転生して水になったので存分に楽し・・・・・・水っ!? 作:レイ1020
ミョルマイルの考えはこうだった。ファルムス王国は元々、西側諸国にとってドワーフ王国(ドワルゴン王国)との取引ができる唯一の国として有名で、その甲斐もあって潤っていた国であったらしい。だが、この
確かにここは交易路も安全で税も安い。各国へ繋がる街道だって数多く作ったし、交易をする上ではこれほど良い環境は無かった。元々、ジュラの大森林は危険地帯として恐れられていたが、街道を作って、物資を運搬するのに必要な安全性が保証されれば、流通に至って、この世界に大きな改革をもたらすほどとされている。
そんなとこが、競合相手として突如現れたんだ。元々、ドワルゴンと取引をしていて潤っていたファルムス王国がいい顔をしないのは至極当たり前のことだろう。
・・・・・・まぁ、それと今回の襲撃については別の話だがな?
「・・・・・・とまあ、ワシからは以上です。・・・・・・?そういえば、エリス様は・・・・・・」
「・・・・・・」
何も知らないミョルマイルは、この場にいないエリスの所在を聞いてくる。・・・・・・さっき来たばっかなんだし、知らないのも無理ないと思ってるが・・・・・・何度も何度も、”これ”を口にしたく無かった俺は、苦い顔を浮かべる。
「ああ・・・・・・あんたには話して無かったな。・・・・・・エリスは・・・・・・”死んだよ”・・・・・・。そのファルムス王国の襲撃からみんなとこの町を守った代償でな・・・・・・」
「っ!!ま、まさか・・・・・・あのエリス様が・・・・・・」
ミョルマイルもこれには相当驚いたようで、目を白黒とさせながらあたふたとしていた。
「信じられないだろうが、事実だ。・・・・・・これで、俺たちが何で”こんな状態”だったのか納得出来るだろ?俺たちはそのファルムス王国のせいで、俺たちにとって何より大事な奴を失ったんだからな。・・・・・・正直言って、俺は今すぐにでもこんな襲撃を仕掛けてくれたファルムス王国に殴り込んでやりたい。・・・・・・それだけ俺は・・・・・・俺たちは・・・・・・怒ってるからな」
俺のその言葉に同調するかのように、みんなは首を静かに縦に振る。その表情には、明らかに怒気が滲んでいた。
「そのお怒り・・・・・・お察ししますぞ。ワシも流石にこれには納得しかねます。・・・・・・もし、ファルムス王国を撃つご決断をされるのであれば、ワシら商人や冒険者達も協力を惜しみませぬ。もし何か取り入れて欲しいもの等があれば、いつでもお申し付けくださいませ」
「ああ。ありがとうな、ミョルマイル。だが、今回は大丈夫だ。この件については俺たちがカタをつける。だから、今回はもう帰還してくれて構わない。もし、他に何かあればちゃんと連絡はするから、その時はちゃんと手を貸してくれ」
「そうですか・・・・・・わかりました。では・・・・・・ワシはこれにて・・・・・・」
ミョルマイルは、その言葉を最後に会議室を出て行った。俺がミョルマイルの申し出を断ったのは、単に彼らを巻き込みたく無かったからだ。彼らまで巻き込んで万が一怪我でもされたら、それこそ俺たち
・・・・・・それに、これは俺たちの問題だ。彼らは関係ない・・・・・・。
「リムル様・・・・・・これからどう為されるおつもりですか?先程おっしゃられていた様に、ファルムス王国に殴り込みを?」
ベニマルが、顔を歪ませつつ、そう質問をしてくる。
「今すぐにでもそうしたいとこだが、今この国は人間達の襲撃によって混乱してる。そんな状況の中で俺がまた外に出るわけにはいかない。今はとりあえず、国を落ち着かせることに集中しようと思ってる」
「そうですか・・・・・・でしたら俺は警備隊を編成して住民達の警護を始めるとともに、一部の警備隊をソウエイ達と合流させるよう手配をしておきます」
「ああ、それで頼む・・・・・・」
「あの、リムル様?」
「ん?どうした、リグルド?」
何処か心配そうな顔をしながら、リグルドは視線をこちらに向けていた。何やらある様だが、これ以上まだ何かあるのか?
「住民の皆には・・・・・・伝えますか?・・・・・・エリス様の・・・・・・死を」
「っ・・・・・・」
・・・・・・そうだった。その問題が残っていた。確かに・・・・・・いつかは伝えないといけないもんな。『エリスは病に侵されて寝込んでいる』と嘘をつくことも考えたが、そんな嘘など数日でバレてしまうことは明白だ。あいつはほぼ毎日町中を出歩き、住民のみんなや訪れてくる客人達と交流を深めていたからな。そんな奴が急に姿を消したとすれば、住民達はきっと不審に思い、俺たちに問い詰めてくるはずだからな。・・・・・・ちゃんと伝えるしか道は無い。
十中八九・・・・・・いや、ほぼ100%住民達はその事実を知ったら悲しみに暮れることだろう。あいつは・・・・・・その人間性もあってみんなから慕われていたし、俺がいない間はみんなを引っ張るリーダー的な存在でもあったんだ。そんな奴が死んだとあれば・・・・・・そうなることは容易に想像がつく・・・・・・。
「俺の方から、後で伝える。・・・・・・だから、お前達は何も口にするな。・・・・・・いいな?」
「「「「「・・・・・・はっ」」」」」
「じゃあ・・・・・・今日はもう、疲れてるだろうから帰って休んでくれ。この話についてはまた明日に話す事にする。・・・・・・俺は、先に失礼させてもらうな」
「・・・・・・はい」
ようやくみんなを解散させた俺は、執務館を出ると・・・・・・俺の家に向かう事はせず・・・・・・エリスの家へと向かった・・・・・・。
”エリスの壺”と、”剣”を持ちながら・・・・・・。
––––––––––––––––––––––––––––––––––
「・・・・・・エリスがいないこの家に来るっていうのも・・・・・・なんか新鮮だな・・・・・・」
しんと静まる和式の部屋内に、俺の小さな呟きが響く。会議を終え、エリスの家へ直行した俺は、あいつが大事にしていた剣を剣置きに、あいつが寝床としていて・・・・・・今はただの水しか入っていない壺をその隣に置き、そのまま俺はその場に腰を下ろしていた。
「・・・・・・お前のおかげで、俺は命を助けられ、みんなやこの町は、お前の尽力のおかげで誰一人として欠ける事も無かった・・・・・・」
首に掛けた(今は割れてしまっている)雫のペンダントを手に取りながら、今は亡きエリスに対し・・・・・・そう口にする俺。やっぱり、まだ俺はエリスの死を受け入れることが出来ずにいるんだろう・・・・・・。はは・・・・・・本人がこんな時ひょっこり現れて『ドッキリだよ!』みたいな感じで茶化しに来てくれたら、そんだけ嬉しい事はないはずなんだが・・・・・・。
「そんな夢みたいな話、ある訳ないか。あいつは・・・・・・死んだんだ・・・・・・もう、会うことは出来ない・・・・・・」
もうエリスとは会えない・・・・・・。そう考えると途端に悲しくなってくる・・・・・・。だが、俺の瞳から涙が出ることは無かった・・・・・・親友が死んで、本来なら号泣をしてもおかしくないこの状況でだ。・・・・・・あぁ、そうか・・・・・・。
「俺は・・・・・・もう、心から魔物になっちまったんだな・・・・・・」
親友の死に泣く事さえ出来ない・・・・・・。その事実に俺の悲しみは深まるばかりだった・・・・・・。
「なぁ・・・・・・どうすれば、エリスは死なずに済んだんだろうな?」
〈告。回答不能・・・・・・〉
「俺が人間と関わりたいだなんて言わなければ・・・・・・こんな事にはならなかったのか?」
〈告。回答不能・・・・・・〉
「どうして・・・・・・こうなっちまったんだろうな・・・・・・」
〈告。回答不能・・・・・・〉
俺の問いかけには、誰も答えることは無い。・・・・・・誰もいないんだし、当たり前か・・・・・・。一応、大賢者が応答して来れてるが、さっきから同じ答えしか返ってこない・・・・・・。
「俺のせいだよな・・・・・・。俺があいつにこの国のこと全てを押し付けて、無理をさせたせいであいつは・・・・・・死んだんだ。俺が・・・・・・『みんなのことを任せる』だなんて言ったせいであいつは責任を感じて、たった一人でその言葉通り、みんなの事を守ったんだ・・・・・・自分の命を顧みずに・・・・・・」
俺が言ったその一言が、エリスの死に直結しているかもしれないという事実に、俺はさらに気を落としていた。
「責任感が強い奴だってことは、分かっていた。俺との約束ならあいつが破ることなんて絶対に無い。どんなことがあってもだ・・・・・・。それはわかっていた・・・・・・なのに、なんで俺はあの時・・・・・・いや、その理由は想像がついてる・・・・・・」
あの時(俺が一度
・・・・・・答えは簡単だった。
「俺は・・・・・・心のどこかで驕っていたんだ。『俺が居なくとも、エリスさえいれば
思えば、ここに駆けつける時も、俺は確かに急いではいたが、本気で駆けていた訳ではなかった。心配ではあったもののやっぱり心の中では『エリスがいるから大丈夫』『エリスならきっと上手くやってくれるはず』・・・・・・そう思い、信じていたため、どうしても本気で駆ける気になれなかったんだ・・・・・・。もし、最初から全力でこの場に戻ってきていれば、何か結果が違ったかもしれないっていうのに・・・・・・あの驕っていた時の俺をぶん殴ってやりたい・・・・・・!
「俺の驕りのせいで・・・・・・エリスに過度の負担をかける事になり、挙げ句の果てには、俺との約束のせいであいつが絶対にしたくなかっただろう人殺しまでさせて、その罪をひとり抱え込ませたまま・・・・・・死なせてしまった・・・・・・。これじゃあ・・・・・・俺が殺したのとほとんど変わらないじゃないか・・・・・・。あいつの事を何より分かっていたのは・・・・・・俺のはずなのに・・・・・・」
歯を食いしばりつつ、頭を掻きむしる俺。エリスは確かに、腕っぷしも強いし、社交性豊かな性格をしている為、みんなからの信頼も厚い。それに加えて国の管理や交易関係の仕事も難なくこなせるほどに仕事も出来る。まさに完璧な奴だった。
・・・・・・だが、それは表の顔だ。本当のあいつは・・・・・・超がつくほどの努力家で・・・・・・町の住民達がちょっとした怪我や病気を引き起こしただけで、簡単に崩れてしまう脆いメンタルの持ち主なんだ・・・・・・。以前、あいつが開いた『エリス診察院』に行った時だって、あいつはみんなの治療を笑顔を浮かべながら喜んで引き受けていたが、それと同時に瞬時に見せる”深く悲しい顔”がいまだに頭から離れずにいた。もし、仮にこの町の誰か一人でも犠牲が出ていたとすれば、きっとあいつは・・・・・・酷く悲しんでいただろうな・・・・・・。
・・・・・・あいつは優しすぎるんだ。異常なほどにな・・・・・・。その優しさ故に、自分のことなど二の次とし、第一に他人のことを考えてしまう・・・・・・。今回、あいつが死んだのも・・・・・・自分のことを棚に置き、この町や住民達を守る事に全ての力を費やしたからだろう・・・・・・。以前から、あいつの優しさが異常だということは理解していたつもりだったが・・・・・・まさか、その優しさが自分の首を絞める事となるなんてな・・・・・・。
・・・・・・それが分かっていた筈だったのに・・・・・・俺はそれを無視して・・・・・・自分勝手な事ばかり・・・・・・。・・・・・・何が、国主だよ。国の守護を他人に任せる様な奴が・・・・・・大事な親友一人も守れないような奴が・・・・・・よくもまぁ・・・・・・国主なんて名乗れるもんだよ・・・・・・全く。
「エリス・・・・・・すまない・・・・・・俺のせいで・・・・・・」
謝ったところでエリスが帰ってくる筈もない。依然として、この場はしんと静まり返ったままだ・・・・・・。この静けさが、俺の心を余計に掻き乱していくのを実感していた。
「リムルさんっ!」
そんな静まり返ったこの場に・・・・・・凛とした一つの声が響き渡る。その声の主は・・・・・・。
「・・・・・・エレン?」
どこか真剣身を帯びた表情をしながら、俺のことを見つめていたエレンだった・・・・・・。
リムル・・・・・・頼む・・・・・・エリスを救ってくれっ!
次回で、いよいよリムルは決断を下します。
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