転生して水になったので存分に楽し・・・・・・水っ!?   作:レイ1020

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リムルにはまだ会いません。


ジュラの森にて

とりあえず僕は、水創造で仮の衣服を作り、何とか裸のまま移動すると言うことは避けられた。仮の服と言っても、簡単なTシャツとズボンを作っただけの手抜きなんだけど、身体を隠すくらいならこれでちょうどいいからね。

 

 

「(へー?水でも服って作れるもんなんだね?)」

 

 

 

《解。『水創造』はこの世の水を利用して様々なものを創造するエクストラスキルです。この世に水が存在する限り、主人(マスター)は無制限で物を作ることが可能となります。》

 

 

 

「(そうなんだ?え、て事は武器とかも作れるって事?)」

 

 

 

《解。武器を作る事は可能です。しかし、大掛かりな武器や物を作る際、主人(マスター)の魔素が大幅に使用されます。主人(マスター)の体内魔素が一定値を下回った場合、強制的に低位活動状態(スリープモード)へと移行します》

 

 

 

「魔素・・・・・・魔力みたいなものかな?(と言うか、低位活動状態(スリープモード)って何?)」

 

 

 

《解。生きるために必要な活動のみを遂行する状態(モード)のことです。低位活動状態(スリープモード)時は、会話や動作、気配の感知などが出来なくなります。》

 

 

 

それってほとんど植物状態に近いんじゃ・・・・・・。とりあえず、武器とかを作る際には気を付けないといけないね。こんなジャングルの中でそんな状態になんてなったら怖くて仕方ないし・・・・・・。

 

 

 

「(『指導者(ミチビクモノ)』さん。僕の今の魔素の量を教えてくれる?)」

 

 

 

《解。主人(マスター)の体内魔素は残り95%。先ほどの《擬人化》にて3%、《水創造》にて2%の魔素を消費しました。》

 

 

 

意外なことにほとんど魔素は減って無かったみたいだった。それならと思い、僕は再び《水創造》を発動した。

 

 

 

「さっきは服をイメージして作ったから、今度は一振りの剣を・・・・・・・・・・・・・・・・・・こんな感じかな?」

 

 

 

ようやく出来たそれは、水色の刀身が特徴的な一つの剣だった。文じゃ分かりにくいだろうけど、地味に1時間近くかかったこともあって、若干疲れた僕だった。なんで作ったかって言うと、もし何か出てきた時のための護身用としておくためだったからだ。もっとも僕に剣術の心得なんて無いんだけどね?

 

 

 

《告。主人(マスター)の体内魔素量が残り90%となりました。》

 

 

 

「剣で5%消費か。そんなに減らなくて良かった。・・・・・・さてそろそろ行こう。まずはこのジャングルを抜けないと・・・・・・」

 

 

 

ある程度の準備が整った僕は、このジャングルを抜けるべく、移動を開始した。

 

 

 

だが、行けども行けども一向にジャングルの中から抜け出れる様子では無く、まる三日経っても未だにジャングルの中を抜け出ること叶わず、彷徨い続けていた。

 

 

 

「(『指導者(ミチビクモノ)』さん。何か人の気配とかあったかな?)」

 

 

 

《否。この範囲に人の気配及び、魔物の気配は確認できませんでした。》

 

 

 

「そっか・・・・・・。何か人を感知できるスキルでも持ってれば良かったのに・・・・・・」

 

 

 

そう嘆こうとも現実は変わらない。幸いなことに、僕は別に食事などを取らなくても問題がない魔物だったため、食べ物が無くて餓死すると言う事は無いらしいが、それとこれとでは話が別であって・・・・・・。

 

 

 

「どうだかな〜・・・・・・」

 

 

 

お先真っ暗なこの状況に内心ため息を吐きながら、今後のことを考えている僕だったが、その時・・・・・・。

 

 

 

 

《警告。主人(マスター)の対象範囲に魔物を感知しました。その数、およそ5。》

 

 

 

指導者(ミチビクモノ)』さんからの警告が頭に鳴り響いた。どうやら魔物が出たようで、こちらに近づいてくるらしい。当然魔物になんて会った事がないし、会いたくもないと思っていた僕にとってそれは驚き以外の何物でも無く、一人ワタワタと慌てていた。

 

 

 

「嘘っ!?どうしよう・・・・・・魔物なんて戦った事ないし・・・・・・・・・・・・ってそんなこと考えてる間に来ちゃった!!」

 

 

 

そうこうしている内に、僕の目の前に魔物が現れてしまった。現れた魔物は『指導者(ミチビクモノ)』さんが教えてくれた通り5頭で、”犬とも狼”とも取れ、体長は2m弱はあるかと言うほど巨大な魔物だった。地味に一頭妙に強そうな長みたいなのもいるし・・・・・・。相手は明らかに僕のことを敵視してるし、低い呻き声まで上げてる。・・・・・・どうしよう?

 

 

 

「(『指導者(ミチビクモノ)』さん。あの魔物ってなんて言うの?)」

 

 

 

《解。種族・《牙狼族》。Cランク級の魔物であり、群れで行動する事が多い魔物です。また、群れと戦闘となる場合、Bランク級の強さになります。》

 

 

 

そうなのっ!?え、僕いきなり結構強そうな魔物と出会っちゃったって事!?次第に足先が震え始め、足がすくみ始めた。

 

 

 

「(ど、どうすればいいのかな?)」

 

 

 

《解。牙狼族は嗅覚や瞬発力、スピードに優れているため、逃げる事は愚策かと。》

 

 

 

「・・・・・・」

 

 

 

うん。つまり『指導者(ミチビクモノ)』さんは僕に戦って死ねと言うのかな?勘弁してよっ!?転生してこんな早くになんて死にたくないよ!?・・・・・・はぁ〜〜、だったらもうやる事は一つしかないよね・・・・・・。

 

 

 

僕は覚悟を決め、先ほど作った水剣を抜いた。

 

 

 

「自信ないけど、生きるためなら・・・・・・なんだってやってやる!『指導者(ミチビクモノ)』さん!この水魔人って何か特性みたいなものって無いの?」

 

 

 

《解。種族・《水魔人》は固有スキル《熱無効》、《自己再生》、《痛覚無効》を所持しています。》

 

 

 

「(なるほど。水だから火は効かないってことか。自己再生もついているのはありがたい。これなら多少怪我をしてもすぐに治るかな。なら、この特性を生かして戦っていくとするか!)」

 

 

 

戦う方針を決めた僕は、改めて目の前の魔物と対峙する。すると、向こうもこっちが戦う気になったとみるや、一斉にまとめて僕に襲いかかってきた。だが、ただ闇雲に襲いかかってきてると言うわけでは無くて、一匹一匹が僕の行動を封じるかのようにして僕を包囲し、いつでも僕のことを噛み殺せるとでも言わんばかりに瞳をぎらつかせていた。

 

 

・・・・・・なるほど。群れになるとBランクになるって言う話は本当みたいだね。一匹一匹の頭も良いみたいだし、動きも予想以上に機敏。どうする?

 

 

 

《告。エクストラスキル《水操作》にて、攻撃術《水刃》を発動可能となりました。実行しますか?Yes/No?》

 

 

 

「そんなことできるの?それなら・・・・・・Yes!!」

 

 

 

僕が叫ぶと同時に、僕の掌から一筋の水の斬撃が群れの一頭に向かって放たれた。その斬撃は一直線に魔物に飛んで行き、その魔物の頸を綺麗に跳ね飛ばした。・・・・・・え?ずいぶんと強く無い?これ?

 

 

 

「ガルッ!?」

 

 

 

「《水刃》!!」

 

 

 

突然の僕の反撃に戸惑ってる魔物達の隙をつき、僕は再び《水刃》を放つ。今度は先ほどよりも力強く斬撃を出すイメージでやったため、大きな水の斬撃が魔物達を襲った。その斬撃により、4頭のうち2頭を討ち取る事ができ、勝てる光明が見え始めてきたことを実感していた。

 

 

 

「向こうもどうやら戦意が削がれ始めてきたみたいだ。だったらなおさらチャンス!行くぞ!!」

 

 

 

今がチャンスとばかりに僕は魔物達に襲いかかった。魔物達も今まで遠隔距離からの攻撃ばかりだった僕が突然前進してきたことに戸惑ったのか、動きが鈍っていた。当然そんな好機を僕が逃すはずもなく・・・・・・。

 

 

 

「やあっ!!!」

 

 

 

僕の水剣が火を吹いた。水なのに火を拭くってどうなのかと思うけど、とにかく僕の水剣が一頭の頸を刈り取った。だが、長?の方はやはり他の魔物達よりも強いのか、剣を当てられはしたものの、頸を取る事は叶わなかった。だが、それでも剣を当てられた衝撃は凄かったようで、近くの木に吹き飛ばされてしまった。

 

 

 

「ふぅ・・・・・・意外となんとかなったか。・・・・・・さて、また何かに会う前に離れないと・・・・・・」

 

 

 

水剣をしまい、いそいそとその場を離れることにした僕は、魔物達の屍を避けつつ先に進もうとした。・・・・・・だが、そんな僕にどこからとも無く声がかけられる。

 

 

 

「ま、待ってくだ・・・・・・さい・・・・・・」

 

 

 

「・・・・・・へ?」

 

 

 

僕は移動する足を止め、声のした方へ振り返ると、そこに見えるのは先ほど木に向かって吹き飛ばした牙狼族の親玉?さんだった。あ、そういえばこいつに関してはとどめさして無かったんだっけ?ま、襲ってくる気配は無いし、無理に殺しはしないけど。・・・・・・というか、魔物って喋るんだ。初めて知ったんだけど?

 

 

 

「何故・・・・・・ワタシを殺さないのですか?殺しても良いはず・・・・・・」

 

 

 

「何故って・・・・・・別に今のキミに敵意が微塵も感じないからかな?僕は別に相手が何もしないなら危害なんて加えないし、殺しなんてしないよ。・・・・・・それに・・・・・・」

 

 

 

僕は何かを言う前に静かに親分さんのもとに歩み寄った。急に近づいてきた僕に、親分さんは困惑じみた表情を浮かべるだけだった。

 

 

 

「キミは始めっから僕を脅しはしてたけど、攻撃はしてこなかったでしょ?だから、別にキミに関しては殺す必要は無いかなって思ったんだよ。危害を加えられたわけじゃ無いし」

 

 

 

「・・・・・・そうですか。ええ、そうです。もともとワタシは貴方に危害など加える気などありませんでした。ワタシ達はとある事情で急いでいた事もありましたので。・・・・・・それにも関わらず、この子達ときたら旨そうな魔素を持った奴がいるから喰いに行くと聞かないものですから、渋々ついて来たのですよ・・・・・・」

 

 

 

「魔素?魔素を食べるの?」

 

 

 

「はい。ワタシ達牙狼族は、魔素を吸収することを食事としているのです。魔素を多く持っている者ほど好んでワタシ達は食べます。・・・・・・貴方のように大量の魔素を持っている魔物は特にです・・・・・・」

 

 

 

「・・・・・・僕って魔素の量多かったの?」

 

 

 

《解。この世界の体内魔素量の平均値を主人(マスター)は大幅に超えています。》

 

 

 

ああ・・・・・・そうなのね。・・・・・・って事はもしかしたら今後もこうして同じ魔物に狙われる可能性もあるってわけだ。・・・・・・魔素量が多ければ良いってわけでも無いわけね。気をつけないと。

 

 

 

「そういえば、さっきとある事情って言ってたけど、それって何なの?」

 

 

 

「っ!そうでした!早く父上の元に向かわないと!」

 

 

 

「父上?それってキミ達の長かな?」

 

 

 

「ええ。ワタシの父は牙狼族の長です。今は一つのゴブリンの村を襲撃するために移動を始めてるらしく・・・・・・」

 

 

 

「ゴブリンの村?(ゴブリンってゲームとかでよく出てくるあの魔物のことかな?)なんで襲撃するの?」

 

 

 

疑問に思ったので素直に聞いてみることにした。

 

 

 

「ワタシ達は豊かな土地を求め、南の大地に向かおうとしているのです。その際、この森ジュラの森を抜けなくてはならず、とりあえずこの森を通り抜ける足がかりとして近くのゴブリンの村を滅ぼそうと言うことになりました。父上達とは別に行動していたワタシ達も急遽呼び戻され、急ぎでここまできたのですが・・・・・・」

 

 

 

「その時に僕に会ったってわけね?」

 

 

 

その魔物はコクリと頷く。運が悪かったといえばそれまでだけど、先に喧嘩を吹っかけてきたのはそっちだから何も言えない・・・・・・。あ、そうだ!

 

 

 

「ワタシはとにかく父上の元に急ぐことにします。貴方は・・・・・・」

 

 

 

「ね、よければ僕も一緒に連れて行ってくれないかな?キミのお父さんのところに」

 

 

 

「・・・・・・はい?何故ですか?」

 

 

 

「いや・・・・・・理由がどうであれ、一族を殺しちゃったわけだし、一応の謝罪をしようと思って・・・・・・」

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・ふふっ」

 

 

 

・・・・・・うん?今笑ったよね?絶対この子笑ったよね!?なんで笑うわけさ!?

 

 

 

「どうかした?」

 

 

 

「いえ・・・・・・あんなにお強いのに随分の慈悲深い方なのだと思っただけです」

 

 

 

あ、そう言うわけね。それなら良いけどさ。と言うか普通だれかを誤って殺したんだったら謝りに行くのが筋って者でしょ?慈悲深いとまで言われるくらいかな?

 

 

 

「・・・・・・分かりました。では、背中にお乗りください」

 

 

 

笑い終えたこの子はそっと身をかがめ、僕に背中に乗るよう促した。お言葉に甘えた僕は、背中に跨るようにして乗った。

 

 

 

「では、行きますよ!」

 

 

 

「うわっ!!」

 

 

 

掛け声と同時に駆け出したそのスピードは僕の予想の範疇を遥かに超えていて、しがみ付いていないと吹き飛ばされてしまうほどに凄まじかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そろそろ目的の村に到着します」

 

 

 

「そ、そう・・・・・・。死ぬかと思った・・・・・・」

 

 

 

数十分後、ようやく目的のゴブリンの村に到着した。正直何度転げ落ちそうになったか分からないが、気合と根性でなんとか耐える事が出来ていた。その代わり、身体と精神がかなり疲弊してしまっているが・・・・・・。

 

 

 

「おそらくですが・・・・・・もう既に父上達が村を・・・・・・・・・・・・っ!!!」

 

 

 

「ん?どうかし・・・・・・た?」

 

 

 

驚愕にも似た驚きの表情を見せたこの魔物に疑問を抱いた僕は、彼女が見ている方角に視線を移してみた。・・・・・・すると、そこに映っていたのは・・・・・・。

 

 

 

「父上・・・・・・。そんな・・・・・・」

 

 

 

「・・・・・・」

 

 

 

彼女のお父さんと思わしき牙狼族の長が、何者かによって頸を落とされる光景だった。




ユニークスキル・『指導者(ミチビクモノ)


主人を導く存在。あらゆる事象を網羅する『森羅万象』を始めとした、『解析鑑定』や『並列計算』、『詠唱破棄』、『思考加速』などを内包している。同系統スキルである『大賢者(エイチアルモノ)』と似ているが、『大賢者(エイチアルモノ)』が知覚速度を通常の1000倍にする『思考加速』を持つ中、このスキルは通常の500倍にする『思考加速』を持っている。現状としては、『大賢者(エイチアルモノ)』よりも少し劣るスキルという位置づけとなっている。

クロスオーバーする作品はどれが良い?

  • モンスターハンター
  • ポケットモンスター
  • ドラゴンクエスト
  • クロスオーバーは無しで!
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