終盤はもしかしたら文が拙くなってるかもしれません。改善しようとしたんですけど、文才が無い僕からしたらこれ以上は改善できそうに無かったので、どうかこれで多めに見てください!
『応援者』の発動と同時に、僕の体からは今まで以上の眩い光が溢れ出し、その光が辺り全体を覆い尽くしていった。
「よし、行くぞっ!!」
僕の『応援者』の効果により、この場にいる全員の強化がなされた後、リムルの号令でみんな一斉に豚頭魔王へと向かって突撃した。そのスピードは今までとは全く違うと言っていいほど凄まじく速かった。
「(8割の魔素を使ってるんだから当然って言えば当然なんだけどね・・・・・・)くっ・・・・・・それにしても、流石にきついね・・・・・・」
「エリス様、大丈夫っすか?」
大量の魔素の消費で足元がふらつく僕を、近くにいたゴブタが支えてくれた。我ながら情けないなぁ・・・・・・。
「ありがと。僕は大丈夫だから、ゴブタもみんなを援護してやってくれ。キミの力もきっと必要になるだろうから」
「そ、そうっすか〜?へへ〜、なら行ってくるっす!」
”自分の力も必要になる”、そう言われて嬉しかったのか、ゴブタはにぱっと顔を輝かせ僕の元から離れると、先程のみんなのように豚頭魔王に向けて突撃していった。さっき僕が言った事は決して嘘ではない。ゴブタは、ベニマル達鬼人には流石に及ばないものの、それでも『応援者』の恩恵を受けている今の状態であれば、ランクA級の魔物に対しても遅れを取らないほどの実力へと成り上がるんだ。もちろん、それでも豚頭魔王に勝てるかは微妙だけど、少なくともかなりいい戦力になる事は間違いからね。ゴブタにはなんとか頑張ってもらいたい。
「僕は僕で、できる事をしないと・・・・・・とりあえず、無駄な魔素の消費を抑えるために、『水結界』は解いておこう・・・・・・」
魔素を大量に消費したことで、もうあまり大量に魔素を使用するスキルは使えなくなってしまった僕は、とりあえず常時発動していた『水結界』を解き、無駄な魔素の消費を抑えることにした。ぶっちゃけて言うと、あともうちょっとでも魔素を使えば間違いなく僕は低位活動状態へと入るだろう。そうなってしまえばもう僕には何もできないため、それだけは何がなんでも防ぎたかった。
「まぁ、こんなものかな。さて・・・・・・戦局の方は・・・・・・・・・・・・うん、かなり押してるね」
ようやく一息つけた僕は、戦局がどうなってるかを見てみた。やはりと言うか、当たり前だけどベニマル達はあの豚頭魔王に対しても互角以上の戦いが出来るほどに・・・・・・いや、正直言って彼らの方が強くなってると思うが、とにかくそんな戦いを繰り広げていた。そりゃ、Aランク級の魔物の中でも上位に位置する鬼人である彼等が、今回の規模のような『応援者』で強化されれば必然的にそうなる。今まで攻撃をする際に厄介になっていた豚頭魔王の『自己再生』も、『応援者』の効果で今までに無いくらいの強化を施された彼等からすれば、そんなの無いにも等しかった。現に、今もシオンが斬り落とした片腕をなんとか再生しようと豚頭魔王は苦心しているが、再生しようとする度に次々とベニマルやハクロウの爆絶強化された攻撃が襲ってくるため、流石に再生が追い付かなくなっていた。さらに、ソウエイのスキルである『操糸妖縛陣』のせいで動く事を制限されてしまっているため、もうやられ放題だった。だけど、そんな彼等を差し置いてやばかったのがいた。それは・・・・・・。
「『炎化爆獄陣!』」
察している人も居ただろうけど、案の定それはリムルだった。元々規格外に強かったリムルだから、強化されれば当たり前のように強くなる。だけど、なんだろう?いつものリムルとどこか違う気がするんだよね?なんか以前よりもスキルの使い方が上手くなってる気がするし・・・・・・。
「(指導者さん、リムルの様子がどうもおかしい気がするんだけど?)」
《解。個体名リムル=テンペストは現在、一時的に身体の使用権限をユニークスキル『大賢者』に委ねたことにより、自動戦闘状態へと移行している模様。それにより、不必要な思考、感情、情報などは全て遮断されています。》
「(えっ!?リムルってそんなことまで出来たの?・・・・・・・・・・・・ちなみに聞くけど、僕もそれって出来たりする?)」
《解。自動戦闘状態へと移行する事は可能ですが、現在の主人の保有魔素量では移行したとしても、すぐに自動戦闘状態を継続する魔素が尽きてしまい、自動戦闘状態を中断することとなる為、実質今現在の段階で主人が自動戦闘状態へ移行するのは不可能です。》
ですよねー。僕も半ばわかって聞いたから特にショックは無かった。一応僕も自動戦闘状態へ移行することができると言う情報を得られただけでも良しとしないとね。それにしても自動戦闘状態か〜。ただでさえ強いリムルに『応援者』と『大賢者』の力が加わりでもすれば、もうどんな魔物でも倒せるんじゃ無いかな?たとえ魔王だって・・・・・・って、それは言い過ぎだよ・・・・・・
「『黒炎!』」
・・・・・・・・・・・・案外間違ってないかもね。さっき『世界の言葉』が豚頭魔王がリムルの『炎化爆獄陣や、ベニマルの『黒炎獄』を喰らい続けたことによって、スキル『炎熱攻撃耐性』を身に付けたって通告したにも関わらず、リムルの強化された『黒炎』はそれを歯牙にもかけず、豚頭魔王を焼き尽くして行ったんだから・・・・・・。焼き尽くされた豚頭魔王は低い呻き声を上げながら、ゆっくりと膝を地面へとつける。・・・・・・改めて思うけど、『応援者』ってかなり有能なスキルだよね?さっきまで劣勢だった戦局がこのスキルで一気に形勢逆転しちゃうんだから。・・・・・・その分、僕への負荷はやばいけどね。
「そろそろ・・・・・・眠れ。『捕食者』!」
《告。個体名リムル=テンペストが自動戦闘状態を解除しました。》
自動戦闘状態の時間切れか、自主的に解除したのかはわからないが、とにかく元の状態へと戻ったリムルが、とどめと言わんばかりに『捕食者』を発動する。最早豚頭魔王は虫の息同然の様子だった為、放っておいてもじきに死ぬとは思ったけど、リムルがなんの意図があって『捕食者』を発動したのかは理解できなかった。そうこうしているうちに、リムルの『捕食者』はみるみるうちに豚頭魔王包み込んでいき、最終的には体全体を覆い尽くすようにして豚頭魔王を飲み込んでいった。
・・・・・・そんな時、ふと僕の頭の中に何やらどこぞの風景が浮かんできた。なんだろうこれ?寂れた土地に煤けた草木、泣き喚くオークらしき子供達、それを見た体の大きなオークが自分の手を引き千切ってその手を子供達に食べさせている光景・・・・・・それらすべてが僕の頭の中に流れ込んでくる。そして、今僕の・・・・・・正確にはリムルの目の前に豚頭魔王が立っていた。・・・・・・これは一体?
《解。現在主人は、『応援者』の追加効果により、スキルの対象となった個体名リムル=テンペストの精神領域に干渉をしています。今見ている風景や光景は、リムル=テンペストがユニークスキル『捕食者』を使用したことによる豚頭魔王への干渉からもたらされたものです。》
う〜ん?つまり、豚頭魔王の精神の中に入ったリムルに僕が干渉したってことでいいのかな?『応援者』にそんな追加効果があるなんて聞いてなかったけど?
《解。スキル対象に干渉するためには、最低でも50%の魔素の消費が絶対です。》
あー・・・・・・なるほどね。確かに今まではビビって使っても3〜4割程度の『応援者』しか使ってこなかったもんね。その追加効果が発動しないのも納得だ。だからと言って、それを知っても今後5割以上の『応援者』を発動するかと言ったら・・・・・・・・・・・・うん、多分渋るね。だって、干渉って言ったってこうやって誰かの精神の中に入り込んでただそこで何があったのかを一緒に見ることが出来るだけで、そのほかに特にメリットが無いんであれば、無理に使う必要なんて無いからさ?
《解。干渉をした際には、その対象が得た魔素、経験、スキル、身体能力、記憶、それらすべてが主人にも共有されます。》
「・・・・・・」
そういうことは先に言って欲しかった・・・・・・。えっ?なに?リムルが得たスキルとか魔素とかを僕まで貰えるってこと?何それチート?ってことは今までベニマル達が倒していたオーク達の経験値とかも全部僕にも受け渡ってるってことになるよね?何なのそのポ◯モンの世界にある”経験値譲渡道具”みたいなシステムは・・・・・・。
「・・・・・・って、今はそのことは後にしよう。今は目の前のことをしっかりと見ておかないと・・・・・・」
すっかり自分のスキルに夢中になり、目の前の光景を全く見てなかったことに気づいた僕は、改めて豚頭魔王・・・・・・ゲルドの過去を見た。ゲルドの過去は何とも切なかった。ゲルドは同胞であるオークやその子供たちの飢えを凌ぐため、一人食事を求め旅に出たことが、今回の騒動の元凶であるゲルミュッドと出会うきっかけとなった。同胞たちが飢えているのであれば、当然自分も飢えていることに変わり無いため、ゲルドは旅の道中で空腹に敵わずに倒れてしまうのだが、そこでゲルミュッドに出会い、従うのと引き換えに食事と名を与えられたのだとか・・・・・・。名を与えられた事により豚頭帝へと進化を果たしたゲルドは、進化の際に獲得した『飢餓者』が飢える仲間を救えるスキルだと知ると、ゲルミュッドの思惑も半ば理解しながらもそれしか同胞の仲間を救える手段を知らなかったゲルドはそれに賭けるしか無かったそうだ。
「オレに残された道など無い。オレは同胞たちを守るために、今ここでスライムである貴様に喰われるわけには行かんのだ。オレがここで崩れれば、今までのオレの罪・・・・・・様々な魔物を喰らったこと・・・・・・ゲルミュッド様を喰らったこと・・・・・・同胞までも喰らったこと・・・・・・そのすべての罪を我が同胞に背負わせることとなってしまう。それだけは何としてもさせたくは無い!」
「心配するな。お前が死んでもお前の同胞たちに罪を背負わせたりなんて絶対にさせねーから。俺は『捕食者』だからな。お前の罪も、お前の同胞達の罪も、全部俺が喰らってやるさ。無理だなんて言うなよ?俺は欲張りだからな。絶対に喰らってみせる!・・・・・・だから、もう安らかに眠れ。お前はもう・・・・・・自由なんだ」
「・・・・・・・・・・・・何とも強欲な者よ。だが・・・・・・感謝する・・・・・・心優しきものよ・・・・・・我が同胞たちを・・・・・・よろしく頼む・・・・・・オレはもう眠る・・・・・・・・・・・・もう、オレの飢えは・・・・・・・・・・・・満たされた・・・・・・」
リムルの覚悟とも取れるその発言に、ゲルドもどこか安心しきったのか、リムルに対する抵抗をやめ、その場で崩れ落ちていき・・・・・・眠るようにして息を引き取った。最期のゲルドの顔は、豚頭魔王としてのゲルドでは無く、同胞たちのことを何より大切にし、家族のようにして接していた心優しき彼らの長であった、ゲルドそのものだった・・・・・・。
そして、それと同時に僕の頭の中から先程の光景が消失した。おそらくゲルドの意識がリムルの中から消失したことで、僕の干渉も終了したからだろう。意識を現実世界に戻してみると、そこにはゲルドの捕食を終えたリムルがスライム形態から人型へと変化して、こちらへと戻ってきている光景が目に入った。そして、リムルはみんなに向かって、高々と宣言した。
「この戦いは、俺たちの勝利だ!!」
オーク達との長きに渡る戦いは、これにて終わりを迎えるのだった。