ゾイドワイルドクロス アナザーZERO   作:オーガスト・アベラス

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 ゾイド、それは銀河の彼方の惑星に生息し、金属の肉体と動物の本能、自ら戦う意思を持つ金属生命体である。
 ゾイドが生息する惑星Ziが滅亡の危機を迎え、そこに住む人類は第二の故郷として地球を目指すが、あるトラブルにより、ゾイド因子が暴走し、それによって不慮のタイムワープを起こし、21世紀の地球に不時着し、地球にゾイドが現れ、ゾイドによる破壊と度重なる地殻変動で地球は一度滅びた。
 サリーという謎の少女が持つペンダントの力によって復活し、更に進化を遂げた伝説のライジングライガーを相棒にした少年レオは強敵セードとジェノスピノを打ち破り、更にはジェノスピノ以上の力を持ち、その後は帝国の反乱組織真帝国を壊滅させた。
 しかし、密かに帝国を牛耳り、帝国の反乱を引き起こしたゼロメタル帝国の神官プライドとマクラマカン大佐が神聖ゼネバス帝国を誕生させ、神聖ゼネバス帝国の絶対神にして皇帝であるデスザウラーの分身、ディアベル・ギャラガーと古の皇帝龍ゼログライジスが全てのリジェネレーションキューブを取り込み、最強最悪のゾイド、カオスゼログライジスを生み出されてしまう。 
 果たして、レオたちはカオスゼログライジスに立ち向かうことが出来るのか? そしてこの地球の運命は!?


第75話「混沌の絶対龍 カオスゼログライジス」

 巨大な繭を突き破って遂にその姿を現したゼログライジス、その姿にレオたちは未だかつてない威圧感と恐怖をその身に感じた。

 

 「これが、リジェネレーションキューブによって進化したゼログライジスの姿…」

 

 ゼログライジスの姿はフィオナとハワード宰相、クレストウッド大統領、ギャレット大将のいるニューホープの司令部の映像で、その姿を捕らえていた。

 

 「姿が変わっただと!?」

 

 「いえ、それだけではありません。前回、南極で出現した時は全長80mはありましたが、今回は全長200mになっています。」

 

 「更に倍以上に巨大化しているのか!」

 

 そこにボーマン博士とクリスタも現れ、

 

 「くっ、遅かったか!」

 

 「ボーマン博士? 今まで何処へ?」

 

 「あの繭から端末の力を取り戻すためにもう一度ペンダントを開発していたのだが、既に手遅れとは…」

 

 「しかも、奴は更に強大にパワーアップしています。」

 

 「あれが端末の力を取り込んで進化したゼログライジスか…かつてのオリジナルデスザウラーもデススティンガーのゾイドコアと融合し、より強大になって復活したことがあったが…

 まさか、ここまで進化するとは! 私が地球再生のために開発した希望の装置が逆に悪魔を生み出してしまったか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 進化したゼログライジスと対峙するライガーたち、ライガーたちは得体の知れない進化したゼログライジスの姿に恐れおののき、攻撃することすら出来ない状態にあったが、セードとジェノスピノⅢAは全く応じる様子がなく、

 

 「繭から出る前に潰すことが出来なかったが、なら、その力を発揮する前に一気に叩き潰す!

 ジェノスピノⅢA、兵器 解放! マシンブラストー!! ジェノスピノサイドクラッシャー!」

 

 ジェノスピノⅢAのジェノソーザーが進化したゼログライジスの胸部を捕らえたその時、突然、進化したゼログライジスの目が紫色に発光し、グライジスコアを覆う胸部の2つイングレイションアーマーの隙間から不気味な目が現れ、胸部が進化したゼログライジスのもう一つの顔となり、その目が睨むと進化したゼログライジスの身体から強烈な衝撃波が放たれ、ジェノスピノⅢAを軽々吹き飛ばし、近くにいたライガーたちも巻き添えを食らって吹き飛ばされてしまった。

 更に進化したゼログライジスが歩くと、足を付けた箇所が一気にひび割れ、それが数百メートル先にまで広がった。それは体重によってひび割れたものではなく、進化したゼログライジスの余りの強力な力に地面が耐えられないようなものだった。

 

 「レオ!」

 

 進化したゼログライジスの衝撃波によって吹き飛ばされたライガーたちの元に立ち寄るサリーとハンターウルフ、メルビルとギルラプターエンペラー。

 サリーはハンターウルフから降り、ライガーデイズのコクピットに向かうが、レオはさっきの衝撃で気を失っていた。進化したゼログライジスの姿をもう一度見たサリーは未だかつてない絶望を感じた。

 

 「何あれ、怖い…」

 

 逆にゼログライジスの新たな姿を見たマクラマカン大佐は歓喜した。

 

 「オオ、これが更なる進化を果たしたゼログライジスの姿…何と美しい。これこそ、まさに全宇宙に君臨すべき神の姿だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 神聖ゼネバス帝国第二の帝都ダイダロスで、交戦していたプライドのデスレックスフレイムとユウトのオメガレックスガントレス、ダイダロスからかなり離れているにも関わらず、進化したゼログライジスの力を感じとるかのようにユウトは苦しみだし、その様子を見たプライドは、

 

 「そうか、遂に陛下のお力が解放されたのか、ならば、そのお力と美しい姿を是非、この目で拝見しなくてはな。

 もう、貴様と遊ぶ必要はない。デスレックスフレイム、兵器 解放! マシンブラストー!!」

 

 ユウトなど、用なしだと言わんばかりにプライドはデスレックスフレイムのマシンブラストを発動し、口内から現れたのはウブラドリルではなく、オメガレックスと同じ荷電粒子砲だった。

 デスレックスフレイムのマシンブラストに気付いたユウトもすかさず、オメガレックスガントレスのマシンブラストを発動し、それを迎撃した。

 デスレックスフレイムとオメガレックスガントレス、2体の大型のティラノサウルス種ゾイドの放つ荷電粒子砲が互いに放たれ、激突した。当初は拮抗していたように見えたが、デスレックスフレイムの方が性能が上であるためか、デスレックスフレイムの荷電粒子砲がオメガレックスガントレスの荷電粒子砲を押し返し、そのままオメガレックスガントレスに直撃させてしまった。

 

 荷電粒子砲の撃ち合いに負けたオメガレックスガントレスは爆発炎上し、その衝撃でドームは崩れ落ち、オメガレックスガントレスはその下敷きになって埋まってしまった。

 しかし、デスレックスフレイムは巨大なスナイプテラの翼を有していて、荷電粒子砲の撃ち合いによる爆破を難なく逃れ、そのままダイダロスを出て、ゼログライジスの元へ向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ジェノスピノⅢAやライガーたちを一瞬で瞬殺したゼログライジスの圧倒的な力にニューホープにいるフィオナとハワード宰相、クレストウッド大統領、ギャレット大将、ボーマン博士、クリスタも驚きを隠せないでいた。

 

 「何てパワーだ。」

 

 「これが、リジェネレーションキューブを取り込み進化したゼログライジスの力…」

 

 「クフフ…」

 

 その時、突然、この地球にいる全ての人間の脳裏に不気味な笑い声が聞こえた。

 

 「何だ? この声は…」

 

 同時に突然、全ての映像が乱れ、その映像には結晶で包まれたゼログライジスのコクピットが現れ、その結晶にひびが入り、一瞬で割れ、ディアベル・ギャラガーがその姿を現した。

 結晶体から現れたディアベルはユウトと瓜二つの容姿ではなく、そこから20~30代に成長したような姿になっていた。

 

 「遂にこの時が来た。かつての私の姿、オリジナルデスザウラーを越え、真なる唯一絶対神としてこの星に…いや、全宇宙に君臨する時を!」

 

 その時、ディアベル・ギャラガーの背中から先が鋭利な刃物のような形をした不気味な黒い触手が何本か現れ、その触手が突然、ディアベルの身体の皮膚を皮を剥ぐように剥ぎ取っていた。

 身の毛のよだつ光景にサリーとメルビルは思わず目を瞑ったが、ディアベルの肉体から別の肉体が現れ、身長は一気に2m以上になり、現れたもう一つの肉体は完全に人間型とはかけ離れた姿となっていた。

 顔は黒い金属化した髑髏のような容姿となっており、頭部は人間の頭蓋骨と違い、蛸のように伸びた歪な形になり、首の周りにはその首を食らうかのようにいくつもの牙があり、その牙はかつてのオリジナルデスザウラーの形によく似ていた。腕と肩には鋭利な突起が生えていて指は鋭い爪状になり、胴体は顔と同じく黒い金属化した骸骨のようなもので、またオリジナルデスザウラーのような尻尾もあり、更に胸には紫色に染まったサリーのペンダントが剥き出しの心臓のような形になるというこれまでにない禍々しい姿となっていた。

 そして、ディアベル・ギャラガーの背中から伸びる幾つもの触手はゼログライジスのコクピットのあちこちに接続し、ディアベル・ギャラガーはゼログライジスと完全に一体化した。

 その姿を見たサリーとメルビルは初めてその姿を現したディアベル・ギャラガーを見た時より遥かな恐怖を抱き、そのおぞましい姿だけでなく、今のディアベルから感じる底知れない強大な力に圧倒された。

 それと同時に、ボーマン博士たちのいるニューホープの司令部に突然、ナノ粒子のようなものが現れ、それが形成すると、それは先程、映像で姿を見せたディアベル・ギャラガーそのものだった。

 クレストウッド大統領を護衛する2人のボディーガードが拳銃を取り出そうとしたその時、ディアベルの背中の黒い触手が2人のボディーガードの身体を貫き、生気を吸うと、ボディーガードの身体が一気に白骨化し消滅してしまった。

 

 「これは、ホログラムではないのか!?」

 

 「ふん、この私の手に掛かれば、分身を作ることなど造作ではない。究極進化を遂げたこの私の分身、混沌の絶対龍、カオスゼログライジスの力があればな。」

 

 新たな形態となったディアベルは以前のユウトと瓜二つの容姿をした美少年の姿と違い、一人称が変わり、無邪気な少年っぽい口調も無くなり、更により傲岸不遜な口調で、より低音声となっていた。

 

 「カオスゼログライジスだと!?」

 

 「さて、私が繭の中で眠っている間に、私の僕が幾つか条件を出したそうだが、そろそろ答えを聞かせてもらうぞ。唯一絶対神たる我に白旗を掲げるか、それとも国ごと滅ぶか…」

 

 「何度も言ったが、我々は神聖ゼネバス帝国に従うつもりはない。お前がどんな存在であろうと、例え、神でも悪魔でも!」

 

 「はっ、本当に人間とは愚かな生き物だ。ん?」

 

 

 

 

 ディアベルが気付くと、マクラマカン大佐のキルデスサイス隊長機との戦闘を放棄したシーガル中佐の白銀のキルサイスがカオスゼログライジスの背後に襲いかかってきた。

 

 「貴様に、我が帝国を滅ぼさせはしない!」

 

 白銀のキルサイスがカオスゼログライジスに攻撃しようとしたその時、現れたデスレックスフレイムが翼で白銀のキルサイスを叩き落とし、カオスゼログライジスの前に跪いた。

 

 「プライドか。」

 

 「我がマスター、ディアベル・ギャラガー皇帝陛下。このゼロメタル神官プライドは絶対神官龍デスレックスフレイムと共に、あなた様の使徒で生涯仕える所存でございます。」

 

 「私のゾイド因子とゼログライジスのゾイド因子で進化を遂げたデスレックスか。貴様の忠誠心大したものだぞ。」

 

 「思い上がりもそれぐらいにしろ! デスザウラー。」

 

 「おや、そこにいるのはリジェネレーションキューブの開発者であるウォルター・ボーマンではないか。貴様の研究のおかげで、私はかつての姿、オリジナルデスザウラーはおろか、ゾイドイヴすらも超越した存在となった。 改めて礼を言う。」

 

 「聞け! デスザウラー…いや、ディアベル。 お前が全ての端末を取り込んだということがどういうことかわかるか!? 滅亡寸前となったこの地球を再生する術が無くなったということだ。 どう足掻こうが、お前は我々同様、この地球と共に滅びる運命なのだ。」

 

 「ほぅ、端末の開発者の割には、随分、浅はかな脅しだな。」

 

 「何!?」

 

 「この私が全てのリジェネレーションキューブを取り込んだということがどういうことか、開発者の貴様すらもわかっていないのか?

 端末の力を取り込んだということは即ちゾイドイヴそのものの力も得ているということだ。

 つまり、この私と絶対龍カオスゼログライジスにはこの地球を自在に作り替えることが出来る力がある。」

 

 「馬鹿な! いくら端末の力を取り込んだとはいえ、たかがゾイド一体にそんな力が…」

 

 「出来るのだよ! この私とこのカオスゼログライジスには。」

 

 「何だと!?」

 

 「フフフ。ん?」

 

 その時、さっきの衝撃波を食らいながらも、立ち上がったジェノスピノⅢAがカオスゼログライジスの前に立ち塞がり、ライガーたちも同様にカオスゼログライジスと対峙した。

 

 「どんな力があろうと関係ない。俺は貴様から端末の力を奪い、全ての人類を滅ぼすのみ!」

 

 「そうか…確か貴様は人類を殲滅し、この地球をゾイドの星にするのだったな。ならば、望み通り、その世界にしてやろう。」 

 

 「何?」

 

 「見せてやろう。全てを混沌へもたらし、絶対的な秩序をもたらすカオスゼログライジスの力を。」

 

 カオスゼログライジスの胸部から現れた目とコアのような球体が突然、紫色に輝き、そこから紫色のバリアのような空間がカオスゼログライジスの周囲から発生し、徐々に広がっていき、それがライガーたちはおろか、地球全体にも広がっていった。

 空間が遠ざかると、それまで各地に発生した異常気象や現象が止まり、地球の壊滅が避けられたようになり、全て青空へと変わった。

 

 しかし、喜んだのもつかの間、レオたちやこの星にいる全ての人間やゾイドに何かしらの違和感が感じ、それまで受けていた傷が回復していくような感覚になり、更に世界各地にあるゾイドクライシスによって崩壊され、廃墟となった場所が丸で時が戻っていくかのように自然に修復され、ゾイドクライシスが起こる前の姿に戻っていった。

 その不可解な現象はそれだけでは終わらなかった。先程晴天だった青空にオーロラが現れ、それが世界中にも現れ、更に収まったはずの異常気象が再び発生し、地殻変動まで起こり、それまでの戦争で命を落とし、石化したゾイドやまだ掘り起こしていない化石も自力で再生するように次々と復元されていった。それはまさしくゾイドクライシスの再来のようだった。

 

 「こ、これは…一体どうなっている? 何が起こった!?」

 

 「わかりません。原因が全くわかりません。全ての機械にも異常が発生し、全て狂っています。」

 

 「直ちに原因解明に急げ!」

 

 「やってます! でも、それが出来ないんです。 これはただのハッキングでもバグでもないんです。」

 

 「じゃあ、一体、これは…」

 

 「これは…まさか、そんなことが!」

 

 「どうした!?」

 

 「現在、午後5時のはずなのに、時計が午後8時になっています!」

 

 「それも原因不明によるものか!」

 

 「ですが! これが指し示している年代が新地球暦30年ではないのです!」

 

 「何だと!? 一体何と?」

 

 「2025年8月1日…」

 

 

 

 

 「まさか、これは!!」

 

 「そうだ。時間を逆行させ、100年前のゾイドクライシスの起こった時代に戻したのだ。」

 

 「時間を戻しただと!? 馬鹿な、そんなことが出来るはずが…」

 

 「どうかな? 確か、貴様らは端末の力によって時間の境目が無くなった場所に来たことがあるんじゃないのか?」

 

 それを聞いたレオはアンキロックスが守っていた村のことを思い出した。

 

 「あの時の…ボルテックス現象!」

 

 「その通り、端末の強力なエネルギーによって外の世界と隔絶し、時間の流れをも変化させた現象、我がゼロメタル帝国に一度強力したコンラッドというものがボルテックスと名付けていたな。

 つまり、カオスゼログライジスはどの場所も自在に時間の流れを変化させ、そのまま未来や過去にも行き来することすら可能だ。加えて…」

 

 カオスゼログライジスの周囲で復元されたゾイドたちの目が紫色になり、一斉にライガーたちの方を向けた。

 

 「マインドホーンによってカオスゼログライジスの力で復活した全てのゾイドも私の支配下に置かれる。さあ、我が僕よ、己の復讐を果たすがいい。

 己を戦争の道具として利用し、使い捨てにした愚かな人間共に裁きを与え、そして唯一絶対神である私の使徒として、この世に絶対的な秩序をもたらすのだ。」

 

 ディアベルの命令を受けたゾイドたちは次々とライガーたちやデュークナイツ隊に襲いかかってきた。ライガーたちは直ぐ様、攻撃の体制に入ったが、ジェノスピノⅢAは何の躊躇もなく、ロングキャノンを放ち、目の前に立ちはだかるゾイドたちを殲滅していった。

 

 「どういうつもりだ? ゾイドの星にするという目的を持っていながら、ゾイドたちを殺すとは?」

 

 「はっ、貴様によって生み出されて、貴様の命令だけ動くゾイド等、ゾイドではない。言ったはずだ。俺はあくまで全ての人間を殺すこと。

 つまり、人間の支配を受けないゾイドこそが真のゾイドだ。」

 

 ジェノスピノⅢAはヘッドキャノンを放ちながら、カオスゼログライジスに向かっていった。 

 しかし、カオスゼログライジスは全く臆する様子がなく、胸部の目から紫色のビームが放たれ、それがジェノスピノⅢAに直撃すると、紫色の電撃が発生したカオスゼログライジスの片手のGグラップクローが何かを握って持ち上げるような仕草を取ると、ジェノスピノⅢAの全身に紫色の電撃が走り、重力操作によって持ち上げられ、そのまま地面に叩き落とされてしまい、更に背中のドーサルインフィニティミサイル、インフィニティミサイル、テイルレーザーから無数の光線が放たれ、ジェノスピノⅢAはかなりのダメージを喰らってしまう。

 

 「愚かな…いくら、パワーアップしたとはいえ、神のごとき存在となったこの私とカオスゼログライジスに歯向かうとは…」

 

 「くっ!」

 

 「レオ!」

 

 これ以上見ていられなくなったレオとライガーデイズも、カオスゼログライジスに向かって突っ込んでいった。

 

 「お、おい! レオ。」

 

 「ちっ、あのバカ! やむを得ない。全軍続け!」 

 

 レオとライガーデイズを見たゼオルとバルディーも直接対決は避けられないと見て、ライガーデイズに続いてカオスゼログライジスに向かい、ゼオルの命令を受けたデュークナイツのギルラプターLC隊も後に続けていった。

 それを見たカオスゼログライジスは背中のドーサルインフィニティミサイルとインフィニティミサイル、テイルレーザーで攻撃したが、ライガーたちは今までの戦いの経験もあって、それらの攻撃を回避することに成功する。

 

 しかし、攻撃を回避して、カオスゼログライジスに近付けたのも束の間、カオスゼログライジスの背中のドーサルインフィニティミサイルとインフィニティミサイル、テイルレーザーがファンネルのように展開し、それぞれライガーたちに向かって、ありとあらゆる方向から攻撃し、迎撃しようにも、その動きを読んでいるように回避し、更に直撃しても大したダメージにならないため、ライガーたちの攻撃は悉く無効化され、遂に執拗に攻撃してくるドーサルインフィニティミサイルとインフィニティミサイル、テイルレーザーの光線がライガーたちに直撃し、更に一本のドーサルインフィニティミサイルがライガーたちに激突すると、核の数倍以上の威力を出して爆発した。

 ライガーたちのいた場所に巨大なキノコ曇が現れ、その直ぐ側にいたカオスゼログライジスは無傷で済み、咆哮を上げると、そのキノコ曇が一気に晴れ、そこにはボロボロになったライガーたちとアーマーとボーンの破片だけ残ったギルラプターLCの残骸のみが残った。それを見たサリーとメルビルは信じられないような表情をした。

 

 「レオ、ライガー、そんな…」

 

 「どうした? その程度か? 余りに力の差が有りすぎて話にならんか。かつてオリジナルデスザウラーの時に受けた屈辱はこんなものではなかったぞ。」

 

 その時、ロングレンジバスターキャノンを装備したハント大佐の乗るトリケラドゴス改とシーザーのゼノレックスバスターXA、グラビティキャノンを装備したマリの乗るグラキオサウルスがカオスゼログライジスに照準を向け、発射体制に入った。

 

 「いくら、相手が化け物でも、この伝説の兵器からは逃れられないわ。ロングレンジバスターキャノン発射!!」

 

 「今度こそ、貴様を永遠に封じ込めてやる。 アサルトエクスバスター!」

 

 ハント大佐の乗るトリケラドゴス改が放ったロングレンジバスターキャノンの2発の弾丸とシーザーのゼノレックスバスターXAのアサルトエクスバスターがカオスゼログライジスの胸部に諸に直撃した。

 しかし、カオスゼログライジスの胸部には外傷は一切なく、先程の砲撃がなかったかのように、カオスゼログライジスは首をかしげた。

 

 「そんな…!」

 

 「なら、これよ! グラビティキャノンなら、奴の身体に風穴を開けられるわ。グラビティキャノン発射!!」

 

 今度はマリの乗るグラキオサウルスに装備されているグラビティキャノンの強烈な衝撃によって2発の弾丸がカオスゼログライジスの胸部に目掛けて発射され、それを見たカオスゼログライジスはグラビティキャノンの弾丸に向けて口を開いた。

 カオスゼログライジスの口内にはゾイド因子吸入装置とは別の形に変貌し、オメガレックスの荷電粒子砲のような何かを発射するような砲塔になっていた。

 そして、その砲塔から黒い球体のようなものが生成され、その黒い球体はブラックホールのようにグラビティキャノンの2発の弾丸を吸収してしまった。

 グラビティキャノンの弾丸を吸収した黒い球体をカオスゼログライジスはトリケラドゴス改とグラキオサウルスに向けて放ち、ドーサルインフィニティミサイル同様に爆破したが、それは核爆発というより、ビッグバンに近いもので、それはドーサルインフィニティミサイルより更に遥かに威力の高いものだった。

 その映像は神聖ゼネバス帝国の第二の帝都ダイダロスにも流れ、それを見た国民の大半はカオスゼログライジスの力に歓喜し、大歓声を上げた。しかし、一方で一部の者はカオスゼログライジスの強大な力に恐れを抱くものまでいた。

 

 

 

 

 その様子の映像でニューホープ見ていたハワード宰相、フィオナ、ジーン、クレストウッド大統領、ギャレット大将、ボーマン博士、クリスタは驚愕した。

 

 「一体、何が起こった?」

 

 「まさか、信じられん!」

 

 「どういうことですか? ボーマン博士。」

 

 「奴は人工的にブラックホールを作り出せる上に、擬似的にビッグバンまで引き起こすことが出来るのだ。」

 

 「バカな! 人工的にブラックホールを作り出せる上にビッグバンまで引き起こせる等、そんなの有り得ない!」

 

 「いや、端末の力を完全に取り込んだというなら、有り得ないことはない。もしかすると、カオスゼログライジスはこの星どころか、全宇宙さえ揺るがしかねない力を持ったのかもしれない。」

 

 

 「これが、私の力…かつてオリジナルデスザウラーだった私を追い詰めた忌まわしきライガーとグラビティキャノンが手も足も出ないとは…この力があれば、全宇宙に君臨するのも造作ではない。」

 

 「ギャラガー陛下、愚か者の制裁にはこの私とデスレックスフレイムにお任せを。陛下にはその力でまだまだやらなければならないことがありますから。」

 

 「フフ、プライド。可愛い奴だ。」

 

 カオスゼログライジスがその場を去ろうとしたその時、ボロボロのジェノスピノⅢAが突然立ち上がった。

 

 「待てよ。勝負はまだ終わっていないぜ。」

 

 「ほぅ、これは意外だったな。前の、通常のジェノスピノだったら、今の攻撃を喰らえば、石化してるところだがな。」

 

 「バカめ! このジェノスピノⅢAはそんなヤワではない。こいつは俺の分身だ。俺が生きている限り、こいつは死ぬことはない。」

 

 「だが、それも、私の力によるもの…違うか?」

 

 「何!?」

 

 同時にレオとライガーデイズも目が覚め、ディアベルのその言葉を聞いた。

 

 「え…」

 

 「貴様も知っているだろう。貴様のその身体にはまだ、私の力の片鱗が残っているのを…そして貴様の肉体が永くはないことも…」

 

 「力の片鱗? 肉体が永くない? どういうことなんだ?」

 

 「御託はいい! 貴様との決着はまだついていない。もう一度貴様を潰し、端末の力を手に入れる。」

 

 「貴様ごときがギャラガー陛下の手を煩わせるまでもない!」

 

 デスレックスフレイムはジェノスピノⅢAに攻撃を仕掛けようとしたところをディアベルは静止した。

 

 「何度も言ったが、今の貴様ではこの私に敵うことはない。どいうしてもと言うなら、今度こそ、跡形もなく消し去ってやろう。ん?」

 

 その時、ディアベルは立ち上がったライガーデイズにも気付いた。

 

 「ほぅ、貴様もまだ、立ち上がれるだけの体力は残っていたか。根性だけは大したもんだ。 褒美としてこのカオスゼログライジスの最大の技をくれてやろう。全てを無に返す圧倒的な威力をな。」

 

 カオスゼログライジスの胸部の目が瞑り、紫色の電撃が走ると、胸部がライガーデイズとジェノスピノⅢAに向けて開こうとしていた。

 

 「ゼロブラストを発動するつもりか。」

 

 カオスゼログライジスがゼロブラストを発動しようとしたその時、突然、どこからか、コバたちら4体のバーニングライガーとフォックス、ドライパンサー、アンチ帝国のキルサイス隊、アドリア王国軍の別動隊がそれぞれライガーデイズとジェノスピノⅢAの目の前に現れ、カオスゼログライジスと対峙した。

 

 「新手か。」

 

 その時、4体のバーニングライガーとアンチ帝国のキルサイスた、フォックスとドライパンサー、アドリア王国軍の別動隊はカオスゼログライジスとデスレックスフレイムの目の前に巨大な煙幕を張り、目を眩ました。

 

 「そんなもので、私と陛下の死角を奪ったつもりか! ならば、荷電粒子砲で…」

 

 「待て。」

 

 ディアベルが再び静止させて様子を見ると、ライガーたちに動きはなく、煙が晴れると、ライガーデイズとジェノスピノⅢAの姿はなかった。

 

 「ちっ、逃げたか。」

 

 「まあ、いい。どちらにせよ。この私とカオスゼログライジスの手から逃れる術など有りはしないからな。

 そして、奴らに永遠の絶望を与えてやる。フフフフフ、ハハハハハ、ハーハッハッハッハッハ!!」

 

 グギャオォ~!!

 

 ディアベルの高笑いとカオスゼログライジスの咆哮が世界中に響き、それに伴って地殻変動が更に激しさを増し、最早地球の壊滅は待ったなしとなった。

 

 To be continued




 次回予告

 カオスゼログライジスに完全に敗れ、バーンとスピーゲル中佐たちによって助けられ、ニューホープに戻ったレオたち、しかし、世界はカオスゼログライジスの時間操作によって再現されたゾイドクライシスと同等かそれ以上の地殻変動と復活し、使役されたゾイドたちに蹂躙された。グラビティキャノンとロングレンジバスターキャノンも完全に破損され、打つ手は無くなっていた。
 合同軍は各地で現れたゾイドの駆除を行う中、共和国議会と軍上層部は神聖ゼネバス帝国への全面降伏することが決定されてしまった。
 クレストウッド大統領は断固反対するも、カオスゼログライジスの力を目の当たりにした上層部は国民と共に士気を無くし、決定は覆せないものとなっていた。そんな中、レオが取った決断は?

 次回「苦渋の決断」走り抜け、ライガー!!

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