転生して水になったので存分に楽し・・・・・・水っ!?   作:レイ1020

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そろそろか・・・・・・そろそろなのか・・・・・・?



本当はこちらの視点は一話で終わらせたかったのですけど、夢中で書いてたら余裕で”一万文字”を越しちゃってたので、渋々二話構成にさせてもらいました。


事の顛末

「こっちは終わったけど、みんなは・・・・・・って、あれ?」

 

 

 

「カレン?どうかしましたか?」

 

 

 

「い、いや・・・・・・これ・・・・・・」

 

 

 

なぜか不思議そうな顔をしていたカレンが見せて来たのは、先程自分が噛んで大量に出血()()()()左腕だった。だけど、その左腕にはすでに出血は見えず、傷口も完治に近いほどに塞がっていた。・・・・・・これは?

 

 

 

「傷が・・・・・・もう治っている?こんなに早くになんで?」

 

 

 

「わからない。傷が治ったことに越した事はないんだけど・・・・・・っ?シュナ、気のせいか分からないんだけど、少し体が軽くなったような気がしない?何というか、少し普段の自分に戻ったみたいな・・・・・・」

 

 

 

「・・・・・・?そう言われれば・・・・・・確かにそうですね?」

 

 

 

カレンの言った通り、今までよりも体が自在に動かせるようになっている事実に、少し戸惑いを覚えるわたくし達。それはどうやら自分達だけでは無かったようで、いまだに戦闘を繰り広げている他の四人も、どこか攻撃に”鋭さ”が増しているようにも見受けられた。

 

 

 

「ちっ・・・・・・どうなってやがる!こいつらさっきよりも動きが・・・・・・」

 

 

 

「なんか体が軽い・・・・・・これなら多少なりとも!」

 

 

 

「ええ!存分に戦えます!」

 

 

 

今まで劣勢だったセキガさんとシオン。この二人もわたくし達同様に、体にいつもの調子が戻って来たようで、形勢逆転とでも言わんばかりに(ショウゴ)を圧倒し始めた。

 

 

 

「(っ!このジジイとゴブリン・・・・・・徐々に剣に鋭さが!僕の『天眼』でもその太刀筋や動きが捉えられなくなって来てる!)」

 

 

 

「やはり、未熟者の若造じゃな。己のスキルに頼り過ぎで剣が疎かになっている様じゃ。貴様のような輩、このゴブタのみで十分じゃろ」

 

 

 

「はっ!?ちょっとジジ・・・・・・師匠!それは無理っすから!」

 

 

 

こちらも、ハクロウがいた為、劣勢とまでは行かないものの、少なからずの手傷をおっていた状況だったゴブタとハクロウ。力がある程度戻ったのだとすれば、もはや彼らが負ける事などないに等しい。

 

 

 

「キョウヤ!どうすんだ!このままじゃ・・・・・・」

 

 

 

「かなりまずいね・・・・・・。何とか逃げよう!僕が隙を作るからその間にキララを連れて退散するぞ!」

 

 

 

この状況が非常にまずいと察したのか、彼らは戦う手を止め、わたくし達の目の前で倒れているキララさんを小脇に抱え、一目散に町の外へと逃げようとした。もちろん、そうはさせまいと皆が揃って立ちはだかる。

 

 

 

「逃がさないと言って・・・・・・」

 

 

 

「くらえっ!!」

 

 

 

こちらが逃げ道を阻むのを見ると、何を思ったのか、近くの建物の下部をその一人(キョウヤ)が剣で切り刻むと、それを最後に剣をしまって、町の外へと逃げ出す。その行為の意味が分からずに一瞬沈黙を覚えてしまったわたくし達だったが、すぐにこの行為の意図を掴んだ為、慌てて皆に指示を出した。

 

 

 

「っ!建物を倒して足止めに・・・・・・味な真似を・・・・・・」

 

 

 

「彼らに逃げられます!ゴブタとハクロウはこの倒れてくる建物の処理を!シオン、セキガさん、カレンは彼らを追ってください!」

 

 

 

こうしている間にも彼らはどんどんわたくし達との距離を離していく。早くしないと本当に逃げられてしまう。そうならない為にも、早く彼らに追い付かないといけません!わたくしの指示通り、ゴブタとハクロウの剣技で倒れてくる建物を切り刻み、わたくし達への直撃の回避に成功すると、その隙を縫って残りの三人が持てる力全てを使って、彼らを追っていった。・・・・・・頼みます、どうか間に合って!

 

 

 

 

––––––––––––––––––––––––––––––––––

 

 

 

視点 シュナ→視点 シオン

 

 

 

––––––––––––––––––––––––––––––––––

 

 

 

 

 

「くっ・・・・・・あいつら、思っていた以上に速い・・・・・・」

 

 

 

「なかなか距離が縮まらない・・・・・・このままでは逃げられる!」

 

 

 

「二人とも!諦めないでください!まだ可能性がゼロでは・・・・・・・・・・・・っ!あ、あれは・・・・・・!」

 

 

 

必死に逃げる襲撃者三人を追う私達は、なんとか追いつこうと全力で駆けていたが、やはり結界のせいで本調子とまでは行かない体の状況の為、一向に奴らとの差が詰まりそうに無かった。なんとか気力を振り絞ろうと二人にも檄を飛ばした・・・・・・その時だった。私の・・・・・・私達の視界に、()()()()()()()の人影が映ったのは・・・・・・。

 

 

 

「子供がなんであんな所に・・・・・・」

 

 

「あそこだと、あの三人にぶつかる!下手をすれば・・・・・・」

 

 

 

突然出てきた”その人物”に、私たちは走ってることもお構いなしに盛大に驚いた。

 

 

 

 

「おい!なんだあのガキは!どけっ!邪魔するなら殺してくぞ!!」

 

 

 

「ひっ・・・・・・こ、来ないで・・・・・・」

 

 

 

おそらく、迷子にでもなったのであろう。ゴブリンの小さな女の子がぬいぐるみを片手に、小さくなって怯えていた。そして、彼女の目の前には息を切らしつつ私たちから逃げようとしている襲撃者達三人が・・・・・・。このままでは、すれ違いざまに殺されてしまう可能性が大だった。子供なら・・・・・・と言った甘い考えは捨てるべきだ。彼らはこの町を容赦なく焼き払い、人道の風上にも置けぬほどの愚かなことを平気でする様な奴らの仲間なのだから・・・・・・。

 

 

 

「(助けに行きたい!だけど、この距離では間に合わない・・・・・・っ!そうだ!)セキガ、ちょっと良いですか?」

 

 

 

「なんだ?手短に頼む」

 

 

 

「あなたのスキル『剛力』を使って私をあの子供の所まで投げ飛ばしてください。そうすれば、多分助けられるはずです」

 

 

 

咄嗟に思いついたことだが、これならおそらく彼女を救う事が出来るはずだ。・・・・・・だが、セキガはそれに首を縦に振ることは無かった。

 

 

 

「ダメだ。それだと、あの子供だけでなく、あなたまで危険な目に遭う。それに、この結界のせいでスキルをうまく制御する事が出来ないんだ。発動できたとしても、しっかりとあそこまで飛ばせるとも・・・・・・」

 

 

 

「そうだよ!それにシオンだってもうかなり無理をしてるはずでしょ?これ以上無理をすれば体が・・・・・・」

 

 

 

「関係ありません!あの子供が危機に陥っているのですよ!?それを助けなくては、絶対に今後私は後悔します!・・・・・・エリス様やリムル様だったらこう言うはずです。『何がなんでも住民達を守れ』・・・・・・と」

 

 

 

「「・・・・・・」」

 

 

 

「だから、お願いします!あの子供を助けるため、力を貸してください!」

 

 

 

以前、お二人が言っていた事を私はこの時思い出していた。あのお二人にとって、この国、そして住民達・・・・・・その全てが自分達の宝物だと。それが少しでも欠けて仕舞えば、お二人は大変悲しまれることは間違いない。私はあのお二人が悲しまれるお姿を見たくなんて無かった。だからこそ、私は”この決断”をしなければならなかった・・・・・・。

 

 

 

 

”例え、この身が削れようとも・・・・・・あの子を守ってみせる”・・・・・・と。

 

 

 

 

 

この決断が、後に()()()()()を巻き起こしてしまうことも知らずに・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・わかったよ。そこまで決心してるのであれば、もう何も言わない。・・・・・・出来る限り手を貸そう」

 

 

 

「ありがとうございます。では、早く!」

 

 

 

ようやく協力を得られた私は、セキガの腕に乗っかると、飛ぶ準備を整える。自分の目標としては、子供を助け出して、ついでに奴らも捕らえる。それが何よりベストだが、それはうまく行った時だ。うまく行かなかった時は子供だけを助けるしかない。その時に自分の身に何が起こるかは分からないが・・・・・・。

 

 

 

「邪魔だっ!死ねっ!!」

 

 

 

「今です、セキガ!!」

 

 

 

「出来る限り強めに飛ばす!うまく制御できるか分からないが、うまくやってくれ!・・・・・・はぁっ!!!」

 

 

 

爆発的な威力で投げ飛ばされた私は、勢いそのままに奴らに向かって突撃をする。既に奴らは剣を子供に振り下ろそうとしている為、私がそれよりも先にその子供の元にたどり着けなければその時点で終わりだ。そうはならないと良いが・・・・・・。

 

 

 

「(っ!間に合いそうだ!・・・・・・だが、剛力丸を抜いている暇が・・・・・・仕方ない。この身一つで子を守れると言うなら・・・・・・)」

 

 

 

どうやら間に合いそうだが、それだけでは意味なかった。なぜなら、間に合ったところで、奴らの攻撃を防げなければ意味など無かったからだ。防ぐには剛力丸を抜かねばいけないが、それをする時間さえ無かった・・・・・・。そうなると、もうあの子供を助ける手段は・・・・・・私には”一つ”しか思いつかなかった。

 

 

 

それは・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ザァシュッッ!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・私が子供に覆い被さって・・・・・・彼女の代わりに身代わりとして攻撃を受ける・・・・・・ことだ・・・・・・。無事に彼女の元に辿り着いた私は、彼女の盾となるように彼女に覆い被さった。・・・・・・それと同時に、奴らの振り下ろした剣が私に直撃した・・・・・・。

 

 

 

背部を深く斬られたことで、あたりに鮮血が舞ったのを意識が朦朧とする中・・・・・・感じ取った。そして、そんな私たちの横を奴らがすり抜けていく感覚も・・・・・・。

 

 

 

 

「シオーーーーーーンッ!!!」

 

 

 

シュナ様の悲鳴が聞こえてくる・・・・・・。だけど、その呼びかけに応えることは・・・・・・出来そうになかった。・・・・・・大量に出血をしたせいでもう、身体が動かせないし、意識が無くなりそうだから・・・・・・。あぁ・・・・・・私はもう・・・・・・死ぬのか?

 

 

 

「(でも、この子供は助けられたのだし、悔いは無い・・・・・・いや、強いて言うのであれば奴らを取り逃してしまったことは残念ですね。エリス様は・・・・・・なんて言うだろう?あの方の事だから、それでも『気にしないで』と言って、優しく微笑んで私たちを励ましてくれる事は間違い無いでしょうね・・・・・・。あの笑顔をもう見る事が出来なくなってしまうのは残念だけど・・・・・・それでも私は満足だ。だって・・・・・・リムル様とエリス様のお役に立てて死ねるのですから・・・・・・)」

 

 

 

シュナ様やみんなが駆け寄ってきて、必死に私のことを呼び止めているが・・・・・・呼びかけには応えられない・・・・・・。意識が・・・・・・もう・・・・・・。

 

 

 

「(エリス様・・・・・・リムル様・・・・・・どうか、お元気で・・・・・・)」

 

 

 

 

 

私の意識は・・・・・・そこで途絶えた・・・・・・。

 




結局シオンは・・・・・・原作と同じで子供を庇って・・・・・・。まぁ、シオンらしいと言えばそれまでですけど、やはり何度経験しても慣れませんね、これは・・・・・・。涙腺が崩壊します・・・・・・。


原作のシオンは、オーガイーターによる致命的な傷が元で亡くなってしまいましたが、今回はエリスがそれを持つ騎士達を倒してしまったので、代わりにキョウヤの『切断者(キリサクモノ)』の『空間属性』が付与された攻撃で致命的な傷を負う設定に変えさせてもらいました。


お察しの方はいるかと思われますが、カレンの怪我や他の配下達の動きに繊細さが戻ったのはエリスの『仁愛者(アイスルモノ)』の恩恵を受けたからです。これが無かったら・・・・・・と考えると、ゾッとしますね・・・・・・。


次回から、エリスの視点に戻ります。・・・・・・こんな状態のシオンを見て、エリスはどう思うのか?


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