転生して水になったので存分に楽し・・・・・・水っ!? 作:レイ1020
視点 エリス
「よしよし、もう大丈夫だからね?・・・・・・まだどこか痛むかな?」
「ううん!エリス様のおかげで転んだとこの痛さなんてどこかに行っちゃったよ!ありがと!」
「うん、よかった。じゃあ、気をつけて帰ってね」
「バイバイ!」
ゴブリンの少女のその嬉しそうに駆けていく姿を見て、僕はすっと笑みを浮かべる。彼女はさっきまで、町の道端で転んでべそをかいていて、偶然通りかかった僕が『
「僕がいない場所で怪我をされても、困るし・・・・・・どこか、前世で言う”病院”みたいなところがあれば良いんだけど・・・・・・」
「病院?それは何ですか?」
「うん、それはね・・・・・・って、カレン!?いつの間に・・・・・・」
「いつの間にって・・・・・・最初からおそばに居たではありませんか。もしかして、近衛兵である私の存在を忘れられてたのですか?」
妙に黒い笑みを浮かべながら僕に詰め寄ってくるカレンに、僕は身震いしてしまう。あ、そういえば僕の家からずっとカレンには護衛として付き添って貰ってたんだっけ?・・・・・・さっきの子供の治療に集中してて、すっかり忘れてた・・・・・・。ちなみに、セキガは今日は別件の用があってこの場には居ない。
「ご、ごめんごめん。・・・・・・で、病院だっけ?それは怪我をした人とか、病気に侵された人とかを治療するためにある医療施設だよ。もし、そんな所があれば、僕もそこでみんなのことを治療できるのにな〜・・・・・・って思ってさ?・・・・・・カイジン達に相談でもしてみるかな〜?」
「なるほど・・・・・・それは名案ですね。その病院(?)が成り立てばエリス様の偉大さがもっと際立つでしょうし、住民の皆さんの怪我事情も解決します。早速実行に移しましょう!私は早速、カイジンさん達やシュナさん達に相談してきます!」
何故か目をキラキラ輝かせたカレンは、すごい勢いでその場から離れていった。
「へっ!?あ、カレンっ!?・・・・・・行っちゃった。護衛の任をほっぽりだして良かったのかな?・・・・・・それに、カイジン達はわかるけど、なんでシュナ達にまで相談に行く必要あるんだろ?」
その理由は、数日後に分かることとなるのだった・・・・・・。
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「す、凄い・・・・・・たった数日で・・・・・・」
カレンがカイジン達に病院の設立について掛け合ってくれた数日後、カイジン達はいつものように電光石火の勢いで僕のイメージした通りの病院を作り上げてくれた。とは言っても、そこまで規模の大きな病院ではなく、どちらかといえば、少々小さめの医院と言った感じにして貰った。治療するのはあくまでも僕一人だから、そこまで規模を大きくしても仕方が無いという結論に至ったからだ。外壁はシンプルに白色で構成されていて、医院の中は”二部屋”で出来ていた。一つは僕が治療をする診察室。もう一つは待機と受付を行う受付室だ。
「どうだ、エリスの旦那。俺たちからしてもかなりの出来栄えだと思うが?」
「うん、バッチリだよ!ありがとカイジン、みんな!」
僕の想像を超える医院を作り上げたカイジン達にはしっかりとお礼を言い、カイジン達には帰って貰った。残った僕は、もう少しこの医院のことを眺めていたかったので、その場でしばらく佇んでいた。・・・・・・だが、そんな時だった。
「エリス様ー!!」
「ん?あれ、シュナ?どうかしたの?」
どこか慌てた様子で、シュナが僕の元へとやってきた。・・・・・・急ぎの用事でも出来たかな?
「カレンさんから頼まれていた、エリス様の
「・・・・・・はっ?試着?え、どういうこと?」
「話は後にしましょう!まずは来て下さい!」
「い、いや、状況を説明してってー!!」
訳もわからないまま、僕はシュナに何処かへと連れて行かれることとなった。・・・・・・というか、試着って言ったよね?・・・・・・この展開・・・・・・もしかしなくても・・・・・・。
「すっごく似合っています!エリス様!」
「やっぱこうなるよねー・・・・・・」
前回と同じように、製作工房にまで連れてこられた僕は、早速お着替えをさせられた。で、今着てシュナに似合ってると言われたのが・・・・・・僕の
「この衣装の案を出したのは?」
「リムル様です!」
「だよね・・・・・・」
僕の時代の医者の姿形を知ってるのはリムルしかいないし、特に驚きは無かった。まぁでも、この衣装なら特段恥ずかしい事もないし、医院にいる時はこれを着用していよう。・・・・・・とりあえず、作ってくれたことにお礼を言おうと、シュナに視線を向けると・・・・・・そこには先ほどよりもさらに満面の笑みを浮かべたシュナが・・・・・・もう一つ、絶対に”医者、もしくは医療関係者だと思われるような衣装”を手に持っていた・・・・・・。・・・・・・もうわかるよね?白衣以外の医者にまつわる衣装と言ったらもう一つしかないし・・・・・・。
「エリス様!こちらの衣装もどうかお着になっては頂けませんか?」
「シュナ。・・・・・・一応聞くけど、それって・・・・・・」
「リムル様の話では、これは”ナース服”と言うものです。エリス様がお着になればきっともっとお美しくなられます。カレンさんも是非エリス様に着て欲しいと・・・・・・って、エリス様っ!?」
シュナが話し終わる前に、僕は颯爽とその場から逃げ出した。当たり前でしょっ!?ナース服なんて着たくないし、もうあんなメイド服着た時みたいな思いするのは懲り懲りなんだから!!それと、カレン!リムル!キミ達のことは後で絶対に説教するからね!!!
それからしばらく、町中で僕とシュナの追いかけっこが繰り広げられることとなるのだった(結局最後は、シュナの泣き落としにより、一回だけそのナース服を着用するハメとなった・・・・・・案の定、シュナやシオン、カレンには可愛いと褒められ、リムルには笑われた。)。
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医院を開いてから数日経った。『エリス診察院』と名付けられたこの医院には、毎日患者さんが訪れていて、まさに盛況といった感じで、改めて、この医院を作って良かったと思えた。開業時間は、基本的に僕の”空き時間”という事にしてる。つまり、かなり短い。何故なら、それ以外の時間は僕も仕事がある為、開業することが難しくなるからだ。だからなのかも知れないけど、仕事を終えて、医院にまで向かうと、まるで”待ってました!”とでも言わんばかりにたくさんの患者さんが行列を作って待ってたりするんだ。開業時間が短いからしょうがないのかも知れないけど、何でみんなこんなに患者さんとして来るのかね?特にゴブタ達
でも、患者さんが僕の元まで来てくれると言うのはとても嬉しいことなんだけど、これは素直に喜ぶべきなのかな?患者さんが来ないに越したことはないし、怪我や病気を起こしても良いことなんて一つもないからね。でも、患者さんが来たからには、僕は持てる力の全てを出し切って、治療を行ってるつもりだ。下手な治療をして、患者さん達に迷惑はかけたくないからね。
「エリス様。今日の患者さんは以上です」
「ありがと、セキガ。それなら、キミももう帰って良いよ。ご苦労様」
「はい、ではお先に失礼します」
開業時間が終わった為、受付の番をお願いしていたセキガには、先に帰って貰った。一応、この医院の受付はセキガとカレンが交代で受け持っていて、たまに、シュナがやってくれる事もあるが、基本的にはこの二人が行っている。ちなみに二人には、この医院に携わる者として相応しい格好になってもらおうと思い、セキガには僕と同じように普段着の上から白衣を着てもらい、カレンにはシュナ特製のナース服を着用してもらって、業務を行なって貰っていた。セキガもカレンも、これらの衣装を着ることに特に抵抗は無かったようで、意外とすんなり受け入れたことに、僕はどこかほっとした。
「エリスー!いるかー?」
「リムル?どうかしたの?」
そんな折、帰り支度をしていた僕の元にリムルが訪ねてきた。リムルが患者さんとして来ることはまず無い為、いつものように普通に受け答えをした。
「ちょっと様子を見に来ただけだ。ちょうど暇になったしな。今日もたくさん患者が来たんだって?」
「うん。大勢ね。・・・・・・思ったんだけど、この町ってこんなに怪我をする人達がいたんだね?この町で生活して結構経つけど、全然気が付かなかったよ・・・・・・」
「いや、そんな訳ないだろ?・・・・・・エリス、多分だがあいつら・・・・・・わざと怪我してお前のとこまで来てるぞ?」
「・・・・・・はい?」
リムルの言ってる意味がよくわからなかった為、思わず聞き返してしまった僕。・・・・・・ドユコト?
「お前の使う『
「『
「そうしとけ。・・・・・・にしても、お前って本当に優しいよな?俺たちや住民達のために、医院を作っちまうなんて。人間ならともかく、魔物なら体も頑丈だし、多少の傷だったらそんなに時間もかからずに治るんだぞ?」
「・・・・・・ううん。そう言う問題じゃ無いんだ」
リムルの言ったその一言に、僕は静かに首を横に振りながら否定する。確かに魔物は人間に比べて頑丈だし怪我も人間よりも早く治る。特に、
「僕はね?こう言う性格もあって、みんなが怪我をしてるのを見てると、どうしても放って置けないんだよ。だって、みんなはこの国の大事な住民達だし、僕もすっごく大切に思ってるからね。だから、怪我とか病気なら早めに治してあげたいんだ。一日でも早く、みんなには笑顔になって貰いたいし。それと・・・・・・というか、これが僕が医院を建てた一番の理由だったんだけど・・・・・・僕にとって、みんなが怪我や病気で泣いてたり、苦しんでる姿を見るのは・・・・・・苦痛でしか無いんだ」
「エリス・・・・・・」
「だから僕はこの医院を開いたんだ。『誰のどんな怪我や病気でも、僕が必ずどんなことをしても治して見せる』っていう決意を持ってね。だから、魔物だから早く治るとか、そんなのは問題じゃ無いんだよ、リムル。・・・・・・でもまさか、わざと怪我を作ってくる患者さんがいるとは思わなかったけどね?」
「・・・・・・だな。お前がそれで良いっていうんなら、もう俺からは何も言わないさ(・・・・・・優しすぎないかこいつ?こいつが俺たちや住民達をかなり好いていることは前々から分かっていたが、この様子だともはや”聖女のような慈愛を持つエリス様”って住民達から呼ばれても不思議じゃないぞ・・・・・・?・・・・・・それだけだったらまだ良いんだが、エリスのこの俺たちに対する”異常なまでの優しさ”が、後々影響を及ぼさないと良いが・・・・・・)」
「うん。話聞いてくれてありがとね、リムル」
最後、リムルが僕を見て何やら考え込んでる様子だったが、気にせず僕は帰り支度を再開させる。リムルに対して、言いたいことをはっきりと言えたからか、何処か胸がスッとしていた。やっぱり話を聞いてもらうならリムルが一番だよね!
その後、リムルと一緒に温泉に行って疲れをとった僕は、家で今日の疲れを癒すべく、静かに眠りにつくのだった・・・・・・。
最後ら辺は、エリスが医院を開いた理由を話したことで、ちょっと重めな話になってしまいました。すいませんでした!
ちょっとばかし、『日常日記』的な内容になってしまいましたが、この医院も今後のストーリーにはちょこっと出て来るので、閑話という形にさせて貰いました。
次回からストーリーに戻ります。
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