ゾイドワイルドクロス アナザーZERO   作:オーガスト・アベラス

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 ゾイド、それは銀河の彼方の惑星に生息し、金属の肉体と動物の本能、自ら戦う意思を持つ金属生命体である。
 ゾイドが生息する惑星Ziが滅亡の危機を迎え、そこに住む人類は第二の故郷として地球を目指すが、あるトラブルにより、ゾイド因子が暴走し、それによって不慮のタイムワープを起こし、21世紀の地球に不時着し、地球にゾイドが現れ、ゾイドによる破壊と度重なる地殻変動で地球は一度滅びた。
 サリーという謎の少女が持つペンダントの力によって復活し、更に進化を遂げた伝説のライジングライガーを相棒にした少年レオは強敵セードとジェノスピノを打ち破り、更にはジェノスピノ以上の力を持ち、その後は帝国の反乱組織真帝国を壊滅させた。
 しかし、密かに帝国を牛耳り、帝国の反乱を引き起こしたゼロメタル帝国の神官プライドが遂にゼロメタル帝国の絶対神にして皇帝であるデスザウラーの分身、ディアベル・ギャラガーと古の皇帝龍ゼログライジスを復活させてしまい、更に帝国のマクラマカン大佐のクーデターによって新たなる帝国、神聖ゼネバス帝国をも誕生させてしまった。
 更なる絶望を迎えたレオは神聖ゼネバス帝国にどう立ち向かうのか!?


第74話「目覚めし破滅の邪神」

 セードとコバ率いるアンチ帝国軍とゼロメタル四天王率いる神聖ゼネバス帝国軍が徹底抗戦している神聖ゼネバス帝国軍基地、そこにもキルデスサイス隊が現れ、アンチ帝国のキルサイスと交戦に入った。

 アンチ帝国仕様キルサイスはどういうシステムが内臓されているのか、どんなライダーが乗っているのか、そもそもキルデスサイス同様に無人でゾイド自身が動かしているのか定かではないが、キルデスサイス相手でも互角に渡り合い、一体一体確実に破壊していった。

 しかし、キルデスサイスはマクラマカン大佐の隊長機を除いたもの全てはAIを搭載した無人機であるため、いくらでも量産化でき、倒されても何度でも次の一波が現れるため、らちが明かず、アンチ帝国仕様キルサイスも徐々に苦戦していき、それはセードとジェノスピノⅢAも同じだった。

 ジェノスピノⅢAはロングキャノンとヘッドキャノン、ジェノソーザーでハエ取りでもやるようにキルデスサイス隊を撃破していったが、旧帝国、真帝国仕様と違い、AI搭載に加え、Eシールドの装備等、個々の性能が向上されている上に数の暴力が売りになっているため、こちらがキルデスサイス隊によって制圧されていくのは時間の問題となっていた。

 ジェノスピノⅢAの攻撃パターンを読むようになったキルデスサイス隊はジェノスピノⅢAの砲撃を軽々と回避するようになり、やがて次々とジェノスピノⅢAの身体に絡み付き、ジェノスピノⅢAの身体が徐々にキルデスサイスの集団に覆い隠されようとしていた。

 ジェノスピノⅢAに群がったキルデスサイスはマシンブラストを発動し、チェーンソーナイフでジェノスピノⅢAの身体を斬り刻もうとした。

 キルデスサイスといえども、かつて伝説のゾイドと謳われたジェノスピノⅢAの身体を斬り刻むことは容易ではなかったが、ジェノスピノⅢAのアーマーが削り取られるのは時間の問題となっていた。

 

 「くそっ、こんな雑魚に俺が負けてたまるか~!!」

 

 その時、突然、ジェノスピノⅢAのコクピットに組み込まれているセードの右腕から強烈な心臓音がし、同時にジェノスピノⅢAの身体がマグマのように燃え上がり、

 

 ジェノスピノⅢAが繭のある場所に向かっていったのを見たコバは、

 

 「ハハハ、ようやくセード様が繭のところへ向かわれた。今のセード様とジェノスピノⅢAは既にゼログライジス以上の力を持っている。 あの繭を破壊することなど造作ではない!」

 

 しかし、コバのその言葉が無意味だと言いたいようにラスは口を開いた。

 

 「いや、それは無理だ。陛下とゼログライジスの進化は完了した。後はあの繭からお目覚めになるだけだ。あのジェノスピノがどれだけパワーアップしようと、陛下とゼログライジスが繭から出れば、もはや、それは無意味になる。 神聖ゼネバス帝国が地球を統治するという運命は変えることは出来ない。」

 

 「ほざけ! 我々は貴様らのような傲り高ぶった人間共を殲滅し、この地にゾイドの理想郷を創造するのだ!」

 

 「理想の世界等、この世の何処にも存在しない。我々はあくまで皇帝ディアベル・ギャラガー陛下に従うのみだ。」

 

 「ふ、所詮、誰かについていかなければ、何も出来ない人間らしい愚かな行為だな。」

 

 「何とでも言うがいい。この世は弱肉強食。人間も全ての生物は強いものに従うしかないのだからな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 プライドの言葉通りに、突然、ゼログライジスの繭が動きだし、そのまま地中に埋まるように潜行していき、移動を繰り返すと、ある場所に辿り着いた。

 その場所はロッキー山脈だった。ゼログライジスの繭は山脈を削り取りながら繭が新たに現れた山のように現れた。

 更に現れた繭から金属の根が生えていき、次々と地球の内部に張り、それがマントルを突き抜けて地球のコアに到達していった。

 

 それに気付いたニューホープにいるフィオナやハワード宰相ら旧帝国軍の上層部やクレストウッド大統領、ギャレット大将ら共和国軍の上層部は映像でその姿を見ていた。

 

 「一体、何が起こっている?」

 

 「移動を始めた繭が地球内部のあちこちに根を張っているようです。」

 

 「丸で、花の開花前のようなものだな。」

 

 「だとすると、ゼログライジスが繭から出る時が近いということだ。リュック大尉、ノックス大尉、シェル軍曹を直ちに出撃させ、あの繭を破壊させる。

 ギャレット大将、デュークナイツ隊にも、直ちにあの繭の破壊命令を。」

 

 「実は既にディアス中佐やハント大佐らと通信を開いていますが…」

 

 ギャレット大将がディアス中佐やハント大佐と通信を開いていると、デュークナイツ隊はマクラマカン大佐率いるキルデスサイス隊にかなりの苦戦を強いられていて、繭の場所に行きたくても行けない状態にあった。

 

 「くそっ、このキルサイス。我々では明らかに手が負えない。これでは、ゼログライジスが目覚める前に着くことが出来ない。」

 

 「ふん、所詮、共和国もキルデスサイスの敵ではないか…ん? 繭が移動を始めた? そうか、遂に陛下がお目覚めになるのか。 なら、ここにいる必要はないな。後はこいつらに任せる。」

 

 ゼログライジスの繭が移動したことを知ったマクラマカン大佐は直ぐ様、繭の場所に向かっていった。

 

 「不味い! 隊長機が逃げてしまうぞ。」

 

 「しかし、この数が相手では歯が立たない!」

 

 ギレル少佐が諦めかけたその時、

 

 「アサルトエクスバスター!」

 

 何処からか、強力な砲撃がし、キルデスサイス隊を一瞬で消滅してしまった。現れたのはゼノレックスバスターXAとクロスコング、そしてアドリア王国軍だった。

 

 「シーザー、よく来てくれました。」

 

 「繭に不穏な動きがあって援軍を呼んで駆けつけましたが、やはりあの時と同じだ。」

  

 「あの時?」

 

 「ゼログライジスが6500万年前の地球にエネルギー体となって現れた時のことだ。あの時も地球の内部のエネルギーを吸収していたが、今回もそれと同様ということは向かう先は…ディアス中佐、一刻も早く繭のところに向かいましょう!」

 

 「ああ、だが、その前にゼオル司令に連絡を。」

 

 

 

 

 

 ディアス中佐の通信はプライドのデスレックスフレイムと対峙しているレオとゼオルたちのところに届き、繭が移動していることを知ったゼオルは、

 

 「何!? 繭が移動しただと!」

 

 「そうだ。貴様らがラストとやりあったおかげで十分に時間を稼ぐことが出来た。もう後は地球のエネルギーを取り込み、繭から出るのみとなった。」

 

 「こうしてはいられない。俺たちも早く向かわないと!」

 

 「その必要はない。貴様らはこの私の手で始末されるのだからな。」

 

 デスレックスフレイムがスナイプテラの翼に装備されているガトリングを放ったその時、オメガレックスガントレスがそれを全て受け止めた。

 

 「ユウト!」

 

 「レオ、ハンナ。ここは僕は任せて皆は急いで繭のところに!」

 

 「でも!」

 

 「僕にも出来るだけのことはしたい。そのためにはあいつを倒さなくてはならない。」

 

 「だからといって、あなた1人にするわけには…」

 

 「僕だってただ、君に救われるだけにはいきたくない。だから、今度は僕が君を助ける番だ!」

 

 「ユウト…」

 

 「早く行くんだ!」

 

 「わかった。」

 

 

 

 レオたちは急いで繭の場所に向かい、オメガレックスガントレスはデスレックスフレイムと対峙した。

 

 「この私と戦うつもりか? オメガレックスガントレスのAIとD因子を失い、ただの人間に成り下がった貴様ごときに。」

 

 「倒す! お前を倒して今度こそ、この呪縛から解き放つ。」

 

 「ふん、いいだろう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ロッキー山脈の山々を削って地中から現れたゼログライジスの繭は以前より更に紫色に光輝き、その中から巨大な心臓音が鳴り響くと同時に強大な力が目覚める前兆のように大地の雄叫びのような音が響き、世界各地でも地震や津波、台風等があちこちに起こり、それは通常の自然災害のどれとも規模が違うものだった。

 ゼログライジスの繭が移動し、現れた場所を知ったニューホープにいるハワード宰相ら旧帝国軍の上層部と共和国軍の上層部は繭を破壊するべく、ニューホープにいる旧帝国軍の残党を向かわせ、その命を受けたリュック大尉、ノックス大尉、シェル軍曹率いる旧帝国軍はレオたちやデュークナイツ隊より1足先にゼログライジスの眠る繭のあるロッキー山脈に着いた。

 

 「あの繭から観測不能なレベルの膨大なエネルギーが集約されています。」

 

 その時、同時に旧帝国軍の全てのゾイドがゼログライジスの繭に恐怖するかのようにライダーの操縦に逆らって一歩一歩と後ろに下がっていった。

 

 「どういうことだ? まさか、我が軍のゾイドがバイザーの制御に逆らってあの繭に恐怖しているというのか!?」

 

 「それだけ強大な力を持ったゼログライジスが目覚めるのが近くなってきたということだ。これ以上、奴を更なるバケモノに進化させるわけにはいかない。 シェル軍曹、デュークナイツ隊の到着は?」

 

 「まだのようです。」

 

 「悠長に待っていられない。我々だけであの繭を破壊する。既にハワード宰相閣下から攻撃許可は出ている。全軍、マシンブラストしてあの繭に一斉攻撃だ!」

 

 「スティレイザー、兵器 解放! マシンブラストー!! プラズマウォール!」

 

 「バズートル、兵器 解放! マシンブラストー!! アバランチファイア!」

 

 「キャノンブル、兵器 解放! マシンブラストー!! ナインバーストキャノン!」

 

 マシンブラストを発動した旧帝国軍のゾイドが一斉に砲撃を開始し、ゼログライジスの繭は一瞬で煙に包まれた。しかし、その砲撃を諸に受けても、繭は傷一つ付かなかった。

 

 「やはり、グラビティキャノンとロングレンジバスターキャノンでなければ、あの砲撃すら効果がないというのか!?」

 

 「なら、接近して砲撃する。全軍、前へ進め!」

 

 リュック大尉の命令に従って旧帝国軍は繭に近付いていったその時、突然、ディゾルボムが投げられ、リュック大尉のキャノンブルの横にいたバズートルが爆破されてしまった。

 

 「何!? 今の攻撃は…まさか!」

 

 繭の前に現れたのは神聖ゼネバス帝国のゼロファントスダークス隊で、その戦闘にはグリードの乗るディゾルレーザーキャノンを装備したプロトタイプのゼロファントスがいた。

 

 「フフフ、ギャラガー陛下が美しいお姿として目覚める邪魔をさせるわけにはいかんぞ!

 

 「神聖ゼネバスが黙って見ているはずがないと思っていたが、既に待ち構えていたのか。」

 

 「繭を破壊しようと、旧帝国と共和国のザコ共が来ると思って予め待機していたが、ビンゴだったな。

 ラストが消えた今となってはゼロメタル二大神官の空いた席はいずれこの私が座る。そのためには、貴様らザコ共はこの私が料理してやる。」

 

 「我々の攻撃を一切通さないつもりか。」

 

 「なら、先ず先にゼロファントスから叩く。全軍、砲撃開始!」

 

 グリード率いるゼロファントスダークス隊とリュック大尉率いる旧帝国軍が一斉に砲撃し、激しい攻防戦が繰り広げたが、ゼロファントスダークスと旧帝国軍ゾイドの性能は歴然の差であったため、徐々にゼロファントスダークス隊が押していき、旧帝国軍に被害が大きくなっていった。

 

 「バズートル隊、六機大破!」

 

 「スティレイザー隊も五機損傷だ!」

 

 「リュック大尉、このままでは全滅です! 一旦退避して体制を立て直さないと…」

 

 「そんな余裕はない! 例え、全滅してでもゼログライジスを繭から出ることは何としても阻止しなくてはならない。そうしないと

我々はおしまいだ!!」

 

 「ふん、ザコがいくら息巻いても、所詮我等新人類である我等ヒューマンオーガノイドと下等生物の旧人類とでは、格が違うんだよ!」

 

 グリードのプロトゼロファントスのレーザー砲がリュック大尉のキャノンブルに直撃し、キャノンブルは後方の旧帝国軍ゾイドのところにまで吹っ飛ばされた。

 

 「グワァッ!」

 

 「リュック大尉!」

 

 「ハハハ、いいぞ!」

 

 「くっ、我々ではゼログライジスどころか、ゼロファントスすら倒せないのか!」

 

 「さて、余興は終わりだ。貴様らザコ共を潰し、絶対神たるディアベル陛下が美しいお姿になられる様をこの最初に目撃した時、この私こそが神聖ゼネバスの第一人者として陛下直属になる。

 もはや、プライドやドクターマイルス、マクラマカン等、目ではないわ! さあ、とっととくたばるがいい!!」

 

 プロトゼロファントスが止めを刺そうとディゾルレーザーキャノンを放とうとしたその時、突然、ライガーデイズが現れ、レーザーガトリングでプロトゼロファントスのディゾルレーザーキャノンを迎撃し、イグニッションブースターで加速してそのまま体当たりし、プロトゼロファントスを繭の向こう側に突き飛ばしてしまった。

 

 「あのライガーは…」

  

 「大丈夫ですか? リュックさん。」

  

 「ふ、また貴様に助けられるとはな。」

  

 ライガーデイズの後に続いて、アーサー、ガンナー、ディアス中佐、ハント大佐、ギレル少佐率いるデュークナイツ隊とシーザー、モーリス率いるアドリア王国軍も到着した。

 

 「遅れてすまない。後は我々に任せてくれ。」

 

 「ああ、だが、あの繭は生半可な攻撃では一切通用しない。グラビティキャノンとロングレンジバスターキャノンでなければ、破壊は困難だ。オマケにゼロファントスもいる。」

 

 「だが、彼等なら問題はない。」

 

 グリードのプロトゼロファントスを失っても、ゼロファントスダークス隊は引き続き、デュークナイツ隊やアドリア王国軍にも攻撃を仕掛けたが、ゼロファントスダークス隊のすぐ目の前にライガーデイズ、アーサー、ガンナーが全てのディゾルボムを迎撃し、

 

 「悪いが、もうゼロファントスなんて俺たちの敵じゃないからな。」

 

 「もう一度、やるぞ! ガンナー!!」

 

 「グングニル!」

 

 「キングオブバーストキャノン!」

 

 「ライジングバーストクロー!」

 

 ライガーデイズ、アーサー、ガンナーによる3体のライガーの同時攻撃によってゼロファントスダークス隊は一気に殲滅され、繭の前はガラ空きになった。

 

 「よし、これで護衛はいなくなった。後はあのデカブツにグラビティキャノンとロングレンジバスターキャノンで潰す。」

  

 その時、突然、繭の周囲が紫色に光り、ライガーたちはその光を避けて下げていったが、その光が輝く地面から次々とゼロファントスダークスが形成され、現れていった。

 

 「!? 何だ? 一体どうなっているんだ!」

 

 その様子を見たシーザーはまたある既視感を感じた。

 

 「やっぱり、あの時と同じだ。6500万年前、ゼログライジスが地球に現れ、それを包み込んだエネルギー体からもゼロファントスを出現させていた。

 しかし、あの時はエネルギー体から出現していたが、今回は繭からではなく、地面から出現させただと!?」

 

 「まさか、奴は何もない場所からゼロファントスを造り出すことすら可能な能力を持ったというのか!」

 

 「端末の力を得ているなら、その可能性は十分に有り得ます。」

 

 「だったら、尚更、繭から出すわけにはいかない!」

 

 ライガーたちが繭に攻撃しようとしたその時、1足先に繭に待機していたキルデスサイス隊が巣から出てきた働きアリのように次々と姿を現し、ライガーたちの前に立ち塞がり、繭の頂上にはキルデスサイス隊長機が鎮座していた。

 

 「これ以上、繭にちょっかい出させるわけにはいかないのでね。もう一度このキルデスサイスの力を味わうがよい。」

 

 コクピットの中でライガーたちのデータを無人機のキルデスサイスに入力し、指示を出したマクラマカン大佐に従ってキルデスサイス隊は次々とライガーたちに襲いかかってきた。

 

 「やはり、そう簡単にいかせないようだな。」

 

 「これじゃ、あの繭に一歩も近付くことが出来ないよ!」

 

 「なら、方法があります! XAモードになった私のゼノレックスバスターとバルディーのガンナー、ロックバーグ中尉のパキケドスであのキルサイスを殲滅させます。

 その隙にレオとゼオル様は繭に向かって端末の力を! そして、弱まったゼログライジスにグラビティキャノンとロングレンジバスターキャノンを撃ち込めば…」

 

 「なるほど、確かにそれならいけそうだな。なら、頼んだ。」

 

 「ゼノレックスバスターXAモード!! アサルトエクスバスター!」

 

 

 「よし、もういっちょやるぞ! ガンナー。キングオブバーストキャノン!」

 

 「パキケドス、進化 解放! エヴォブラストー!! シュトルムボック!」

 

 

 ゼノレックスバスターXAとガンナー、パキケドスの攻撃でキルデスサイスの大半が一気に爆破され、煙に包まれた。

 

 「今です!」

 

 「了解した! 行くぞ、レオ。」

 

 「はい!」

 

 「待って、レオ!」

 

 「サリー、メルビルさん?」

 

 「私たちも行かせてください。」

 

 「でも…」

 

 「私でも、出来るだけのことはさせてください。」

 

 「わかった。」

 

 ライガーデイズ、アーサーはサリーのハンターウルフとメルビルのギルラプターエンペラーを連れ、繭のところに向かっていった。その様子を見ていたマクラマカン大佐はそうはさせじとキルデスサイス隊長機は再び触覚から大気中の何かのエネルギーを吸収し、鎌からエネルギー弾をライガーたちに向けて発射した。

 

 「レオ、危ない!」

 

 アーサーがライガーデイズを庇ったことで、ライガーデイズはキルデスサイス隊長機の攻撃から逃れることが出来た。

 

 「ありがとうございます。ゼオルさん。」

 

 「くそっ、あのキルサイス…他の奴らとは明らかに違う。まさか、あれが隊長機か!」

 

 「流石にやるな。だが、一発だけと思うなよ!」

 

 キルデスサイス隊長機が更にもう一発放とうとしたその時、突然、正体不明の白銀のキルサイスが何処からともへと現れ、キルデスサイス隊長機を抑え、ライガーたちへの攻撃を防いだ。

 

 「何!? 何だ、このキルサイスは? 一体誰が…」

 

 「決着に来たぞ! マクラマカン。」

 

 「その声は…シーガルか!」

 

 白銀のキルサイスに乗っていたのはシーガル中佐だった。

 

 「今こそ、お前の愚かな野望、潰える時だ。」

 

 「バカな! 貴様はあの時、インペリアルナックルコングと共に死んだはず!?」

 

 「この私がそう簡単に死ぬわけがない。貴様の建てた神聖ゼネバス帝国を倒すためにキルデスサイスなどという大層な名をつけた貴様のゾイドに対抗するためにこのキルサイスを造ったのだ!」

 

 「何だと!? だが、キルデスサイスのデータはこちらのセキュリティで完全に守られていたはずだが…」

 

 「貴様のやりそうなことなど、私には既にお見通しだ。データを手に入れなくとも大体の性能は把握できる。」

 

 「ふん、やはり真帝国を創ったあの出来損ないシーガルと違い、貴様はかなり有能のようだな。」

 

 「私をあんな奴と一緒にするな!」

 

 「あのキルサイスは…」

 

 「レオ! ぼーっとしている暇はないぞ。早く、端末を!」

 

 「は、はい!」

 

 繭の手前にきたレオとライガーデイズが手を翳そうとしたその時、

 

 「邪魔をするな。」

 

 突然、ジェノスピノⅢAがライガーデイズを前足で捕らえ、そのまま投げ飛ばしてしまった。

 

 「レオ!」

 

 「ジェノスピノだと!」

 

 「貴様ごときに端末の力は渡さない。端末はこの俺が手に入れる。そしてゼログライジスを遥かに越える力を得、全ての人類に死を。」

 

 「止めて、ピーター! あなたはそんなことする子じゃない。」

 

 「何度言ったらわかる? 俺はお前の弟のピーターではない。セード…セード・コルディアスだ。

 この星の全ての人類を殲滅するために生まれた存在だ。」

 

 「違う! 私の知っているピーターはもっと優しい子だった。お爺様からあなたはお父さんと共に死んだと聞かされていたけど、あなたと一緒にいた時はちゃんと覚えている。

 いつも、私と一緒に遊んで、私の幸せをいつも願ったり、他人のことを思いやってきたあの子がどうして…?」

  

 「俺はもはや、過去の人間ではない。貴様の知っているピーターとやらはランドが殺し、そして俺はそのランドを殺して過去を葬り去った男だ。

 俺は新たに生まれ変わった。新たな時代を築くためにな!」

  

 「それがあなたの望んだことなの? 人を殺して本当に平和な世界が訪れるというの!?」

 

 「言いたいことはそれだけか!?」

 

 逆上したセードはジェノスピノⅢAのヘッドキャノンをサリーのハンターウルフに向けたその時、ライガーデイズがハンターウルフの前に現れ、それを迎撃した。

 

 「サリーには一歩も近付けさせない!」

 

 「レオ…」

 

 「ふん、貴様ごとき、俺の敵ではない。ジェノスピノ、兵器 解放! マシンブラストー!! ジェノサイドクラッシャー!」

 

 「ライジングバーストクロー!」

 

 ライガーデイズとジェノスピノⅢAの攻撃がぶつかり合うが、パワーはジェノスピノⅢAの方が一枚上手だったため、ライガーデイズはそのパワーに押され、力負けしてしまう。

 

 「グワァッ!」

 

 「レオ!」

 

 「フフフ、うぐっ!」

 

 その時、突然、セードが苦しみだし、同時にプライドのデスレックスフレイムと交戦しているユウトも苦しみだし、ゼログライジスの繭の中の紫色の光が更に力強く輝きだした。

 

 「グウゥ…もう一刻の猶予もないか。もはや、こいつとやりあう暇はない。端末の力は俺のものだ!」

 

 セードは繭の中の端末の力を手にするために、ジェノスピノⅢAが繭に近付いて、前足で繭を掴んだその時、繭から紫色の電流がジェノスピノⅢAの身体に流れ込み、コクピットにいるセードにも伝わっていった。

 

 「ぐっ、グウゥ~!!」

 

 セードは何とかその電流に耐えようとするが、電流は時間ごとに更に増し、セードは更に今までにない苦痛を味わい、更に繭から発生された衝撃波によってジェノスピノⅢAは逆に突き飛ばされてしまった。

 繭が張った根を通して地球内部のエネルギーがどんどん繭に流れ込み、繭から聞こえる心臓音が以前より爆音となって鳴り響き、それに伴って世界各地で発生した地震と台風による異常気象も強まり、繭にひびが入っていった。 それを見たマリは、

 

 「不味い! ゼログライジスが繭から出てしまう!」

 

 「しかし、どうすればいいんだ!? いくら倒してもきりがないぞ!」

 

 バルディーの言う通り、ゼノレックスバスターXAとガンナー、パキケドスによる強力な砲撃で多数のキルデスサイスを殲滅しても、いくらでも湧いてくるため、繭に近付くことすら出来なかった。

 

 「なら、この距離から放つしかない。かなりの賭けだけど…」

 

 マリはグラキオサウルスに装備されているグラビティキャノンの狙いをひびの入った繭の箇所に狙いを定めた。

 

 「あそこが割れれば、その箇所はガラ空きになる。なら、そこを狙えば…」

 

 ひびの入った繭の箇所が割れたその時、

 

 「今だ!」

 

 マリはその隙を逃さず、グラビティキャノンを放ち、その弾がゼログライジスの繭の割れた箇所を確実に捕らえた。

 勝利の瞬間に見えたかと思ったその時、突然、割れた箇所から紫色の超強力なビームが放たれ、グラビティキャノンの弾丸を一瞬で空にまで追いやり、そのビームは大気圏を突入し、何と到達した月をも貫通させ、その先にあった小惑星群をまとめて消滅させてしまった。その余りの出来事にレオたちは言葉すら出なかった。

 そして、放たれたビームによって開いた繭からゼログライジスの顔が現れ、両手で開いた箇所を掴み、繭を突き破ってその全体の姿を遂に現した。

 現れたゼログライジスは最初に復活した時より更に巨大なサイズで、全身銀色のカラーリングをし、背中のドーサルキャノンが全て巨大なインフィニティミサイルに変わり、グライジスコアを覆うイングレイションアーマーが2つになる等、大きく変わり、アイブレインが紫色という姿で、ゼログライジスは新たな進化を喜ぶかのように力強く咆哮を上げた。

 

 グギャオォ~!!

 

 その咆哮はダイダロスにも届き、それを聞いたプライドは、

 

 「フフフ、遂にようやくこの時が来た。さあ、愚かな全ての人類よ、ゾイドよ。その姿に恐怖し、絶望するがいい。

 この世のあらゆるものを破壊し、真なる唯一絶対神である混沌の絶対龍カオスゼログライジスを! フフフフフ、ハーハッハッハッハッハッハ!!」

 

 To be continued




 次回予告

 レオたちとデュークナイツの必死の努力も虚しく、遂に繭からその姿を現した混沌の絶対龍カオスゼログライジス。
 全てのリジェネレーションキューブの力を取り込んだその力はもはや神の領域であり、自在にキルデスサイスやレックスジャミンガ、ゼロファントスを無数に造りだし、時間操作や空間操作まで行えるその力によって人類とゾイドは逃れられない窮地に追いやられた。
 果たして、レオたちはカオスゼログライジスを倒すことが出来るのか? そして、この地球の運命は!?

 次回「混沌の絶対龍 カオスゼログライジス」走り抜け、ライガー!!
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