転生して水になったので存分に楽し・・・・・・水っ!? 作:レイ1020
「リムル、ちょっとの間、シオンと二人っきりにさせてくれないかな?話したい事があるんだ」
シオンと少し話をしておきたかった僕は、再会を喜ぶのも程々に、リムルにそう伝える。シオンはそれに少し驚いている様子だけど、リムルもベニマルもシュナも大方の予想はついていたようで、特に驚きは見せず、小さく頷いていた。
「ああ、構わないぞ?その間、俺達は軽く宴の準備でもしとくわ。お前の復活のお祝いも兼ねてな。あ、ついでにヒョウガ達も起こしてくる。まだ眠ってるらしいが、お前が生き返ったって知れば、即起き上がる事間違い無しだからな」
「あはは、だね。じゃあ、起こしたら僕の家で待つ様に言っておいて?」
「おう、後でな」
リムル達は宴の準備の為、この場を後にして行った。この場に残ったのは僕とシオン。・・・・・・普段であれば、特段珍しくも無い組み合わせなのだけど、今回ばかりはどこか息苦しさを感じさせる様な空気の重さが肩にのしかかっていた。それもあってか、二人っきりになってからと言うもの、僕たちの間に会話は無かった。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・ねぇ、シオン?ちょっとこっち来て貰える?」
「・・・・・・え?」
先に沈黙を破ったのは僕だった。僕の突然のその指示に、シオンは訝しげな表情を浮かべていたが、それでも言う通りに僕の近くまで来てくれた。さて・・・・・・。
「ちょっと屈んでもらえる?」
「・・・・・・?えっと、こう・・・・・・でしょうか?」
「そうそう。・・・・・・」
魔王になって進化したからか、少し背が伸びた僕だけど、それでもまだ身長はシオンの方が高かった為、シオンに身を屈めて貰った僕は、自分の両手を、シオンへと静かに伸ばす。
(ぐいぃぃ〜〜〜〜・・・・・・)
・・・・・・正確には、シオンの
「っ!!?え、えうぃふはま!?なにほ!?」
「うんうん。やっぱり、キミにはこんな笑顔が似合うね。今みたいな、暗い顔よりも・・・・・・ね?」
僕に両頬を引っ張られ、顔を真っ赤に紅潮させたシオンは、ワタワタと手を上げ下げしていた。・・・・・・こう言った仕草もまた、可愛らしいね、シオンは。
「は、はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・エリス様、揶揄うのはよして下さい。今はとても、それに乗っかれる程の精神状態では・・・・・・」
「また暗い顔してるね?さっきのは、その暗い顔をやめて欲しいっていうのと、いつものシオンに戻って欲しいっていう意思表示を示したつもりだったんだけどな〜?」
「暗い顔って・・・・・・それは、私のせいで・・・・・・エリス様が・・・・・・」
やっぱり、シオンは未だに悔やんでいる様だった。あれは、不可抗力であって、決してシオンのせいでは無いって言うのに。・・・・・・まぁ、そう言ったところでシオンが素直に受け入れてくれる筈も無いだろう。だが、それは想定内だ。何も問題は無い。・・・・・・僕は、シオンの悔やみを少しでも払拭するべく、一つ”嘘”を吐く事とした。
「それは違うよ?僕が死んだのは誰の責任でも無い。それは、自分の体の管理を怠った僕自身の責任だ。キミが悔やむ必要なんて何一つない。・・・・・・実は、言ってなかったんだけど、僕はあの場でキミを治療しなくても、その後
「っ!!・・・・・・え?」
「その前の一万の兵達との戦いで大方の魔素を使い果たしちゃって、もう生命維持が出来なくなるまでになっちゃってたんだよ、あの時は」
「え、えぇ・・・・・・?」
信じられないと言う気持ちと、意味がわからないという気持ちが重なっているのか、変な表情になってしまうシオン。・・・・・・もちろん、これに関しては嘘。あの場ではちゃんと自分が生命を維持できる魔素ぐらいは残しておいたし、死ぬと言う事は無かった・・・・・・んだけど、それをありのままに伝えちゃうと、またシオンが悲しい顔をしてしまう為、こんな嘘を吐いたんだ。
「キミのことを治療していようといなかろうと、どのみち僕は死んでたんだ。だったら、せめて自分の大切な家族ぐらいは助けてから死にたい。あの時の僕は、そんな自己満足的なことを考えながらキミの治療を行なっていたんだ。・・・・・・だから、キミが悲しむ事なんてないんだよ?それに、キミがいなければミラはきっと重傷を負っていただろうし、下手をすれば命を落としていたこともあり得たんだ。むしろキミは、その時の自分の行動に誇りを持ったって良いと思う」
「・・・・・・」
「それとも何?シオンはあの場でミラの助けにさえ入らなければ、僕は死なずに済んだと思ってたの?・・・・・・聞くけど、シオンはミラを助けた事を後悔してる?してない?」
「・・・・・・後悔は、ありません。あの場で、あの子供・・・・・・ミラを傷付けられれば、私達も悲しかったでしょうし、エリス様もリムル様もきっと悲しがられたでしょうから・・・・・・助けられて、ホッとしてます」
「そっか。それなら、もう話す事はないよ。だって、シオンはミラを助けて重傷を負ったけど僕が助けて今、こうして生きてる。そして僕も、こうしてリムルの手によって生き返り、今この場でキミと会話をする事が出来てる。そして、僕たちの間にもあった蟠りも解決した。この事実さえあれば、もう僕たちが暗くなって話す理由なんてないでしょ?」
「・・・・・・そうですね。過去がどうであれ、今こうして私たちが無事に再会出来てさえいれば、何も問題はありませんでしたね。すみませんでした、エリス様。先程からずっと、過去のことを引き摺って、自己嫌悪を拗らせてしまい・・・・・・エリス様やリムル様にご心配をおかけして・・・・・・」
「気にしなくて良いって。配下の面倒を見ることもまた、僕たちの仕事だからさ?」
「ふふ、ありがとうございます。それと・・・・・・私を治療してくださり、本当にありがとうございました!この御恩は一生忘れません!」
会話の果てに、ようやく垣間見えたシオンの笑顔に、僕の頬も自然と緩む。うんうん、どうやらもう心配はなさそうだ。嘘をついたのはちょっと罪悪感が芽生えるけど、これもシオンの為だし、これぐらいは良いよね?
シオンとの蟠りを解決した僕は、宴の準備に行くと言うシオンとその場で別れ、単身僕の家へと赴いた。
僕の”直属の配下”達が待つ家へと・・・・・・。
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リムルの家から僕の家まではそこまで距離もない事もあって、数分もしないうちに着いた。もし、まだみんなが来てないのであれば、待とうとも考えていたが、その必要はどうやら無い様だった・・・・・・。だって、そこには・・・・・・見知ったと言うか、知りすぎている4人の姿が確認出来たんだから・・・・・・。
「っ!!おおっ!エリス様〜!!よくぞご無事でっ!!」
まず、最初に僕に気がついたのはガビル。彼は僕を発見すると共に、涙を浮かべつつ一目散に僕の元まで駆け寄ってくる。
「エリス・・・・・・様・・・・・・」
ガビルの声でセキガも僕に気がついたようで、ガビル同様、涙をこぼしながらゆっくりと僕に近づいてくる。
「あ、あぁ・・・・・・本当・・・・・・に、エリス様だ・・・・・・」
カレンは、嬉しさのあまりか、その場で泣き崩れてしまっていた。
「主・・・・・・様・・・・・・?主様・・・・・・主様あぁぁぁーーーーっっ!!!」
最後にヒョウガは、僕を見つけると同時に、誰よりも早く僕に抱きついてきた。先に駆け寄ってきたのはガビル達だって言うのに、相変わらずのスピードだこと。
「おおっ・・・・・・っと。あはは・・・・・・相変わらずヒョウガはもふもふで気持ちいいね?」
「そ、それならばもっと・・・・・・って、そうではありません!主様・・・・・・無事に生き返られたのですね?・・・・・・本当に・・・・・・本当に良かった・・・・・・です」
「うん。悲しい思いをさせちゃってごめんね?・・・・・・みんなも本当にごめん。キミ達を置いて、勝手に死んじゃって・・・・・・」
「全くですよ・・・・・・もう」
泣きながら、僕の顔をペロペロと舐めてくるヒョウガに対し、セキガは皮肉まじりにそう言うが、その表情は満面の笑みそのものだった。カレンもガビルも、すでに涙は止まっていた。
「エリス様・・・・・・此度は、本当に申し訳ありませんでした。近衛兵ともあろう者である私たちが・・・・・・主であるあなた様を守れず・・・・・・何も出来なくて」
「(今日は本当によく謝られる日だ・・・・・・。僕のせいなんだけど・・・・・・)キミ達は近衛兵として最後まで僕に力を貸してくれ、守ってくれてたでしょ?それだけで十分だよ。セキガ、カレン。キミ達は本当によく頑張ってくれた。・・・・・・ありがと」
「「っ!!」」
お礼を言われるとは思っていなかったのか、二人は非常に驚いた様子を見せると、すぐに治ったと思っていた涙が、また溢れていた。
「ガビルもありがとね?僕がいない間、この二人や他の配下達を守ってくれたのはキミなんでしょ?」
「はっ!我輩は、エリス様であればきっと再び我らの元に戻ってくると予測しておりましたので、その時が来るまで我輩が皆を守ろうと決めた所存でございます!!そうであろう、ヒョウガ殿?」
「ワタシは守られたつもりはありませんが、ガビルの言う事は事実です。この方無しでは、あなた様の配下全員を束ねる事など出来ませんでしたので・・・・・・」
「なるほど。・・・・・・ガビル、何か欲しい物があればいつでも僕に言ってきて?今回のお礼も兼ねて用意するからさ?」
「ははっ!!ありがたき幸せっ!」
本当にガビルには感謝しておかないと。普段はおちゃらけて調子に乗ってるイメージしか無い彼だけど、やっぱり
「主様?先程からワタシを放置してますが、そろそろワタシにも構って貰いたいものですが?」
そんなガビルへの想いを募らせていると、自分のことを後回しにされ、ムッとした様子のヒョウガがジト目で僕の事を覗いていた。・・・・・・前足を僕の肩に掛けながら。
「ごめんごめん。キミにも随分と心配かけちゃったね。・・・・・・リムルから聞いたよ?僕を生き返らせるために、リムルの指示のもと動いてくれたんだって?良かったよ、みんなはともかくキミがリムルの指示に素直に従ってくれて」
「・・・・・・いえ、あの人に協力せねば、主様は生き返れないとの話を聞きましたので、やむを得ず・・・・・・です。ですが、今回主様を約束通り生き返らせてくれたことにはあの人に感謝してます」
「感謝して、リムルの評価も少しは変わったんじゃない?今後はもっと、要所要所でリムルの指示に・・・・・・」
「主様がいる今、ワタシが第一に従うのは主様です。リムルさんは二の次です」
・・・・・・相変わらずのヒョウガの僕への忠誠心に苦笑いを浮かべる。でも、少なくとも以前ほどに、リムルとヒョウガは悪い関係ではなくなってると思ってる。そうで無ければ、ヒョウガが素直にリムルに従うとも思えないし。
「あはは、ありがと。そういえば聞きたかったんだけど、何でさっきまでみんなは眠ってたの?普段のキミ達ならとっくに起きてる時間帯でしょ?」
これまであった僕の疑問だ。時間帯的には朝だけど、普段みんなは早起きで、この時間帯であればみんなすでに起きてたんだけど、リムルの話ではさっきまで寝ていたって話だったから、違和感を覚えたんだ。
「わかりません。ただ、エリス様が魔王へと覚醒なされた後、
「
《解。
リーテさんの解説に、どこか納得した僕。前と比べて、みんなの魔素量が上がってたし、体も少し引き締まった様な気もしてたからもしやって思ってたんだけど、それが原因だったってわけね?
「どうやら、みんなに色々とこの世界からプレゼントがあったみたいだよ?スキルとか」
《告。その説明では、十分な理解は得られないと思われます》
「(やっぱり進化してから、本当に喋る様になったよね?・・・・・・嬉しいけどさ?)」
《・・・・・・情報の不届きを防ぐべく進言しただけです》
喋る様になったのは嬉しいけど、なんかリーテさんがツンデレみたいになってるのは気のせいなのかな?
「スキル・・・・・・ですか?あんまり実感がありませんけど、後で確認してみます」
「そうしな。さて、改めて言うけど、みんな本当に心配をかけてごめん!心配をかけてみんなに悲しい思いをさせた分は、今後の僕の行動で返していくつもりだから、これからも今まで通り、僕に力を貸してくれ!」
「もちろんですともっ!このガビル、どこまでもお供させてもらいますぞっ!」
「オレ達も・・・・・・今度こそは、あなた様を誠心誠意をかけてお守りさせていただきます!」
「もう、あなた様を失うのは懲り懲り・・・・・・ですからね?」
僕のその言葉に、みんなはそれぞれ僕の前で跪くと、改めて今後の忠誠を誓ってくれた。
「もう、今後一切ワタシ達の前からいなくならないで下さい。・・・・・・また、あなた様を失えば・・・・・・今度こそ、自制を保てなくなり兼ねませんので・・・・・・お願いします」
「うん。もう死んだりなんてしないさ。こんな、素敵な配下や家族達が居るんだからね?」
最後に、ヒョウガと重い約束を交わした僕は、そのままみんなを引き連れて、宴の準備に取り掛かる町中へと足を運ぶのだった・・・・・・。
「ねぇ、シオン?」
「はい?どうかされましたか?」
「さっき、キミが言ってたことだけど、一つ間違ってるところがあったから訂正させてもらうよ?」
「・・・・・・?なんでしょう?」
「キミは、『ミラが傷付けられれば僕たちは傷つく』と言ったね?・・・・・・だけど、僕たちが傷つくのはそれだけじゃ無い・・・・・・」
「・・・・・・?」
「
「っ!!?え、な、なぁ・・・・・・?」
「それだけ。じゃあ、準備の方はよろしくね?」
「・・・・・・・・・・・・」
エリスはそれだけ言い残すと、その場を後にしたが、この時・・・・・・シオンの顔が”茹で蛸”のように真っ赤に染まってる事に気がつく事は無かった・・・・・・。
ユニークスキル『
『
また、『
このスキルも、かなりぶっ壊れてますね・・・・・・。自分が不死身に近くなるどころか、魂が無事なら生き返らすことが出来るって・・・・・・『反魂の秘術』要らなく無い?
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