転生して水になったので存分に楽し・・・・・・水っ!? 作:レイ1020
「・・・・・・エレン?それに、カバルにギドも・・・・・・来てくれたのか」
ブルムンド国からわざわざ来てくれたエレン達に対し、俺は特に振り返ることもなくそう呟く。今の俺は・・・・・・多分かなりひどい顔をしているからな・・・・・・あまり顔を見せたくなかったんだ・・・・・・。
「聞いたよ?この国がファルムス王国による襲撃を受けたって・・・・・・」
「そうか。・・・・・・じゃあ、エリスのことも・・・・・・」
「・・・・・・ああ、全部シュナさんから聞かせて貰った。・・・・・・あの旦那がまさか、死ぬなんて・・・・・・あんな良い人が何で・・・・・・」
「・・・・・・全くでやす」
そう言うこの三人は、深く悲しい顔をしていた。エレンに至っては、すでに涙をポロポロと零しているほどだ。こいつらも、普段から色々とエリスには世話になっていたしな・・・・・・。
「エリスが死んだのは、ファルムス王国のせいでもあるが・・・・・・それと同時に俺のせいでもあるんだ・・・・・・」
「・・・・・・どう言うこと?」
「俺は、イングラシアに行く前に一つ・・・・・・エリスと約束を交わしていたんだ。『みんなのことを任せる』って言うな?俺は正直、その約束は軽い気持ちで交わしたつもりだったんだが・・・・・・エリスは違った。エリスはその俺との約束を重く受け止めていたらしく、そのせいであいつはやたらと責任感を強く持つ様になってしまったんだ。『・・・・・・何が何でも、俺の代わりにみんなを守る』・・・・・・みたいに」
「「「・・・・・・」」」
「今回の襲撃では、おそらくその気持ちが全面的に現れてしまったんだろうな・・・・・・。自分の命など顧みないで・・・・・・住民や町の安全を守るためにたった一人で奮闘して・・・・・・。ただ、俺との約束を守るがために・・・・・・あいつは命を張ってここを守ってくれたんだ・・・・・・。・・・・・・己の命と引き換えにな?」
「「「・・・・・・」」」
「俺があの時、エリスとそんな約束をしなければ、きっとあいつは死なずに済んだかもしれないんだ・・・・・・。いや、あいつの事だから、そんな約束してなくても同じ様なことをしてたかもしれないが、少なくとも命までは失わなかったはずだ・・・・・・。だから・・・・・・エリスを失った責任は俺にもある・・・・・・すまなかったな?」
エリスの死は俺にも責任はある・・・・・・。このケジメはもちろん付けるつもりだが、今は・・・・・・俺には謝ることしかできなかった。
「リムルさん・・・・・・今日、私たちがここに来たのはね?・・・・・・あることを伝えるために来たの」
「・・・・・・あること?」
「うん。可能性はほとんど無いに等しいんだけどね?・・・・・・でも、あるのよ。”死者が蘇生した”っていう御伽噺が・・・・・・」
「っ!」
”死者の蘇生”・・・・・・その言葉に俺の体は反応する。御伽噺でしかなく、作り話としか思えないその話は到底信じられるものでは無かった。・・・・・・だが、もしも・・・・・・本当にその”死者の蘇生”が可能であることが分かれば・・・・・・。
「(また・・・・・・エリスと一緒に暮らせる?また・・・・・・エリスに会うことが出来る?)」
可能性がゼロに等しい事は間違いない。死者の蘇生というのはそれ程のことなんだ。夢物語もいいとこだ。・・・・・・だが、少しでも可能性があるなら、俺はそれに賭けてみたい・・・・・・。俺は・・・・・・絶対に失いたく無いんだ!エリスを!大切な親友を!
「エレン、その話を詳しく聞かせてくれ」
––––––––––––––––––––––––––––––––––
俺はエレンから、死者の蘇生にまつわる御伽噺の全てを聞かせてもらった。
幼い竜皇女と子竜の出会い・・・・・・仲良くしていたその子竜を、ある魔法大国が手にかけ、それに竜皇女がブチギレた事・・・・・・その怒りが元で竜皇女は復讐として、魔法大国の人間数十万人を虐殺し、魔王へと開花した事・・・・・・死んだはずの子竜が竜皇女の魔王化と共に生き返った事・・・・・・生き返ったその子竜は魂を失ったことで
この御伽噺は、”魔導王朝サリオン”に伝わる物のようで、エレンの話だと、この御伽噺はサリオンの中でも限られた人でしか知りうることが出来ない様な話らしい。・・・・・・エレンって実は結構すごい奴だったりするのか?
「その話通りであるなら、俺が魔王にでもなりさえすれば、エリスは生き返るって事になる。だが、それだとその御伽噺の二番煎じにしかならない。生き返ったとしても、それでエリスがエリスじゃ無くなってしまうのであれば意味がないんだ・・・・・・」
そうだ・・・・・・。たとえ生き返ったとしても、エリスがその御伽噺の子竜のように魂を失って、全くの別人の様になって仕舞えば俺が魔王になっても意味が無い。もし、エリスがその子竜のように破壊の限りを尽くすような暴君へと成り下がってしまった時には・・・・・・俺が直々に息の根を止めなくてはいけなくなる・・・・・・。それは絶対に嫌だった・・・・・・俺自らの手で、エリスを殺すなんて、出来るはず無いんだからな・・・・・・。
「もしかしたら何だけど・・・・・・今、
「(・・・・・・大賢者、どうなんだ?)」
〈解。本来、絶命した者達の魂は拡散し、やがて消滅をしますが、二種の結界によりそれは阻まれているため、魂が残存している可能性はあります。その可能性・・・・・・”3.14%”〉
円周率かよっ!?とツッコミたくなったが・・・・・・それと同時に小さいが、希望を見出せた俺は、どこか心がスッとしていた。
「(エリスを蘇生できる可能性が3%以上もある。それだけ可能性があれば十分だ。俺が魔王になる事になっちまうが、そんなのどうでも良い・・・・・・エリスが蘇ってくれるのであれば、俺は魔王でも何にでもなってやるさ!)」
俺にもう、迷いは無かった。俺はエリスを生き返らせるために魔王になる。これは決定事項だ。もう誰に何を言われようとも、この決断を覆す事はしない。
「エレン、教えてくれて感謝するよ。でも良いのかよ?仮にもその話を知る数少ない奴だって言うのに、俺にこんな提案をして・・・・・・俺に魔王になれって言ってる様な物だぞ?」
「いいの。私たちだって・・・・・・エリスさんには生き返って貰いたいしね。でも、もしリムルさんが魔王になれば、きっと私が関与していると言うことはすぐにバレちゃうと思うの。そうなればきっと私は国に連れ戻されるわ・・・・・・”そう言う”家系の出身だからね」
「お前・・・・・・実は結構、お偉いさんなんだろ?礼儀作法や佇まいとかを見ても、ただの一介の冒険者には見えなかったし・・・・・・」
エレンへの違和感は前からずっとあった。冒険者とは思えないほどに綺麗で清楚な顔立ち、ただ冒険者をしているだけでは絶対に身につけることなど出来ない礼儀作法、マナー、それらを兼ね備えていた彼女は、とてもただの冒険者の様には見えなかったんだ。
「うん。隠していてごめんね?・・・・・・私の本当の名はエリューン・グリムワルト。サリオンの王家に連なる家系なんだぁ・・・・・・」
エレンは少し申し訳なさそうに、髪に隠していたその
「別に気にしちゃいない。・・・・・・ってなると、カバル達は・・・・・・」
「俺たちはエレンの護衛で付き添ってるんだ。冒険者を夢見て国から出てきたお嬢様の面倒見を兼ねてな?」
「姐さんはどこか危なっかしいとこもあるっすからね〜」
「どう言う意味よぉ!それって!」
さっきの深刻そうな様子が嘘のように、いつものようにコントを繰り広げる三人にどこかほっとする俺だった。・・・・・・こいつらは、その見た目通り本当の意味での『仲間』なんだな・・・・・・。
––––––––––––––––––––––––––––––––––
エレン達は、しばらくの間この町に留まると言う事に決め、宿へと帰っていった。と言うのも、さっきエレンが言ったように俺が魔王になれば、エレンがその情報を漏らしたと気づかれる事となり、国へと連行されることになるそうだ。だから、それまでの間はこの町に留まりたいとの事だったため、俺は快く了承をしたわけだ。確かに魔王の誕生に加担したとされれば、エレンの国での立場は厳しいものになることは間違い無い。そのリスクを冒してでも、あいつは俺にこの情報を届けてくれたんだ・・・・・・あいつの想いに応える為にも・・・・・・絶対に魔王になって、エリスを蘇らせないとな・・・・・・。
〈告。
「(魔王種?何だそれ?)」
魔王種と言うよく分からない単語が大賢者の口から出たことに俺は疑問を覚える。大賢者の話だと、”魔王種”と言うのは魔素量や保有スキルが真なる魔王へと覚醒するに足るか否かを指し示す称号の事を言っているらしい。その称号をすでに持っている俺は、その条件とやらをクリアすれば魔王へと覚醒できるらしい。その条件がどんなのによるがな・・・・・・。
「(その条件って?)」
〈解。御伽噺から推測するに、種を発芽させるには養分が必要となります。その
「・・・・・・」
その条件とやらを聞いた俺は、言葉を無くした。つまりは・・・・・・魔王になるには俺自身が一万人以上の人間達を殺さなくてはいけないという事だ。いずれは共存を望んでいたあの人間達をだ・・・・・・。だが・・・・・・。
「(いずれは攻めに行こうって考えてた訳だし、ちょうど良いのかもな。・・・・・・それに、ここで俺が人間を殺すことを渋れば、エリスは蘇ることも無いし・・・・・・何より、人間を殺したという罪をあいつ一人に背負わせる事となってしまう・・・・・・。そんなこと、絶対にさせてやるもんかよ・・・・・・エリス・・・・・・お前が背負った罪・・・・・・俺にも背負わせてもらうからな?)」
あのエリスも、苦渋の決断で一万人以上の人間達を殺したんだ・・・・・・みんなと国を守るために。だったら俺は、エリスを生き返らせるために一万人以上の人間達を殺して魔王になってやる・・・・・・。
「・・・・・・迷いは吹っ切れた。なら早いとこ準備を・・・・・・って、ん?」
決意を固めた俺は、準備に取り掛かろうとした。その時、俺の粘綱糸が反応を見せた。
『リムル様!』
「ソウエイか。すまないな、中々連絡出来なくって」
『いえ、ご無事であるなら何よりです』
結界の外からこの結界を張っている人物達の捜索に取り掛かっていたソウエイから粘綱糸を通して連絡が入った。
「で、どうだ?見つけたか?」
『はっ。町の四方に西方聖教会の騎士の集団が陣取っています。一ヶ所につき、規模は中隊程度でその傍に”魔法装置”の様なものが置かれていることを確認しました。おそらく、その装置が結界を作り出しているものかと・・・・・・』
「そうか。今はまだ動くな。相手は未知数だからな・・・・・・俺が指示を出すまでは町の周囲の警戒を続けてくれ」
『はっ。それと、先ほどトレイニー殿から連絡が入り、ファルムス王国と西方聖教会の連合軍が我らの領土へと進行中との事です。数はおよそ、”二万”に上ると・・・・・・』
「エリスに一万の兵を殺されて尚攻めてくるなんて・・・・・・いい度胸だ。俺がその命・・・・・・全て狩り尽くしてやる・・・・・・」
二万もいれば、俺が魔王になる
「ソウエイ・・・・・・一ついいか?」
『はっ?まだ何か?』
任務の支障になるかも知れないから、言わないでおこうと思っていたが、やはり他のみんなが知ったことをソウエイにだけ伝えないという訳にはいかないからな・・・・・・。ソウエイの心が、あまり乱れないことを願うしかない。
「エリスが・・・・・・死んだ」
『っ!!まさか・・・・・・そんな・・・・・・』
「信じられないのも無理ないが、事実だ」
やはり、流石のソウエイでも心の動揺は隠せなかったようだ。・・・・・・いきなりそんな衝撃的なことを言われたら・・・・・・そういう反応になるよな・・・・・・。
「だが心配するな。俺が魔王になって、絶対にあいつを蘇らせてみせるからな。・・・・・・随分とぶっ飛んだ発言だが、可能性はあるんだ。・・・・・・だから、今は信じて待っていて欲しい。・・・・・・頼む」
『・・・・・・御意。どうか・・・・・・お願いします』
その言葉を最後に通信が途切れた。とりあえず、結界を張っている奴らの場所の特定はできた。後はそいつらをいつ仕留めに行くかだが・・・・・・今はそれはおいておく事にし、俺は一旦エリスの家の外に出た。
外に出た俺は、先ほど大賢者が
突然張られた新たなる結界に驚いたのか、ベニマルやリグルドが慌てて俺の元に駆けつけてきたが、『俺が張った』と言えば、二人は納得して安堵の表情を浮かべた。
「リグルド。日が昇ったらみんなを会議室に集めておいてくれ。今後の人間に対する振る舞いについて議論するのと・・・・・・エリスの蘇生について話しておくべきことがあるから」
「っ!・・・・・・はっ、お任せください!」
思ったよりもあっさりと引き受けてくれたリグルドに俺はどこか拍子抜けしてしまう。普通、人を蘇らせるなんて言ったら、『頭がおかしくなった』とか、『冗談はやめてください!』と言った感じで心配、もしくは怒られると思ってたんだがな?
「ある程度は俺たちも予想していましたからね。リムル様ならばきっと・・・・・・エリス様を蘇らせることができる・・・・・・と」
「ふっ・・・・・・そうか。なら、俺はそのお前達の気持ちにしっかりと応えなくちゃな。ベニマル、明朝にミュウランの事情聴取と彼女に対する処遇を行う予定だから、お前も付き合ってくれ」
「はっ・・・・・・」
みんなもエリスの蘇生を望んでいる。なら俺は、そのみんなの願いに応えるために尽力するだけのことだった。
絶対に生き返らせてみせるからな?・・・・・・エリス。
俺が決意を固めると同時に・・・・・・眩い光を放つ朝日が・・・・・・
そして、先ほどまで空を覆っていた厚く、どんよりした雲は姿を消し・・・・・・青く澄んだ青天の空が姿を露わにしていた・・・・・・。
次回はミュウランとリムルが接触します。
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