転生して水になったので存分に楽し・・・・・・水っ!?   作:レイ1020

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今回は短めです。


ヨウム英雄化計画

ヒューズさん達を魔国連邦(テンペスト)に招いた僕たちは、リムルや他の重鎮達を会議室に集めた後、そこで改めて今回訪問に来た目的などを全て話して貰った。

 

ヒューズさん達4人の目的は主に、この国、魔国連邦(テンペスト)の調査と、オークロード討伐の真相を探るためだったのだとか。オークロードの討伐の噂はどうやら、人間国であるブルムンド王国にも広がっていたようで、今回はギルドマスターであるヒューズさんが直々に真相を探り、魔物の国である魔国連邦(テンペスト)が自分の国に脅威をもたらす国であるかを見極めるために、エレンさん達3人に護衛をお願いしてここまで来たらしい。だけど、その他の人達の目的はどうやら違うようだった・・・・・・。

 

 

 

「あんたらの目的は分かった。・・・・・・で、そっちの兄ちゃん達は何しにここまで来たんだ?」

 

 

 

「あん?・・・・・・話してやってもいいが、その前に一つ言わせろ。・・・・・・何でスライムが話してんだ?普通話さねーだろ?おかしくねーか?」

 

 

 

「はっ?今はそんな事どうでも良いだろ?早く話せって」

 

 

 

「ふっ・・・・・・」

 

 

 

リムルが視線を向けた男の人の何とも・・・・・・ごもっともな質問に僕は少し笑ってしまう。確かにリムルを初見で見た人は誰だってそう思うはずだけど、こうして面と向かってはっきりと口に出した人はいなかったから、面白かったんだ。スライムは普通は話さない・・・・・・うん、間違い無く正論だ。その事についてはリムルも僕も特に否定も咎める事もしなかったけど・・・・・・とりあえず、隣で今にも剛力丸を抜きそうになっているシオンを抑える事にしよう。

 

 

 

「リムル様への無礼は許しませんよ?」

 

 

 

「まぁまぁ、抑えて抑えて。で、話を戻しますが、あなた方は何をしにここまで来たんですか?」

 

 

 

「団長のヨウムさんが失礼をしました。私たちはファルムス王国から来た調査団で、私はお目付役のロンメルと申します。どうかよろしくお願いします」

 

 

 

ロンメルと名乗った、眼鏡をかけた一人の男性から事情を説明して貰ったところ、ここにいる人たちは何とも不憫な扱いを受けていたことがわかった。ここにいる人たちは全員、騒動となったオークロードの調査のためにこの森に来た辺境調査団らしいのだけど、この人たちは本来の辺境調査団ではなく、雇い主である二ドル伯爵が調査団を組織するために必要なお金と時間、人員、装備を渋ったがために、矯正施設に収容されている人を強制的に駆り出し、満足な装備も与えられぬまま(安い装備ということ)、こうしてここまで即席の辺境調査団として調査に来させられたんだとか。それに、お目付役のロンメルさんにはヨウムさん達が裏切らないよう、強制的に命令に従わせる魔法、”契約魔法”を使用する事を強制されてまでいたそうだ。まぁ、オークロードは既に倒してるから、この調査も無意味に終わることになるのだけどね?

 

 

 

「おいおい・・・・・・お前らのことの雇い主はとんでもなくどうしようもない奴だな?会った事ないが、その話を聞くだけでもどうしようも無いクズだってのが予想つくぞ?」

 

 

 

「それは同感だな。ロンメルの話じゃ、あのアホ伯爵は防衛の強化に充てるべき国の援助金も着服してたって話だ。だから、今回のオークロード出現の話が出た時も何の対策もしてなかったから、急遽今回は、俺たちのようなゴロツキが調査団として情報を集めるために編成されたってわけだ。わかったか?」

 

 

 

「分かりました。・・・・・・けど」

 

 

 

「エリス?」

 

 

 

ヨウムさん達の言っていることはよく分かった。だけど、一つ納得できないことがあった。それは、ヨウムさん達が言っていた伯爵のこの調査団に対する扱いのことだ。何が言いたいかと言うと、この調査団は言って仕舞えば・・・・・・。

 

 

 

「それじゃ、あなた方は”捨て駒”として扱われていることと同義じゃ無いですか。今の話を聞く限りじゃ、情報を集めさえすればあとはどうにでもなれ、みたいに思ってるとしか思えないんですけど?リムルもさっき言ってましたけど、その伯爵さんはどうしようも無い程のクズの様ですね?・・・・・・”人の命を何だと思ってるんですかね”?」

 

 

 

「「「「っ・・・・・・」」」」

 

 

 

僕の、怒気を滲ませたその言葉に場の空気が凍った事を悟った。おそらく、少々その伯爵に対する殺気みたいな物が勢いで出てしまったんだろう。みんなには申し訳ない事をしてしまったね・・・・・・。

 

 

 

「エリス。その辺にしておけ。みんなビビってるからさ?」

 

 

 

「うん、ごめん。・・・・・・失礼しました。ですが、僕はその伯爵さんのやり方と強欲さ、あなた方への扱いには納得いってませんので、そのつもりでいて下さい」

 

 

 

「あ、ああ・・・・・・(こいつ(エリス)を怒らすのはよしたほうが良さそうだな・・・・・・)」

 

 

 

「悪かったな。でだ?ヒューズだっけ?オークロードの討伐の噂と真相はどの程度広がってるんだ?」

 

 

 

「混乱を招く事を防ぐため、一般的には発表はしておらず、国王や一部の大臣にのみお伝えしております」

 

 

 

「そっか。なら好都合だ!」

 

 

 

オークロードのことがそこまで広まってない事を知ったリムルは、妙にニヤついた表情でそう言った。あ、この表情の時は・・・・・・また何か妙なこと企んでるな?どうやら、他の重鎮達も僕と同じ考えのようで、呆れ顔の人もいれば、薄く笑みを浮かべている人もいた。

 

 

 

「ヨウム、だっけ?お前・・・・・・()()になる気は無いか?」

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・はっ?」

 

 

 

何言ってんの?リムルさん?・・・・・・どう言うことか詳しく説明して下さい。

 

 

 

 

 

––––––––––––––––––––––––––––––––––

 

 

 

 

リムルにどう言うことなのか説明をして貰った所だと、簡単に言うとオークロードを討伐した功績を、この目の前にいるヨウムさん達調査団のものにしたいとのことらしい。そのリムルの考えに最初は戸惑った僕だったけど、すぐにリムルの考えに察しがつき、納得の意を評した。オークロードを討伐したのはあくまでも僕達”魔物”だ。魔物である僕達が災厄級の魔物と称されている、オークロードを討伐したと世間で広まって仕舞えば、今度は僕達が人間や他の種族の脅威になるという噂が広がってしまい、僕達の目標である”多種族間での共存共栄”がまた一歩遠ざかってしまうと言う事態に陥ることとなる。

 

リムルはおそらくそれを考慮して、あくまでも僕達の国は、『オークロードに勇敢にも挑んだ若者達に武器や防具、食料と言った物資を提供した魔物の国』として、他の国々に認識してもらおうと考えたんだろうね。僕としては、この案には大賛成だ。そうすれば、少なくとも僕達の国に対する人間国の印象は良いものへと変わるはずだから。他のみんなも特に異論はなさそうだ。ブルムンド王国のヒューズさん達もどうやらこれに関しては賛成のようで、後で国に戻ったら周辺諸国に僕達のさっき言った噂を流してくれるそうだ。・・・・・・後は当のヨウムさんだけだけど・・・・・・。

 

 

 

「んなこと急に言われたって・・・・・・できるわけねーだろ?」

 

 

 

「リムルも強制している訳ではありません。あくまでもこちらはあなたに”お願い”をしているだけですので、無理なら無理でそれはそれで構いません。ですが、少し考えてみてはくれませんか?あなたがこの案を呑んでくれれば、双方にとって少なくともメリットはあります」

 

 

 

「そう言う訳だ。何なら何日かここに滞在して貰って構わないから、この国を見学して行ったらどうだ?せっかく来たんだし、俺もお前達にはこの国のことをよく知ってもらいたいしな」

 

 

 

「・・・・・・分かったよ。俺が英雄になるかならないかは、この国を見てから決める。・・・・・・それで良いだろ?」

 

 

 

「ああ。分かった」

 

 

 

それからヨウムさんは、数日かけてこの国魔国連邦(テンペスト)を調査もとい見学をして行った。最初は嫌な印象を持っていたヨウムさんだったけど、この国の発展具合、活気、生活環境、交易、製造、栽培、住民・・・・・・の様子を間近で見て行った結果、徐々にこの国のことを認めるようになり、いつの日か、あれだけ曇っていた表情も、国の住民の溢れんばかりの笑顔に触発されてか、満面の笑みを浮かべながらこの国の見学を満喫するまでになっていた。

 

 

 

そして・・・・・・さらに数日後。僕とリムルはヨウムさんに近くの高台まで呼び出されたため、そこでヨウムさんと話をした。

 

 

 

 

「リムルさん、エリスさん。俺はな?口では達者なこと言うくせに、大した事も出来ねーような奴が大っ嫌いで信じられねーんだ。・・・・・・あの豚伯爵みたいなやつが良い例だな」

 

 

 

「「それは全く同意(です)」」

 

 

 

「だがな?国の為を思い、住民の為を思って一途になって支えようとしているアンタらなら・・・・・・俺は信じようと思ってる。俺はアンタらのことはまだよく知らねーが、この国の奴らのアンタら二人への並外れた忠誠心と信頼性を目にして、少なくともアンタらはあの伯爵とは違うってことがよく分かったよ。口だけじゃなくて、それを為せるだけの力があり、人望もあるってことがな・・・・・・」

 

 

 

「え?・・・・・・ってことは?」

 

 

 

僕が促すと、一泊置いてヨウムさんが口を開いた。

 

 

 

「ああ。アンタらのその案、呑んでやるさ。英雄にでも何でもなってやるよ!」

 

 

 

「そう言ってもらえて嬉しい。今後ともよろしくな、ヨウム!」

 

 

 

「よろしくお願いしますね、ヨウムさん!」

 

 

 

「へへっ、おうっ!!」

 

 

 

こうして、ヨウムさんが承諾したことにより、『ヨウム英雄化計画』が進むこととなるのだった。とは言ってもすぐに実行する訳にもいかず、色々とこちらも準備をして体制を整える必要があったから、とりあえず実行するのは先送りとなった。それに、ヨウムさんにも英雄に相応しい姿になってもらうべく、色々と矯正やら鍛錬やらをやってもらう必要があるため、実行に移すのはそれが完全に為された時だろうと思っている・・・・・・。




「なぁ、リムルの旦那がスライムだってのは分かったんだが、アンタはどんな魔物なんだ、エリスの旦那?」


「あぁ・・・・・・この姿じゃ分からないですよね?ちょっと待って下さい・・・・・・はい、これが僕の本当の姿です」


「はっ!?水っ?アンタって水の魔物だったのか?」


「そうです。普段は動きやすさも考慮して人型になってますけど、本来の姿はこんな感じです。・・・・・・まぁ、驚きますよね。僕も始めはめちゃくちゃ驚いたし・・・・・・」



「何というか・・・・・・不憫だな、アンタも」



「憐れむような目で見ないでください・・・・・・悲しくなってくるので・・・・・・」



ヨウムさんに僕の正体を知られた僕は、何とも微妙に悲しくなった・・・・・・。

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