Big Gr∞ve-ビッグ・グルーヴ- 作:Manami☆彡
<KAMITANI SIDE>
気がつけば放課のチャイムが鳴る。
神ノ溝は4時間で授業が終わるのだ。あとは昼食を食べるだけ。給食は無い。屋上は何故か開放されている。
…結局、藍川と先生は今日も来なかった。
藍川はいいとして、何が先生をここまで堕落させているのだろう、単純に授業を教えるのが面倒臭いのか。
なんじゃそりゃ。
「さて…」
購買に向かおうと席を立つと、調子のいいクラスメイトが2人、ニヤつきながら僕に近づいてきた。
生徒A-1「おい知ってるか、狼谷。」
「えっ…と…、何を?」
急にそう言われても、というような困った笑みを浮かべる僕。
生徒A-1「迷信だよ、迷信!
この学校に伝わるヤベー迷信!オカルトマニアのお前ならピンとくると思ったんだが、知らねえのかよ〜。」
そんなものあったっけ?というか…
「僕が好きなのは明るい話題だよ。
物騒なのは、専門外。」
生徒B-1「そんなこと言って、ほんとはオカルト自体苦手なんじゃねえの?」
この言われようである。
「マニアでも全部知ってると思うな。
それで、迷信ってどんなのだよ。ヤベーんなら、そうだな…。滅亡とか?」
生徒A-1「おお、鋭いな。正確に言うと…」
一呼吸置いてそいつは、真剣な表情でこう言った。
生徒A-1「人類…消滅計画────。」
「!!」
確か幼い頃、聞いたことがある。
だけど触れてはいけない気がして──僕は思わず身震いした。
生徒B-1「何だお前。怖がってんのか?」
生徒A-1「そんな簡単に消滅するかっての!
いくらこんな世の中でも、ありえねえよ。ははは!」
先程の表情はどこへやら。
笑い飛ばして、彼らは食堂へ向かおうとする。
僕の口が不意に動く。
「待って。計画の実行日とか…分かる?」
生徒A-1「それが分かったらみんなに言ってるよ!
あとさ狼谷。お前、詐欺には気をつけろよ。」
一言余計である。心配しなくても散々引っかかっている。
大したことではないものの、これ以上家族に迷惑はかけたくない。
とりあえず、やっと昼食にありつける。
購買のサンドイッチは5つ星といってもいい。
「将来、喫茶店で働きたいな…。」
ポツリと呟く。向こうに誰かが立っている。
見たことはないが、どうせ別のクラスの奴だろう。
気にせず僕は、そのまま少年とすれ違った。
<AIKAWA SIDE>
布団の中で、昼を迎える。
他にやることはないのかと聞かれても、寝るかハッキングするか以外思いつかないのだからどうしようもない。
だが、流石に腹は減る。
「しまった…。買い出し行ってねえ…。」
早速バチが当たった。
買い出しも忘れるくらいに、俺の身体は
ふと、最低なことを思いつく。
「学校に寄ってくかー。」
神ノ溝学校の購買に置いてる物はどれも美味いし、食堂はバイキング形式である。神ノ溝学校唯一のメリットだ。
──そんな場所に俺は、コンビニ感覚で寄る気でいる。
仕方がない。腹が減ってはなんとやらだ。
狼谷、まだ学校にいるだろうか。
数週間ぶりに外へ出る。
今は昼だというのに、空は薄らと鮮やかだ。
いつか突然、世界が終わってしまうのではないかと、俺は何故かそう感じていた。
あっという間に神ノ溝学校に着く。
改めて見ると、こんなのが学校って勿体ないよなぁ…。
デカいくせして校則はアレだし。
ていうか、謎だらけなのに全く食いつかない狼谷は一体何なんだ。
人工知能任せの、校門の前に立つ。
そびえ立つそれは、俺を通さないつもりらしい。
厳重すぎにも程があるだろ。一応ここの生徒だぞ。
…まぁ、サボり魔なので認識が切れて当然なのだが。
なお、先生どもは宿直、いやそれ以前に学校に住んでいる。閉め出されることなんてないのだ。
住んでるなら授業に出ればいいのに…。
「クソッ、不公平だこんなの!!」
俺は強行突破を企んだ。
勢いに任せて、校門をよじ登る。
その時、サイレンが容赦なく俺の侵入を妨げる。
こうなることなら、大人しくハッキングで開ければ良かった…。空腹ゆえの理性だ。
窓から見える、知らない生徒と目が合った気がした。
しかし今はそれどころではない。
どうにかして、学校に侵入しなければ…!!
俺の腹は絶えず空腹を訴える。