これからもっと激しい戦闘になりそうだ。 バズ、お前はこれからどうするつもりだ?」

 

 「どうするって……」

 

 「お前、運び屋だが、軍人ではないだろ? だとすると、これから起こる戦闘にまで参加したら、危険なんじゃないか?」

 

 「う~ん、俺としたら、出来れば、戦争に駆り出されるのは後免だが、だからといって、レオとの関係を断ち切るわけにはいかねぇがな。

 5年前、俺がまだ未熟な運び屋をやっていた時、あいつは俺に抱き付いてきて、行方不明の親父を探して欲しいって泣き付いてな。その代わり、何でも言うことを聞いて、俺のやることも全て手伝うという条件付きだった。

 初めはちょうど人手が足りなかったこともあってか、いくらか足しになると思って迎え入れたが、あいつの真っ直ぐな目に牽かれて、その後、何だか弟分のように思えて、あいつの世話をするようになった。

 今となっては、あいつも俺のキャタルガ同様、大事な相棒だし、それにボーマン博士が言うに、後半年で地球が壊滅するっていうじゃねぇか。そうなったら、俺の仕事が全てパァッになっちまうからな。だから、俺も出来るだけのことはする! この先何が起ころうとな。」

 

 「そうか……」

 

 「な、何だよ? 何がおかしいんだよ?」

 

 「いや、初めて会った時、お前のことをただ、自分の都合のいいことばかりしか考えていない利己主義な奴かと思ってたんだが……」

 

 「なっ! 失礼だな。 俺はこうみえて、安全な道を行く男なんだよ!」

 

 「ハハッ、でも、まあ、お前から、その言葉を聞いて、少し安心したよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 破損された帝国、共和国のゾイドの修理が行われている倉庫に入ったレオはオメガレックスの荷電粒子砲でアーマーの半分近くが破壊されたライガーの元に立ち寄った。

 

 「ホントに後免よ、ライガー。あの時、ジェノスピノとの戦いで、俺のせいでお前の身体をボロボロにさせて、ライジングライガーになった時に、もうお前をあんな目に遭わせたくないって誓ったはずなのに……

 また、俺のせいで、お前をこんな目に逢わせちゃって、やっぱり俺にはサリーを助けることなんて出来ないのかな?」

 

 レオがアーマーが破壊された部位に左手を当てたその時、突然、レオの左手がオレンジ色に光り、同時に左手が触れた部分もオレンジ色に発光し、徐々に破壊されたアーマーの一部復元していき、ライガーの身体が再生していった。

 

 「こ、これは……」

 

 「それはゾイド因子による自然治癒だ。」

 

 「ぼ、ボーマン博士?」

 

 「ロックバーグ中尉から全て聞いたよ。君がそのライガーと出会い、相棒として大事にしていることも、そして、サリーのために何度も頑張ってきたことも。」

 

 「でも、その結果がこれです。俺は2度も同じ失敗を繰り返し、サリーが拐われ、またライガーを傷付けた。やっぱり俺はライガーの相棒には相応しくないんです。」

 

 「でも、ライガーはそう思っていないと思うよ。」

 

 「どうしてそれが言えるんですか?」

 

 「さっき、その腕でライガーの身体が再生したのが、何よりの証拠。 その腕はライガーのゾイド因子そのものであり、ライガーはその左手を通じてもう一度君を立ち上がらせたいと思っているんだ。」

 

 「ライガーが俺を?」

 

 「その通りだ!」

 

 その時、ゼオルとバルディーも現れ、

 

 「あなたたちは、ゼオルさん。」

 

 「俺のアーサーと似たライガーの相棒だから、少しは骨のある奴かと思ったが、まさか、こんな腰抜けだとはね……」

 

 「何を! 俺は腰抜けじゃない。」

 

 「なら、今のお前はどうなんだ? その思いをライガーに伝えられるのか?」

 

 「そ、それは……」

 

 「俺にはわかる。ライガーはもう一度お前と戦い、そのサリーって人を助けたいと言っている。」

 

 「ライガーが……」

 

 「実はゼオルたちと共に禁制地区を旅している途中にある場所から多くの部品を手に入れ、それと私の技術があれば、君のライガーを今より更に強力な姿に改造させることは出来る。」

 

 「最もお前にその意思があればだがな。」

 

 暫く考えたレオは左手の拳を握り、

 

 「わかりました。お願いします! ライガーをもっと強くさせてください。」

 

 「わかった。出来るだけのことはしよう。」

 

 「だが、次いでに改造し終わった後、俺の頼みも聞いてくれないか?」

 

 「頼み?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 禁制地区、そこにはかつてゾイドクライシスを物語るかのように荒廃したニューヨークの街中があり、海辺には地面に埋まり、朽ち果てた自由の女神像があった。そこにプライドとラストの乗るキルサイスや真帝国から奪ったキルサイス隊が到着した。

 

 「ようやく、戻ってきたわね。」

 

 「もう、あの帝国で策略を巡らす必要はなくなった。後は我々の存在を世界中に知らしめるだけだ。」

 

 ラストは朽ち果てた自由の女神像を眺め、

 

 「ホント、あの無能ばっかりの帝国に30年以上もいるのは辛いわね。ストレスばっかり溜まっちゃう。」

 

 「だからこそ、その下等な人類は我々で管理しなければならないのだ。」

 

 「それにあの像もまだ処分してないの? どうせ、いらないでしょ。あれ。」

 

 「構わんさ。いずれこの地球は我等の神によって浄化される。こいつは滅びた人類の成れの果てとして記念に置いた方がいい。」

 

 「出来れば、早いとこ処分して欲しいけどね。」

 

 「ところで、セードとユウトは?」

 

 「セードなら、帝国の移民船がぶっ壊れる寸前にジェノスピノと共に海に行ったから、もうすぐ着くと思うけど……」

 

 「ユウトはどうしたのだ?」

 

 「例のワイルドライガーに敗れて、海に落下して、そのまま消息不明らしいわ。こちらからも捜索隊は出してあるけど……」

 

 「ラスト、直ぐに捜索隊と合流して、ユウトを連れ戻せ。あの者がいなければ、我が帝国の存在意義を示せなくなる。」

 

 「わかったわ。」

 

 「それと、あの小娘の姿で、迎えいってやれ。その姿なら、ユウトの覚醒に十分利用できる。」

 

 「あ、そうだったわね。」

 

 プライドの指示を聞いたラストは直ぐ様、身体を液体金属状に変え、メルビルの姿になり、キルサイスに乗り込んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「よし、終わったぞ。オメガレックスに対抗するためにパワーアップさせた新生ライジングライガーだ。」

 

 改造が終わり、新たな姿になったライガーは全身が金色ではなく、青色になり、更に片足に巨大なシールドが装備された姿になった。

 

 「これがライガーの新たな姿……」

 

 「終わったようだな。レオっていったな。では、俺の頼み通りそのライガーの実力見せてもらうぞ。」

 

 「それって……」

 

 「もちろん、直接俺のアーサーと戦うのだ。何でもこの基地に仮想現実を応用したシミュレーション装置を使った施設があるらしいからな。」

 

 「よっ、待ってました! なあ、ゼオル、俺たちも見に行っていいよな?」

 

 「ああ、もちろんだが、バルディーとボーマン博士だけじゃ、次いでに観客ももうちょい増やすか。」

 

 ゼオルの頼みを聞いてレオとバルディー、ボーマン博士は以前、シェリー大佐がレオのライジングライガーの性能を試すためにロックバーグ中尉のパキケドスBRとシミュレーションを行ったドーム施設と同じニューホープの軍事基地にある施設に移動し、それを聞き付けたギレル少佐とディアス中佐、バーンたちも同行し、施設のフィールドにはボーマン博士の改造によって新たな姿を得てパワーアップしたレオのライジングライガーとゼオルのライガー・ジ・アーサーが対峙した。

 

 「バトルフィールド展開!」

 

 ディアス中佐の言葉と同時に2体のライガーのいるドーム状の空間にたくさんのキューブが出現。出現したキューブはドーム内を埋め尽くし、かつてロックバーグ中尉のパキケドスの時と同じ市街地に形成していった。

 

 「言っとくが、シミュレーションだからって、俺は手加減するつもりはないし、ましてや、オメガレックスに対抗出来るよう、ボーマン博士が改造したのだから、最初から全力で行かせてもらう。」

 

 そう言うと、ゼオルはキーを取り出し、それを見たギレル少佐は、

 

 「あれは、あの時、奴がワイルドブラストした時に使ったキー、我々のワイルドブラスト機能と一体何が違うのだ?」

 

 「アーサー、進化 解放! エヴォブラストー!! グングニル!」

 

 エヴォブラストを発動したアーサーは展開した巨大なランスをライガーに直撃させようとする。レオは咄嗟の判断で回避するが、アーサーの巨大なランスが壁に激突した時、壁に巨大な穴を開け、フィールドの映像が一気に不安定になった。それを見たディアス中佐は驚愕し、

 

 「まさか、グラキオサウルスですら、傷付けることが困難なあの壁をたった一撃で……」

 

 「恐らくあの白いライガー、レオのライジングライガーと同等かそれ以上かもな。」

 

 「くそっ、ならば、行くぞ! ライガー。 ライジングライガー、進化 解放! エヴォブラストー!! ライジングガンスラッシュ!」

 

 しかし、アーサーはライジングライガーのタテガミショットを全てA-Z機関砲で迎撃した。

 

 「ボーマン博士、あの白いライガーのワイルドブラストはライジングライガーと違い、第一段階しかないのですか?」

 

 「そこがライジングライガーと唯一違うところだ。だが、その代わり、その一撃に威力を全降りしている。 恐らくあれをまともに食らえば、ライジングライガーは粉々になるだろう。」

 

 アーサーはA-Z機関砲を撃ちながら、ランスをライジングライガーに当てようとし、ライジングライガーはそれを全て避けた。

 

 「どうした? あれだけの威勢を張っていながら、結局逃げるだけか!?」

 

 「確かに、逃げ回るだけじゃ、ライガーは勝てない。 ??? もしかして、俺は恐れているのか? 荷電粒子砲を受けたあの恐怖で……」

 

 グルル……

 

 その時、ライガーがレオに何か言いたいように唸った。

 

 「ライガー……そうだ。俺は逃げない。 サリーを助けるためにも、そしてお前を傷付いない!」

 

 レオの決心と共にライガーはアーサーに真っ直ぐ突っ込んでいった。

 

 「レオの奴、一体何をするつもりだ? あのまま真っ直ぐ突っ込めば、アーサーの射程距離に入ってしまう。しかも、その一撃を食らってしまったら……」

 

 レオはライガーの改造中にボーマン博士から言われたことを思い出した。

 

 「(レオ君、オメガレックスに一番気を付けなければならないことは何かな?)」

 

 「(荷電粒子砲ですか?)」

 

 「(そうだ。ライガーがオメガレックスに負けたのはそもそも君のライガーには荷電粒子砲に対抗するための装備がなかったからだ。

 だから、そのための対策として、このシールドを装備させる。)」

 

 「(これは?)」

 

 「(禁制地区の遺跡で見付けたものだ。これに特殊なコーティングを施す。そうすれば荷電粒子砲や強力な砲撃があってもこれで全て防げる。)」

 

 「そうだ。一撃を食らう寸前にこれで防ぐ。チャンスは一瞬。」

 

 「ようやく、その気になったか。だが、明確な対策が無ければ、アーサーのグングニルを止めることは出来ない。 もう一度食らえ、グングニル!」

 

 アーサーの巨大なランスがライガーに直撃しそうになったその時、ライガーは咄嗟に装備していた巨大なシールドを前に出し、アーサーのランスを完全に防いだ。

 

 「何!?」

 

 「あの攻撃を防いだだと!?」

 

 「あのメガシールドは禁制地区の遺跡にあったものを古文書通りに復元しただけでなく、かつて惑星Ziで使用されていたEシールドと反荷電粒子シールドを応用した特殊コーティングを施した対荷電粒子砲としてのシールド。 あれこそがオメガレックスに対抗出来る唯一の希望。」

 

 「今だ。行くぞ! ライガー。 ライジングバーストブレイク!!」

 

 メガシールドでランスを受け止めたライガーはその隙をついて、タテガミブレードをアーサーに直撃し、アーサーは吹っ飛ばされ、クルリと体制を整えた。

 

 「ふっ、これでようやく、アーサーと対等になれたか。それが出来れば、このテストは合格だな。」

 

 「やり上がった! レオの奴、あの白いライガーに勝ったぜ。」

 

 「くぅ~、早く俺のガンナーと戦いたいぜ!」

 

 「何浮かれてんのよ。 バルディー。」

 

 「ボーマン博士、あのライガーは……」

 

 「そう、あれこそ、オメガレックスに対抗出来る新たなライガー、ライジングブルーライガーだ!」

 

 「やった、やったぜ! ライガー。」

 

 ガオォ~!!

 

 ライジングライガー は勝利の雄叫びを上げるように咆哮し、その咆哮が施設中に響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 帝国、共和国、禁制地区のどちらにも属さない廃墟となった遊園地の海岸に巨大な者が打ち上げられていた。

 それはネオヘリックの攻防戦の時に謎の暴走を遂げるも、バルディーとマリアナのワイルドライガーガンナーに敗れたオメガレックスだった。

 海岸に打ち上げられていたオメガレックスは口内の荷電粒子砲及び両脇の収束シールドがガンナーによる荷電粒子砲の暴発によって粉々に破壊され、バイザーや片方のバイザーが破壊された片眼には目の発光が無くなり、背中の荷電粒子吸入ファンやコクピットもその衝撃で破壊されていた。

 破壊されていたコクピットにはその衝撃で飛び散った破片が刺さり、腕や顔等、所々が出血していたユウトが倒れていた。

 

 「う、う~ん。ここは……そうだ! っ……」

 

 破壊されたコクピットの中でユウトは目覚めるが、身体のあちこちが重傷になっていて、まともに動くことすら出来なかった。

 

 「何で、僕はここに……それにこの傷は……確か、あの時、ロングレンジバスターキャノンを喰らって停止していたオメガレックスを起こそうとしていた時、身体から何かが爆発したような感触が起きて、それから……駄目だ、思い出せない。」

 

 ロングレンジバスターキャノンを喰らって一時機能停止した後の記憶を思い出せないユウト、しかし、そんな時、オメガレックスを囲い込むようにジャミンガが現れ、ユウトに近付いていきた。

 

 「うっ……」

 

 ジャミンガを見たユウトは少し怖がり、

 

 「くっ……来るな。来るな!」

 

 ユウトはその場にあった拳銃を手に、それをジャミンガに向けたその時、突然ジャミンガが膝まずき、丸で誰かが通るように中央のに空けるように道を作った。そしてその道を通ってメルビルが現れた。

 

 「ハンナ!」

 

 「ユウト! 良かった。あなたなのね。」

 

 「どうして此処に?」

 

 「プライド閣下がクーデターを起こし、シーガルを処刑してやっと自由になったの。お父様もそれに逆らって殺されちゃったけど……」

 

 「シーガルとランドが……じゃあ、ハンナは自由になったんだね!」

 

 「ええ、それで閣下から許可を得て、合同軍に敗れて漂流したあなたをずっと探したの。」

 

 「合同軍に……じゃあ、やっぱり僕は負けたの?」

 

 「でも良かった。あなたが無事で! 合同軍の捕虜にされてなくて。」

 

 「僕も君が無事で良かったよ!」

 

 ユウトの笑顔を見たメルビルはさりげにニヤリとした。彼女は本物のメルビルではなく、擬態したラストだった。 その時、破損したオメガレックスの背面のジェネレーターパーツから露出したペンダントが何かを指し示すかのように光を照らした。

 

 「ペンダントが反応している。」

 

 「きっとこの近くに端末があるのよ。」

 

 ユウトはコクピットから離れ、ジェネレーターパーツからペンダントを取り出し、オメガレックスから降りた。ユウトは周りにいるジャミンガに少し怯え、

 

 「ハンナ、こいつらは……」

 

 「大丈夫よ。私もあなたと同じゾイドを従える力を持っているから、この子たちは私の言うことを聞くようになっているから、あなたには何の危害は与えないわ。それより、端末を!」

 

 「うん。」

 

 ペンダントを頼りに進んで、ユウトとメルビルに擬態したラストは地下坑道に入り、その奥に進むと目の前にリジェネレーションキューブの端末があった。

 

 「まだ再起動されていないってことは、合同軍の手には渡っていないってことね。 ユウト、今のうちに端末を!」

 

 「わかった。」

 

 ユウトはペンダントを端末に近付けようとするも、今まで端末を再起動させたことがなかったため、少し警戒しながら、近付いていった。

 その時、メルビルに擬態したラストはユウトの左手にペンダントを持たせるようにし、

 

 「ハンナ?」

 

 「大丈夫。あなたには私がついている。だから、安心して。」

 

 「ありがとう。ハンナ。」

 

 それを聞いたラストは今度は不気味な笑みを浮かべ、ペンダントを持ったユウトの左手が端末に触れたその時、ペンダントの色がオレンジ色から紫色に変わり、同時に端末の色も紫色になって再起動し、地中を掘り進んでいった。

 そして、ユウトの脳裏に幾つもの記憶が現れた。その記憶にはある研究所のようなところにカプセルで眠っている赤ん坊、サリーが夢で見た人型の怪物がボーマン博士を襲い、端末を奪おうとした科学船の反乱、そして、ジェノスピノ、オメガレックスでもない謎を巨大な怪獣型の者が暴れ、そのコアにへばりついている謎の人型の目が開き、ギョロりと見た時、ユウトはしばらく落ち着き、止まった。それを見たラストを自身の身体を液体金属状にし、元の姿に戻り、その場に立ち寄ったジャミンガたちも目が紫色になり、ユウトに膝まずいた。

 

 「ようやく、お目覚めになられたのですね。殿下。」

 

 「ああ、端末を照っとり早く掌握するために反乱を起こしたが、まさか、ボーマンの工作で端末が誤差動を起こして記憶を失うなんて、とんだ災難だったよ。

 でも、ラスト。君のおかげで、ようやく思い出したよ。実に長い時間だった。」

 

 「既にプライドが玉座の準備に取り掛かっています。我等の帝国に戻りましょう。」

 

 「そうだね。早く、地球に来た時にあの忌々しい連中によって封印されたこの僕の半身も取り戻さなくてね。 フフフフフ、ハーハッハッハッハッハ!!」

 

 端末を再起動させた後、紫色に染まったペンダントを自身の首にかけ、謎の暴走を遂げた時に豹変した時の人格になり、瞳が紫色になったユウトの不気味な笑い声が廃墟の街中に響いた。

 

To be continued




 次回予告

 ボーマン博士の改造でより強力な姿に生まれ変わったライガー、アーサーとの対決でようやく自信を取り戻し、サリーを助けたいという思いを胸に秘めたレオは再び合同軍と共に行方不明のプライドを探しに行った。
 しかし、そんな時、霧から現れる謎のゾイドが両軍の軍事基地を襲う事件が起きた。レオはゼオルたちと共にそのゾイドの正体を探るため、基地に向かうが、そのゾイドは神出鬼没で正体が掴めず、同時にプライドが両国に通信を開き、帝国、真帝国でもない新たな帝国、ゼロメタル帝国の建国を宣言した。
 果たしてゼロメタル帝国とは? そして、プライドの目的とは?

 次回「誕生! ゼロメタル帝国」走り抜け、ライガー!!
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