ゾイドワイルドクロス アナザーZERO   作:オーガスト・アベラス

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 ゾイド、それは銀河の彼方の惑星に生息し、金属の肉体と動物の本能、自ら戦う意思を持つ金属生命体である。
 ゾイドが生息する惑星Ziが滅亡の危機を迎え、そこに住む人類は第二の故郷として地球を目指すが、あるトラブルにより、ゾイド因子が暴走し、それによって不慮のタイムワープを起こし、21世紀の地球に不時着し、地球にゾイドが現れ、ゾイドによる破壊と度重なる地殻変動で地球は一度滅びた。
 サリーという謎の少女が持つペンダントの力によって復活し、更に進化を遂げた伝説のライジングライガーを相棒にした少年レオは強敵セードとジェノスピノを打ち破り、更にはジェノスピノ以上の力を持ち、その後は帝国の反乱組織真帝国を壊滅させた。
 しかし、密かに帝国を牛耳り、帝国の反乱を引き起こしたゼロメタル帝国の神官プライドとマクラマカン大佐が神聖ゼネバス帝国を誕生させ、神聖ゼネバス帝国の絶対神にして皇帝であるデスザウラーの分身、ディアベル・ギャラガーと古の皇帝龍ゼログライジスが全てのリジェネレーションキューブを取り込み、最強最悪のゾイド、カオスゼログライジスを生み出されてしまう。 
 果たして、レオたちはカオスゼログライジスに立ち向かうことが出来るのか? そしてこの地球の運命は!?


第83話「カオスゼログライジス攻略作戦」

 デスレックスエンペラーと対峙するオメガレックスガントレス、オメガレックスガントレスとデスレックスエンペラーはそれぞれ牙を剥き出しにして睨み付けた。

 

 「この私を殺すだと? 貴様に生を与え、ここまで成長させた親でもあるこの私を…」

 

 「お前は僕の親じゃない! ディアベルの復活のために造り出し、僕の心を弄んだお前を許さない!」

 

 「ふん、ただの愚か者になるというのか…それもいいだろう。最早、計画は最終段階に入った。後はその時を待つだけ…まあ、貴様もいずれはその時に消え去るだろうが、失敗作となった落とし前はきっちり落とさせてもらう。

 一度は我が子と思って今まで生かしていたが、お前の役割はもう終わりだ!」

 

 「何が我が子だ! この僕をただの目的達成の道具にしか思ってない奴に何がわかる!!」

 

 怒りを露にしたユウトに従ってオメガレックスガントレスはデスレックスエンペラーに向かって勢いよく走り、デスレックスエンペラーはロングレンジバスターキャノンを放った。

 しかし、オメガレックスガントレスはロングレンジバスターキャノンの弾を避けながら進み、デスレックスエンペラーの前でジャンプし、踏み潰そうとしたが、デスレックスエンペラーは尻尾で凪払い、オメガレックスガントレスは向こうに吹っ飛ばされた。

 しかし、オメガレックスガントレスは直ぐ様、体制を整え、対空速射砲や誘導ミサイルを撃ち込んだが、デスレックスエンペラーはジェノスピノのように火炎放射を放ち、それら全てを迎撃した。

 

 「ジェノスピノと同じ火炎放射!?」

 

 「ふん、」

 

 「くっ、ならば! オメガレックスガントレス、兵器 解放! マシンブラスト-!!」

 

 武装では敵わないと見たユウトは直ぐ様、オメガレックスガントレスのマシンブラストを発動させ、荷電粒子砲を発射したが、デスレックスエンペラーはそれをジャンプで難なく避け、カオスゼログライジスとの戦いでジェノスピノⅢAと同等の跳躍力を見せた。

 

 「まさか、あの巨体であんな跳躍力を!」

 

 驚異的な跳躍力でオメガレックスガントレスの荷電粒子砲を交わしたデスレックスエンペラーはそのままオメガレックスガントレスの方に落下し、足で叩きつけ、更に首もとに噛み付いたまま、投げ飛ばしてしまった。

  

 「ウワァッ!!」

 

 オメガレックスガントレスがビルの瓦礫に叩きつけられた後、デスレックスエンペラーは後退し、コクピットからその姿を現し、オーガノイド体に変身したプライドと融合すると、強制的なマシンブラストを発動し、荷電粒子砲を放つ体制に入った。

 それに気付いたユウトは体制を整え、放たれたデスレックスエンペラーの荷電粒子砲を間一髪で回避したが、デスレックスエンペラーは荷電粒子砲を放ちながら向きを変え、その一撃がオメガレックスガントレスの足を霞んだ。

 

 「向きを変えた!? オメガレックスでさえ、そんなことは出来ないのに、あのデスレックスはどの方向でも荷電粒子砲を撃てるというのか! 

 だが、いくら向きを変えても、荷電粒子砲だ。こちらと同じく連射までは出来ないはずだ。」

 

 そう予想したユウトはデスレックスエンペラーの背後に回り、後方から攻撃を仕掛けようとしたが、

 

 「ふん、所詮は愚か者が。」

 

 デスレックスエンペラーはさっと後ろに回り、再び荷電粒子砲を撃つ体制に入った。

 

 「まさか、連射!?」

  

 デスレックスエンペラーはチャージを必要とせず、2発目の荷電粒子砲を放ち、オメガレックスガントレスは諸にそれを受けてしまう。

 

 「まさか、このデスレックスエンペラーが帝国が一度復元を試みた個体と同一だと思っているのか? だが、それは見当違い!

 こいつは貴様のオメガレックスと同じくデスレックスの突然変異体。ジェノスピノ、オメガレックスが敵に回ったことを想定して、対ジェノスピノ、オメガレックス用として、神聖ゼネバス帝国の科学技術とキルデスサイス開発の経験を得て改造を施したこの私専用のデスレックス、絶対神官龍デスレックスエンペラーだ!」

 

 「対ジェノスピノ、オメガレックス用のデスレックスだって…そんなこと関係ない。このオメガレックスでお前を倒すだけだ!」

 

 荷電粒子砲を喰らっても尚、立ち上がったオメガレックスガントレスは武装を全て撃ち込みながら、デスレックスエンペラーに近付くが、デスレックスエンペラーはそれをものともせず、蹴り倒し、更に尻尾で凪払ってしまった。

 

 「バカめ! 無駄な足掻きだ。貴様のオメガレックスでは、このデスレックスエンペラーに勝つことは不可能だ。

 それに、貴様のオメガレックスガントレスはキルデスサイスと同じAIが搭載され、それが補助となって戦闘を有利に進められたが、それが失った以上、もはや話にならん!」

 

 「だったら、試してみるだけだ。オメガレックス、ファイヤー!!」

 

 「愚かな…」

  

 オメガレックスガントレスは再び荷電粒子砲を放ち、デスレックスエンペラーも同様に発射し、オメガレックスガントレスとデスレックスエンペラーによる荷電粒子砲同士の撃ち合いになった。

 当初は両者とも拮抗していたが、徐々にデスレックスエンペラーが押していき、遂にオメガレックスガントレスの荷電粒子砲が打ち返され、オメガレックスガントレスはそれを諸に受け、収束シールドと口内の荷電粒子砲の一部が破壊され、吹っ飛ばされてしまった。

 

 「ふん、所詮は愚か者だったか。さて、そろそろ、陛下の元に向かわなくてはな。貴様ら、前菜だ。思う存分喰うがいい。」

  

 デスレックスエンペラーがカオスゼログライジスのいる場所に向かっていくと、プライドの命を受けたレックスジャミンガたちは獲物を見つけたハイエナのように倒れたオメガレックスガントレスにゆっくり近付いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ジェノスピノのコクピットの中でサリーの目の前に灰となって消滅したセード、そして原型を失った灰の中には四葉のクローバーらしきものがあった。

 

 「ピーター…それでもあなたは私のことを思ってくれたの?」

 

 四葉のクローバーを手にしたサリーは再び泣き崩れた。

 

 「愚かな奴だ。人間を捨てたのなら、それなりの代償を払い、私の使徒として生きる道を選べば永遠の命を得られたものを…やはり人は等しく神であるこの私が管理するべきだな。」

 

 それを聞いたレオは拳を握り締め、

 

 「お前はそんなことして何とも思わないのか?」

 

 「おかしなことを言う奴だ。人間というのは高度な知性と技術力を持っていながら、過去から何も学ばず、むやみやたらに争いを続け、増殖する無秩序な生き物だ。

 それを管理するためにはこの私が必要なのだ。そしてこの私に刃向かえば、どうなるかということを教えてやっただけだ。」

 

 「ふ、ふざけるな~!!」

 

 レオとライガーデイズはカオスゼログライジスに向かって突っ込んでいくが、その時、キルデスサイスの群れから謎の影が現れ、ライガーデイズに突進した。その正体はバーニングキメイラで、ゼーゲキメイラ、ディメパルサーキメイラ、メタルレイザーも同時に現れた。

 

 「お前は…」

 

 「俺たちを無視して陛下とやり合う等、随分舐めてくれるじゃねぇか! 俺のこのライガーが強いことを今度こそ証明してやる!」

 

 「くっ!」

 

 「ゼロメタル四天王か…私を追ってここまで来たのか。」

 

 「我がゼロメタル四天王。この命を陛下に捧げるつもりで、あなたに忠誠を誓います。」

 

 「素晴らしい! 貴様らのその揺るぎない忠誠心、見事だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アドリア王国領にして、その首都でもあるアダマン領域、メルビルやフィオナたちや帝国、共和国の市民たちは同行していた合同軍が行く先々を阻むキルデスサイスを撃破したおかげで、何とか命からがらその領域に辿り着くことが出来た。

 そして、メルビルやフィオナたちは地下都市に入り、そこでグラビティキャノンとロングレンジバスターキャノンの修理及びカオスゼログライジスの攻略作戦を講じているボーマン博士とクリスタの姿があり、メルビルとフィオナは外で起こっていることをボーマン博士に伝えた。

 

 「そうか…遂にセードが…出来れば、これが完成した時に彼を救ってやるはずだったが、間に合わなかったか…」

 

 「博士、一体何を作っていたのですか?」

 

 ボーマン博士が取り出し、メルビルに見せたのは、ディアベル・ギャラガーに奪われ、カオスゼログライジス進化の時に心臓部にされたサリーのペンダントだった。

 

 「このペンダントは…どうして!?」

 

 「こいつはオリジナルのペンダントを基に復元したものだ。端末が全てカオスゼログライジスに奪われたため、当初は開発にかなり苦戦していたが、シーザーがくれた端末の情報とアドリア王国の技術のおかげでオリジナルとほぼ同じ力を持つペンダントを開発することが出来た。 これをメルビル、君が持って欲しい。」

 

 「どうして私に?」

 

 「本来なら、サリーかレオに渡すつもりだったが、君は代々ガイロス皇帝の血筋だ。それも相まって君のゾイド因子は更に活性化されていて、粗悪なゾイド因子を浄化させるために私も開発に加わったディメパルサーの力が君のゾイド因子によって更に増大されたのはシーガル中佐からも聞いている。 その力があれば、もしかしたら、カオスゼログライジスを倒せるかもしれない。」

 

 「あのカオスゼログライジスを? 馬鹿な! あんなバケモノが倒せるわけが…」

 

 「そもそも、カオスゼログライジスのあの異常な力はD因子に染め、体内に取り込んだ全ての端末の力によるものだ。そしてその力は奴のゾイドコアとも直結しているペンダントで制御されている。

 つまり、メルビルのゾイド因子で活性化したペンダントを奴のゾイドコアまたはペンダントにぶつければ、対消滅によってカオスゼログライジスの体内にある端末を浄化させ、その力を失わせることが出来るかもしれない。」

 

 「だが、相手は正真正銘のバケモノだ。いくら私が考案したあのディメパルサーでもそれだけの力を出せるかは…」

 

 「そのためにあれを用意した。」

 

 ボーマン博士が指差したのは、修理が完了したグラビティキャノンとロングレンジバスターキャノン組み合わされたものだった。

 

 「これは…」

 

 「グラビティキャノン、ロングレンジバスターキャノン。それぞれ撃っても効果がないなら、その2つのエネルギーを合わせるのだ。」

 

 「まさか、これは…」 

 

 「そうだ。グラビティキャノンとロングレンジバスターキャノン組み合わさせることによって、その2つのパワーを1つにまとめ、一撃必殺の力をぶつけることが出来る。

 更にシーザーのゼノレックスバスターXAのデータとその技術を加え、発射に多少時間が掛かることに変わりないが、それでも通常のグラビティキャノンよりかなり短縮され、ある程度の連射も可能になった。

 こいつで、何発かをカオスゼログライジスに当て、その隙にペンダントをコアにぶつければ勝機が生まれるかもしれない。」

 

 「確かに、それを聞けば不可能ではないが、そいつは一体どのゾイドに装備させるのだ?」

 

 「大型ゾイドだと、発射までの時間に隙が生まれやすいため、調整によってある程度小回りと機動力のある中型ゾイドにも装備可能にしたが、肝心のゼノレックスは今、出撃しているため、適任のゾイドがいない…」

 

 「ならば、私のトリケラドゴス改に。」

 

 そこに手を上げたのはハント大佐だった。

 

 「しかし、いくら中型ゾイドに装備出来るといっても、どのゾイドにも耐えられるわけではないが…」

 

 「これでも、私はれっきとした軍人です。覚悟は出来ています。それに共和国を失ったまま、このまま黙って見ているわけにはいきません。」

 

 「わかった…そうしよう。では、メルビル君、このペンダントは君に。」

 

 ボーマン博士に渡されたペンダントを首にかけたメルビルは突然、何かを感じた。

 

 「はっ!」

 

 「殿下、どうなされました?」

 

 「ユウトのゾイド因子を感じる…それも酷い傷を負って…」

 

 「何!? まさか、奴もカオスゼログライジスの元に…直ぐに行かねば!」

 

 「待って! まだもう1つ感じます。邪悪なゾイド因子を持った者がこちらに近付いてきます。」

 

 その時、突然、地上から強烈な爆音がし、それに気付いたメルビルたちは地下を出た。すると、目の前には何体か倒されたアドリア王国のゾイドが横たわり、そこに立っているいくつものゼロファントスダークスを率い、背中にディゾルレーザーキャノンを装備したゼロファントスが立ち、そのゾイドコアにはオーガノイド体に変身したグリードが融合しており、更にコクピットにはいくつものコードに接続されているドクターマイルスが搭乗していた。

 

 「あれは…ゼロファントス!」

 

 「久し振りだな、ウォルター・ボーマン。」

 

 「お前は、ドクターマイルスか!」

 

 「陛下のゼログライジスを絶対龍カオスゼログライジスに進化させるための代物であるリジェネレーションキューブを開発した貴様なら、何かしらの対策を練られてしまう危険性があるのでな。悪いが、ここで退場させてもらおう。」

 

 「(くそっ! マイルスの奴。この俺が手塩にかけて開発したゼロファントスに勝手に乗り、俺を生体システム扱いしやがって! まあ、いい。所詮、貴様は俺の前座であることを教えてやる。)」

 

 「ドクターマイルス! 貴様はディアベルに従って一体、この地球に何をするつもりだ!?」

 

 「それなら、あれを見ればわかることだ。」

  ドクターマイルスが指差すと、上空に地球のような惑星が近付いていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 同時にライガーデイズはイグニッションブースターで加速し、レーザーガトリングを撃ちながら近付き、前足で攻撃しようとするが、バーニングキメイラはそれを全て頭部のデスレックスのアーマーで跳ね返し、そのまま返り討ちにしてしまった。

 

 「なんだ? 進化したライガーってのも大したことねぇな。」

 

 「くっ!」

  

 「我々も援護するぞ! ツガミ大尉、お前は左から…」

  

 「させるか!」

 

 その時、アーサーの目の前にメタルレイザーが襲いかかり、アーサーはそれを間一髪で回避した。

 

 「ラスか!」

 

 「ゼロメタル帝国の裏切り者、アーサー・ランスロットの息子、今度こそ、その命をもらう!」

  

 「へっ、あんたもわからん奴だ。俺の親父やレオの父親と交流しておきながら、何故、あの悪魔につく。奴のやっていることは単なる破壊と殺戮だぞ。」

 

 「例え、非情な手段でも、我々は成し遂げねばならない。我々進化した新人類が旧人類を導き、世界を正すために!」

 

 「どうやら、完全に洗脳されているようだな。だったら、その腐った根性叩きのめしてやる!」

 

 アーサーがメタルレイザーに攻撃しようとしたその時、突然、背後からディメパルサーキメイラが襲いかかってきた。

 

 「何!?」

 

 「へ、貴様はあのライガーと同じく要注意人物なのでね。悪いが、早々に消えてもらうぞ!」

 

 「司令!」

 

 ツガミ大尉のステゴゼーゲ改が救援に向かうも間に合わず、ディメパルサーキメイラがアーサーを噛み砕こうとしたその時、ロックバーグ中尉のパキケドスBRが現れ、ディメパルサーキメイラに体当たりし、攻撃を防いだ。

 

 「大丈夫ですか? 司令。」

 

 「ロックバーグ中尉?」

 

 「あなたをここで死なせるわけにはいきません。あなたの命は私が保証します。」

 

 「わ、わかった。頼むぞ。」

 

 「お前の相手は私だ!」

 

 「けっ! 生意気なアマだ。なら、貴様から血祭りに上げてやる!」

 

 颯爽と現れ、ゼオルを守れなかったことにツガミ大尉は少し複雑な心境になっていた。

 

 

 

 

 

 レオのライガーデイズがバーニングキメイラと、ゼオルのアーサーたちが残りの四天王と戦う中、コバたちバーニングライガーはカオスゼログライジスと交戦し、インパクトガトリングを装備してカオスゼログライジスのコアユニットに撃ち込んだ。

 しかし、胸部のコアユニットをいくら撃ち込んでもカオスゼログライジスはものともせず、背中のドーサルインフィニティミサイルとインフィニティミサイルによるビームの嵐をお見舞いしたその時、突然、シザースXAになったゼノレックスとクロスコングがビームの嵐を防ぎ、コバたちバーニングライガーを助けた。

 

 「シーザー…何故、助けた!?」

 

 「私とお前、進むべき道は違い、常に対立する関係になっていたが、今はそれどころではない。この星に生きる全ての生き物を消し去ろうとするカオスゼログライジスを倒すためにも、我々は共闘しなければならない。それに…」

 

 「ん?」

 

 「意外だったな、ゾイド以外の存在を認めず、全ての人類を忌み嫌っていたお前がセードという人間に興味を示していたとはな…お前も人間が好きになったのか?」

 

 「ふん、それは貴様だけの解釈でいい! 我々はあくまでこの星をゾイドの星にするために戦う。その目的のためなら、貴様の力も利用させてもらうぞ。 行くぞ、お前ら! インパクトガトリング!!」

 

 コバたちバーニングライガーは引き続きカオスゼログライジスに攻撃し、クロスコングはゼノレックスシザースXAに寄り掛かった。

 

 「いいのか? シーザー。あれで…」

 

 「いいさ。それで奴も変わるのならな。」

 

 コバたちバーニングライガーがカオスゼログライジスのコアユニットに攻撃している間、ゼノレックスシザースXAはカオスゼログライジスに近付き、コアユニットを切り裂こうとしたその時、ディアベル・ギャラガーは突然、不敵な笑みを浮かべ、コアユニットに不気味な目が開き、そこから紫色の衝撃波が放たれ、ゼノレックスシザースXAやコバたちバーニングライガーも吹っ飛ばされてしまう。

 

 「くっ、やはり、シザースでは効果がないか。ならば…ゼノレックス、ゼノエヴォリューション!!」

 

 ゼノレックスのコアから現れたシーザーが再びゼノレックスと融合すると、ゼノレックスはオレンジ色の光に包まれ、シザースXAからバスターXAに変わっていった。

 

 「最大の一撃を喰らえ! アサルトエクスバスター!!」

 

 ゼノレックスバスターXAのアサルトエクスバスターが最大火力でカオスゼログライジスの胸部コアユニットに向けて発射するが、カオスゼログライジスの胸部コアユニットの不気味な目が睨み付けると、カオスゼログライジスの前にリジェネレーションシールドが現れ、アサルトエクスバスターの弾丸を受け止め、アサルトエクスバスターの弾丸はシールドを抜けた直後に丸で時間が経過していくように錆びて消滅してしまった。

 

 「何!?」

 

 「無駄なことを…今更、貴様らの力では究極神となったこの私に触れることすら出来ない。」

 

 カオスゼログライジスの胸部コアユニットの不気味な目から紫色の電撃が放たれ、それが周囲にも広がり、全てのゾイドに直撃すると、ゼノレックスバスターはXAモードから通常モードに戻り、更にシザースでもバスターでもない初期の姿まで戻り、力を失うように倒れていき、コバたちバーニングライガーもコアドライブウェポンが使えなくなって倒れ、ライガーデイズやアーサーたちも力を失うように倒れていってしまった。

 

 「もはや、貴様らは自ら滅びる運命から逃れることは出来ない。」

 

 ディアベル・ギャラガーが不吉な言葉を言うと、上空に地球のような惑星が月に激突し、徐々に地球に近付いてく様子がはっきり見えた。レオやゼオルたちはそれを見て驚いた。

 

 「なんだ、あれは…一体何をしようというのだ!?」

 

 「フフフ、思ったよりしぶといな。生命力はゴキブリ並みといったところか。」

  

 その時、デスレックスエンペラーが現れ、カオスゼログライジスの元に寄り添った。

  

 「プライド! 貴様、一体何を企んでいる!」

  

 「いいだろう、冥土の土産に我々の計画を教えてやる。」

 

 「計画だと!?」

 

 「あの星がなんだかわかるか?」

 

 「あれは、地球…いや、違う! まさか…」

 

 「そう、あれは地球ではない。あれは我等のかつての故郷、惑星Zi…それもまだ誕生したばかりの原始の惑星Ziだ。」

 

 「そんな…どうしてそれが…!」

 

 「時間操作が可能なカオスゼログライジスの力で陛下が過去からこの時代に呼び寄せたのだよ。最もそれをここに呼び出すに多少時間が掛かったのでな。

 マクラマカン大佐のキルデスサイスを貴様らが遊んでくれたおかげで十分時間は稼いでくれた。」

 

 「そうか…キルデスサイスをネオヘリックに襲撃させたのは、そういうことだったのか。」

 

 「そして、原始の惑星Ziが地球にぶつかり、全ての歴史はリセットされる。人類の誕生も…人類が初めて惑星Ziに降り立ったのも…そして、陛下のかつての姿、オリジナルデスザウラーがブレードライガーに敗れ、更にその分身のバイオティラノがムラサメライガーに敗れた忌まわしい歴史も全て消滅する。」

 

 それを聞いたレオたちやラスは目を疑う程に驚愕した。

 

 「そんな…」

 

 「そんな馬鹿な! そんなことをすれば、僕たちはもちろん、お前たちだって存在を抹消されてしまうぞ!」

 

 「ふ、残念だが、我々は消え去ることはない。何故なら、時間と空間操作能力が備わったカオスゼログライジスには自身や指定された者にはタイムパラドックスを遮断させる力もある。それがある限り、我等と陛下は消え去ることはない。

 そう、原始の惑星Ziが地球にぶつかった時、陛下と我々ヒューマンオーガノイド以外の全ての生命体が消え去り、この星と全宇宙はギャラガー陛下と陛下と同じD因子を持った生命体だけの世界になるのだ! ハハハハハ!!」

 

 「ま、待て! プライド。」

 

 「ん? どうした、ラス。」

 

 「そうなったら、我々を信じてついてきた神聖ゼネバスの国民はどうなるのだ?」

 

 「聞くまでもないだろう。当然、奴等も消え去る。そもそも奴等はヒューマンオーガノイドではないからな。」

 

 「それを国民たちは知っているのか!?」

 

 「知るわけがない。奴等はマクラマカンの情報統制で、そもそもこの星がどうなっているか知らず、あくまで神聖ゼネバス帝国が確実にこの戦争に勝利することしか知らない。」

 

 「バカな! 我々は新人類、地上に舞い降りた天使として人類を導く存在であるはずだ!」

  

 「その通りだ。だから、奴等には我々と同じヒューマンオーガノイドとして転生させる必要がある。だが、ヒューマンオーガノイドになるためには人であることを捨てなければならない。

 そのためには一度死んでもらわなくては。そうでもしないと、我々と同じ進化した人類にはなれない。」

 

 「くっ!」

 

 それを聞いたレオは拳を握り締め、

 

 「自分たち以外の生命を消し去る…それがお前たちの計画なのか! そんなことがお前たちの幸せなのか!?」

 

 「それが何だと言うのだ? 言ったはずだ。我々は究極神であるギャラガーの偉大なる使徒にして、地上に舞い降りた天使だ。そんな我々がこの世界を管理するのは当然だろう?」

 

 「その傲岸不遜な目的、俺は絶対に許さない!!」

 

 グオォ~!!

 

 レオの怒りと共にライガーデイズはカオスゼログライジスとデスレックスエンペラーに向けて咆哮が響き、ディアベル・ギャラガーとプライドは不敵な笑みを浮かべた。

 

 To be continued




 次回予告

 ディアベル・ギャラガーとプライドらヒューマンオーガノイドの目的を知ったレオたちはカオスゼログライジスやデスレックスエンペラーに立ち向かうも、その力の差は歴然であり、メルビルたちもドクターマイルス率いるゼロファントス軍団に手を焼き、レオたちの元に向かえずにいた。
 だが、そんなとき、コバたちがシーザーにある決意をする。

 次回「最後の決意」走り抜け、ライガー!!
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