ゾイドワイルドクロス アナザーZERO   作:オーガスト・ギャラガー

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 ゾイド、それは銀河の彼方の惑星に生息し、金属の肉体と動物の本能、自ら戦う意思を持つ金属生命体である。
 ゾイドが生息する惑星Ziが滅亡の危機を迎え、そこに住む人類は第二の故郷として地球を目指すが、あるトラブルにより、ゾイド因子が暴走し、それによって不慮のタイムワープを起こし、21世紀の地球に不時着し、地球にゾイドが現れ、ゾイドによる破壊と度重なる地殻変動で地球は一度滅びた。
 ペンダントの力によって突如復活した伝説のビーストライガーを相棒にした少年レオはビーストライガーを復活させた不思議な力を持つペンダントを持ち、地球の未来を左右する謎の少女サリーと共に地球再生のための冒険の旅に出掛けた。


第4話「黒キ虎」

 プライドと名乗る男と通信を聞いた少年はユウトのハンターウルフ改と並ぶ帝国軍最強のファングタイガー改に乗って、ある帝国軍基地に向かった。

 

 ゴゴゴゴ

 

 「ん? 何だ!? この音は?」

 

 その時、砂漠が盛り上がり、中から共和国軍の砂漠仕様スコーピアが現れた。それを見た少年は、

 

 「ふ、面白い! 下からお出ましか。 暇潰しに丁度いい相手だな。」

 

 その時、左右からもサンドスコーピアが現れ、ファングタイガー改を囲んだ。

 

 「方位殲滅戦ということか… 少しはやれそうだな。だが、こいつの動きについてこれるか? 格の違いを見せてやる。」

 

 その時、ファングタイガー改のハイパーブースターが加速し、ファングタイガー改は一瞬の内に3体のサンドスコーピアを一蹴した。

 

 「ファングタイガー、兵器 解放! マシンブラストー!!」

 

 ファングタイガー改は背中のツインドファングを出し、サンドスコーピアを一刀両断した。

 

 「ふ、どうやら、こいつらは俺とファングタイガーの敵ではなかったようだな。」

 

 その時、少年の右腕がオレンジ色に光り、

 

 「そうか、もっと骨のある奴と戦いたいのか。そうだな。あれじゃ、準備運動にもならん! プライドの言っていた例のライガー、俺たちのゲームの相手になればいいがな。」

 

 ファングタイガー改はそのまま走り去り、帝国軍基地に戻った。

 

 

 

 

 

 

 リュック隊長率いる帝国軍を退け、アイセルの助けによって共和国軍に保護されたレオたちはディアス中佐とツガミ大尉が指揮している共和国軍基地に送られ、ビーストライガーは基地の作業員による修復を受け、レオたちは特別室で帝国軍軍に追われた訳をディアス中佐とツガミ大尉に話した。

 

 「そうか、帝国軍は彼女の持つペンダントと彼女の祖父の研究を狙って君たちを執拗に追っていたのか。

 それにしても、地球を再生させる程のエネルギーを持つZiホーミングの役割を持つ端末を開発したとは…にわかに信じがたいことだが……」

 

 疑問を持つディアス中佐にアイセルは端末が写った写真を見せ、

 

 「私がこの子たちと初めにあった時にこれを目撃しました。また、独自に調べた結果、その地域にあった異常気象もその端末によるもので、正常に作動したら、その異常気象が治ったのです!」

 

 「俺たちの目的はサリーのお爺さんを探すのと、汚染された地球を元に戻すために世界中にある端末を正常に作動させることなんです! 信じてください!」

 

 「事情はわかった。我々も出来るだけの協力はする。ただ、君の祖父についてのことなのだが…」

 

 「お爺さんについて、何か知っているのですか?」

 

 「実は元共和国の科学者だった帝国軍の最高科学顧問の存在を知っている。 ライダーをワイルドブラストの衝撃から守る耐Bスーツとゾイドの行動を制限するゾイドオペレートバイザーを開発した人物だ。

 最もその人物がボーマン博士なのかどうかはわからないが、可能性は低くはない。」

 

 「そうですか…」

 

 落ち込むサリーにレオは、

 

 「大丈夫だよ。サリー。お爺さんはきっとそんなことはしない。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 レオたちのいる共和国軍基地の隣の国境沿いにある帝国軍基地、帝国軍はディアス中佐とツガミ大尉が指揮する共和国軍基地の発掘現場で発掘されたある見たこともないゾイドの化石が発見され、帝国軍がそれを欲していて、共和国軍と交渉していたが、共和国軍は帝国軍の軍事力拡大を恐れ、頑なに拒否した。

 帝国軍基地の指揮を取るジョナサン・シーガル大佐は直ぐにでも共和国軍基地への総攻撃を開始しようとするが、ある人物の指揮により、動きたくとも動くことが出来なかった。その人物とは、本国にいる帝国摂政コークス・プライド大将であった。

 シーガル大佐はプライド摂政と通信を取っていた。

 

 「ですから、共和国軍は何度も拒否しているのです。 これは共和国軍の基地を攻撃するまたとない機会なのです!」

 

 「だが、こちらから仕掛ければ、侵略攻撃になり、我が帝国軍が不利になるだけだ。」

 

 「ですが、共和国軍は例の化石を渡さないと言っているのですよ! これで十分共和国軍を攻撃する口実になります。」

 

 「そんな口実では、相手の家にあるオモチャを渡さないと言って、殴り込みにいくガキと大して変わりはせん! ましてや、戦争は軍隊のみで行うものではない!

 国民全ての協力なしには、勝利は望めないのだ。必ず、敵側に先に手を出させるように仕向けるのだ。」

 

 「しかし、それでは、いつまで経っても共和国軍を攻撃することが…」

 

 「だからこそ、奴をお前の基地に派遣してやったのだ。」

 

 「奴と…申しますと?」

 

 「そうだ。私の私兵であるセードだ!」

 

 それを聞いたシーガル大佐は驚愕した。

 

 「お前も知っているだろう! 私の直属であるザナドゥリアス少尉と並ぶエリートにして、耐Bスーツ無しでゾイドを乗りこなし、ランド博士からファングタイガー改を与えられた帝国軍最強の男だ。」

 

 「し、しかし、あの男は…」

 

 「共和国軍から手を出させる工作は奴に任せろ。お前はそれまでは絶対に動くな! 命令だ。」

 

 そう言うと、プライド摂政は通信を切った。

 

 

 基地にファングタイガー改が着き、セードはコクピットから降りた。

 

 「ここがプライドの言ってた新たなゲームスタジオか… 悪くないとこだな。」

 

 

 

 

 

 

 共和国軍基地の司令室にいるディアス中佐とツガミ大尉が帝国軍基地にファングタイガー改が来たということを兵士から聞き、

 

 「あの悪魔の虎がよりによって、ここに来るとは!」

 

 「となると、益々帝国との小競り合いは何としても避けねばならなくなったな!」

 

 「ファングタイガー改、ハンターウルフ改と並ぶ帝国軍最強のゾイド、実力としてはほぼ互角といってもいいが、ハンターウルフと違い、我が共和国軍のゾイドを全て破壊するまで手を緩めず、基地までも跡形もなく潰してやる戦法を持った悪魔の虎。」

 

 「あの化石を渡すか否か…」

 

 「ですが、帝国軍が欲しているということは、強力なゾイドだということですよ! もし、渡せば、恐ろしいことになります。」

 

 「それは、そうなんだが…」

 

 「しっかりしてください! あなたは共和国軍の中佐なんですよ。」

 

 「だが、化石一つで多くの兵士を犠牲にするわけには…」

 

 「その時は迎え撃てがいいんですよ。私とあなたで。私のステゴゼーゲとあなたのトリケラドゴスがいれば、負けることはありませんから!」

 

 「そうだな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 基地の一室では、セードはダーツをやっていた。部屋に入ってその様子を見たシーガル大佐は、

 

 「貴様、いつになったら、動くのだ!? 摂政閣下の言葉を信じて貴様に一任しているのに、この様はなんだ!?」

 

 「だからなんだ? 俺は俺のペースでやってもらう。お前の指図は受けん。

 言っとくが、俺はプライドの私兵で、そもそも軍には所属していない。オマケに俺はプライドから独自行動の免許が与えられている。

 だから、お前は俺の上官じゃないから、命令に従う必要もない。」

 

 「しかし、お前はプライド摂政閣下からの命令で…」

 

 「免許があるって言っただろ? 俺は誰の指図も受けない。プライドに言われてここに来たが、あくまで俺の好きなようにやりたいだけだ。

 なんなら、貴様らが戦争おっ始めればいい問題だろ?」

 

 「だが、我々はプライド摂政閣下からの命令で…」

 

 「ん? もしかして、共和国軍に勝つ自信がなくて、俺に共和国軍の始末を任して欲しいってことなのか? やっぱりお前は帝国の腰抜けだな!」

 

 「な、何を~!!」

 

 「シーガル大佐!」

 

 そこに帝国軍少佐ダグラス・アルドリッジが現れた。

 

 「アルドリッジか… ちっ!」

 

 シーガル大佐は部屋を退出し、

 

 「シーガル大佐、ここは堪えましょう。ここで奴に逆らえば、我々はプライド摂政閣下に更迭されます。」

 

 「そんなことはわかっている!」

 

 シーガル大佐は納得がいかないようにそのまま行ってしまった。アルドリッジ少佐はセードのいる部屋を見て睨み、

 

 「このまま、貴様の思い通りにさせんぞ! いずれ、ファングタイガーも私のものにしてやる。」

 

 

 

 最後の1本のダーツを投げ、中央に命中させたセードは立ち上がり、

 

 「さて、うるさい奴が消えたから、早速始めるか。」

 

 セードは見張りの帝国軍兵士の目を盗んで基地から抜け出し。共和国軍基地に向かって行った。

 

 「入口の見張りはたった2人か… 余裕だな。」

 

 セードは俊敏な動きで一瞬の内で兵士に反撃の隙を与えず、気絶させた。マントを羽織い、兵士からIDカードを手に入れ、そのまま基地内部に侵入し、倉庫の方に行った。

 

 「ほう、意外と中々いい道具が一杯あるな。」 

 

 基地の1人の兵士がマントを羽織い、倉庫にいるゾイドを見ているセードを見つけ、

 

 「おい、そこで何してる?」

 

 ドス!

 

 「うっ!」

 

 セードは右腕で兵士の腹を殴り、一瞬で気絶させた。基地にいる共和国軍ゾイドを見たセードは、

 

 「さて、どいつを使おうか?」

 

 量産型の共和国仕様ラプトリアを見たセードは、

 

 「あいつにするか!」

 

 

 

 

 

 一室でボーマン博士とリジェネレーションキューブのことを調べているディアス中佐の元にツガミ大尉が現れた。

 

 「ディアス中佐!」

 

 「どうした?」

 

 「一体のラプトリアが基地の内部で暴走しています!」

 

 「何!?」

 

 

 

 

 倉庫の中で、セードの乗るラプトリアは対空速射砲で次々と他の共和国仕様ゾイドを破壊していった。共和国軍兵士がスコーピア、ラプトリア、ガノンタスに搭乗して迎え撃とうとするが、俊敏な動きで翻弄させられていった。

 

 「さて、こいつの力を試してみるか。」

 

 その時、服と手袋で隠しているセードの右腕がオレンジ色に光り、

 

 「ラプトリア、進化 解放! エヴォブラストー!!」

 

 エヴォブラストしたラプトリアはドスクローでスコーピア、ラプトリア、ガノンタスを次々と一刀両断して破壊していった。

 

 「一体、誰が操縦している?」

 

 「わかりません。共和国軍ではないのは確かです!」

 

 「帝国軍か!?」

 

 「確認は取れませんが、敵は耐Bスーツ無しで搭乗し、しかもワイルドブラストまでしてるそうです。」

 

 「耐Bスーツ無しで搭乗し、しかもワイルドブラストだと!!」

 

 

 

 

 共和国軍仕様トリケラドゴスも迎え撃つが、ラプトリアは1回転しながら、トリケラドゴスに体当たりし、ドスクローとスラッシュクローで、トリケラドゴスの角と対空速射砲を切断させ、更にコクピットにも貫通させ、倒していった。

 

 「さて、プランAは終わりだ。プランBに移行する。」

 

 ラプトリアは対空速射砲で扉を破壊し、そのまま脱出した。ディアス中佐とツガミ大尉は倉庫に入るが、時既に倉庫は破壊されていた。

 

 「くそ、逃げられたか!」

 

 「不味いですよ。もし、あのラプトリアが帝国軍基地に攻撃を加えたら、帝国軍に我が共和国軍が帝国軍に宣戦布告したと思わされてしまいます!」

 

 「何としても、あのラプトリアを追え! 偵察隊のスコーピア、ラプトリア隊は直ぐにあのラプトリアを追跡しろ!」

 

 「了解しました!」

 

 

 

 

 「さて、プランBを始めようか。」

 

 共和国軍基地から脱出したラプトリアは軽い身のこなしで帝国軍基地に侵入し、内部にいるラプトール、スコーピア、キャノンブルに対し、砲撃した。

 帝国軍のラプトール、スコーピア、キャノンブルは反撃するが、ラプトリアはその攻撃を難なく避け、ドスクローとスラッシュクローでラプトール、スコーピアを蹴散らし、数体のキャノンブルの9連キャノン砲を一刀両断し、何体かの帝国軍ゾイドも破壊された。

 

 ウー、ウー、ウー! 

 

 帝国軍基地に警報が鳴り、それを聞いたシーガル大佐とアルドリッジ少佐は、

 

 「どうした!? 何が起こった?」

 

 「き、共和国軍のラプトリアが我が基地を襲撃してきました!」

 

 「共和国軍のラプトリアが…だと…」

 

 それを聞いたアルドリッジはニヤリとし、

 

 「そうか、これで、共和国軍を攻撃する口実が出来た。 直ぐにでも、そのラプトリアを迎え撃て!

 私はスティレイザーに乗ってガブリゲーター部隊と共に基地に攻撃する。出撃だ!!」

 

 「了解!」

 

 

 

 

 

 帝国軍の攻撃から逃げたラプトリアは帝国軍が上がってこられない丘の上で止まり、セードはそのコクピットから降りた。

 

 ピュー!

 

 セードは口笛を吹き、その口笛を聞いて主人の前に現すかのように基地からファングタイガー改が現れ、セードがラプトリアを指差すのを見て、ラプトリアを前足で倒し、崖の下に落っことした。

 

 「作戦は成功のようだな。さて、プライドが言っていた例のライガーが現れるまで、高見の見物といこう。 お前も見届けるがいい。 ファングタイガー。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 共和国軍基地では、脱走したラプトリアの痕跡を追って居場所を突き止めようとしたが、

 

 「ディアス中佐!」

 

 「どうした?」

 

 「帝国軍がこちらに向かっています。」

 

 「何だと! やむを得ん。私はトリケラドゴス改で帝国軍を迎え撃つ。 ツガミ大尉は基地の防衛を頼む。」

 

 「了解。」

 

 

 ディアス中佐はトリケラドゴス改に乗り、3体のガノンタスと共に基地の入口に立った。そこに目の前にはアルドリッジ少佐の乗るスティレイザーが現れた。それを見たディアス中佐は、

 

 「スティレイザー一体だけなのか? おかしい。陽動作戦か… 」

 

 互いに向き合うトリケラドゴス改とスティレイザー、

 

 「久しいな、ディアス中佐。」

 

 「アルドリッジ少佐。」

 

 「どうやら、遂に我が帝国軍に牙を剥いたようだな!」

 

 「違う! あれは我々の意思ではない。何らかの妨害で…」

 

 「どういう理由にしろ、貴様ら共和国軍が攻撃してきたことに変わりはないわ!」

 

 スティレイザーはレーザー砲を発射し、トリケラドゴス改はその攻撃を受け止めた。

 

 「ここは私が食い止める!」

 

 「了解しました!」

 

 背後のガノンタス部隊が基地に戻ろうとするが、それを見たアルドリッジ少佐は、

 

 「そんなノロ亀が間に合うか?」

 

 スティレイザーはガノンタス部隊にもミサイルを撃ち込もうとするが、トリケラドゴス改がスティレイザーに向かって突進した。

 

 「そうはさせん!」

 

 トリケラドゴス改はスティレイザーにぶつけ、更に超至近距離で対空速射砲を撃ち込んだ。

 

 「うぅ!」

 

 「ここから先は一歩も通さん!」

 

 しかし、アルドリッジ少佐のスティレイザーはトリケラドゴス改の突進と対空速射砲を食らっても無傷で、そればかりか、コクピットのアルドリッジ少佐も平気そうな顔をしていた。

 

 「何!?」

 

 「愚か者め! この俺に正面から挑んだこと後悔するがいい!!

 制御トリガー解除! スティレイザー、兵器 解放! マシンブラストー!!」

 

 マシンブラストしたスティレイザーはスタンホーンが前方に出し、更にエレクトフリルから電流を流し、トリケラドゴス改に電流を浴びせた。

 

 「ぐ、ぐわぁ~!!」

 

 スティレイザーのマシンブラストを食らって倒れるトリケラドゴス改、

 

 「無様だな、ディアス中佐! 共和国のエリートが聞いて呆れるわ!」

 

 そう言うと、倒れたトリケラドゴス改を横切り、そのまま基地に向かって前進するスティレイザー、

 

 「くそ、アルドリッジめ。」

 

 

 

 

 

 高い丘の上でセードはアルドリッジ率いる帝国軍とディアス中佐、ツガミ大尉率いる共和国軍と交戦している様子を見ていた。

 ファングタイガー改がセードを見た時、セードの右腕がオレンジ色に発光し、

 

 「慌てるな。今、アルドリッジの奴が楽しんでいる。暫くは高見の見物と行こうじゃないか。」

 

 

 

 

 

 ウー、ウー、ウー! 

 

 「な、何だ! 何だ?」

 

 「非常警報よ! もしかして、敵の攻撃?」

 

 レオが外を見ると、外では基地の入口から侵入したスティレイザーとロープで侵入した帝国軍仕様ガブリゲーターが共和国軍仕様ガノンタスと交戦していた。

 

 「あれは帝国軍!」

 

 「帝国軍ゾイドの中でも強力なスティレイザーよ。」

 

 「く、」

 

 「お、おい、レオ! 何処行くんだよ?」

 

 「だって、このままほっとけない。」

 

 「だからって、帝国軍相手に…」

 

 「私も行くわ!」

 

 「アイセルまで!」

 

 レオとアイセルが走っていく中、バズはサリーを見て、

 

 「お嬢さんはもちろん、ここで待っているよね?」

 

 「でも、レオのことはほっとけない。」

 

 「お、おい… ああ~! 皆何なんだよ!!」

 

 

 

 アルドリッジのスティレイザーは帝国仕様ガブリゲーターと共に次々と共和国仕様ガノンタスとラプトリアを撃破していった。アイセルのラプトリアが駆けつけるが、帝国仕様のガブリゲーター部隊に苦戦を強いられてしまう。

 

 「ふん、雑魚共が。」

 

 スティレイザーがボロボロのガノンタスに止めを刺そうとしたその時、

 

 「止めろ~!!」

 

 突如、ビーストライガーが現れ、スティレイザーにぶつけた。

 

 「う、何だ?」

 

 ビーストライガーを見たアルドリッジは、

 

 「あれは、ああ、そうか。 博士の言っていた例のライオン種か。」

 

 ビーストライガーは機動力を活かしてスティレイザーの攻撃をかわし、スティレイザーを翻弄させた。

 

 「そうか、あのゾイド、強力だけど、大きいから小回りが利かないから、上手く旋回出来ないんだ。 よし、ライガーの機動力なら勝てる!」

 

 しかし、ビーストライガーが後ろに回ったその時、スティレイザーは咄嗟に尻尾でライガーを振り払った。

 

 「ぐわぁっ!」

 「レオ!」

 

 「ええい、小賢しい! 制御トリガー解除! スティレイザー、兵器 解放! マシンブラストー!!」

 

 「行くぞ、ライガー! ビーストライガー、進化 解放! エヴォブラストー!!」

 

 ビーストライガーはアルドリッジのスティレイザーに突っ込むが、スティレイザーは前方に出たスタンホーンでビーストライガーを捕らえた。

 

 「プラズマウォール!!」

 

 スティレイザーのエレクトフリルから電流が流れ、トリケラドゴス改同様にビーストライガーにも直撃させた。

 

 「ぐ、ぐわぁ~!!」

 

 スティレイザーのマシンブラストを喰らって、倒れるビーストライガー、それを見たアルドリッジは笑い上げ、

 

 「そんなライオン種ごときで何ができる? 軍人でもない小僧が思い上がるな!」

 

 「うぅ…」

 

 「止めを刺してくれる!」

 

 それを見たサリーは、

 

 「レオ!」

 

 スティレイザーがビーストライガーに止めを刺そうとしたその時、背後から黒い影が現れ、アルドリッジのスティレイザーを吹っ飛ばした。現れたのはファングタイガー改だった。

 

 

 「邪魔だぜ、アルドリッジ!」

 

 「あのファングタイガーは?」

 

 「ユウトに散々やられたと聞いて、拍子抜けしていたが、少しはやるようだな。 では、今度は俺が相手をしてやろう。」

 

 「レオ!」

 

 「俺は大丈夫。 それより、サリーたちはここから離れて!」

 

 「よし、行くぞ! ライガー。」

 

 「貴様の実力試してやるぞ。」

 

 

 

 

 ファングタイガー改に倒されたアルドリッジのスティレイザーは起き上がり、

 

 「おのれ、私兵の分際で、この私をこけにしやがって!」

 

 その時、何かがアルドリッジのスティレイザーに砲撃した。現れたのはツガミ大尉のステゴゼーゲ改だった。

 

 「アルドリッジ! 私が相手だ。 正式な宣戦布告も無しに、我が共和国軍基地を襲撃した報いを受けてもらうぞ。」

 

 「あのステゴゼーゲは… ああ、今度はツガミか。 面白い、今度は貴様もディアスと同じ目に逢わせてやる。」

 

 スティレイザーはレーザー砲でステゴゼーゲ改に撃ち込むが、ステゴゼーゲ改も対空速射砲で迎撃し、その場から動こうとしなかった。

 

 「はっ、どうした? ビビって、近付くことも出来ないか!」

 

 「ふん、貴様ごとき、わざわざ近付くまでもない!」

 

 「何を! 貴様、舐めるなー!!」

 

 アルドリッジのスティレイザーはレーザー砲を撃ちながら、ツガミ大尉のステゴゼーゲ改に向かって走っていった。

 

 「よし、近付いてきたな。さあ、来い、アルドリッジ!」

 

 ステゴゼーゲ改も対空速射砲を撃ちながら、スティレイザーに向かって真っ直ぐ走っていった。互いに頭部をぶつけ合うスティレイザーとステゴゼーゲ改、当初は互角に見えたが、徐々にスティレイザーが押していった。

 

 「は、大口叩いて、その程度か! 」

 

 「ぬ、ぐうぅ…」

 

 「共和国のエリートが聞いて呆れるわ!! これで終わりにしてやる。

 制御トリガー解除! スティレイザー、兵器 解放! マシンブラストー!!」

 

 マシンブラストを発動したスティレイザーのスタンホーンが前方に出ようとしたその時、

 

 「今だ! 行くぞ、ステゴゼーゲ! ステゴゼーゲ、進化 解放! エヴォブラストー!!」

 

 スティレイザーがマシンブラストした直後にステゴゼーゲ改もエヴォブラストし、首のコクピットにあるウィングカッターがスティレイザーのエレクトフリルを切り裂いた。

 

 「何!?」

 

 「生憎だが、正面攻撃はこちらも得意分野なんでね! それに私は生涯、共和国のために尽くすと誓えた男、伊達に共和国のエリートと呼ばれていない。

 それに私はシミュレーションだが、一度、ディアス中佐のトリケラドゴス改を敗っている。更に…」

 

 ステゴゼーゲ改はすかさず、横に回り、

 

 「私は横からの攻撃にも強い。ナイフオブフィフティーン!」

 

 エヴォブラストしたステゴゼーゲ改のボーンソーがスティレイザーの装甲を貫いた。

 

 「うおぉ!!」

 

 ステゴゼーゲ改の立て続けの攻撃によって、遂に倒れるスティレイザー、ステゴゼーゲ改は対空速射砲をコクピットに向け、

 

 「降伏しろ! アルドリッジ。」

 

 「く、おのれ、ツガミめ! 撤退!!」

 

 スティレイザーは煙幕を張り、煙が晴れると、スティレイザーの姿はなかった。

 

 「くそ、逃がしたか!」

 

 「ツガミ大尉!」

 

 「どうした!?」

 

 兵士の通信を聞いて、後ろを振り向くと、ビーストライガーがファングタイガー改に苦戦していた。

 

 「ファングタイガー改、悪魔の虎か… ガブリゲーター部隊を出せ!」

 

 

 

 

 

 ビーストライガーは前足でファングタイガー改に攻撃しようとするが、ファングタイガー改は瞬時に避け、逆にタイガーの前足攻撃を喰らってしまう。

 ビーストライガーは頭部をファングタイガー改にぶつけるが、ファングタイガー改には一切通用せず、ライガーを吹っ飛ばす。

 ライガーも負けじと正面から向かってファングタイガー改に頭部と頭部をぶつけるが、タイガーに押されてしまう。

 

 「くそ、どうすればいい?」

 

 その時、ビーストライガーが何か言いたいように頷いた。

 

 「そうだな。行くぞ、ライガー! ビーストライガー、進化 解放! エヴォブラストー!!」

 

 その時、ファングタイガー改のコクピットにいるセードの右腕がオレンジ色に発光した。右腕を見たセードは、

 

 「俺の右腕が反応している… そうか、奴は俺と同じ力を持った同類か… どうやら、俺が相手になって正解のようだな。」

 

 

 「ビーストオブクローブレイク!!」

 

 ビーストライガーがファングタイガー改に向かって攻撃する。

 

 ガキン!

 

 ビーストライガーの攻撃がファングタイガー改に直撃したかと思ったが、何と、ファングタイガー改はビーストライガーのタテガミクローを咥えて動きを封じた。

 

 「そんな!」

 

 「いい技だが、思ったより、単調な攻撃だな! そんなんじゃ、このファングタイガーに傷一つつけることは出来ん!」

 

 ファングタイガー改は咥えたまま、ビーストライガーを振り回し、そのまま壁にぶつけた。

 

 「ぐわぁ!」

 

 「レオ!」

 

 「やれやれ、俺と同じ同類の癖に随分素人だな。本当の攻撃を見せてやる。 行くぞ、ファングタイガー。

 ファングタイガー、兵器 解放! マシンブラストー!! デスファング!」

 

 マシンブラストしたファングタイガー改の背中のツインドファングが現れ、ハイパーブースターで加速し、ライガーに向かっていく。ライガーはそれを避けようとするが、ファングタイガー改はツインドファングの左右にあるA-Zレーザーガンで、ライガーは足を撃ち抜かれ、ファングタイガー改のツインドファングがライガーの右半身のアーマーを切り裂いた。

 

 「ぐわぁっ!」

 

 グオォ~!!

 

 

 ファングタイガー改のマシンブラスト技を喰らって悲鳴をあげるレオとライガー、ライガーはそのまま倒れてしまい、

 

 「少しはやるかと思ったが、どうやら、とんだ期待外れだったようだな。 しかも俺と同じ力を持っていながら、その様とはね。

 宝の持ち腐れとは正にこのこと。 さて、お前とのゲームは終わりだな。」

  

 ファングタイガー改が止めを刺そうとしたその時、

 

 「止めて~!!」

 

 サリーの悲痛な叫びを聞いて、セードは動きを止め、サリーを見た。

 

 「あいつは…」

 

 サリーを見たセードはサリーの顔に見覚えがあるかのような表情をした。

 

 ズドン、ズドン!

 

 その時、ガブリゲーター部隊がファングタイガー改を砲撃してきた。

 

 「何!? アルドリッジの奴、裏切ったのか!?」

 

 しかし、攻撃したガブリゲーターには共和国のエンブレムが貼られていた。

 

 「共和国のガブリゲーターだと! そうか、ここにガブリゲーターの化石もあって、共和国の連中はそいつらも戦力に加えたというわけか。

 面白い、行くぞ、ファングタイガー!」

 

 ファングタイガー改は標的を共和国仕様ガブリゲーターに変え、ガブリゲーターに向かって走っていった。ファングタイガー改はガブリゲーターの砲撃を難なく避け、ガブリゲーター部隊に向かって走って行った。

 

 「デスファング!」

 

 ファングタイガー改のツインドファングが複数のガブリゲーターに直撃し、ガブリゲーター部隊は一刀両断され、爆破した。

 

 「ち、邪魔が入ったが、これでライガーの止めは…」

 

 その時、共和国軍基地から化石の一部を持ったクワーガが現れ、そのまま飛び去っていった。

 

 「あれは、そうか、プライドめ。 俺がこいつらとやりあっている間にどさくさに紛れて例の化石を回収するつもりだったのか。

 本来なら、まだゲームを続けたいところだが、口実が無くなってしまったら、仕方がない。行くぞ、ファングタイガー。」

 

 化石の一部を回収したクワーガを見たセードとファングタイガー改はその場から立ち去った。

 

 立ち去るファングタイガー改を見たレオは、

 

 「行った。あいつ一体何だったんだ? それにさっきあの時、何故止めを刺さなかったんだ?

 まるで、サリーの声を聞いて攻撃を止めていたように見えたけど、まさか…!」

 

 「レオ!」

 

 「サリー。」

 

 「レオ、大丈夫なの?」

 

 「俺は平気だよ。 でもまたライガーに無茶させちゃった。」

 

 

 「ホント、あいつは無茶する男だぜ!」

 

 「でも、そこが彼のいいとこなの!」

 

 

 

 トリケラドゴス改のところにステゴゼーゲ改が立ち寄り、ツガミ大尉はコクピットから降りてディアス中佐のところに来た。

 

 「ツガミ大尉、帝国軍は?」

 

 「アルドリッジ少佐と悪魔の虎は逃がしはしましたが、帝国軍を撤退させることに成功しました。」

 

 「そうか…」

 

 「中佐、いくら相手がアルドリッジだからといって、やられるなんてあなたらしくないですよ!」

 

 「ふ、どうやら、君には敵わないようだな。」

 

 

 

 

 

 

 

 帝国の帝都ネオゼネバスシティ、移民船の宮殿の中の一室で、プライド摂政がディアス中佐とツガミ大尉の指揮する共和国軍基地で発掘されたゾイドの化石の映像を見ていた。そこに1人の女性士官が現れ、

 

 「例の化石を回収しました。やはり、ランド博士の欲しているゾイドの化石の一部で間違いないようです。」

 

 「シーガルとアルドリッジがヘマをやらかしたと基地の兵士から聞いたが…」

 

 「セードが共和国軍基地を混乱させ、例のライガーと交戦して注意を剃らしたおかげで、容易に回収出来ました。」

 

 「そうか… ご苦労だったな。」

 

 「ところで…」

 

 「何だ?」

 

 「ランド博士は例のゾイドの復元に躍起になって、あの小娘の持つペンダントの奪還には目もくれないようだけど、いいのかしら? あのままで?」

 

 「心配はいらん。共和国との軍事バランスのためにあのゾイドの復元を先にするのは時期的には良いタイミングだ。

 それに、まだ、我々の手で端末を作動させる時期ではないからな。」

 

 「では、小娘を連れた例のライガーの小僧はしばらく、泳がせる形で?」

 

 「そうだな。今のところはペンダントの奪還を急がす程ではないが、いずれ、あのライガーと小僧は始末する必要があるだろう。 

 だが、小僧とライガーが小娘と一緒になっていることを知った以上、今処分するわけにはいかない。

 奴にはそれなりの利用価値があるからな。 小僧とライガーには引き続き監視体制を取って、見失わないようにしておけ。」

 

 「了解。」

 

 女性士官が退出し、ランド博士が復元している巨大ゾイドの化石の全貌の映像を見たプライド摂政は、

 

 「我が帝国の計画は第1段階に入った。お前はその段階の礎となるのだ。ジェノスピノ。」

 

 

 

 

 

 

 基地の一室でダーツをしているセードはビーストライガーとの戦いを思いだし、

 

 「俺とファングタイガーの足元に届かなかったが、奴が俺と同じ同類だと判明した以上、これからも俺のゲームの駒として楽しまなくてはな。

 そうでなきゃ、この力を手に入れた意味がない。」

 

 セードが右袖を破ると、彼の右腕はレオの左腕同様に金属化していた。

 

 To be continued




 次回予告

 セードのファングタイガー改とアルドリッジ率いる帝国軍と戦い、何とか共和国軍を救ったレオ、レオたちは新たに加わったアイセルと共に端末探しの旅に出掛けるが、帝国軍のある部隊が最強のファングタイガー改とハンターウルフ改に次ぐ強力なゾイドを復元し、その性能を試すためにそのゾイドがレオたちに襲いかかってきた。

 次回「さらば帝国、裏切りの幻狐」

 走り抜け、ライガー!!
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