転生して水になったので存分に楽し・・・・・・水っ!? 作:レイ1020
視点 リムル
俺の後にも、続々と魔王達が入ってきて、その中には、俺が探し求めていた魔王・・・・・・レオン・クロムウェルがいた。奴はシズさんをこの世界に召喚し、イフリートを無理やり憑依させて苦しめてくれた張本人。奴に対して、怒りが溢れ出ていた俺は席を立ち、奴に近づき声をかけると、これまでのシズさんの苦悩、苦闘、そして、彼女の死のことを伝え、『一発殴らせろ』と怒気をにじませながらそう言い放った。だが・・・・・・。
「ほう、お前がリムルか。その姿、懐かしいが・・・・・・出会い頭に何を言うかと思えば・・・・・・断る。シズに対して、私は選択の余地を与えたのだ。”人として生きる”か、イフリートを取り込んで”魔人として生きるか”を・・・・・・だ。そして、彼女自身の答えである、”人として生きること”を選択して彼女は散ったのだ。私が殴られる筋合いと言うものは一切ない気がするが?」
レオンに至っては、最初こそ、俺の人間化した姿を見て懐かしさを覚えていたが、やはりシズさんのことなどどうでもいいと思っているようで、俺の隣をさっさと通り抜け、席へと着席してしまう。・・・・・・俺の言う事に耳を傾ける気もなさそうだったが、ひとまずはシズさんのことを伝えられただけ良しとした俺は、今さっき入ってきた、今回の俺の目的である”魔王クレイマン”の方へと目を向けた。初めて見る奴の姿だが、一見すればただの高貴な服を着こなす青年だ。だが、奴の本性は邪悪そのものであると言うことはこれまでの奴の所業から察しはついている。だからこそ、奴を見ても俺のうちに広がるのは”怒り”と”憎悪心”の他無かった(クレイマンの前を何故か歩いていたミリムに対して、奴が無造作にも殴りかかった時には、俺の怒りのボルテージはさらに上昇した)。
クレイマンが来たところで全員集合となった為、ここに
結局、根拠も無しに嘘をでっち上げていた事が魔王の数人にはバレ、クレイマンには周りの魔王達からの侮蔑の視線が送られていた。さらに俺が用意していた、クレイマンのこれまでの悪行が映像として残っているいわば”証拠”を突きつけられた事がトドメとなったようで、クレイマンはひどく動揺しきる。この証拠は先ほど、シュナ達、クレイマンの城の制圧組が無事に城の制圧に成功し、その中の宝物庫の中から入手した物を送ってもらった物だ。この証拠を見せられた以上、クレイマンに弁解の余地は無く、激しい言い合いの末、魔王ギィの
『クレイマンを倒せたらお前が魔王を名乗ることを許す』
と言う一言によって、俺とクレイマンの最初で最後の戦闘が始まった。・・・・・・と言いたかったんだが、俺が戦うこととなったのは、何故か奴の命令で動いているミリムだった。クレイマンであれば、俺は愚か、シオンやランガでも十分に倒せる相手なのだが、ミリムに至っては話が別。奴の強さは魔王の中でも群を抜いていて、規格外中の規格外だ。いくら魔王へと覚醒した俺であっても、勝率は乏しい・・・・・・。だからこそ、クレイマンや奴の配下達をシオンやランガに任せた俺は、ミリムの攻撃を躱しつつ、ラファエルにミリムのことを解析してもらい、クレイマンのミリムを操る”呪法”の解除を願っていた訳なんだが、何故かラファエルは『呪法は存在していない』と言い切る始末。
「・・・・・・はい?それって一体どういう・・・・・・って、やばっ!?」
一瞬思考が停止した俺に、瞬足で接近してきたミリムが、俺に向けて強烈な右ストレートをお見舞いする態勢に入っている。避けようとしようにも、もうその拳は目前にまで迫っている・・・・・・。
あ、これは詰んだ・・・・・・。
自身の死を覚悟した俺は、目を瞑る・・・・・・だが、その時だった。
(ボグォォォッッ!!!)
「ぐっっ!!?」
俺とミリムの間に、誰かが割り込んできたかと思うと、俺を襲うかと思われたミリムの拳は・・・・・・俺があまりにも見覚えのある
「な、何でここにいるんだ・・・・・・ヴェルドラ?そして・・・・・・
俺たちの間に割り込んできた人物・・・・・・それは・・・・・・本来ここにいる筈ではない人物であるヴェルドラと・・・・・・エリスだった・・・・・・。
––––––––––––––––––––––––––––––––––
「エリィィィーーーーーースッッ!!!??大丈夫かっ!!?しっかりしろっ!!」
エリスとヴェルドラが割り込んでくれたおかげで、ミリムの拳の直撃は回避できた俺だが、それに息をついている暇を見せる事なく、吹き飛ばされたエリスの元へと駆け寄った。あのミリムの攻撃をまともに受けたんだ・・・・・・最悪の場合は・・・・・・いや、やめてくれ・・・・・・もうお前のことを・・・・・・。
「り、リムル?僕は大丈夫だから、あんまり耳元で叫ばないで・・・・・・?キンキンするから・・・・・・」
「え、エリス?・・・・・・お前、なんとも無いのかよ?ミリムの攻撃を食らったんだぞ?」
「ミリムの?・・・・・・どうりですごい衝撃だったわけだ・・・・・・。でも、特には問題なさそうだよ?この通りね?」
駆け寄ってきた俺に対し、問題ないとすぐにひょこっと立ち上がったエリスに、内心安堵する俺だった。・・・・・・にしても、なんでエリスは何ともないんだ?俺でさえ、さっきの攻撃をまともに食らえば、多分だが即あの世行きだったぞ?・・・・・・気になった俺は、エリスに対して『解析鑑定』を施してみたが、ラファエルの答えは・・・・・・。
〈告。解析不能です〉
こんな感じで、いくらやってもエリスの解析をする事は出来なかった。
「そ、そうか・・・・・・よかった。それにしても、何でお前がこの場にいるんだ?それにヴェルドラも・・・・・・」
「いや、それが・・・・・・」
事の事情をエリスから聞かされた後、俺は大きく溜息を吐いた。俺が悪戯目的で
「ヴェルドラ!来るならせめてお前だけで来いよっ!何でエリスまで連れて来てんだっ!?俺がエリスを置いていった理由を忘れたのかよっ!?」
「むっ?おお、エリスまで来たのだな?我にくっついていたからかも知れぬが・・・・・・ってそんなことよりもっ!!リムルよ!この
「そんな事じゃねーだろうがっ!!?お前にはエリスを守れって任を与えておいた筈だろっ!何考えてんだよお前って奴はっ!?」
「ちょ、落ち着いてって二人とも・・・・・・」
ミリムとの戦闘の最中だと言うのに、喧嘩をおっ始める俺とヴェルドラに対し、エリスが落ち着いた様子で止めに入ってくる。・・・・・・そもそも、何でお前が一番落ち着いてんだよ・・・・・・ったく。
「リムル・・・・・・キミがいるって事はつまり・・・・・・ここは
「・・・・・・そう言うことだ。エリス、今すぐにでも
「そうしたいんだけど、無理かも。さっきから何度も転移しようと試みてるんだけど、
「ちっ・・・・・・」
強く舌を打つ。この
「ヴェルドラ、ミリムの相手取りをしつつ、今度こそエリスを守れ。今度破ったら承知しないからな?」
「リムルよ!
「後で渡すっ!後で中身を渡すからミリムを頼むっ!だが、殺しはするなよ?あいつはクレイマンに操られてるだけなんだ。エリス、ヴェルドラから絶対に離れるなよ?」
「う、うん!」
こんなヴェルドラだが、強さで言えば俺の上を行く。だからこそ俺は、エリスをヴェルドラに任せつつ、先ほどから思念伝達で俺のことを呼ぶランガの元へと急ぐのだった。
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視点 エリス
「全く・・・・・・我が何故この様なことを・・・・・・」
「あなたがこの場に来たことが原因でしょう?自業自得です」
ぶつぶつと愚痴を溢すヴェルドラさんに対して、ため息を吐きつつ淡々とそう告げる僕。はぁ〜・・・・・・と言うか、いきなりミリムに殴り飛ばされるとか・・・・・・よく無事だったよね?僕・・・・・・。『
それにしても、まさか僕がこの場に来てしまうこととなるとは思いもしなかった・・・・・・。ヴェルドラさんのせいとは言え、来てしまった事に変わりはない。となると、必然的に突如として現れた僕やヴェルドラさんは今、僕たちの周りに着席している魔王達から注目を集めてしまう。あまり魔王と関わりたく無かった僕としてはその状況は決して宜しくは無かった。だから、いつものように魔素をかなり抑えて、注目をヴェルドラさんにだけ向ける様に仕向けていた。だが・・・・・・。
「「「「・・・・・・」」」」
それはどうやら魔王達にとって、意味のない事だったようだ。僕よりもヴェルドラさんの方が魔王達にとって有名でもあり、顔馴染みがあると言う事もあって、注目されるのでは?と、期待をしてみたけど・・・・・・ラミリスさんを除いた一部の魔王達からは、僕に対してかなり強めな視線を向けていられる事が感じとられた。それだけでなく、その魔王達から『解析鑑定』をされそうになったりもしたが、それはリーテさんがちゃんと対策をしてくれた事もあって
「それはそうであるが・・・・・・まぁ、いい。今は貴様の相手をしてやるとしよう・・・・・・”我が兄の一粒種”よ」
「・・・・・・?」
ヴェルドラさんの口から出たその単語に、僕は疑問を浮かべる。一粒種って・・・・・・どう言うことなんだ?ヴェルドラさんってお兄さんいたってこと?
「・・・・・・っ!!」
「・・・・・・ほう、中々やる。面白い!我の
僕が思考を加速しているのを尻目に、ヴェルドラさんとミリムは戦闘を開始する。ミリムも確かに強いけど、ヴェルドラさんだって彼女に負けないぐらいに強いと言うことは何となく察してるから、問題なくミリムを抑え込めることだろう。・・・・・・それにしても、ミリムが操られてるって・・・・・・よし!何とか僕の方でその呪法を解除できないか探ってみよう!
《告。魔王ミリムに対して仕掛けられた呪法は存在していない事を確認しました。左腕に装着している腕輪の宝珠に『
「・・・・・・うん、なるほどね?つまりミリムは・・・・・・」
《是。何らかの理由で”呪法に掛かっている”と偽っている可能性が極めて高いです》
「ですよねー(ま、ミリムが格下の魔王に操られるわけなんて無いか・・・・・・)」
リーテさんの解析の結果、”ミリムは魔王クレイマンには操られていない”と言う回答が出た。だと言うのに、こうしてリムルやヴェルドラさんと敵対して来るってことは、彼女なりに何か考えあっての事なのだろうと推測を立てる事が出来た僕だったが・・・・・・。
「心無しか、妙にニヤついて、まるでこの戦いを楽しんでいる様にも見えるんだけど・・・・・・もしかして、ただヴェルドラさんとかリムルと戦いたかったから偽ってるとかじゃないよね?」
普段の彼女を知る僕としては、”何処か笑顔を見せつつ”、戦闘を行っているミリムに対し、僕は違和感を覚えるしか無かった。ミリムはよく、考え無しに行動を起こすと言うことがあるが、今回もその類では無いのか?と疑ってしまうんだ。
「行くぞっ!昇◯拳!!」
・・・・・・ヴェルドラさんの某格闘戦士の技がミリムを襲ったが、ミリムはそれを済んでのところで見切り、ひらりと躱したところで、自身の視界内に僕が映ったのか、標的をヴェルドラさんから僕へと切り替え、襲いかかってきた。・・・・・・え、嘘でしょ?
「エリスよ!そっちに行ったぞ!」
「いやいや、ちょっとっ!?」
ヴェルドラさんは技を出した影響もあってか、態勢を崩して尻餅をついている状態。そんな中、ミリムは容赦無く僕を攻撃するべく左の拳を振りかざしてくる。
「(どうする?僕の攻撃じゃ、
「はぁっ!!」
「ひたすら攻撃を耐えるしかない!」
『身体強化』を施した状態での僕の攻撃でも、ミリムにはほとんどダメージを与えることは出来ない。それを瞬時に察した僕は、とりあえず『身体強化』で自分の力の底上げを図った事もあって、ミリムの打撃を何とか回避する事に成功した。
《解。『
「そ、それはそうだけど・・・・・・うわぁっ!?」
「むぅ・・・・・・」
避けた僕に対し、続け様に回し蹴りをしてくるミリム。その蹴りもバク転の要領で後ろへとステップする事で躱す事に成功した僕は、彼女と距離を取る。連続で避けられた事で不満そうなミリムは、また攻撃を加えようと僕との距離を詰めてくる。
「ねぇ、ミリム?何でそうやって、”操られているかの様”にみんなに見せているのかは知らないけどさ?いつまでそれを続けるつもりなの?」
「・・・・・・」
ミリムは何も答えずに、再び僕へ猛攻を仕掛けてくる。嵐の様なミリムの攻撃は、流石に全部躱すことは出来ず、何発かは食らってしまった。とはいえ、食らったところでさっきリーテさんが言ったように、ダメージが入ることは無いから大丈夫なんだけどね?・・・・・・食らった時の衝撃はすごいけど。
あくまでも、沈黙を貫くか・・・・・・。だったら・・・・・・。
「もし、このまま理由を話してくれないなら、僕はキミの
「っ!!」
ミリムが、僕のその一言に大きく目を見開いたかと思いきや、今までに無いくらいの速度で・・・・・・僕でも反応出来ない程の速度で接近してきた。接近し、僕の胸元に入り込んだミリムは、僕をすごい勢いで押し倒すと、そのまま馬乗りになった。
「み、ミリム・・・・・・?」
「ダメなのだっ!エリスはワタシにとって大事な
怒りと悲しみ、その両方の感情が混ざった様な表情を浮かべつつ、そう叫ぶミリム。・・・・・・ちょっと、意地悪だったか。
「はは、よかった。いつものミリムだ。大丈夫だよ、キミと僕は
「・・・・・・本当か?」
「うん、本当」
「・・・・・・エリス〜〜〜っっ!!」
ミリムにとって、ショックな事を言えば、演技を解いてくれる・・・・・・って思った僕は、こんな嘘をついたんだけど、思ったよりも効果は絶大だった様で驚いた。この反応を見るからに、いかにミリムが
・・・・・・後、ミリム?僕を抱きしめるのは良いけど、抱きしめが強すぎて僕が窒息しそうなんですけど・・・・・・?
ミリムは、エリスそして、この場にいるヴェルドラに対しては演技を解きました。ミリムとは言え、エリスのこの言葉の攻撃にはかなり心にダメージが来たのでしょうね。それを易々とやるエリスはある意味では最強なのでは・・・・・・?
話からもわかるように、耐久力や回復力・・・・・・一重で言う”防御力”に関しましては、エリスはリムルを凌駕します。その代わり、他の能力は全てリムルが圧倒的に上ですが・・・・・・。
エリスは、
次回で
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