転生して水になったので存分に楽し・・・・・・水っ!? 作:レイ1020
「シオンっ!!」
執務館から一目散で家まで駆けて来た俺達は、襖を開け、中に雪崩れ込むと同時に、大声でシオンの名を叫んだ。そして、中で確認出来たのは、布団から半身を起こし、どこか不思議そうに首を傾げていたシオンの姿だった。その元気そうな姿に俺たちは、ほっと息をついた。
「り、リムル・・・・・・様?」
「良かった・・・・・・目が覚めたんだな!本当に心配したんだぞ!?」
「へっ?あ、はい・・・・・・ご心配をかけてしまい、すみませんでした・・・・・・ですが、その・・・・・・ちょっと私自身、理解が追いついていないと言うか・・・・・・何故、私は生きて・・・・・・?」
「シオン・・・・・・」
怪訝な顔つきで、自分の体をペタペタと触りながら、自分の生存を訝しんでいる様子のシオンに、俺たちはどう声をかけて良いのか分からなくなる。シュナ達の話じゃ、シオンはあの時、息を引き取る寸前だったらしいし、本人もそれを覚悟してただろうから、その様な反応になるのも頷ける。
「シオン、あなたは一命を取り留めたのですよ。・・・・・・エリス様の懸命なる治療のおかげで・・・・・・」
「そうでしたか・・・・・・。私の独断で勝手なことをし・・・・・・勝手に死にかけたと言うのに・・・・・・エリス様にはなんとお詫びをしたら良いか。・・・・・・エリス様!こんな不甲斐ない配下である私を助けてくださり、ありがとうござ・・・・・・・・・・・・っ?あ、えっと・・・・・・エリス様は・・・・・・?」
「・・・・・・」
エリスも来ていると思い込んでいたのか、シオンはこの場にいないエリスの不在に違和感を覚えていた。
「(どうする?ここでエリスが死んだことを伝えるのも良いが・・・・・・それだとシオンが悲しむことは必至だ。『自分の治療のせいでエリスは命を落とした』・・・・・・その事実を知ってシオンが正気でいられるとは思えない。嘘をついてこの場を凌ぎ、エリスが生き返るのを待つのも手だと考えたが、それもあまり効果は無さそうだ。第一、俺が魔王になったところで、エリスが生き返ると言う保証は無いからだ。何せ、可能性はあったとしても3%弱だし・・・・・・。俺はそれでも諦めちゃいないが、万が一・・・・・・”エリスが生き返らない”・・・・・・なんて事になれば、この嘘はすぐにバレてしまう。・・・・・・ちっ、どうすりゃ良いんだよ・・・・・・)」
「リムル様?目が泳いでいますが・・・・・・?」
「っ!いや、そのだな・・・・・・」
「リムル様・・・・・・言い難いのであれば、わたくしが言いましょう。・・・・・・シオン、心して聞きなさい?エリス様は・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・はい?」
いつまでもモジモジしている俺が見ていられなかったのか、シュナがさっさと事実を吐いてしまう。・・・・・・当然、そんな突拍子も無い事を言われたシオンは、顔を硬直させ目を見開き、驚いていた。
「何を・・・・・・言っておられるのですか、シュナ様?・・・・・・いくら何でも、そんな冗談は・・・・・・」
「嘘ではありません。エリス様は・・・・・・あなたを治療した後、その治療故に力を使い果たした事が要因で・・・・・・息を引き取られたのです。・・・・・・わたくし達は、エリス様の最期を見送ったので、確証もあります。・・・・・・そうですよね?お兄様?」
「・・・・・・ああ、シュナの言ってることは事実だ。エリス様は・・・・・・お前やこの町の住民全員のことを助けた代償で・・・・・・命を落とされた。だが、エリス様が亡くなられたのは決してお前だけのせいでは無い。エリス様に過度な負担をかけた俺たちにも責任はあるんだからな。だから・・・・・・あまり深刻に思い詰めるな・・・・・・」
「あ、あぁ・・・・・・あ・・・・・・」
ベニマルのそのフォローは、シオンの耳には届いていなかった。俺の憶測通り・・・・・・シオンは、自分が原因でエリスが死んだと思い込み始めてるようで、徐々に嗚咽が大きくなってくる。・・・・・・だから、言うべきでは無かったんだ・・・・・・こうなることが分かっていたから・・・・・・。
「わ、わた・・・・・・私・・・・・・のせい?・・・・・・私が勝手な真似をしたせいで・・・・・・あの・・・・・・エリス様が?・・・・・・うそ・・・・・・嘘だ・・・・・・嘘だ・・・・・・嘘だ、嘘だ、嘘だっ、嘘だっ嘘だっ嘘だっ嘘だっ嘘だっっ!!!」
「シオン、落ち着けっ!!」
エリスの死にシオンの体が過剰に反応し、拳を床に叩きつけつつ怪我明けということも忘れて、盛大に暴れ回り始めた。俺の制止の声も、冷静さを欠いた今のシオンには届いていなかった。
「ベニマルも言ったろっ!お前の責任じゃない!責任は、お前達の事をほったらかして全てのことをエリスに押し付けた俺にあるんだ!お前が気に病む必要なんて無いんだ!」
「ですがっ!私があの場で勝手な行動を取って死にかけさえしなければ、エリス様はっ!!」
「分かってる!お前の気持ちは痛いほど分かる!だが、一旦落ち着いてくれ!話が進められないんだっ!!安心しろ!エリスは絶対に
「っ・・・・・・」
”蘇生”と言う単語が俺の口から出ると、ようやくシオンは、少しだけ落ち着きを取り戻し、視線だけをこちらへと向けてきた。ふぅ・・・・・・とりあえず話ができる状態になったか・・・・・・。
「リムル・・・・・・様。・・・・・・どう言うことか・・・・・・詳しくお聞かせください・・・・・・」
「ああ。ちゃんと説明するさ。エリスの蘇生って言うのは・・・・・・」
そこからシオンには、先程の会議でみんなに話した内容と同じことを説明した。エリス蘇生の為の俺の魔王化・・・・・・今後の人間達との触れ合い・・・・・・俺が元人間であり、転生者である事・・・・・・その全てを。
「・・・・・・と言うわけだ。だから、俺に任せておいてくれないか?」
「・・・・・・」
話の全てを聞き終わり、納得した様子のシオンだったが、それでもやはり、自分が原因でエリスを死なせてしまった事に負い目を感じてしまってるようで、一向に表情は暗かった。
「なぁ、シオン?お前は、その時の自分の行動が間違っていると思っているのか?・・・・・・聞くが、お前は何でそんな行動に出たんだ?よく思い出してみろ」
「・・・・・・え?いえ、決してその様なことは・・・・・・。あの時、私が助けに入らねば、きっと人間達にあの子供は殺されていた事でしょうし、間違ってるなど・・・・・・あっ・・・・・・」
「・・・・・・そう言うわけだ。お前がその場でその行動に出ていなければ、傷を負っていたのはおそらくその子供だ。その子供が傷をつけられれば、エリスはひどく傷つく。・・・・・・お前は、その時にその事を瞬時に判断できたんだろ?だから、身勝手な行動と分かっていながら自分の身を賭してまで助けに入った。・・・・・・違うか?」
「・・・・・・」
俺の言いたいことがなんとなく理解できた様子のシオンは、徐々に顔を上げ始め、俺と視線が交錯した。
「エリスに申し訳ないと思ってるなら、少なくともお前がしたその行動に対して引け目を感じるなんて事は絶対にするな。エリスはそんな事、絶対に望んじゃいないし、命を張って助けたシオンがそんな調子じゃ、エリスも浮かばれないだろ?・・・・・・それに、子供が傷つけられた場合でも、エリスなら確実に今回お前にした様な治療をその場で施して命を落としたはずだ。・・・・・・つまり、お前が行動に出ようと出なかろうと、ただ治療される相手が変わるだけで、どの道エリスは助からない運命だったんだ。・・・・・・皮肉な話だけどな」
「・・・・・・そうですか」
「それでも、まだ負い目を感じてるってんなら、それならもう直接エリスに謝って、叱って貰うんだな。それが一番手っ取り早いってもんだ」
「・・・・・・ですが、エリス様が生き返ると言う保証なんて・・・・・・」
「可能性は薄いがゼロじゃない。だったら少なくとも希望を持つべきだ。・・・・・・少なくとも、”ここにいる全員”はエリスが生き返る事を信じて俺に託してくれてる。だから・・・・・・お前も、どうか希望を捨てないで貰いたい。お前達のその一つ一つの気持ちが、あいつを・・・・・・エリスを呼び戻してくれる・・・・・・って気がしないでも無いんだ。・・・・・・だから、頼む!」
ゆっくりと頭を下げつつ、シオンに懇願をした俺。国主としてはあるまじき行動なのかもしれないが・・・・・・そんなの、今はどうでも良くなっていた為、気にはならなかった。
「顔を上げてください、リムル様。私は・・・・・・命が助かった事については本当に嬉しく思っています。・・・・・・エリス様には感謝をしても仕切れない程です。・・・・・・ですが、やはりエリス様にはもう一度会って、しっかりと謝罪をしたいです!ですので・・・・・・どうか、エリス様のこと・・・・・・よろしくお願いします・・・・・・」
「もちろんだ。・・・・・・必ず、あいつを・・・・・・生き返らせて見せる!」
シオンの想い・・・・・・それを胸に刻んだ俺は、改めてエリスの蘇生を遂行して見せると言う決意を固めるのだった・・・・・・。
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「ヒョウガ、セキガ、カレン、ガビル、ちょっといいか?」
シオンの元を訪ねた後、俺は中断していた会議を再開するために執務館へと戻り、みんなへの役割等を詳しく説明をした。説明を終え、会議をお開きにした後、俺は4人を呼び止めた。
「・・・・・・なんでしょうか?」
「我輩たちに何か用でありますか、リムル様?」
「・・・・・・聞くが、お前たちも俺たちに協力してくれると見ていいんだよな?どうにも会議中口数が少なかったから気になってよ・・・・・・」
俺がこの4人を呼び止めた理由としては、こいつらが
「・・・・・・」
「我輩は、リムル様にも従っている身ですぞ?無論、我輩もリムル様と共に戦わせて貰いますぞ!」
「お前は相変わらず調子良いな。・・・・・・で、他の3人はどうだ?」
ガビルは何となく大丈夫だと思ってたため、何にも心配はしていなかったが、問題は残りの3人だ。こいつらはほぼ毎日と言って良いほどエリスに付き従っていたし、エリスへの忠誠度も他の誰よりも高く、懐いていた。そんな3人の心の拠り所でもあったエリスがいなくなった今、こいつらが今後どうするのかなんて検討も付かなかった。俺はヒョウガはともかく、セキガやカレンとはほとんど接点が無く、話をした事だって数えるほどしか無い。そんな接点が少ない俺に付き従ってくれるとは・・・・・・。
「もちろん、協力します」
「・・・・・・は?」
心の中で色々と考え込んでいた俺に浴びせられた言葉は、俺の思っていたこととはまるで逆の言葉だった。
「はぁ・・・・・・だから、協力すると言ってるのです。ワタシ達はあなたに」
「・・・・・・てっきり渋られるかと思ってたんだが・・・・・・俺の思い過ごしだったか?」
「勘違いしないで下さい。ワタシ達が従うのは主様・・・・・・その気持ちは変わっていません。ですが、その主様を蘇らせるためには、あなたの力が必要不可欠との事ですので・・・・・・・・・・・・今回は、一時的にあなたに従う事にします。指示があれば何なりと申しつけて下さい・・・・・・2人もそれで良いですね?」
「もちろんだ!リムル様・・・・・・オレの力で良ければいくらでもお貸ししますので、何なりとお使いください!」
「私の力も存分に使って下さい!ですので・・・・・・どうか、エリス様を・・・・・・生き返らせて下さい!お願いします!」
「お前ら・・・・・・分かった。それなら、思う存分、お前達のことも頼りにさせて貰うからな?・・・・・・エリスを生き返らせる為、力を貸してくれ!」
「「「「はっ!」」」」
こうして、ヒョウガ達も協力してくれる事となり、さらに絆が強固となった俺たちは・・・・・・エリス蘇生に向けて行動を開始し始めるのだった。
次回でようやく動きを見せます。ここまでだいぶ掛かったので、少し疲労困憊気味です・・・・・・。
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