ゾイドワイルドクロス アナザーZERO   作:オーガスト・アベラス

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 ゾイド、それは銀河の彼方の惑星に生息し、金属の肉体と動物の本能、自ら戦う意思を持つ金属生命体である。
 ゾイドが生息する惑星Ziが滅亡の危機を迎え、そこに住む人類は第二の故郷として地球を目指すが、あるトラブルにより、ゾイド因子が暴走し、それによって不慮のタイムワープを起こし、21世紀の地球に不時着し、地球にゾイドが現れ、ゾイドによる破壊と度重なる地殻変動で地球は一度滅びた。
 サリーという謎の少女が持つペンダントの力によって復活し、更に進化を遂げた伝説のライジングライガーを相棒にした少年レオは強敵セードとジェノスピノを打ち破り、更にはジェノスピノ以上の力を持ち、その後は帝国の反乱組織真帝国を壊滅させた。
 しかし、密かに帝国を牛耳り、帝国の反乱を引き起こしたゼロメタル帝国の神官プライドとマクラマカン大佐が神聖ゼネバス帝国を誕生させ、神聖ゼネバス帝国の絶対神にして皇帝であるデスザウラーの分身、ディアベル・ギャラガーと古の皇帝龍ゼログライジスが全てのリジェネレーションキューブを取り込み、最強最悪のゾイド、カオスゼログライジスを生み出されてしまう。 
 果たして、レオたちはカオスゼログライジスに立ち向かうことが出来るのか? そしてこの地球の運命は!?


第80話「世界の終焉」

 メルビルによって助けられたシーガル中佐はメルビルと共にオメガレックスガントレスにゼオルとフィオナたちのいるビッグウィングまで運ばれ、それを見たフィオナとハワード宰相は驚いた。

 

 「シーガル中佐!」

 

 「御姉様!」

 

 「大丈夫です。ただ、自爆の影響で少し立てない状態になっています。中佐のことをよろしくお願いいたします。」

 

 「わかったわ!」

 

 「シーガル中佐!」

 

 「ハワード宰相。」

 

 「よくやったぞ。お前のその覚悟、見事だ。マクラマカン大佐を討伐した功績は後世に語り継がれるだろう。」

 

 「ありがとうございます。ですが…」

 

 ゼオルが気付くと、目の前にカオスゼログライジスのように紫色に輝いた無数のキルデスサイスが合同軍とクワガノス改、ソニックバード改と交戦していた。

 

 「どういうことだ? マクラマカン大佐の乗る隊長機が破壊された今、他の無人機は動けないんじゃなかったのか!」

 

 「それがわからないんです。隊長機が破壊されて、機能停止した後、突然、バイザーが紫色に変わって戦闘で破壊されたゾイドの残骸からもキルデスサイスが現れたんです。」

 

 クワガノス改とソニックバード改は必死にキルデスサイスと戦うが、キルデスサイスは突然、通常のキルサイスにはないアリのような牙が生え、クワガノス改とソニックバード改に飛び掛かると、アーマーに噛みつき、そのまま補食するように噛み砕いていった。

 

 「何だ? 一体どうなっているんだ?」

 

 「とにかく、フィオナ陛下とハワード宰相閣下は早くビッグウィングに乗って避難を!」

 

 「でも、シーガル中佐。あなたは?」

 

 「ゼオル司令と共に敵を食い止めます!」

 

 

 

 

 

 

 

 「時は来た。全ては無に帰し、私の支配する世界が誕生する。」

 

 ディアベル・ギャラガーの心臓部となっているペンダントが以前より更に強く紫色に光ると、カオスゼログライジスの目も輝き、カオスゼログライジスはそのままオグドロスを離れ、ある方向へ歩いていった。 カオスゼログライジスが動いたことに気付いたプライドは、

 

 「そうか、遂に陛下が動いたか…時が来たようだ。 スナイプテラ核攻撃隊は共和国の二つの首都に核攻撃を開始、残りのスナイプテラは私とデスレックスエンペラーを荷電粒子砲の撃った方向に運べ。」

  

 プライドの命令を受けたスナイプテラ核攻撃はネオへリックとニューホープに向かって飛びさり、核ミサイルを積んでいない4体のスナイプテラはデスレックスエンペラーを運搬してレオたちが荷電粒子砲に飲み込まれた場所に向かった。

 

 

 

 デスレックスエンペラーの荷電粒子砲に飲み込まれたレオとセードたち、しかし、戦ったイージスバレーの位置から数キロ離れた場所にボロボロながらも、レオたちやライガーたちは無事だった。

 

 「うっ、ここは…?」

 

 「大丈夫か? レオ、サリー!」

 

 目の前にいるのはシーザーとゼノレックス、モーリスとクロスコングだった。

 

 「シーザーさん、モーリスさん。あなたたちが助けてくれたんですか?」

 

 「カオスゼログライジスに洗脳され、世界各地で暴れているゾイドたちを抑えている中、君たちのゾイド因子の反応をキャッチし、来てみたんだが、まさか、こんなことになっていたとはな。

 オマケに奴らまで来るとは…最もそのおかげで、君たちは荷電粒子砲の直撃から逃れることが出来たんだけどね。」

 

 「奴ら?」

 

 レオが首を傾げると、ジェノスピノⅢAが倒れている場所に4体のバーニングライガーがいた。目を覚ましたセードは目の前にいるバーニングライガーに気付いた。

 

 「うっ、貴様らは…」

 

 「そうです。我々が助けました。あなたなら助かると信じてましたよ。」

  

 「何故、助けた? 貴様らとの関係は立ちきったはずだ。」

 

 「いえ、我々の理想の世界を実現するにはやはりあなたが必要なのです。あなたの人間の本性にのみ従って戦うその姿、それこそがゾイドのあるべき姿です。

 それに、あなたの力なら、あのバケモノをも倒せるかもしれません。」

 

 コバのその言葉に疑問を感じたシーザーは、

 

 「コバ、どういうことだ? そいつがカオスゼログライジスに勝てるというのはどういうことだ? それに何故、レオたちまで助けるような真似を…」

 

 「時は来てしまった。どうやら、貴様らを潰す前に先にあのバケモノを潰さなくてはならないようだ。その証拠にバケモノの因子を持つ忌まわしき者までこちらに近付いている。」

 

 「忌まわしき者だと?」

 

 「その通り!」

 

 その時、プライドの声がすると同時に4体のスナイプテラに運搬されたデスレックスエンペラーがレオたちの前に現れ、4体のスナイプテラがワイヤーを切ると、デスレックスエンペラーはライガーたちの目の前の地上に降下していった。デスレックスエンペラーの姿を見たレオは驚愕した。

 

 「デスレックスフレイム! でも、姿が違う…」

 

 「そうだ、こいつはデスレックスフレイムではない。ギャラガー陛下がカオスゼログライジスの力をこの私とデスレックスフレイムに与えて更なる進化を遂げた絶対神官龍デスレックスエンペラーだ。」

 

 「デスレックスエンペラー…」

 

 「プライド、てめえ、一体何のつもりだ!?」

 

 その時、横にいたのはラスやエンヴィーたちゼロメタル四天王だった。

 

 「お、そういえば、貴様らもいるんだったな。すまんな。こいつの力を試したくて加減を忘れてしまったよ。」

 

 「てめえ!」

 

 「プライド、そんなミスが許されると思っているのか! ヒューマンオーガノイドの同志を殺すところだったぞ。」

 

 「そんなことはどうでもいい。神聖ゼネバスには陛下とこの私がいれば、それでいい。」

 

 「こいつ!」

 

 「プライド、まさか、貴様自らゾイドに乗ってわざわざ俺の前に現れるとはな。」

 

 「そういえば、セード。お前と会うのは久しぶりだな。本来なら陛下にとって特に邪魔なライガーから始末するはずだったが、貴様から潰すのも良いな。」

 

 「ふん、それはこっちの台詞だ。何故なら、貴様への借りをここでようやく返すのだからな!」

 

 ジェノスピノⅢAはデスレックスエンペラーに向かって勢い良く走り、デスレックスエンペラーと頭部と頭部をぶつけ、その激しい衝撃波が発生し、近くにいたライガーたちは飛ばされてしまった。

 

 「ほぅ、貴様のジェノスピノ、思ったより数段パワーが増しているようだな。」

 

 「俺につくバーニングライガーを操るコバ共によってゼログライジスをも凌駕する力を得た。貴様のパワーがどれほどだろうが、まとめて潰してもらう!」

 

 「ふ、それはどうかな?」

 

 デスレックスエンペラーは装備しているロングレンジバスターキャノンをジェノスピノⅢAに触れ、ゼロ距離で放ち、ジェノスピノⅢAはかなりの距離で後退してしまった。

 

 「そのゼログライジスは今や、全宇宙に君臨する究極神ともいえる存在に進化し、そしてこの私はその究極神の力を受け継いだ絶対の使徒。

 いくらパワーアップしたとて、所詮過去の遺物でしかないジェノスピノごとき、敵ではない!」

 

 しかし、ジェノスピノⅢAはデスレックスエンペラーのロングレンジバスターキャノンを食らっても、それほど大した傷を負わず、デスレックスエンペラーに向かっていった。

 

 「これは驚いた。思ったより中々のタフのようだな。」

 

 「当然だ。ランドに捨てられたこの俺を鍛え上げてきたのは誰だ? 貴様はこの俺をユウト同様にゼロメタルの手駒として利用してきたつもりだろうが、それが仇となったようだな。」

 

 「果たしてどうかな?」

 

 「何!?」

 

 「貴様は気付いているはずだ。貴様の命はそう永くないことを…」

 

 「貴様!」

 

 プライドのその言葉にサリーは疑問を感じた。

 

 「セードの命は永くない…それってどういうことなの?」

 

 「はっ! なら、その前に貴様を潰せばいいだけのこと。」

 

 ジェノスピノⅢAは再びデスレックスエンペラーに向かって突進するが、デスレックスエンペラーはロングレンジバスターキャノンを数発放ってきた。

 

 「愚かな…どう足掻こうが、究極神の使徒たるこの私に敵うわけがない! そしてカオスゼログライジスに最も近い存在であるこのデスレックスエンペラーはロングレンジバスターキャノンと荷電粒子砲の弱点を克服し、旧式を遥かに凌駕する上に連射も可能だ。貴様のその貧弱な装備では話にならんぞ。」

 

 ロングレンジバスターキャノンの連射によって蜂の巣にされたジェノスピノⅢAは身動きが取れなくなったかと思いきや、ジェノスピノⅢAは4門のロングキャノンとジェノソーザーでデスレックスエンペラーのロングレンジバスターキャノンを迎撃していた。

 

 「む?」

 

 「まさか、この俺をそこらの愚かな人間と一緒にしているのか? 残念だが、それは見当違い。

 ランドによる実験と帝国軍にいたときの訓練で、俺は既に貴様らヒューマンオーガノイドと同等の力を持ち、ジェノスピノそのものになったこの俺が負けるわけがない。

 何故なら、俺の分身であるこいつはかつてゾイドクライシスで世界の1/3を壊滅させた破壊龍なのだからな!」

 

 ジェノスピノⅢAはデスレックスエンペラーのロングレンジバスターキャノンの連射に臆することなく、ロングキャノンとジェノソーザーで迎撃しながら少しずつデスレックスエンペラーに近付いていった。

 

 「まさか、ここまでやるとは…だが、ロングレンジバスターキャノンだけならともかく、こいつは耐えられるのか?」

 

 コクピットから姿を現したプライドはオーガノイド体に変身し、融合した後、デスレックスエンペラーはロングレンジバスターキャノンを放ちながら荷電粒子砲の発射体制に入った。

 

 「食らうがいい。神の雷を。」

 

 ロングレンジバスターキャノンを放ちながらワイルドブラストを強制的に発動されたデスレックスエンペラーはジェノスピノⅢAに向けて荷電粒子砲を放ち、ジェノスピノⅢAはジェノソーザーでそれを受け止め、それによって荷電粒子ビームが拡散され、周囲にも被害が及んだ。

 

 「愚かな、デスレックスエンペラーの荷電粒子砲を受け止めるとは…だが、それもいつまで持つ?」

 

 荷電粒子砲を受け止めたジェノスピノⅢAは少しずつ後退していくが、その場で踏み止まり、

 

 「踏ん張れ、ジェノスピノ! 貴様はその程度でくたばるゾイドではない。かつてゾイドクライシスでその名を轟かせた破壊龍の力を見せてやれ!」

 

 その時、セードの右腕が紫色に発光すると、荷電粒子砲を受け止めたジェノスピノⅢAの身体も発光し、徐々に前進していった。

 

 「何!? バカな! デスレックスエンペラーの荷電粒子砲はオメガレックスのより数十倍上、まともに直撃すれば、都市ごと消滅するはずなのに、まさかあれを耐えるとは…」

 

 デスレックスエンペラーは荷電粒子砲を受け止めながら、前進していくジェノスピノⅢAにロングレンジバスターキャノンを放つが、ジェノスピノⅢAそれをも通用せず、進んでいった。それを見ていたレオとサリーは驚愕していた。

 

 ジェノスピノⅢAのジェノソーザーがデスレックスエンペラーの口内の荷電粒子砲にぶつかった時、強烈な爆発が起こり、近くにいたライガーやサリー仕様ハンターウルフたちも吹っ飛ばされてしまった。

 

 

 

 

 

 

 ネオへリックにいる市民たちを幾つものキャタルガ輸送車に誘導しながら、デュークナイツと合同軍は無数に現れるキルデスサイスを食い止めていったが、いくら倒しても何度も現れ、しかも地面からも現れ、きりがなく、更に映像を見ると、キルデスサイスは世界中にも現れ、あちこちを襲撃し、暴れている野生ゾイドも襲い、食らっていった。

 

 「これは一体どういうことだ? マクラマカン大佐の隊長機を破壊すれば、無人機は機能停止して動けないはずだ。」

 

 「おそらく、カオスゼログライジスの力によるものだ。ボーマン博士によると、奴はあらゆる物質からでも自由にゾイドを造りだし、自分の思いのままのものを作り出すことが出来る。そんなことが出来ても不思議ではない。」

 

 「結局はあのカオスゼログライジスを倒さなければ意味がないということか。」

 

 「ゼオル司令、大変です!」

 

 「どうした?」

 

 「スナイプテラ核攻撃隊が真っ直ぐこちらに向かっています!」

 

 「何だと!? くそ、プライドの奴め、キルデスサイス隊長機が敗れたと知って遂に核攻撃を決起したか。只でさえ、キルデスサイスだけでも厄介なのに…」

 

 「だが、核を撃たれれば、我々は市民やキルデスサイスもろとも消し飛んでしまいます。」

 

 「ツガミ大尉、核攻撃隊がネオへリックに到着するまでどれぐらい時間がかかる?」

 

 「後、2時間と聞いています。」

 

 「くそ、それでは全ての市民を避難させることができない。」

 

 「いや、核を撃たせないことは出来るかもしれません。」

 

 「それはどういうことだ? シーガル中佐。」

 

 

 「実は万が一の場合をキルデスサイス無人機を無力させるためのゾイドも開発させておいたんだ。」

 

 「クワガノス改やソニックバード改以外にも、他にも新型ゾイドの開発をしていたのか?」

 

 「そのゾイドの開発にはスピーゲル中佐に頼んでいたから、おそらくもうすぐ来ると思うが、そのゾイドの本領発揮にはある人物が必要でな。」

 

 「ある人物?」

 

 「メルビル殿下、頼めますか?」

 

 「わ、私…?」

 

 それを聞いたメルビルはキョトンとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 煙が晴れると、そこに無傷のデスレックスエンペラーとジェノソーザーの刃が全て剥がれたジェノスピノⅢAの姿があった。

 

 「まさか、ここまでやるとは…どうやら貴様から始末する必要があるようだな。」

 

 デスレックスエンペラーが再び荷電粒子砲を放とうとしたその時、

 「止めて~!!」

 

 サリー仕様ハンターウルフがデスレックスエンペラーの目の前に現れ、立ち塞がった。

  

 「ほぅ、まだそいつを弟と思って助けに来たのか? ならば、望み通り、姉弟仲良く黄泉の世界に送ってやる。」

 

 デスレックスエンペラーが荷電粒子砲を放とうとしたその時、ライガーデイズのレーザーガトリングが直撃し、それを阻止した。

 

 「むっ!」

 

 「レオ!」

  

 「サリーに手を出すなら、俺が相手だ!」

 

 「ふん、いいだろう。」

 

 「アサルトエクスバスター!!」

 

 ライガーデイズがデスレックスエンペラーとやり合おうとしたその時、バスターXAになったゼノレックスがアサルトエクスバスターを何発もデスレックスエンペラーに撃ち込んだ。

 

 「シーザーさん。」

 

 「レオ、ここは一旦退くんだ。」

 

 コバたちバーニングライガーはその気に乗じて疑似アナザーゲートを開き、ジェノスピノⅢAを別の場所に転送していき、それを見たレオは、

 

 「わかりました。」

 

 シーザーとモーリスがデスレックスエンペラーの注意を引き付けている間、レオとライガーデイズはサリーとハンターウルフを引き連れてその場を離れ、シーザーとモーリスもそれについて逃げていった。

 

 「逃げたか…だが、何処に逃げようと貴様らに逃げ場はない。誰も陛下とカオスゼログライジスの手から逃れることは出来ない。

 さて、陛下が動き出し、キルデスサイスを更に出現させたが、キルデスサイスだけではまだ、物足りない。どうせならもう少し楽しませないとな。」

 

 デスレックスエンペラーが咆哮を上げると、カオスゼログライジスが無数のキルデスサイスを出現させたのと同様に地面から何体かのレックスジャミンガが出現した。

 

 「さあ、思う存分食らうがいい。陛下と新人類たる我等に刃向かう愚か者共を…」

 

 プライドの命を受けたレックスジャミンガはそのまま走り去っていった。

 

 「おい、プライド! 俺たちまで忘れているんじゃないだろうな?」

  

 「ああ、そうだった。すっかり忘れていたよ。」

 

 「てめえ、一体どこまで舐めれば気が済むんだ。」

 

 「だが、もう貴様ら出る幕はないだろうな。」

 

 「何!?」

 

 「ま、精々、忘れられないように頑張るんだな。四天王の名に恥じないようにな!」

 

 「調子にのんじゃねぇぞ!」

 

 プライドの言葉にラスは困惑していた。

 

 「くっ、こんなことが許されていいのか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ネオへリックでは、移民船の上でシーガル中佐がスピーゲル中佐に頼んで開発した複数の青いディメパルサーが鎮座し、それらとコードで接続している装置にメルビルがいた。

 

 「いいですか。核攻撃隊が来たら、私の合図で装置に手を触れてください。」

 

 「わかりました。」

 

 「来たぞ!」

 

 上空に何百、何千の核ミサイルを搭載したスナイプテラ核攻撃隊が現れ、ネオへリックに照準を向け、核ミサイルを発射する寸前に、

 

 「今です!」

 

 シーガル中佐の合図と共にメルビルが装置に触れると、それを通じてディメパルサーがエヴォブラストを発動し、マッドオクテットを放った。

 その電磁パルスは通常のディメパルサーやゼロメタル、神聖ゼネバス仕様ディメパルサー、ディロフォスのと違い、光輝くものだった。

 その電磁パルスを受けたスナイプテラ核攻撃隊は突然、発射を止め、バイザーが割れ、目の発光が消え、そのまま倒れていき、同時にクワガノス改とソニックバード改と交戦していたキルデスサイスも機能停止し、更には石化までしまった。

 

 「やった、作戦は成功だ。」

 

 「あの、シーガル中佐。これは一体どういうことなんですか? 私はただ、手を触れただけなのに…」

 

 「殿下と交流の深いレオという少年の身体に宿るゾイド因子には邪悪なゾイド因子を正常なゾイド因子に浄化させる力があるという報告をスピーゲル中佐から聞き、それをディメパルサーの電磁パルスで増幅させれば、その力を高め、ジェノスピノやオメガレックス級のゾイドすらも浄化し、洗脳も解除出来るのではないと考えたのです。

 そして、メルビル殿下にもその力があるとも踏んで試したのが正解でしたね。」

 

 「しっかし、よくそんなこと思い付いたな。」

 

 「ダイダロスに潜入した時、ディメパルサーとディロフォスの性能を記したデータを盗んで、そこから着手したのです。帝国が復元したディメパルサーは何体かいましたが、上層部がその性能に気付かず、余り運用されなかったため、それらの個体を改造したのです。

 最も帝国がその性能に気付けば、共和国との戦争に勝ち、とっくに戦争は終わっていたはずですし、真帝国だってあんな弱小帝国にはならなかったでしょう。」

 

 「どうやら、お前を自爆から救ったメルビルの判断は正しかったようだな。」

 

 「し、司令! 大変です!」

  

 「今度は何だ?」

  

 「カオスゼログライジスが動き始めました!」

 

 「カオスゼログライジスが! で、その方向は…」

 

 「方向は…ネオへリックです。」

 

 「何だと!?」

 

 To be continued




 次回予告

 ネオへリックに向かいながら、各地を破壊していくカオスゼログライジス、そしてカオスゼログライジスの力によって無数に現れたキルデスサイスは世界の終焉を示唆するように世界を多い尽くしていく。
 ゼオルたちはネオへリックに向かうカオスゼログライジスの対抗策を練るが、それは苦渋の作戦だった。
 そんな中、コバたちによってデスレックスエンペラーの手から逃れたセードはある決意をする。

 次回「戦う者の決意」走り抜け、ライガー!!
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