ゾイドワイルドクロス アナザーZERO   作:オーガスト・ギャラガー

64 / 86
 ゾイド、それは銀河の彼方の惑星に生息し、金属の肉体と動物の本能、自ら戦う意思を持つ金属生命体である。
 ゾイドが生息する惑星Ziが滅亡の危機を迎え、そこに住む人類は第二の故郷として地球を目指すが、あるトラブルにより、ゾイド因子が暴走し、それによって不慮のタイムワープを起こし、21世紀の地球に不時着し、地球にゾイドが現れ、ゾイドによる破壊と度重なる地殻変動で地球は一度滅びた。
 サリーという謎の少女が持つペンダントの力によって復活し、更に進化を遂げた伝説のライジングライガーを相棒にした少年レオは強敵セードとジェノスピノを打ち破り、更にはジェノスピノ以上の力を持ち、その後は帝国の反乱組織真帝国を壊滅させた。
 しかし、密かに帝国を牛耳り、帝国の反乱を引き起こしたゼロメタル帝国の神官プライドが遂にゼロメタル帝国の絶対神にして皇帝であるデスザウラーの分身、ディアベル・ギャラガーと古の皇帝龍ゼログライジスを復活させてしまう。 更なる絶望を迎えたレオはゼロメタル帝国にどう立ち向かうのか!?


第64話「神聖ゼネバス帝国」

 ゼオルの乗るオメガレックスとギレル少佐とディアス中佐率いるデュークナイツ隊が帝国軍の砂漠仕様キルサイスに取り囲まれ、その内の一体のキルサイスから通信でゼオルたちに呼び掛けた。

 

 「デュークナイツ総司令ゼオルに並びにギレル少佐とディアス中佐以下のもの、速やかに我が独立部隊に投降せよ。さもなくば、この場で射殺する!」

 

 「一体どういうことだ?」

 

 「見たところ、ゼロファントスによる洗脳を受けているようには見えないが…」

 

 「(そうか、前にここに来る前にここから金属反応が出たが、それがこいつらだったのか。 そういえば、この発信器が取り付けられたのは出撃前だった…ということはやはり、帝国軍に裏切り者がいるということか。)」

 

 「どうする? ギレル少佐。」

 

 「どういうわけか、知らんが。こいつらも一気に叩く。」

  

 「待て。」

 

 攻撃しようとするギレル少佐にゼオルは静止させた。

 

 「ゼオル司令、何故!」

 

 「今、この状況、圧倒的に俺たちの方が不利だ。ここは大人しく言うことを聞いた方がいい。」

 

 「しかし!」

 

 「今は命令に従え。」

 

 暫く黙り込んだギレル少佐は渋々ゼオルの命令に従い、ゼオルを初め、ギレル少佐とディアス中佐らデュークナイツはそれぞれ搭乗ゾイドのコクピットから姿を現し、武器を捨て、手を上げた。

 

 ゼオルたちは砂漠仕様キルサイスの帝国軍兵士によって連れられ、ゼログライジスと共にネオゼネバスに向かっていき、その様子をシーザーとモーリスが伺っていた。

 

 「これは不味いな。あのままでは、ゼオル様がゼロメタルの捕虜にされてしまう。」

 

 「かといって、今我々が出ても、戦況が変わるとは思えない。物量は圧倒的に向こうが上、しかもゼログライジスまでいる。まともにやりあっても勝ち目がない。」

 

 「だからといって、このまま放っておくわけにはいかない。」

 

 「とにかく、奴等に気付かれないよう、尾行していこう。」

 

 ゼノレックス、クロスコングに乗り込んだシーザーとモーリスはゼログライジスと砂漠仕様キルサイスに感ずかれないよう、その後をついていくが、その様子を一体のバーニングライガーが傍観していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、マクラマカン大佐のクーデターを受けたことを知らないレオたちは、引き続き最後の一個となる端末の捜索をし、ボーマン博士が最後の端末を設置した脱出船の場所の在りかを知っていたため、その場所に向かい、その船を見付けるも、既にその船はもぬけの殻で、何処を探しても、発信器に一切の反応がなく、端末らしきものは見当たらなかった。

 

 「おかしい、間違いなくこの船のはずなんだが…」

 

 「てことは、まさか、既にゼロメタルに奪われちまったのか…」

 

 「それはないわ。だとしたら、さっき2つの端末を私たちに簡単に渡すはずがないわ。」

 

 

 その時、ロックバーグ中尉の元に共和国本部からの通信が入り、それに応じたロックバーグ中尉は本部からの報告を聞き、それをレオたちに伝えた。

 

 「ハント大佐からの緊急指令よ。直ぐにニューホープに戻るわ。」

 

 「え、一体どうして? まだ、端末が…」

 

 「それどころじゃないわ。帝国軍に裏切りが現れ、そいつがゼオルたちを捕虜にしてゼログライジスと共にネオゼネバスに向かったとのことよ。」

 

 「何だって!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 捕虜にしたゼオルやオメガレックスたちを連れ、ゼログライジスは帝国軍の砂漠仕様キルサイス隊と共にネオゼネバスに入城した。

 

 突然、ゼログライジスがネオゼネバスに入ったことに帝国国民はあわてふためき、我先へと帝国移民船の方へ逃げていった。

 事態を知ったハワード宰相は独立部隊や帝国の正規軍に直ちに入城したゼログライジスを食い止めるよう命じるが、全く応答せず、そればかりか、ネオゼネバスを防衛している一般仕様のキルサイスが次々とゼログライジスに道を進んでくださいと言わんばかりに道を開け、更には砂漠仕様キルサイスと共に加わって行進する始末だった。

 

 これを見たハワード宰相は直ちに緊急指令を下すが、軍はゼログライジスに向かうどころか、逆にハワード宰相のいる議会に入り込み、ハワード宰相たち帝国議員に銃を向けた。

 

 「貴様ら、一体何の真似だ!? まさか、この期に及んでまだ真帝国がほろんでいないとでもいうのか。」

 

 ハワード宰相の問いに1人の兵士が応えた。

 

 「違います。宰相、これは革命です。真帝国などという弱小帝国の反乱を許し、堕落してしまった帝国を本来のゼネバス…唯一絶対神の治める神聖なる帝国に生まれ変わらせるために。」

 

 「何!?」

 

 

 同時にフィオナとジーンのいる玉座の間にも帝国軍兵士が押し掛けてフィオナとジーンに銃を向け、彼女たちの前にマクラマカン大佐が現れた。

 

 「フィオナ陛下…いや、フィオナ。直ちに絶対神たるディアベル・ギャラガー陛下に帝位をお譲りください。」

 

 「カーチス・マクラマカン。あなた、帝国を裏切ったのですか!?」

 

 「帝国を裏切る…? まさか、帝国を裏切ったのは貴様のほうではないか。 

 先帝の意思を継ぎ、帝国を発展していくと軍と国民に伝えておきながら、政治にはほとんどそっちのけで宮殿で箱入り娘のような生活をしたおかげで、あのシーガルという無能な男の反乱を許し、更には真帝国などという貧弱帝国の設立までさせ、我が帝国の尊厳は完全に喪失されました。

 そうなったのも、全て貴様のせいだという自覚がないとでもいうのか?」

 

 「確かに帝国がこうなったのも、私のせいかもしれません。でも、それでも、私は帝国のために尽くしてきました。」

 

 「では、あなたのするべきことはわかっていますよね? 要求を呑まないのであれば、国民たちも巻き込むことになります。」

 

 「う…」

 

 「陛下…」

 

 「わかりました。要求に従います。ですが、国民には手を出さないでください。」

 

 「賢明な判断だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ハント大佐の知らせを受けたレオたちは急遽ニューホープに戻り、帝国で何かあったかの事の次第を受けた。

 

 それによると、ゼオルのオメガレックスとデュークナイツ隊と交戦している間に独立部隊司令のマクラマカン大佐がネオゼネバスでクーデターを起こし、それに乗じて待機していた帝国軍の砂漠仕様キルサイスがデュークナイツ隊を抑え、ゼオルたちを捕虜にし、ゼログライジスをネオゼネバスに入城させ、更に独立部隊やその他のほとんどの軍もマクラマカン大佐に従い、議会や宮殿を占拠し、フィオナはマクラマカン大佐から帝位をディアベル・ギャラガーに譲位させることを強制的に要求し、国民を危険に晒さないために渋々要求に応じた後、フィオナはジーン、ハワード宰相、コリンズ中将、シーガル中佐やその他の上層部と共に収監施設に入れられ、現在は完全にネオゼネバスはディアベル・ギャラガーとマクラマカン大佐に掌握されていたのだった。

 

 「まさか、帝国が…」

 

 「つうか、真帝国の時もそうだったが、帝国ってやたら乗っ取られすぎじゃね?」

 

 バズの何気ない発言にロックバーグ中尉はタメ息をつき、

 

 「一言多いけど、今回ばかりは同調するわ。」

 

 「何より、厄介なのがゼオル司令を初め、ディアス中佐とギレル少佐たちデュークナイツの上層部が捕虜にされ、更には我々合同軍の最大戦力たるオメガレックスとグライノスホーン、グラビティキャノン、ロングレンジバスターキャノンまで鹵獲されてしまっている。 

 今の我々の戦力では到底帝国軍の反乱軍に歯が立たない。」

 

 「それで、俺たちにその役割を引き受けて欲しいと…?」

 

 「ロックバーグ中尉から聞くと、君のライガーは更なる進化を遂げたという、君のそのライガーとライガー・ジ・アーサー、ゼノレックス、クロスコングで、帝国の反乱軍制圧とフィオナ皇帝ら捕虜の者たちの救出に向かって欲しい。」

 

 「俺で良ければ、いいんですが…」

 

 その時、ハント大佐の願いにレオは少し承諾しずらい雰囲気になっていた。

 

 「どうした?」

 

 「ハント大佐、確かに彼のライガーはブラックビーストライガーを倒せる程の力を持つ程までに進化を遂げました。 ですが、その時に我々はゼログライジスに遭遇し、それでもゼログライジスに立ち向かえる程には届きませんでした。」

 

 「そんな…それでも、あのゼログライジスには敵わないというのか!」

 

 「残念ですが…しかし、最後の端末を回収し、再起動させれば、ゼログライジスを倒せる可能性は出るかと…」

 

 「では、その最後の1つは何処に?」

 

 「それが…」

 

 「ハント大佐!」

 

 「何だ?」

 

 「ネオゼネバスから通信が入っています。」

 

 「直ぐに繋げ。」

 

 

 ハント大佐が通信に応じると、その相手はマクラマカン大佐だった。

 

 「久しいですな。ハント大佐。貴国の決定はどうされました?」

 

 「帝国軍独立部隊司令マクラマカン大佐、貴君の反乱は一体どういうことですか? 国と国民を守るために存在する軍がこのような愚かなことをして許されると思っているのですか?」

 

 「反乱? それは聞き捨てなりませんな。我々の行動は革命であって反乱ではありません。 帝国を正しき方向に導くためのものです。」

 

 「ゼロメタル帝国と手を組むことが帝国を正しき方向に導くことだというのか? あれを世界を滅ぼす…」

 

 「何を言っているのです。我々にとっての敵は真帝国とその反乱を許したフィオナら上層部なのです。帝国を転覆させ、貴国との戦争を引き起こし、世界を混乱に陥れたのも、元はといえば、フィオナ共が元凶なのです。

 そんな奴等は戦犯を許すわけにはいきません。」

 

 「それはゼロメタルのスパイだったプライドが帝国を傀儡にして引き起こしたものではないか!」

 

 「傀儡にしてまで、プライド閣下は帝国を正しい方向に導こうとしていたのですよ。 だが、それを無能なシーガルが拒否し、真帝国などというものを勝手に作りだし、今のような事態になったのです。

 それに戦争を吹っ掛けたのは帝国の方…違いますか?」

 

 「それは…」

 

 「そういえば、貴国には1つ難航していることがありましたね。最後の端末の在処に…」

 

 「!? 何故、それを…」

 

 「実はあるのです。我々の手にね。」

 

 映像が流れると、現れたのは研究所に保管されていたリジェネレーションキューブの端末で、それを見たハント大佐やレオたちは驚愕した。

 

 「この端末はランドが発見し、真帝国の手に渡っていました。元々はシーガルがこれを共和国との条件をつけるために用意していたが、真帝国壊滅後に我々が奪還し、保管しました。

 これを再起動させれば、この地球は救われます。」

 

 「なら、それをこちらに!」

 

 「ですが、ただでは渡しません。条件があります。」

 

 「条件だと?」

  

 「言うまでもありませんが、当然、我が神聖なる帝国への全面降伏です。応じれば、直ちに端末を渡し、再起動を認めます。

 更に、貴国の国民の安全と貴国の存続を保障し、第一世代にはマスクを必要としない身体を与える。悪い条件ではないだろ?」

 

 「断れば?」

 

 「ゼロメタル帝国と合併した我が神聖なる帝国の全戦力で直ちに貴国を制圧します。 ま、考える猶予は与えましょう。期限は48時間。それまでに回答をお願いします。」

 

 

 そう言うと、マクラマカン大佐は通信を切り、マクラマカン大佐の横の席にある人物が座っていた。

 その人物はゼロメタル帝国の科学者ドクターマイルスであり、暫くエンヴィーたち四天王がその顔を見なかったのは密かにプライドとラストの命令とその協力によってネオゼネバスに潜入し、そこで活動していて、昏睡状態のユウトが眠っている病室にマクラマカン大佐と話していたのもドクターマイルスだった。

 

 「最後の端末をこんな形で利用することなるとはな。」

 

 「本来、端末はあなた方ヒューマンオーガノイドのもので、真帝国のものではありません。それはそうと、博士はゼオルとかいう男にオメガレックスを乗せ、何かをしようとしていましたが、一体何を…?」

 

 「ちょっとした実験だ。プライドが完成して欲しいゾイドの開発とゼログライジスの更なる進化のためにもう少し働いてもらわないといけないからな。

 もちろん、端末もあのライガーの小僧共の手で再起動させなくてはな。」

 

 「まさか、奴等が条件を呑むと?」

 

 「いや、そうではない。奴等はお前の突きつけた要求に従う気は毛頭ない。おそらく奴等は期限の間にここに潜入し、端末の奪還と捕虜を救出する行動に出ることは目に見えている。だが、それが我々の狙いなのだからな。」

 

 「何故、端末をあなた方の手で再起動させないのですか? その方が効率がいいはずでは…」

 

 「それには色々と厄介な条件があるからな。ま、今にわかる。」

 

 「それはそうと、この革命に帝国の軍と国民は賛同しているのか?」

 

 「ええ、真帝国の件もあり、既に我が国民は帝国に愛想を尽かしています。

 絶対的な力によってこの星の覇権を制する唯一無二の国と言いながら、何の威厳もない小娘を皇帝にし、内輪揉めばかり起こし、敗戦続きの帝国に何の未練もない。むしろゼロメタル帝国こそが我々の望む理想の国家に相応しい…とな。」

  

 「ふふ、プライドめ、真帝国を利用したのは、帝国を真帝国もろとも潰すだけでなく、帝国の国民に対する信頼を失わせるという二重の手を打って、とことん利用してやったというわけか。」

 

 「そして、国民の同意を得た上でフィオナ共を戦犯として軍事裁判にかけ、死刑にすれば、我が帝国はゼロメタル帝国と合併し、文字通りの唯一無二の国となります。」

 

 「後は共和国とライガーの小僧共を始末すれば、完了というわけだ。」

 

 「とすると、ユウトはどうしますか? ずっとあのままだが。」

 

 「そうだな。本来なら、必要ない駒としてそのまま処分するとこだが…あのライガーの小僧共の連れに真帝国皇帝だった女ガイル。まだ、もう少し利用価値はありそうだ。それに昏睡状態なら、むしろ、好都合だ。」

 

 「では、何を?」

 

 「フフフ、」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 マクラマカン大佐との通信の後、ハント大佐とギャレット大将ら共和国の上層部とレオたちはこれからの行動を話した。

 

 オメガレックスとグライノスホーン、グラビティキャノン、ロングレンジバスターキャノンといったデュークナイツ最大の戦力が敵の手に渡り、更にゼログライジスもいる状況に共和国が勝てる見込みがなく、大人しく全面降伏に応じ、国民の命を優先すべきとの声が上がる中、ギャレット大将とハント大佐は降伏することはゼロメタル帝国の属国になれということで、共和国と国民を易々と渡すわけにはいかない。可能性は少なくとも、ゼロメタル帝国と徹底抗戦を望むと出たが、上層部は降伏派と抗戦派に別れ、会議が2時間経った今でも結論が出せないでいた。

 

 一旦、部屋を退出したハント大佐はレオたちに謝り、

 

 「すまない、ギャレット大将と必死に全力を注いだが、上層部は未だ降伏派が根強く、議会でも半数以上を占め、大統領も苦渋の決断を迫られるようになった。」

 

 「どうすんだよ。後、44時間以内に声明を発表しないと、帝国とゼロメタルの連合軍が攻めてきちまうぜ!」

 

 「なら、期限内に俺たちがネオゼネバスに潜入し、フィオナさんとゼオルさんを救出し、端末を奪還しましょう。少なくともゼオルさんたちを救出出来れば、こちらが有利になります。」

 

 「おいおい、簡単に言うなよ。レオ。行くったって、作戦はどうすんだよ! 大体いつもその作戦はゼオルが立てているんだろ? そいつがいなかったら、作戦を立てられねぇじゃねぇか。」

 

 「そ、それは…」

 

 「考古学者である私はこういうのは専門外だけど、ロックバーグ中尉なら、私より経験が多いし、作戦を立てやすいんじゃない?」

 

 「悪いけど、私でも専門外よ。それに本来なら、少佐の階級にあるあなたがやるべき立場なのに、下の階級の者にやらせるのもどうかと思うわ。」

 

 「あ、いや、それは…」

  

 「俺もフォックスの光学迷彩で、何度か帝国軍施設に潜入したことはあるが、流石に首都のど真ん中に潜入するのは無理がある。」

 

 「モーリスさんはどう考えますか?」

 

 「軍の1施設なら、潜入はそれほど問題ではないが、首都となると、条件はかなり悪い。 当然、警備も一般的な施設より厳重だろうし、オマケに国民もいるため、そこを決戦の場にすれば確実に巻き添えを喰らう。

 それに首都に関して詳しいことは知らないため、十分な作戦を練りにくい。」

 

 「そんな、一体どうすれば…」

 

 「我々が手を貸そうか?」

 

 

 その時、打つ手がないと思って半ば諦めかけたレオの目の前にツガミ大尉とスピーゲル中佐が現れた。

 

 「ツガミ大尉にスピーゲル中佐。」

 

 「どうやら、我々がデュークナイツの留守を預かったのは正解だったようだな。」

 

 「私は元独立部隊所属であるため、ネオゼネバスに関する情報は私が一番よく知っている。」

 

 「私とスピーゲル中佐なら、首都潜入の作戦は立てられる。それに彼等もいる。」

 

 「彼等?」

 

 ツガミ大尉とスピーゲル中佐の後にまた別の3人も現れた。その3人はリュック、ノックス両大尉とシェル軍曹だった。 

 

 「誇り高き我が帝国軍がゼロメタル帝国に乗っ取られるのは我々にとっては絶対に許されないことだからな。」

 

 「リュックさん…」

 

 「また、お前と協力することになるな。よろしく頼む。」

 

 「いえ、僕も嬉しいです。」

 

 「ちょっと待った!」

 

 レオとリュック大尉が握手を交わすと同時にある男の声がした。その主はミラーだった。

 

 「あたしたちもいることをわすれないでよね。」

 

 「お、お前らは…誰だっけ?」

 

 「キー!! キラーク盗賊団のミラーよ! ミラー! 最近、あたしたちの出番が少ないからってすっかり忘れちゃって。」

 

 「ミラーさんも行けるんですか?」

 

 「もちろんよ。こう見えてあたしたちは天下一の盗賊団よ。数多く軍施設からゾイドをかっさらったあたしたちにとって首都の潜入なんて朝飯前よ! 任せなさい。」

 

 「そうだっけ?」

 

 「さあ…」

 

 「それにレオやサリーちゃんと一緒にいるのは、この…あ、た、し!」

 

 「は…はい。」

 

 「よし、では、後はその準備だな。」

 

 「ハント大佐。」

 

 「何だ?」

 

 「ネオゼネバスから中継が入っています。」

 

 「何だと!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 帝国首都ネオゼネバスシティ、フィオナを強制的に退位させ、収監施設に入れたマクラマカン大佐はゼログライジスを宮殿の中に入れ、ディアベル・ギャラガーを玉座の間に招き入れた。

 

 「いかがですか? ディアベル・ギャラガー陛下。」

 

 「そうだね。オグドロスより居心地は良くないけど、ま、嫌いじゃないね。」

 

 「お気に召したようで何よりね。」

 

 「それより、大佐。今から何をするつもりだ?」

 

 「新たな帝国の発足ですよ。絶対的な力を持つに相応しい帝国にね。」

 

 マクラマカン大佐は直ぐ様、帝国国民が待つ演説場に立ち、演説を行った。

 

 「我が栄光なる帝国国民の諸君! 我が帝国は惑星Ziのガイロス帝国の最後の系統を受け継ぐ国家として、この地球に新天地を開き、この首都をネオゼネバスと名付け、この地球に君臨する最強の帝国としようとした。

 しかし、共和国が先に地球に移住したため、我が帝国はその遅れを取り戻すために急激に軍備拡大を行い、ゾイドの兵器化によって軍事国家を目指した。

 だが、それも政治に省みないフィオナという小娘を皇帝にしたことによって軍の有り様は酷く、議会でも汚職が行われ、そして終いには無能な将校の反乱を許し、我が帝国は分断され、栄光なる帝国の面影は完全に消え去った。

 諸君! このままでいいのか? 我が祖国を、偉大な国をこんなものにして満足なのか? いいや、誰一人そんなことを思う者はいないはずだ。我が帝国は常に最強でなければならない。

 だが、それももう終わりだ。帝国は今、生まれ変わる。ガイロスでも、ネオゼネバスでも真帝国でもない正当なるゼネバス帝国として…

 私は宣言する! 古代ゾイド人、ゼネバス帝国の最終兵器たるデスザウラーの遺伝子を受け継ぐゼロメタル皇帝ディアベル・ギャラガー陛下を帝国の皇帝にし、正当なるゼネバスの系統を受け継ぐ神聖ゼネバス帝国を今、ここに宣言する! そしてそれに抗うものは…」

 

 その時、演説場からゼログライジスが現れ、それに驚いた国民たちは恐れおののき、道を開け、ゼログライジスが進むと、ゼログライジスは修復された帝国の移民船を眺めていた。

 そして、玉座に座るディアベル・ギャラガーの目が赤く発光すると同時にゼログライジスの目も赤く発光し、背中のドーサルキャノンとインフィニティミサイル、テイルレーザーが照準が合わさり、それが一斉に放たれると帝国の移民船はあっという間に破壊され、チリ1つ残らないほどに爆発炎上した。

 

 「これで、今の帝国は死んだ。新たな夜明けだ…神聖ゼネバス帝国に栄光あれ!!」

 

 「ウオォ~!!」

 

 「神聖ゼネバス帝国万歳! 神聖ゼネバス帝国万歳!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アドリア王国領のアダマン領域の辺境にある地下都市、そこはセードと手を組んだコバたちが拠点を置いている場所で、そこで帝国、共和国、ゼロメタル帝国を打倒するための兵器の開発賀され、更にゼログライジスによってボロボロにされたジェノスピノがほぼ万全の状態で修復された姿があった。

 

 そこにオルドの乗るバーニングライガーが戻り、外の状況をセードやコバたちに伝えた。

 

 「神聖ゼネバス帝国…」

 

 「はい、どうやら、帝国のプライド派の軍がクーデターを起こし、ゼログライジスとディアベル・ギャラガーを迎え入れ、神聖ゼネバス帝国を設立させたそうです。」

 

 「ふん、真帝国もそうだったが、まさにあの帝国は愚かな人間の愚かな末路だな。それもゼロメタル帝国に併合されたなら、潰す手間が省ける。」

 

 「我々も動きましょうか?」

 

 「いや、ジェノスピノの強化はまだ完了していない。今出ても、また返り討ちに遭うだけだ。

 だが、端末を奴に渡すわけにはいかない。プライドの狙いは奴とライガーに端末を再起動させ、更なるバケモノの誕生を狙っている。それを阻止するためにちょっとちょっかいをかけ、端末をこちらの手にしなければならない。」

 

 「わかりました。では、我々が阻止してみせます。」

 

 「今に見ていろ。ギャラガー…次、会うときは貴様の最後だ。」

 

 To be continued




 次回予告

 最後の端末の奪還とゼオルたちの救出のためにネオゼネバスに向かうレオたち、だが、そこにコバたちバーニングライガーの妨害を受け、道を阻まれるが、レオとライガーはバーンとスピーゲル中佐の誘導で遂にネオゼネバスの宮殿に入る。
 だが、そこでレオを待ち受けていたのは…

 次回「端末奪還作戦」走り抜け、ライガー!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。