転生して水になったので存分に楽し・・・・・・水っ!?   作:レイ1020

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随分と時間がかかりました。


モチベーションが下がって執筆が進みませんでした。


開国祭の始まり

 

 

 

「ここに、魔国連邦(テンペスト)開国祭の開催を宣言する!皆、思う存分楽しんで行ってくれ!」

 

 

 

翌日、街の中央部の演説会場にて始められたリムルによる開国祭の開始宣言は無事に終えることが出来た。国主として立派に務めを果たした様子のリムルはどこか清々しい表情をしているからして、どうやら本人からしても上出来として見ているんだろう。

 

 

「先生って王様だったのっ!?」

 

 

「そ、そんなに凄い人だったなんて思いもしなかった」

 

 

 

演説を終えた後、子供達5人が一斉に僕たちの元へと駆け寄ってくる。理由は当然、先程の演説に関しての事だ。子供達には自分が魔王である事と、この国の主人である事は秘密にしてたみたいだし、この反応は当然と言えば当然か。

 

 

 

「その通り。今まで黙ってて悪かったな。とはいえ、俺がどんな立場であれお前達の先生である事は変わりないし、今後も同じ様に接してくれよ?」

 

 

 

「勿論よ!先生は先生だもん!」

 

 

 

リムルの正体を知っても子供達は全く気にする事はなく、むしろ目をキラキラさせながらリムルのことを見つめていた。うん、本当にいい子達だよ君たちは。

 

 

 

「お前達?昨日も言ったが、あんまり羽目を外しすぎて周りの人たちに迷惑かけるんじゃないぞ?迷惑をかけない程度に楽しむこと!」

 

 

 

「「「「「はーいっ!!」」」」」

 

 

 

子供達の元気な声が響き渡る。とはいえ、リムルの言う事は守る子供達だが、やはりどうしても心配にはなってしまう。できれば僕が付き添いたいところだけど、僕にもこの後はリムルと共に多くの来賓の方々と共に開国祭のさまざまな出し物の見学をしに行く予定がある。とてもじゃないけど付き添いは・・・・・・

 

 

 

「エリス。こいつらに付き添ってやってくれないか?」

 

 

 

「・・・・・・え?」

 

 

 

僕が思い悩んでいると、リムルから唐突にそう伝えられる。

 

 

 

「いや、僕も仕事の予定があって・・・・・・」

 

 

 

「こっちの事は俺が何とかしておくから、お前も子供達と一緒に楽しんでこいよ。この機会に子供達ともっと仲良くなっとけ」

 

 

 

「リムル・・・・・・」

 

 

 

朗らかな笑みを浮かべながらその様に言うリムルに、僕は困惑していた。確かに子供達に付き添ってあげたいとは思っていたけど、だからと言って自分の仕事をリムルに全部に押し付けるのは申し訳ない気がするし・・・・・・。

 

 

 

「お前もここ最近は忙しくてまともに休めてないだろ?この一時だけは国のこととか余計な事は一切考えずに楽しんでこい」

 

 

 

「そんな事いちいち気にしなくて良いのに・・・・・・キミは一人で大丈夫?」

 

 

 

「お前はちょっとは俺のことを信用しろよ。大丈夫だって、お前が心配する様なことは起こさないからさ」

 

 

 

「・・・・・・分かったよ」

 

 

 

自信満々な様子で言うリムル。流石にここまで言われて断っては彼に失礼となってしまうので、渋々と言った感じで僕は頷く。それを見たリムルは満足そうな顔をしながらこの場を後にしていき、ごった返す人混みの中へと消えていった。

 

 

幸い、商談等の予定は今日の夜にしてるし僕の個人的な仕事(出し物等)も今日は少なめなので、これも良い機会だと思い子供達との時間を楽しむ事にしよう。

 

 

 

「何だ、何だ?エリスさんも一緒にお祭りを回ってくれるのか?」

 

 

 

「そう言う事になったから、僕も仲間に入れてくれるかな?」

 

 

 

「勿論よ!オススメのお店とかおしえてっ!」

 

 

 

子供達も僕のことを快く受け入れてくれたので、とりあえずは問題なく引率出来る事にほっと息を吐いた僕。ひとまず、どこか適当な屋台にでも行こうと歩を進めようとした時だった・・・・・・

 

 

 

「あら、どうやら余計な心配だったかしら?」

 

 

 

「あれ、ヒナタさん?」

 

 

 

何故か僕たちの目の前にヒナタさんが現れ、それは叶わなかった。・・・・・・何で、この人がここに?

 

 

 

「エリスさん、この人は?」

 

 

 

「ん?あぁ、この人はヒナタ・サカグチさんと言って、知り合いの優しいお姉さんだよ?」

 

 

 

「えぇ・・・・・・そうは言うけどなんか怖そうだぜ、この”おば”・・・・・・」

 

 

 

「何を言おうとしたの?」

 

 

 

・・・・・・ケンヤくんの喉元にヒナタさんの得物が突きつけられる。まぁ、ヒナタさんも年頃の女性だしそれを言われれば例え子供と言えど、腹は立つんだろうね。

 

 

 

「い、いえ・・・・・・き、綺麗なおねいさんと言おうと思って・・・・・・」

 

 

 

「ケンヤくん?この人はユウキさん同様に、シズさんに弟子入りしてた人なんだよ?あのリムルにだって引き分けるくらいに実力もある人なんだからあまり失礼な事は言わないの」

 

 

 

「し、シズ先生の・・・・・・って、そう言うことは早く言ってくれよっ!?危うく漏らすとこだったじゃねぇかっ!」

 

 

 

ヒナタさんが得物をしまうのと同時に、腰が抜けてしまったケンヤくんは僕に対して愚痴をこぼした。とはいえ、これに関しては言わなかった僕も悪いと思うけど、初対面の人に失礼な事を言おうとしたケンヤくんも悪いと思う。

 

 

 

そもそも、最初に僕がヒナタさんの事を”優しい人”と紹介したのだから、それに同調していればヒナタさんも怒らなかったはず。

 

 

 

「お姉さんってもしかして、たった1ヶ月でシズ先生よりも強くなったっていうヒナタ・サカグチさん?」

 

 

 

「ええ、そうよ」

 

 

 

「本物っ!?握手してくださいっ!!」

 

 

 

ヒナタさんの正体が判明すると、子供達は目をキラキラとさせながらヒナタさんに寄って行った(ケンヤくんは腰が抜けているので除く)。さっきのヒナタさんの対応を見ておきながらこの反応ができる子供達はある意味、度胸があると見ていい。・・・・・・日頃からアルヴァロさんに鍛えられてるみたいだし、その鍛錬で身についたのかな?

 

 

 

「よかったですね、怖いお姉さんだって思われなくて」

 

 

 

「あんなこと言われれば怒るに決まってるし、私は他人からどう思われるとか興味ないから。というか、キミが私に対して”そんなふう”に思ってたなんて思わなかったわ。キミにそう思われる様なことなんてしたかしら?」

 

 

 

「僕の水を買ってくれたり、借りなんていらないって言ったにも関わらず『困った時には助けになる』とか言ってくる人が優しくしてないって言うのは無理あると思いますよ?それに、ちゃんと”あの事”も黙っててくれてるみたいですし」

 

 

 

「私はそんなつもりは無いというのに、キミってどこか不思議ね?」

 

 

 

 

少し照れたようにヒナタさんは目線を逸らしながらそう口にする。無愛想な人って印象だったけど、結構この人もこんな顔するんだなぁ〜?

 

 

 

「それで、どうしてここに?」

 

 

 

「子供達があなた達の元に向かっているのが見えて、少し様子を見に来たのよ。リムルはどこかへ行ったみたいだけど、キミは?」

 

 

 

「子供たちだけで開国祭を回らせるのは不安だったそうで、リムルから子供達の面倒を見る様に言われたんですよ」

 

 

 

「仕事は大丈夫なの?」

 

 

 

「個人的な仕事は今日はそこまで多く無いですし、向こうの事はリムルが上手く回してくれるとの事なので、今日くらいは子供達に付き添ってあげようと思います」

 

 

そう、と納得した様子のヒナタさんは、どう言うわけか腕組みをしながら僕の事をジロジロ見てくる。ん?

 

 

「どうかしました?」

 

 

「いえ、そういう格好をしていてもキミの女々しさは変わらないのね、と思って」

 

 

「・・・・・・余計なお世話ですよ」

 

 

そのヒナタさんの一言に若干ショックを受けた僕は一つ溜息を吐く。確かに、今の僕は上下真っ白のスーツを着て、その上から藍色のローブをかけたいわゆる男装をしている。勿論、それで女らしさが消える訳がないことはわかっていたが、いざこうやって他人からそういわれるとやっぱり傷つくというものだ。

 

 

「ヒナタさんは、このあとどう過ごされるのですか?」

 

 

 

「とりあえず、ここら辺の屋台を回ろうと思ってる。どうにも懐かしい食べ物や出し物が多く出されているみたいだし」

 

 

 

屋台が並ぶ街道のほうを見ながら、ヒナタさんはそう話す。確かに、日本の料理を再現した屋台(焼きそば、お好み焼き、たこ焼き等)も多く展開されているし、ヒナタさんが興味を惹かれるのもわかる。僕だって、食べに行きたいし・・・・・・。

 

 

「あ!だったらヒナタお姉さんも一緒に回りましょうよ!せっかくの機会ですし!」

 

 

「う、うん!僕も一緒に回りたい!」

 

 

「?エリスがいるのだし、私の付き添いは必要ないでしょう?」

 

 

「そう言う訳ではなくて、単にヒナタさんと一緒にお祭りを回りたいんだと思いますよ?僕がいるいないは関係なく」

 

 

「・・・・・・ふふ」

 

 

 

珍しく、ヒナタさんが笑みを浮かべる。本人としても、子供たちからそのように言われるのはどうやらうれしかったらしい。

 

 

 

「そういうことなら仕方ないわね。私も一緒に回ることにする」

 

 

 

「「「「「やったー!!!」」」」」

 

 

 

ヒナタさんが承諾すると子供たちは途端に嬉しそうにはしゃぎまくる。僕も内心では少しうれしかった。僕一人で、子供たち全員を面倒見切れるか不安だったし、ヒナタさんとももっと交流を深められる機会が得られたからね。

 

 

 

「(うん、今日は楽しい一日になりそうだ)」

 

 

 

心の中でそう呟きながら、僕たちは屋台の並ぶ街道へと踏み入るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・あれがエリス=テンペスト。魔王リムルを懐柔するなら、やっぱりあの副国主から先に支配するべきなのよ・・・・・・」




ヒナタと一緒にエリスは子供たちのお守りに決定です。この先、というかこの日の夜から彼はずっと忙しいですし、この時間だけは楽しんでもらいたいですね。


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