ゾイドワイルドクロス アナザーZERO   作:オーガスト・アベラス

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 ゾイド、それは銀河の彼方の惑星に生息し、金属の肉体と動物の本能、自ら戦う意思を持つ金属生命体である。
 ゾイドが生息する惑星Ziが滅亡の危機を迎え、そこに住む人類は第二の故郷として地球を目指すが、あるトラブルにより、ゾイド因子が暴走し、それによって不慮のタイムワープを起こし、21世紀の地球に不時着し、地球にゾイドが現れ、ゾイドによる破壊と度重なる地殻変動で地球は一度滅びた。
 サリーという謎の少女が持つペンダントの力によって復活し、更に進化を遂げた伝説のライジングライガーを相棒にした少年レオは強敵セードとジェノスピノを打ち破り、更にはジェノスピノ以上の力を持ち、その後は帝国の反乱組織真帝国を壊滅させた。
 しかし、密かに帝国を牛耳り、帝国の反乱を引き起こしたゼロメタル帝国の神官プライドとマクラマカン大佐が神聖ゼネバス帝国を誕生させ、神聖ゼネバス帝国の絶対神にして皇帝であるデスザウラーの分身、ディアベル・ギャラガーと古の皇帝龍ゼログライジスが全てのリジェネレーションキューブを取り込み、最強最悪のゾイド、カオスゼログライジスを生み出されてしまう。 
 果たして、レオたちはカオスゼログライジスに立ち向かうことが出来るのか? そしてこの地球の運命は!?


第79話「シーガル中佐の覚悟」

 神聖ゼネバス帝国帝都(旧ゼロメタル帝国帝都)オグドロスに鎮座するカオスゼログライジス、そのコクピットにディアベルが乗り込み、ディアベルが両手をかざすと、コクピットの中からかつてのデスザウラーの荷電粒子吸入ファンに酷似したものが現れ、それが回転して作動すると、カオスゼログライジスは両手のGグラップクローを上空に向かってかざすと、月の裏側に月を覆うような超巨大なアナザーゲートが出現し、その奥から何処かの惑星らしき姿が現れた。

 

 「もうすぐだ、全てが無に消え、新たな時代が生まれる。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 巨大なスナイプテラの翼ではなく、ロングレンジバスターキャノンを装備し、アーマーが紫色、牙と足の爪が金色に変わったデスレックスに乗ったプライド。

 デスレックスフレイムの姿が変わったのはマクラマカン大佐がキルデスサイス隊を率いて出撃する前に遡る。

 

 「ところで、あのデスレックスフレイムとやらは、私の使徒として開発したんだな?」

 

 「はい、不完全なデスレックスの化石に陛下のD因子とゼログライジスのZG因子を取り込んだ成果です。」

 

 「だが、あの因子は共に不完全だ。つまりあれも不完全ということだ。あのままでは思うように力を発揮出来ないだろうし、もしキルデスサイスの力が証明されれば、貴様のデスレックスの存在価値は無くなる。だが、今の私とカオスゼログライジスなら可能だ。」 

 

 「何をなさるおつもりですか?」

 

 ディアベルの目が紫色に発光したと同時にカオスゼログライジスの目も発光、更にグライジスコアを覆う胸部の目が現れ、その目が紫色の光線を出し、デスレックスフレイムに直撃した。

 すると、デスレックスフレイムの姿が変わっていき、巨大なスナイプテラの翼がロングレンジバスターキャノンになり、アーマーが紫色に、牙と足の爪の色が金色に変わっていった。

 

 「これは…」

 

 「ゾイドイヴそのものの力を得た私とカオスゼログライジスはあらゆる物質、例え無からでもゾイドを作り出すことが出来る。そいつには完全となった私のD因子とカオスゼログライジスのZG因子を与え、最もカオスゼログライジスに近い存在にした。それもかつて貴様の同士の先祖たるジーンのバイオティラノをも遥かに凌ぐ存在にな。」

 

 「陛下のカオスゼログライジスに最も近い存在…」

 

 「かつての同士ジーンが目指した唯一絶対神…いや、今やそれすらも超越した究極神たる私の使徒に相応しいデスレックスだ。」

 

 「究極神の使徒…絶対神官龍デスレックスエンペラー。」

 

 

 

 「究極神に刃向かう下等な生き物よ、貴様らは神の裁定によってこの私が裁く。」

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 デスレックスエンペラーのロングレンジバスターキャノンによって方翼を破壊され、移民船の手前で墜落してしまうビッグウィング、

 

 「ててて…」

 

 「宰相殿、大丈夫ですか?」

 

 「私は問題ない。それより、陛下はご無事か!?」

 

 「私もジーンも大丈夫よ。」

 

 「それより、今の一撃は何だ?」

 

 その時、ビッグウィングにいるゼオルたちの元にツガミ大尉からの通信が入った。

 

 「ゼオル司令!」

 

 「ツガミ大尉か。今の一撃は?」

 

 「キルデスサイスの動向を監視していた監視隊によりますと、この先の向こうにデスレックスが鎮座していて、先程の砲撃はそれによるものと思われます。」

 

 「ロングレンジバスターキャノンだと!? 以前見たときはそんなもの装備していなかったし、そもそも神聖ゼネバスにロングレンジバスターキャノンがあるはずが…まさか、ゼログライジスに装備した時のデータを基に復元し、更に改造を施したというのか? 只でさえ、あれでも厄介なのになんてことだ。

 ん? ちょっと待て! デスレックスは一体何処から砲撃してきたのだ?」

 

 「ここから10万㎞以上離れた場所にいます。」

 

 「10万㎞だと! こっちのロングレンジバスターキャノンでも、そこまでの射程距離はないっていうのに、ドクターマイルスの奴が更に強化させたのか。」

 

 

 

 

 

 デスレックスエンペラーのいる場所を監視しているクワーガはデスレックスエンペラーの周りに神聖ゼネバス仕様として紫と黒のカラーリングになっているディメパルサーとディロフォスがそれを護衛するのように多数鎮座し、更に巨大なミサイルを搭載した複数のスナイプテラも確認し、そのミサイルの型式番号を見た兵士は驚愕した。

 

 「えっ! まさか、あれは…」

 

 

 監視隊のクワーガの報告を聞いたツガミ大尉はそのことをゼオルに伝えた。

 

 「ゼオル司令! 監視隊によると、デスレックスの周りに核ミサイルを搭載した複数のスナイプテラが確認されました!」

 

 「何だと!? 数はどれぐらいだ?」

 

 「正確には不明ですが、少なくとも8000以上はあると推定されます。しかも、その周囲をディメパルサー、ディロフォス隊が護衛するように囲っています!」

 

 「まさか、プライドの奴、万が一を想定して荷電粒子砲か核でキルデスサイスもろとも首都を壊滅させるつもりか? 

 相変わらず、えげつない戦略を出しやがる。だが、何故、そこまで徹底しておきながら、カオスゼログライジスが動かないのだ? 俺たちがそれほどの相手じゃないから舐めているのか…それとも、何かの時間稼ぎか…」

 

 

 

 

 

 

 

 ネオヘリックで合同軍がキルデスサイス隊によって苦戦を強いられている中、レオとセードは突然現れたゼロメタル四天王と交戦状態となり、セードとジェノスピノⅢAはバーニングキメイラ、ディメパルサーキメイラ、ゼーゲキメイラと、レオとライガーデイズはメタルレイザーとそれぞれ対決していた。

 

 「ようし、お前ら、キメラブラストで一気にケリをつけるぞ!」

 

 エンヴィーの掛け声に従ってグラトニー、スロウスもコクピットから現れ、それぞれオーガノイド体に変身し、バーニングキメイラらと融合した。

 エンヴィーたちと融合したバーニングキメイラらは苦しそうな素振りを見せてから、身体中から紫色の電撃を放ち、それぞれ強制的なワイルドブラストことキメラブラストを発動した。

 

 「ジェノサイドクラッシャー!」

 

 ジェノスピノⅢAはゼーゲキメイラにジェノソーザーをぶつけようとしたが、ゼーゲキメイラの身体が突然硬化し、ジェノソーザーを耐えた。

 

 「何!?」

 

 「ボクの能力は融合したゾイドの硬度を極限にまで上げ、防御力を高めるものだよ。そんな程度じゃ、ボクを切り裂けやしない。」

 

 「ふん!」

 

 しかし、セードはそれがどうしたと言わんばかりにゼーゲキメイラを弾き飛ばした。

 

 「ぐっ! 何こいつ、ウザいくらい強い。」

 

 「防御に徹した奴ほど、脆いものはない。」

 

 ジェノスピノⅢAが再びゼーゲキメイラを切り裂こうとしたその時、待ち構えていたディメパルサーキメイラがマッドオクテットを放ち、一時ジェノスピノⅢAの動きを封じ、同時にセードの右腕が紫色に輝き、セードは苦しみだした。

 ディメパルサーキメイラは噛み砕くように飛びかかり、ジェノスピノⅢAは前足で受け止めた。

 

 「小賢しい! その手ごと噛み砕いてやる。」

 

 ディメパルサーキメイラは前足を噛み砕こうとするも、ジェノスピノⅢAはそれを軽く払いのけた。

 

 「しゃらくせぇ! ならば、これはどうだ!!」

 

 エンヴィーのバーニングキメイラがライフルを乱射しながらジェノスピノⅢAに近付き、ジェノスピノⅢAと頭部と頭部をぶつけ、互角の勝負を見せたが、ジェノスピノⅢAはヘッドキャノンで押し、逆にバーニングキメイラを返り討ちにした。

 

 「けっ、こいつ! プライドが言ってた以上のクソッタレだぜ!」

 

 ジェノスピノⅢAがエンヴィーたち3体のキメラゾイドと交戦状態にあるのと同様にレオとライガーデイズはラスのメタルレイザーと交戦し、エンヴィーたち同様に自らオーガノイド体に変身してキメラブラストを発動し、ライガーデイズのナイトソードとメタルレイザーのランスが激しくぶつかり合った。

 

 「ジョシュア・コンラッドの息子、レオ・コンラッドよ! 最早、お前たちに選択肢はない。カオスゼログライジスに進化し、絶対神たるギャラガー陛下に投降せよ。それしか生き延びる道はない。」

 

 「どうしてですか!? 父さんの信頼があるあなたが何故、そこまで神聖ゼネバスにつくのですか? 人々やゾイドを苦しめる神聖ゼネバスのやり方は間違っているんです。それなのに…」

 

 「それが我等、そして皇帝陛下のやり方なのだ。」

 

 力技でメタルレイザーはライガーデイズを押し、ライガーデイズはそのまま吹き飛んでしまった。

 

 「犠牲なくして勝利なし、その言葉通り、平和を勝ち取り、秩序を生み出すには常に犠牲が必要。

 そして、この星に移住した愚かな旧人類は自身の欲のためだけに動き、この星を侵食していった。そんな愚かな下等生物など、絶対的な秩序を生み出すための犠牲になるのが道理だ。

 かつて、ジョシュアもそれに賛同していた。絶対的な秩序を生み出すことに何処に間違いがある? 何故、貴様はそれがわからない!」

 

 「それでも、僕は人間を信じている。」

 

 「信じる?」

 

 「確かにランド博士や真帝国みたいに自分勝手な人間もいる。でも僕の周りにたくさんの仲間がいるように、この地球を正したいって思っている人ももちろんいる。

 人間は全て悪い人ばっかじゃない。だから、僕は最後まで人間を信じるんだ。」

 

 「なら、もう貴様に言うことはない。そんな甘い考えを持った者など、陛下の眷属になる資格はない。」

 

 メタルレイザーが止めを刺そうとしたその時、

 

 「止めて~!!」

 

 突然、サリー仕様ハンターウルフがワイルドブラストを発動し、ハウリングシャウトでメタルレイザーの攻撃を封じ、更にそのまま弾き飛ばしてしまった。

 

 「何!? バカな! たかが、一ゾイドごときがゼロメタル四天王である私のメタルレイザーの攻撃を受け止めただと!」

 

 「サリー…」

 

 「もう止めて、こんなことしても多くの悲しみを生み出すだけです。」

 

 「まだ、わからないのか? もう貴様らに未来はないのだ! ギャラガー陛下に仕えることが生き残る道だ!」

 

 「どうして…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次々と襲いかかってくるキルデスサイス無人機、コリンズ中将も自らスナイプテラに搭乗してバスキア兄妹と共にキルデスサイスを迎え撃つが、キルデスサイスは何度倒しても現れてくるから、らちが明かず、シーガル中佐の情報によって対キルデスサイス用として開発したクワガノス改も押されていった。

 

 

 

 キルデスサイス無人機の猛攻によって倒れたオメガレックスガントレス。にもかかわらず、キルデスサイス無人機は無慈悲にも攻撃の手を緩めず、オメガレックスガントレスのアーマーを切り裂こうとした。

 キルデスサイス無人機の攻撃によってユウトはオメガレックスガントレスと共に気絶し、反撃が出来ず、コクピットの内部にも火花が飛び散っていた。

 一体のキルデスサイスがユウトのいるコクピットにも手を加えようとしたその時、オメガレックスガントレスの顔を攻撃した一体のキルデスサイスによってバイザーを破壊され、露出した目が光り、オメガレックスガントレスが突然起き上がり、キルデスサイス無人機を払った。

 だが、再び起動してキルデスサイスから逃れようとしても、キルデスサイス無人機の攻撃は一切止めることなく続いた。

 そして再びキルデスサイス無人機がコクピットを狙ったその時、ワイルドブラストしたメルビル仕様ギルラプターエンペラーがその一体をウィングショーテルで両断破壊した。

 

 「大丈夫? ユウト。」

 

 「ハンナ? どうしてここに。」

 

 「あなたが心配で来たの。」

 

 「だからといって、君が出ることないのに。」

 

 「どうして、そんなこと言うの?」

 

 「もう、君に無茶なことはさせたくない。それにこの戦いは君には危険すぎる。」

 

 「ううん、私もあなたと一緒に戦う。あなたがこんなことになったのも、元はといえば、私がお父様…いえ、ランド博士を止められなかったから。

 だから、その責任は果たさないといけない。それにカオスゼログライジスによって地球まで危ない状況になっている。もうあなただけの問題じゃないわ。」

 

 「ハンナ…」

 

 メルビル仕様ギルラプターエンペラーに気付いたキルデスサイス無人機は一斉にメルビル仕様ギルラプターエンペラーに襲いかかってきた。

 それを見たメルビルとギルラプターエンペラーは攻撃の姿勢を取った。

 

 「無理だ! いくらギルラプターがいるからといって、あのキルデスサイスを相手にするなんて…」

 

 「いいえ、シーガル中佐が送ってくれたデータにはクワガノス改だげじゃないわ!」

 

 「クワガノスだけじゃない?」

 

 キルデスサイスがメルビル仕様ギルラプターエンペラーを切り裂こうとしたその時、突然、別の方向から砲撃がし、次々とキルデスサイスを撃墜していった。

 現れたのはジェイクの乗るソニックバードと旧帝国軍によって新たな改造を施したソニックバード改だった。

 

 「何とか間に合ったようだな。」

 

 ジェイクのソニックバードと共に現れたソニックバード改は通常のソニックバードを上回る機動力でキルデスサイスを翻弄し、撃墜していき、合同軍の不利な状況を再び覆し、それを見たギレル少佐たちは驚きを隠せなかった。

 

 「対キルデスサイス用に開発されたゾイドはクワガノスだけじゃなかったのか…」

 

 「万が一の場合、二重に手を打っていたんだよ。最もキルデスサイス襲撃までに間に合わなかったため、クワガノス改完成の後に出撃しなきゃいけない羽目になったがね。」

 

 「凄い…シーガル中佐はこんなことまで…」

 

 「ユウト、シーガル中佐は何処にいるの?」

 

 「マクラマカン大佐のキルデスサイス隊長機と戦っている。」

 

 メルビルがその方向を見ると、シーガル中佐の乗る白銀のキルサイスはキルデスサイス隊長機と交戦していた。

 

 「ふん、クワガノスだけでは対抗出来ないと予想して更にソニックバードの改良型まで用意するとはな。」

 

 「それだけではない!」

 

 「ん?」

 

 「気付かぬか? 何故、隊長機であるお前を攻撃していながら、私がキルデスサイスの攻撃対象にされていないのかを。

 それは私のキルサイスは貴様のキルデスサイス隊長機と同じシステムを搭載しているのだ。だから、他の無人機は私のキルサイスを貴様の隊長機同様に護衛対象となっているから、攻撃対象外になっているのだ。最もハッキング対策が完璧なためか、無人機のプログラムまで切り替えることまでは出来ないがね。」

 

 「ほぅ、まさか、そんことまでしているとは…あの真帝国の無能准将とは丸で器が違うな。いや、出来損ないの兄を持つと弟が苦労するって言ったところか。」

 

 「正確に言うと、私はあの男の弟ではなく、腹違いの義理の弟だ。」

 

 「何?」

 

 「我がシーガル家は代々帝国軍に仕える優秀な家系軍人だった。だが、出世欲だけに生きる私の父はシーガル家と並ぶ富豪の娘が生んだあの男を大事にし、奴は何不自由ない生活を送り、父のコネを使って帝国軍に入り、准将にまで上り詰めていった。

 対して私は富豪でも何でもないただの一般人に過ぎなかった母との子であったため、私は酷く扱われ、シーガル家から追放されるようになった。

 しかし、そんな私に手を差しのべてくれたのはコリンズ中将、そして私に期待を寄せてくれたフィオナ陛下とハワード宰相閣下だった。

 私にとってはあの方たちが本当の親、そして私にとって帝国は故郷、だから私は帝国のために生涯を尽くし、ここまできたのだ! そんな帝国をここで終わらせるわけにはいかない!」

 

 「なるほど、出来損ないの准将へのコンプレックスによって出世したというわけか。残念だ。君のような優秀な軍人が神聖ゼネバス帝国に入れば、もっと活躍出来ただろうに。」

 

 「あの男も許せないが、帝国を裏切り、帝国はおろか、この地球そのものを破壊しようとする貴様は断じて許すわけにはいかない!」

 

 「そうか…なら、望み通り、帝国と共に黄泉の世界に送ってやる。」

 

 キルデスサイス隊長機はツインレーダーアンテナから大気中の荷電粒子を吸収し、白銀のキルサイスに荷電粒子砲を発射した。

 

 「くっ!」

 

 「それだけ、知っているなら、私の乗るこのキルデスサイス隊長機の性能を知らないわけがないだろう。隊長機であるこのキルデスサイスは量産型オメガレックス開発のプロトタイプとして開発した、謂わば簡易的なオメガレックス。

 こいつの性能が更に証明されれば、我が神聖ゼネバス帝国は惑星Ziはおろか、地球のどの国家をも凌駕する史上最強の帝国となり、そして陛下に認めれた私はヒューマンオーガノイドに進化するのだ!」

 

 「貴様もまた、あの男と同じく支配欲に取り憑かれた亡霊だな!」

 

 「だが、私はあの無能とは根本的に違う! 何故なら、私の目指す帝国こそが神聖なる唯一絶対の帝国なのだからな。」

 

 白銀のキルサイスは荷電粒子砲を回避するも、キルデスサイス隊長機は瞬時に背後に回り、白銀のキルサイスの両足を切り裂かれ、白銀のキルサイスは反撃に回ろうとするも、キルデスサイス隊長機はそれを遥かに凌駕する機動力で白銀のキルサイスを翻弄した。

 

 「それに、貴様のゾイド乗りとしての腕は帝国軍の中ではエリート級なのは当然知っているが、プライド閣下の率いる特殊部隊出身の私はそれすらも凌駕し、士官学校時代や軍でのシミュレーションでも貴様はこの私に一度も勝ったことがない。

 加えてキルデスサイスの性能的に加え、貴様には万に一つの勝ち目はない。」

 

 「くっ!」

 

 白銀のキルサイスは自身の機動力で何とかキルデスサイス隊長機に追い付けるも、荷電粒子砲が使える上に連射も可能なキルデスサイス隊長機の攻撃力を越えることが出来ず、接近したところで既にキルデスサイス隊長機は荷電粒子砲を撃つ体制に入り、白銀のキルサイスはもろに受け、シーガル中佐のいるコクピットにも大ダメージを負い、シーガル中佐は出血多量の重傷になった。

 

 「諦めるがいい。貴様ごときでは私に勝つことは出来ない。」

 

 「ふん、」

 

 しかし、シーガル中佐は不敵な笑みを浮かべた。

 

 「?? 何がおかしい?」

 

 「最初から貴様に勝つなんて思ってはいない。」

 

 「何?」

 

 「これが私に出来ることだ!」

 

 その時、突然、白銀のキルサイスが立ち上がると、アーマーを取り外し、一気に機動力が増し、瞬時にキルデスサイス隊長機の背後に回った。

 キルデスサイス隊長機はそれを避けようとするも、間に合わず、白銀のキルサイスはキルデスサイス隊長機に取りつき、更に電磁サイスでキルデスサイス隊長機のアーマーを深く食い込み、絶対に離さないようにした。

 

 「貴様! 何の真似だ!?」

 

 「この時のために、これを用意したんだよ。」

 

 シーガル中佐は白銀のキルサイスの内部にあるタイムボムの自爆シークエンスを作動させた。

 

 「貴様、正気か!」

 

 「正気じゃなければ、こんなことはしない。それに貴様はおろか、あのカオスゼログライジスに勝てようなんて微塵も考えちゃいない。ならば、せめてこの命だけは帝国のために使わせてもらう。」

 

 「ぐっ…貴様!」

 

 「私は誇り高き軍人だ。命を捨てる覚悟は持っている。」

 

 キルデスサイス隊長機は必死にそこから脱出しようとするが、白銀のキルサイスは一切離れず、既にタイムボムの自爆シークエンスも後、数十秒となった。

 

 「唯一絶対神たる皇帝陛下に仕えるヒューマンオーガノイドになるべきこの私が…貴様ごときに!」

 

 「貴様のその夢は地獄で見るんだな!」

 

 「おのれ~!」

 

 「さらば、コリンズ中将、ハワード宰相、フィオナ陛下…」

 

 白銀のキルサイスのタイムボムの自爆シークエンスが近づき、キルデスサイス隊長機もろとも自爆しようとしたその時、突然、メルビル仕様ギルラプターエンペラーが現れ、ウィングショーテルで白銀のキルサイスの胴体を切り裂き、タイムボムのある部分を分け、シーガル中佐の乗るコクピットと白銀のキルサイスのゾイドコアのある胴体を掴んでそのままその場を離れた。

 

 「し…シーガル…だが、只では死なんぞ。」

 

 タイムボムが自爆し、キルデスサイス隊長機がそれによって爆発しようとしたその瞬間、キルデスサイス隊長機はメルビル仕様ギルラプターエンペラーに一瞬だけチャージした荷電粒子砲を放ち、メルビル仕様ギルラプターエンペラーは背後を直撃し、体制を崩して爆発に巻き込まれようとしたその時、咄嗟にオメガレックスガントレスがメルビル仕様ギルラプターエンペラーと白銀のキルサイスを食わえたために爆発から逃れることに成功した。コクピットにいるシーガル中佐は納得がいかないように何度もコクピットを叩き付けた。

 

 「何故です! 何故、こんな私を助けたのです!! 自害すら出来ないこんな私の無様な姿を陛下たちに見せられません。」

 

 不満を漏らすシーガル中佐が通信を開いてメルビルと顔を合わせ、それを言おうとするも、メルビルは悲しみの涙を浮かべていた。

 

 「どうして、そんなことを言うんですか? 死ねばそれで満足ですか? 死ねばそれでいいんですか?

 もう、私は誰も死なせたくない。それにあなたは帝国に必要な人です。もうそんなことは言わないでください!」

 

 「ハンナ殿下…」

 

 「僕だって一度はそう思ったけど、もう彼女を悲しませたくない。だから、僕からもお願いします。」

 

 それを聞いたシーガル中佐は気持ちが和らぎ、クスッと笑った。

 

 「ふ、ハンナ殿下。やはり兵士としては甘すぎる。ですが、あなたのその優しさはもしかすると、皇帝の器になるかもしれません。」

 

 キルデスサイス隊長機が破壊されると、全ての無人機は動きを止め、機能停止状態となった。それをディアベルが察知し、

 

 「マクラマカン、死んだか…だが、貴様のおかげで準備は整った。貴様の造ったキルデスサイスはこの私のために使わせてもらうぞ。」

 

 カオスゼログライジスの目が紫色に光り、超巨大なワームホールから現れた惑星が更に近付くと、突然、機能停止したキルデスサイスの目が紫色に光り、更にクワガノス改らゾイドの死体とその残骸が液体金属状になってキルデスサイスに姿を変えていった。

 

 「なっ、一体これは…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 マクラマカン大佐の死とカオスゼログライジスが動いたことに気付いたプライドは、

 

 「ラストに続いてマクラマカンまで散ったか。だが、貴様の死に様は見事だった。おかげで我が帝国の野望は更に加速していく。

 さて、そろそろ、あちらの方も始末するとするか。」

 

 コクピットから現れ、オーガノイド体に変身したプライドと融合したデスレックスエンペラーはより邪悪さを増したマシンブラストを発動し、荷電粒子砲を放つ体制に入り、同時にロングレンジバスターキャノンも撃つ体制となり、その照準はレオたちのいる方向に向けられた。

 

 「さらば、ライガー。」

 

 デスレックスエンペラーの放った荷電粒子砲とロングレンジバスターキャノンは10万㎞以上離れたレオたちのいる場所にも届き、更にオメガレックスガントレスを遥かに凌ぐ威力で、レオ、サリー、セードはゼロメタル四天王もろとも荷電粒子砲に飲み込まれ、消えてしまった。

 

 To be continued




 次回予告

 マクラマカン大佐とキルデスサイス隊長機が破壊されたにも関わらず、カオスゼログライジスの力によって再起動しただけに限らず、無数に現れたキルデスサイスは見境なく無差別に全ての人間とゾイドを襲い、食らっていき、カオスゼログライジスはニューホープに向かって各地を殲滅しながら進んでいった。
 果たして人類に打つ手は? そしてデスレックスエンペラーの荷電粒子砲で消えたレオたちは?

 次回「世界の終焉」走り抜け、ライガー!!
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