転生して水になったので存分に楽し・・・・・・水っ!? 作:レイ1020
リムルがイングラシアへと旅立って、一月が経った。あれから僕は、軽く町のみんなにリムルがしばらくの間、イングラシア国に居住する事を伝えた。みんな、しばらくリムルに会えないことが分かり、寂しさを覚えていたが、リムルの気持ちのことも考えてのことか、そこまで悲しがらずにすぐに納得してもらえた。
無論、僕も寂しいけど、今はそんなことは言ってられないんだ。何せ、最近は本当にやたらと”人間の人たち”が沢山
ここに来る理由は人によって様々だった。『武器の新調、整備、修理を行って貰いたいから』『観光に来た』『ここにしか無い商品を買いに来た』『宿に泊まりに来た』などなど。そう言った案内に関しては、リグルドがやってくれるとの事だったから、そこは任せる事にした。流石に、来る人全員を相手にすることは出来ないからね。
嬉しかったのは、ゲルド達が大急ぎでブルムンド国とここを繋ぐ道路を完成させてくれたおかげもあって、冒険者の人達も口々に『あの道路のおかげで来るのが楽だった』と言いながら満足げに微笑んでいたことだ。うんうん、一月はかかると思っていた道路の舗装をたった”20日”で完成させたゲルド達には本当に感謝しかないね。
ちなみに、人間達の相手は基本的に僕がしている(案内以外)。それもリグルドに任せても良いかな・・・・・・って思ったけど、やっぱり遥々ブルムンド国から訪ねてきてくれている人間の人達には、それなりの誠意を持って対応をして良い印象を持って貰いたかったため、僕が相手を受け持つ事にしたわけだ。
「初めまして!僕はこの町の責任者のエリス=テンペストと申します!今日はお越しくださり、ありがとうございます。是非、町中をゆっくりと散策して、楽しんで行ってください」
・・・・・・こんな感じで、来た人にはこうして明るく笑顔で、元気よく挨拶をしている。この挨拶は意外と評判が良かったようで、来た人間の人たちの中には、笑顔で挨拶を返してくれる人も数多くいた。・・・・・・たまに頭を撫でられる事もあったけど、それは何でなのかはいまだに分かってない。
「あ、いたいた!エリスさーん!」
「ん?あ、エレンさん。それに、カバルさんにギドさんも。一月ぶりですね。リムルの護衛は問題ありませんでしたか?」
他のみんなに色々とやるべき事を示唆しながら、自分自身も来る人来る人に対応して居た頃、前にリムルがイングラシア国に留まるとのことで、護衛の任を解かれてこちらに戻ってきていた、エレンさん、カバルさん、ギドさんが僕に声を掛けながらこちらに向かってきた。・・・・・・約一名、妙に位が高そうな服を纏った人を隣に侍らせながら。
「ああ、問題なかったぜ。・・・・・・にしても、1ヶ月前と比べて、随分とこの町が発展しているように見えるんだが・・・・・・気のせいか?」
「ああ、確かにここ最近で宿屋とか、武器屋、商屋と言った施設を大幅に造設しましたからね。そう見えるのも無理ないかも知れません」
「そうでやすか?どうりで・・・・・・」
何処か辟易したかのように言う3人。確かに、ここ最近で10を超える施設をカイジンさんやハイオーク達に作らせたけど・・・・・・ちょっと調子に乗って作らせすぎたかな?いや、カイジンさん達に『自分が思うがままに、好きなようにいろんな施設を作ってね?』なんて言った僕も悪いんだけどね?でも、施設が多い事に越したことは無いし、いずれはもっといろんな国の人達もここに訪れられるようにしたいから、施設が・・・・・・特に宿屋が多い方がむしろ都合が良かった。
そんな事を呑気に考えていて呆けて居た僕だったが、ある一つの声によって意識は現実に引き戻された。
「もし、あなた様がエリス=テンペスト様でいらっしゃいますか?ジュラの大森林同盟の副盟主で、
「へ?あ、はい。エリス=テンペストは僕ですが・・・・・・あなたは?」
声を掛けてきたのは、3人と一緒にいた何とも位が高そう・・・・・・正確には良いとこの商人さんのような風貌をした男の人だった。あの〜、毎回言ってる気がするんだけど、僕は副国主であるつもりないからね?
「申し遅れました。ワシはブルムンド国で商人をやっております、ガルド・ミョルマイルと申します。今回は、ヒューズ殿の紹介でここの特産品である
「この人は国でも有名な商人なんだ。今回俺たちはこの人の護衛としてここまで来たわけだ。エリスの旦那、話聞いてやってくれないか?俺たち冒険者としても、
「(あ、やっぱり商人だったのね?)そうでしたか、分かりました。でしたら、執務室までご案内致しますので。話はそこでしましょう」
「はい。では・・・・・・」
3人とは一旦そこで別れ、僕は
––––––––––––––––––––––––––––––––––
執務室でミョルマイルさんと
「拝見しますね?・・・・・・なるほど、
「はい。本来であれば、
「そうですか。ええ、問題ありませんよ?」
そちらの売り上げを少し貰えるのであれば、こんな値下げなんて可愛い物な為、僕は快くそれを呑んだ。ちなみに銀貨と言うは、この世界で出回っている貨幣のことで、その下の貨幣に”銅貨”と言う物があり、その上に”金貨”と言う貨幣がある。銀貨一枚が日本円で約1000円。銅貨が一枚約10円。金貨が一枚約10万円だ。だから、これを元に計算すると、
「今回はどれだけ買って行かれますか?在庫はかなりありますので、好きなだけ買って行かれて構いませんよ?」
「そうですか。では・・・・・・とりあえず、”1000個”程宜しいですかな?」
「分かりました。では、後日から、ブルムンド国へ分割して送らせますね?一気に全部を運ばせるのは流石に無理がありそうなので・・・・・・」
「それで構いません。では、これが代金です。お納めください」
テーブルに出された代金は、金貨250枚。つまり・・・・・・”2500万円”だ。こんな大金をポンって出せちゃう辺り、ミョルマイルさんはかなり儲かっている大商人と見て間違いないだろう。いや、ある程度は国からも出してるんだろうけど、それでもこうして躊躇なくこんな大金を出すんだから驚くよ。
「
「素晴らしいの一言ですな。我が国と比較しても比べ物にならない程に文化が進んでいて、豊かです。それに、国民皆が活気溢れて笑顔が絶えず、まさにブルムンド国が理想とする国その物ですな〜はっはっは!」
せっかくこうして会えたのだから、感想を聞いてみようと思って振ってみたけど、思ったよりもこの国に対して良い印象を持ってくれてるようでホッとした。
「そう言ってもらえて嬉しいです。
「ほう?気になった事ですかな?特には・・・・・・あぁ、そういえば一つありましたな?」
「何ですか?」
なければ別にそれでも良いかな、って思ってたんだけど・・・・・・あったのか。仕方ない。後で僕が・・・・・・。
「この町にいる女性が妙に麗しく感じ取れるのですが、何かしているのですかな?・・・・・・もっと具体的に言うと、皆顔立ちも良く、肌が透き通るようにスベスベして居ますのでな。つい気になってしまって・・・・・・」
「あの・・・・・・町の女性に変なことしてませんよね?」
「・・・・・・」
沈黙してるってことは・・・・・・そう言うことだよね?はぁ〜・・・・・・この人、良い人なんだろうけど・・・・・・スケベ?
「今回は見逃しますけど、次やったらたとえあなたでも許しませんからね?」
「・・・・・・申し訳ありませんでした」
「はぁ〜・・・・・・で、その気になってる事ですけど、それは”これ”をみんな飲んでる・・・・・・もしくは肌に塗ってるからだと思います」
僕はそう言いながら懐から、”僕の水が入った瓶”を一本取り出し、テーブルの上に置いた。
「これは?」
「僕が魔力を通して作った水です。国民達からは『エリス水』なんて呼ばれてますけどね?これは飲んでも勿論美味しいのですが、これを肌に塗れば肌がすべすべになる化粧水のような効用も望めますし、それにプラスして体を消毒することも出来きますので、病気の予防にもなります」
「ほうほう?それはどうにも気になる品物ですな?少し、拝見させてもらっても?」
「ええ、どうぞ。良ければ飲んでも構いませんよ?」
「そうさせて貰います」
瓶を渡すと、ミョルマイルさんは軽く水を口に含むと、何やら考え込むように唸る。さらに、手に三滴ほど水滴を落とすと、それを自分の頬や手に満遍なく塗って、効用が本当にあるのかを試していた。勿論、誰であろうとこの水は同じ役割を果たすため、案の定塗った箇所は塗る前と比べて明らかに艶が出ていた。
ちなみに、町の女性達が綺麗になってるのは、勿論この僕の水を使っていたり、僕の水で作った温泉に入ってると言う事もあるけど、それだけでは無く、最近ではシュナが新たに女性向けの化粧品を作り、町中に配った事も原因の一つとなっている。その甲斐あって、町中の女性達は、今やどこの国に出ても恥ずかしくない程の美人、もしくは美少女へと変貌を遂げたんだ(前に、僕までその化粧をシュナやシオンに施されそうになったけど、当然拒否した。これ以上、女っぽくなりたくないからね。)。
「これは素晴らしいですな!これを売ればきっと女性を中心にヒットする事間違いない事でしょう!エリス様!是非、この『エリス水』も買い取らせてはくださいませんか!?一本、銀貨2枚で!在庫はありますかな?」
「へ?え、ええ・・・・・・在庫は沢山ありますから大丈夫ですけど。いくつ買うつもりですか?」
「先ほどと同じく、1000本頂けますかな?」
「わ、分かりました?じゃあ、
「ありがとうございます!では、ワシはそろそろお暇しますな。いや〜、まさか
こんな感じで、何故か僕の水も買ってもらえる事になった。この水も倉庫にいくつも保存してるから1000本売ったところで全然問題ないんだけど、まさかこれが売れるとは思ってなかったから、ちょっと驚いていた。でも、せっかくの好意だし資金源にもなりそうだから、ありがたくこの話も受ける事にした。
僕の水の1000本分の代金、金貨20枚(200万円)を置いたミョルマイルさんは、随分と満足そうに執務室を出て行った。あの人とも、今後ともいい関係でありたいな。・・・・・・スケベなとこ以外は信用できそうだし。
それにしても、今日だけでかなり儲かったな〜。リムルが帰ってきたら自慢しないと!
「むぅ・・・・・・」
「どうかしたかエレン?さっきからずっと剥れてるが?」
「調子でも悪いんでやすか?」
「違うわよっ!だって、ここの町にいる女の人全員が、私以上にすっごく女らしくて、すっごく綺麗なんだもん!おまけにお肌もスベスベそうだし・・・・・・すっごく嫉妬しちゃう・・・・・・」
「あぁ・・・・・・確かにそうかもな。全員やたらと綺麗に見えるぜ」
「ちょっと私聞いてくる!どうしてそんなに綺麗なのか!」
「はっ!?ちょ、ちょっとエレンさん!?」
「すいませーん!なぜあなたってそんなに綺麗な肌をしているんですか?何か特別な化粧水でも使ってるんですか?」
「いえ、そんなもの使ってませんよ?強いて言えば、”これ”を使ってるくらいかしらね?」
「これ?・・・・・・水かな?」
「ただの水ではありませんよ?これは『エリス水』と言って、エリス様がお作りになられた特殊な水で、これをお肌に塗れば肌荒れもすぐに・・・・・・って、あら?」
「エリスさーーーーんっ!!!!」
その後、エレンはエリスの元へと直行し、必死になって『エリス水』を恵んでくれるよう懇願するのだった。
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