転生して水になったので存分に楽し・・・・・・水っ!?   作:レイ1020

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後半はほぼ恋愛話です。


幹部達はどんな恋愛を求めているのか?


幹部達の恋愛事情

「お、エリス。もう用事は済んだのか?」

 

 

ロキさんとアルヴァロさんを感動(?)の再会をさせ、街に戻ってきた僕はそのまま執務館へと顔を出していた。リムルと明日の打ち合わせをしておきたいのもあったし、これを終えたら家に帰って寝る事にした。

 

 

・・・・・・と思って来たんだけど、何故かそこにはリムルの他にベニマルとハクロウの姿があり、何やら神妙な雰囲気が漏れ出ていた。

 

 

 

「うん。ハクロウ、色々とお疲れ様。ファルムス王国では色々と活躍してくれたみたいだね?」

 

 

 

「もったいなきお言葉でございまする」

 

 

 

ファルムス王国から帰還していたハクロウに対して労いの言葉をかけた僕は、近くの椅子へと腰掛けた。リムルからの話だと、ちょっと前まで同じくファルムス王国から帰還してきたディアブロとゲルドもいたらしく、彼らは既に退席した後だったらしい。

 

 

 

「それで、この集まりは一体なんなの?」

 

 

 

「ああ、実はモミジさんの件で話したい事があってこの二人に来て貰ったんだよ。ほら、以前ベニマルが言ってただろ?モミジさんは長鼻族(テング)の長老であるカエデさんとハクロウとの間に出来た子供だって。だから詳しい情報をこの父親から聞き出そうと思ってな?」

 

 

 

「ああ、なるほど」

 

 

 

それならばこの集まりにも納得がいく。僕だって後でハクロウに事情を聞こうと思ってたし、ちょうど良かった。

 

 

 

「ハクロウ、自分に娘がいたということは知っていたの?」

 

 

 

「いえ、先ほどリムル様と若から聞かされるまでは全くもって・・・・・・それに、何でもその我が娘を『若の伴侶にしてほしい』とまで言われてると聞くではありませぬか。・・・・・・色々と驚く事が多すぎて、わしもいまだに心の整理がついておらぬのです」

 

 

 

明らかに動揺したようにハクロウがそう答える。この様子から、嘘を言っているわけでは無い事がわかりほっとする。もし嘘だったとするなら、ハクロウに対して軽くだが失望していたかもしれない。何百年も妻と娘を放置している様な物だし、そんな最低男は僕だってそう思いたくもなる。

 

 

 

「なぁ、ベニマルはどうしたいんだよ?」

 

 

 

「はぁ・・・・・・こっちにだって都合がありますし、そんな簡単に娶る訳には行かないでしょう?」

 

 

 

リムルからの質問に、ベニマルは少し呆れたようにため息を吐きながらそう口にする。

 

 

 

「何ですとっ!?若はワシの娘では不服だとっ!?」

 

 

 

「そうは言ってないだろっ!?それに、生まれた事も知らなかったくせにいきなり父親面するなっ!」

 

 

 

「この事実を知ってしまった以上、ワシにも責任があるという物ですじゃっ!」

 

 

 

この夜はひたすらこの話題について話し合いが続くこととなり、結局結論は出ないまま謁見式を迎えることとなってしまった。ぶっつけ本番という事になってしまったが、どうなることやら。・・・・・・後、夜通し話し合って結論が出ないんだったらその時間無駄だったし、寝たかったな・・・・・・。

 

 

 

 

 

––––––––––––––––––––––––––––––––

 

 

 

 

 

「魔王リムルよ、初めまして。私はテングの長の代理として参ったモミジと申します。以後、お見知り置きを」

 

 

 

 

謁見式最終日を迎え、僕たちは最後の来賓である長鼻族(テング)を向かえていた。用事を済ませて戻ってきたテスタロッサをはじめ、昨日に帰ってきたディアブロやハクロウ、ゲルドも加わり、魔国連邦(テンペスト)の幹部達がほぼ勢揃いという事になった事もあって、緊張感は以前にも増して強くなっていた。

 

 

 

 

「ご丁寧にどうも。俺は、この度魔王になったリムル=テンペストだ。今後とも仲良くしていきたいし、何かあれば相談してくれればこちらも対応を・・・・・・」

 

 

 

「そんな気遣いは不要です。我らは、あなた方との不必要な干渉は望んでいませんので。クシャ山脈での街道工事についても、山の恵みや鉱石についても好きにして貰って構いません」

 

 

リムルがかけたその気遣いの言葉を断ち切るかのようにモミジさんは冷たくそう言い放つ。一応、クシャ山脈を好きにしていいという許可は出してくれた訳だけど、とてもじゃ無いが僕たちと友好的な関係になりたいと思っているとは思えなかった。

 

 

というか改めて気づいたけど・・・・・・流石は誇り高い種族というべきか、魔王を前にしても一向に怯んでる様子は見えなかった。まだ若いとはいえ、モミジさんも代理を任せられるだけあってかなり肝が据わっている・・・・・・とはいえ、時折見せるどこか不安そうな表情を見るに内面では非常に緊張をしていると見てとれるのが少々玉に瑕だが。

 

 

「あの、なんでそんなに僕達との干渉を拒むのですか?僕達は本当にあなた達と事を構える気なんてありませんよ?」

 

 

 

「狡猾な鳥女のフレイとつるんでるあなた達の言う事なんて信じられるわけが無いでしょう?あの女は我が領土への野心をかなり持っていたし、あなた達だってきっとそうなんでしょっ!」

 

 

 

「ちょっ!なんか誤解してないか!?フレイがテングの領土への野心を持ってる!?何のことだよっ!?」

 

 

 

「え・・・・・・まさか、知らないの?」

 

 

 

「そんな事僕達は初耳ですよ?良ければ詳しく聞かせてください」

 

 

 

その後、モミジさんからこの事について細かく説明があった。フレイさんは、元々魔導王朝サリオンの首都である神樹に抱かれた都市(エルミン・サリオン)を狙っていたそうだ。だが、サリオンは歴史ある大国であり、戦力で言えばサリオンに軍配が上がる。それを知ったフレイさんはテングに目をつけ、彼らを支配下に収めることで戦力増強を測った。

 

 

が、先も言ったようにテングは誇り高い種族。簡単に彼女の要求に応じる訳にはいかず、そのテングの行動を読んでいたサリオン側も共闘を持ち掛けるわけでもなく漁夫の利を狙っていたのだとか。フレイさんもその事に気づいたのか迂闊に動けなくなり、歪な三竦みな関係が出来上がった。

 

 

 

そんな中、カリオンさんとフレイさんが魔王の座を降りてミリムの配下に加わった情報がテングの耳にも入った。その時に、ベニマルがカリオンさんの配下であるアルビスさんを率いて里に赴いて来たものだから、それを僕達の無言の圧力だと勘違いを起こしてしまったんだ。

 

 

 

それに、ゲルドの話ではフレイさんは既に神樹に抱かれた都市(エルミン・サリオン)への興味を失っており、代わりにこちらが建設している”新都摩天楼”の方に興味を惹かれてるそうだ。フレイさん達有翼族(ハービィ)は高い所が好きなので、天を穿つ様なその巨大建造都市は彼女としてもかなり魅力的に映ったようで、他への興味などとうに失せてしまったらしい(強いて言うならミリムの教育にも関心を持っているそう)。

 

 

 

「と言う訳なので、全てはそちらの勘違いです。納得していただけましたか?」

 

 

 

「全ては私の勘違いだったって事・・・・・・?申し訳ありませんでした。母からは考えすぎだと嗜められていたのですが・・・・・・」

 

 

 

ようやくモミジさんも納得してくれた様でホッとする。その後、誤解が解けた事もあって会談は速やかに進み協定も無事に締結する事ができた。その後、テングの長老であるカエデさんからリムルへの書状があるとの事で、シュナがそれを読み上げる事になったのだが・・・・・・どうにも先ほどから読み上げているシュナの文面がおかしかった。

 

 

 

『モミジは私に似て殿方を見る目があります。何せあの子、ベニマル殿を振り向かせて見せると豪語していたのを・・・・・・』

 

 

 

「お母様っ!!?」

 

 

顔を真っ赤にしたモミジさんが、シュナから書状を取り上げるとそれを読み返していた。どうやら、リムル宛の書状とハクロウ宛の書状が一緒に入っていた様だ。・・・・・・何とも大雑把な人。

 

 

 

「ふむ。これはワシ宛の書状の様じゃの。『あの子は力こそ大きいのですが、技量はまだまだです。我が兄弟子として、そしてあの子の父として剣鬼ハクロウ殿の手で教え導き、鍛えてあげてください。愛する旦那様へ』・・・・・・全くあやつめ、まだワシのことを好いておいてくれていたとは・・・・・・」

 

 

 

「っ!も、もしかして・・・・・・あ、あなたが?」

 

 

 

「そうじゃ。ワシが其方の父である、ハクロウじゃ。その美しき髪色・・・・・・あやつにそっくりじゃの」

 

 

 

「っ・・・・・・お父様っ!!」

 

 

 

ハクロウが自分の父親だと断定できたモミジさんは勢いよくハクロウに抱きついた。父と娘の三百年越しの感動の再会・・・・・・うん、泣かせてくれるね。

 

 

 

「モミジよ。ワシの修行は厳しいぞ?それは覚悟の上であるか?」

 

 

 

「はい!もちろんです!」

 

 

 

「であるならば、それを見事に乗り越え、若の心を射止めて見せよ!」

 

 

 

ベニマルを指し示しながら、ハクロウはモミジに強くそう伝えた。何だろう?モミジさんが自分の娘だってわかってから、ハクロウの親バカっぷりが止まらなくなってる気がする。ベニマルも同じことを考えているのか、大きくため息を吐きながら呆れていた。

 

 

 

「お兄様、アルビス様から伝言があります。『ベニマル様、私は覚悟を決めましたわ。モミジ様に勝利して正妻の座を頂こうと考えていましたが、最悪の場合は側室に収まるという手も御座いますわね?私は諦めるつもりはありませんので、覚悟しておいてくださいませ』・・・・・・との事です」

 

 

 

「・・・・・・」

 

 

 

いよいよベニマルは頭を抱えて蹲ってしまう。こんなベニマルを見るのは珍しいので、少し新鮮に映る。・・・・・・まぁ、気持ちは分からんでもないけど。モミジさんもアルビスさんの挑戦をノリノリで受ける気みたいだし、今後彼の胃の中に穴が開かない事を祈るばかりだ。

 

 

 

「いや〜、ベニマル君?モテる男は辛いね〜?ハーレムを作れるなんて、羨ましい事この上ないよ?」

 

 

 

「そう言ってるっすけど、リムル様も他人の事言えないと思うっす!あと、エリス様も!」

 

 

 

「僕は何も言ってないでしょ・・・・・・?」

 

 

 

リムルはともかくとして、僕にまでそう注意してくるゴブタに対してちょっとムッとした僕だった。口に出してるリムルはともかくとして、僕は何も言ってないのにそう言われるのは本当に解せないんだけど?

 

 

 

「リムル様、エリス様。私はあなた方だけを想って、今この時を生きておりますから、恋愛など興味ございません」

 

 

 

「あら、クロ?エリス様は私のものよ?勝手に取らないで頂けますこと?」

 

 

 

聞いてもいない事を口に出すディアブロとテスタロッサ。テスタロッサ・・・・・・その言葉は嬉しいけど、いつから僕はキミの物になったんだい?

 

 

 

「くぅ〜、ベニマル殿はモテモテであるな!それにソウエイ殿も我が妹を始め、多くの女性から好意を抱かれている。それにゲルド殿もまたモテているという話だというのに・・・・・・なぜ我輩の配下には男連中ばかりが・・・・・・」

 

 

「私がいるじゃないですか?それに、ガビル様の職場にはドワーフの女性薬師達が大勢いるではありませんか。出会いがないのは、単にガビル様が奥手なだけなのでは?」

 

 

 

「ぐっ・・・・・・い、痛いところを・・・・・・ち、ちなみにカレンは我輩の事をどう見ておるのだ?」

 

 

 

「ガビル様を?・・・・・・・・・・・・親の様に見ています。今の私があるのはガビル様のおかげですから」

 

 

 

いつの間にか僕の影の中から出て来ていたカレンが、ベニマルを羨ましそうに見つめながらぶつぶつと愚痴をこぼすガビルにそう話す。それに釣られて、セキガも影の中から出てくる。

 

 

 

ちなみにガビルは今のカレンの”全く恋愛対象に入ってない”発言を聞いてだいぶショックを受けたようだ。

 

 

 

「だ、だが!あの者どもは『トカゲなんて生理的に無理!』などと言うのだぞっ!この見た目からして、我輩は明らかに恋愛に関して不利であると・・・・・・」

 

 

 

「セキガはモテてるんですから、そんなの関係ありませんよ?そうよね、セキガ?」

 

 

 

「なっ!?」

 

 

 

カレンのその発言には、ガビルは勿論だが僕も他のみんなも少なからず驚いていた。セキガはガビル同様にトカゲに似た外見をしているので、言ってる事が本当であれば、ガビルが言ってるように『見た目が不利』はいい訳にはなるはずも無い。

 

 

 

「セキガ、それ本当なの?」

 

 

 

「え、ええ・・・・・・以前、エルフの女性から食事に行こうと誘われたり、ドワーフの女性から買い物に付き合ってくれと誘われたりしてました・・・・・・はは」

 

 

 

「が、ガーン・・・・・・」

 

 

 

セキガから出たその無情なる言葉に、今度はガビルが項垂れる。ああ、これは相当なダメージが入ったね。確かに、セキガってしっかりしてるし物腰だって柔らかい。それに、女性の扱いにもある程度慣れているので彼がモテない理由はないと言ってもいいだろう。

 

 

 

「そ、それで!そのままその女性達とデートに行ったんすか?」

 

 

 

「いや、仕事もあるし断ろうと思ってたら、その前にカレンが彼女達を追い払ってしまって・・・・・・」

 

 

 

ゴブタが興味津々でその後の出来事を聞くが、返って来たのは思っても見ない言葉で僕達は困惑した。

 

 

 

「なんでカレンさんはその人達を追い返したんすか?」

 

 

 

「あんな女達じゃセキガには不釣り合いだと思ったからよ。大体、私と出かけてる時に声を掛けてくる非常識な女なんかセキガと釣り合う訳ないじゃない。セキガにはもっといい伴侶がいるはずだから」

 

 

 

「・・・・・・」

 

 

 

ちょっと怒ったように言うカレンに対し、セキガは何処か悲しそうな表情を浮かべる。これは・・・・・・うん、そう言うことか。

 

 

 

「そうだったんすね?・・・・・・あれ、セキガさんとカレンさんってその時二人で何やってたんすか?」

 

 

 

「何って・・・・・・散歩だよ。仕事が休みの日は二人でよく街中や森の中をぶらついて気分転換してるんだ。その道中で、買い物をする時もあるかな?」

 

 

 

「よくセキガが私を誘って、色んなところに連れてってくれるの。この前の森林浴なんか本当に良かったわよ」

 

 

 

「「「・・・・・・」」」

 

 

 

それはもうデートと言っていい物じゃないか?二人が休日ではよく行動を共にしている事は聞いていたが、まさかそんな甘酸っぱい事をしていたなんて!

 

 

 

「あ、話がずれましたね。とにかくガビル様には積極性がないんですよ。女性との出会いを求めるならもっと自分の良さをアピールしていかないと!」

 

 

 

「そ、そうか・・・・・・我輩の良さをアピールか・・・・・・」

 

 

 

カレンにそう言われ、ガビルは自分の良さと言うものは何かを考え始める。彼はお調子者な所があるけど、いい所があるのは上司である僕が一番よくわかってる。彼がそれをどうやってそれを伝えるのか、今後が見ものだ。

 

 

 

で、その後の話し合いでハーレムは無しということとなった。ハーレムは無しになったものの、リムルの取り決めで『直接戦闘ではなく好きな人に振り向いてもらえる様に努力するという点で競う』という自由戦闘恋愛主義(ラブアンドバトル)なる風習が生まれる事となった。要は好きになった人は実力で勝ち取れっ!という意味。

 

 

 

「では、その様に致しますね?リムル様?」

 

 

 

「へ?あ、ああ・・・・・・おう」

 

 

 

シュナが抱き抱えたリムルを覗き込むようにそう確認を取る。リムルは顔を引き攣らせながらそれを了承している姿に、僕は薄く笑みを浮かべる。あの様子からすると、今後リムルはシュナから猛烈アタックされる未来が見える。

 

 

 

「エリス様も、それでよろしいですね?」

 

 

 

「・・・・・・え?」

 

 

 

ふと横を見ると、そこには満面の笑みを浮かべたシオンがいた。うわー・・・・・・嫌な予感しかしない。

 

 

 

「うん、それでいいけど?」

 

 

 

「ありがとうございます!」

 

 

 

さらに笑みを深めたシオン。・・・・・・僕も猛烈アタックされる覚悟を決めておいた方が良いのかもしれない。




「セキガ?キミって意中の相手っているよね?」


「っ!?な、なんでその事を!?」


「いや、さっきの反応見てたら丸わかりだから。僕からアドバイスするなら、相手は相当手強いよ?キミがもっともっとアグレッシブに攻めに転じないと彼女は微塵も揺るがないと思う」


「そ、そうですよね。あいつは全くオレの事をそういう目で見てくれていないし・・・・・・」


「だからこそ頑張れって事だよ。彼女と将来を共にしたいと言うならそれ相応の覚悟を持って挑まないと!」


「エリス様・・・・・・わかりました!このセキガ、必ずやあいつを堕として見せます!」


「うん!セキガ・・・・・・ファイトだよっ!!」


「はいっ!!」





恋愛要素盛り沢山でした。魔國連邦(テンペスト)の幹部達はみんなスペック高いしモテるのも無理ないです。今後の彼ら次第では彼らにアタックしてくる女性も増えてくるでしょうし、その時に彼らがどう対応するのか、今からでも楽しみでしょうがありません。
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