転生して水になったので存分に楽し・・・・・・水っ!?   作:レイ1020

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メリークリスマスです!


今年はホワイトクリスマスかな?


情けと甘い考え

僕はミリムを退けた後、事情を聞かせて貰った。彼女は、魔王クレイマンの狙いと目的を探る為にわざと呪法にかかったふりをしていたと言い、獣王国(ユーラザニア)を消し飛ばしたのも、その流れとノリでやったのだと言う・・・・・・うん、ちょっと待って?

 

 

 

「カリオンさんが聞いたら激怒すると思うんだけど?」

 

 

 

「うっ・・・・・・そ、その時は・・・・・・な、何とかなるだろう?」

 

 

 

「絶対ならないね」

 

 

 

しどろもどろになるミリムに、静かにツッコむ僕。自分の国を、そんなノリなんかで消し飛ばされてしまっては堪った物ではない。ここは、カリオンさんに後でお叱りを受けるべきだろう。・・・・・・今はいないんだけど。

 

 

 

《告。魔王カリオンと思わしき獣人の反応を確認しました。反応場所は、魔王フレイの真隣からです》

 

 

 

「(ん?カリオンさんって、確か魔王フレイに何処かに連れ去られたんじゃ・・・・・・って、カリオンさん・・・・・・何て陳腐な変装を・・・・・・)」

 

 

 

リーテさんの示す方へ視線を向けてみると、そこにはとても綺麗らしい美貌を持ち合わせるハーヴィ、魔王フレイと何故か”ライオンの覆面”をかぶって横に仁王立っているカリオンさんの姿があった。二人が一緒にいる事も謎だけど、それよりも謎なのは、いかにもバレそうな変装をしているカリオンさんだ。・・・・・・変装するなら、もっと考えようがあったんじゃないかな?

 

 

 

「エリスよ。もう問題は無いのであるか?」

 

 

 

「ええ。ヴェルドラさんもお疲れ様でした」

 

 

 

遅れてやって来たヴェルドラさんは、意外にもすんなりと大人しくなったミリムに拍子抜けしている様子だったが、問題無いとわかると、戦闘体制を解いた。

 

 

 

「エリス、クレイマンのとこへ行くぞ。ワタシもそろそろ、さっき殴ってくれたあいつに倍にして返してやりたいのだ!痛くも痒くもなかったがな?」

 

 

 

「だったらしなくて良いんじゃない?リムルの方もそろそろ決着が着きそうなんだしさ?」

 

 

 

「む?・・・・・・確かにそうだな?」

 

 

 

僕達はリムルとクレイマンの方へと視線を向ける。ランガの方の問題(妙な気配を持つ狐のような魔物の救済)を解決した後、リムルはクレイマンと戦うシオンに加勢した様で、クレイマンは全く二人に歯が立たなくなっていた。ミリムの話だと、クレイマンはシオン一人にさえ、劣勢に立たされていて、自分の得意技である『操魔王支配(デモンマリオネット)』や、『踊る人形達(マリオネットダンス)』も彼女には通用しなかった。

 

シオンが持つ剛力丸には、従来の能力の他にも新たに魂喰い(ソウルイーター)と言う能力がクロベエらによって追加された事もあって、人形達に封入された魂を全て喰らう事によって『踊る人形達(マリオネットダンス)』を無効化していった。『操魔王支配(デモンマリオネット)』は、リーテさんの解析の結果では精神攻撃の類らしいけど、シオンには『絶対保護』をかけて置いてあるから、通用すると言う事はない。

 

得意技であったこの二つを無力化されてしまえば、クレイマンの勝ち目は薄い。そして、それに追い討ちをかける様にリムルまで参戦してしまえば、もはや勝率はゼロとみて良いと思う。クレイマンも最後まで抵抗を試みているものの、実力差がかけ離れている事もあって、無意味に終わっていた。

 

 

 

「くっ・・・・・・こうなれば・・・・・・ミリムよ!命令です!『凶化暴走(スタンピート)』しなさい!この場にいるもの全てを殺し尽くすのです!!」

 

 

 

最後の手段なのか、クレイマンはボロボロの身体をひきづりながら、未だに自分の支配下にあると思っているミリムに命令を下した。・・・・・・だけど、残念でしたね?

 

 

 

「そんな命令聞くか!リムル達は大切な親友(マブダチ)なのだぞ!」

 

 

 

「「なっ!?」」

 

 

 

ミリムのその反発に、クレイマンとリムルが同時に驚いた。驚いたと言っても、クレイマンは操ったと思っていたミリムの思わぬ反発に対してだけど、リムルに至っては、ミリムが操られていなかったと言う事実を知ったからだと思うけど・・・・・・リムルは完全に騙されていたんだ・・・・・・。

 

 

 

「ミリム?お前・・・・・・操られていなかったのか?」

 

 

 

「ほう?リムルは騙せていた様だな?エリスにはすぐにバレてしまったが・・・・・・」

 

 

 

「はっ!?エリス、本当か?」

 

 

 

「むしろ、なんでリムルが気づかなかったのか不思議だよ?ラファエルさんからの報告とかは無かったの?」

 

 

 

「え?・・・・・・あ、いやその・・・・・・」

 

 

 

途端に目を逸らすリムル。リーテさんに引けを取らない程の能力を持つラファエルさんであるなら、ミリムが演技している事などすぐに看破できるはず。それでもリムルが騙されていたって事は・・・・・・単にリムルが、ラファエルさんの報告に耳を傾けていなかっただけの事だろう。・・・・・・そのうち、ラファエルさんが本気で怒りそうだ。

 

 

 

「エリス様っ!?何故ここに?」

 

 

 

「シオン、それにランガも・・・・・・。いや、色々あってね?」

 

 

 

「色々・・・・・・というのは?」

 

 

 

リムルと共に、僕の元へとやってきたシオンとランガにも、先程のリムルに対してしたのと同じ説明をする。そして、やはりというか、二人もまたこの説明を聞き終わると一つ溜息を吐いて呆れていた。・・・・・・主に、ヴェルドラさんに。うん、その気持ち・・・・・・よ〜く分かるよ?僕だっていまだに呆れてるんだし。

 

 

 

 

そんな呑気な会話をしてる中、ふらふらのクレイマンが口を開いた。

 

 

 

「何故・・・・・・?魔王ですら支配する『支配の呪法(デモンドミネイト)』を受けて・・・・・・」

 

 

 

「ワタシを見くびりすぎだぞ?そんなちんけな呪法がワタシに通用すると思っていたのか?ワタシを支配するなんて、”数万年”早いぞっ!」

 

 

 

「そうだぜ、クレイマン?・・・・・・んな簡単にコイツを支配出来るはず無いだろうが?俺の国を一瞬で消し飛ばしちまう様なやつなんだぜ?」

 

 

 

出るなら今と見たのか、ライオンの覆面を取りつつ、カリオンさんがクレイマンにそう口を出す。当然、死んだと思っていたカリオンがこの場にいることに、クレイマンは驚いた。

 

 

 

「なっ・・・・・・フレイ!どういう事です!?あなたの報告では、カリオンは死んだと・・・・・・もしや、私を裏切ったのですかっ!?」

 

 

 

「人聞きの悪い男ね?私は元々、あなたの味方であった自覚なんてないわよ?あなたが勝手に勘違いをしていただけの話でしょう?」

 

 

 

「くっ・・・・・・おの・・・・・・れ・・・・・・」

 

 

 

どうやら、魔王フレイもクレイマンとは元々手を組んでいなかったようで、その事実にクレイマンはひどく顔を硬らせていた。・・・・・・古の魔王であるミリムの支配に失敗し、果てには仲間と思っていた魔王フレイにまで手を切られる始末・・・・・・何とも哀れというか、自業自得というか・・・・・・。

 

 

 

《告。魔王ギィによって張られた結界が解除されました》

 

 

 

「(・・・・・・?そういえば、妙な結界が僕達を覆ってると思ってたけど、その結界を張ったのがあの人・・・・・・ギィ・クリムゾンか・・・・・・)」

 

 

 

チラリと、目だけを魔王ギィの方へ向けると、そこには不敵な笑みを浮かべながら僕達を観察する姿の確認が取れた。見たところ、無駄な魔素の漏れ出が気になるけど、今は触れないでおこう。変に触って機嫌を損ねたくはないからね。

 

 

 

「よう、リムル。俺のいない間、うちの住民達が世話になってるな」

 

 

 

「ああ、構わないさ。友好を結んでるわけだし、困った時はお互い様さ」

 

 

 

「すまないな。・・・・・・それと、エリス?お前まで来るなんてな?結界の中に急に現れた時は驚いたぜ?」

 

 

 

「僕もですよ。いきなりここに出てきたと思えば、いきなりミリムに殴られるし、魔王達に睨まれるし、散々でしたよ・・・・・・」

 

 

 

「す、すまないのだ、エリス・・・・・・。まさかお前が急に現れるなんて思わなかったから・・・・・・」

 

 

 

「いいよ、特にダメージも無かったんだし」

 

 

 

また、呑気にそんな談笑を繰り広げている僕達を尻目に、絶望し切った様子のクレイマンはある行動に出ていた。

 

 

 

それは・・・・・・。

 

 

 

《告。魔王クレイマンが、これまで奪ってきた魂を魔素化し、その魔素を元に”真なる魔王”へと覚醒を果たした模様です。足りない分の経験値は対象の”覚悟”で補っている可能性があります》

 

 

 

「(覚醒・・・・・・か。このタイミングで?)」

 

 

 

本来、『魔王への進化(ハーヴェストフェスティバル)』が行われる場合は、強烈な眠気に襲われるのだが、今回の場合は正当な手順を踏んでいないせいなのか、奴が眠気に襲われている様子はなかった。覚醒を果たしたクレイマンは今までとは比べものにならない程の妖気(オーラ)を放ちつつ、僕達を威圧していた。その威圧は、カリオンさんや魔王フレイを凌ぐ程のものと見えた。

 

 

 

「俺に任せろ。奴の処理は、俺の仕事だからな」

 

 

 

「リムル・・・・・・」

 

 

 

だが、リムルは余裕な表情を見せつつ、冷静にクレイマンを見据え、一歩ずつ奴に近づいていった。そんな刹那だった・・・・・・奴から、”妙な声”が聞こえてきた。

 

 

 

「(覚醒したとはいえ・・・・・・私がこのスライムに勝てる見込みは殆どない・・・・・・。私とて、魔王の任をあの方から任された身・・・・・・悔しいが、それぐらいのことは分かる。・・・・・・ふふ、私はどうやらここまでの様だ・・・・・・ラプラス、ティア、フットマン・・・・・・。だが安心してくれ、キミ達のこと・・・・・・そして、あの方の事を売る様な真似は絶対にしない・・・・・・)」

 

 

 

「(・・・・・・これは?)」

 

 

 

《解。魔王クレイマンの後悔の念と推測します。先ほど、『解析鑑定』を行なった際に、動向を読むために、クレイマンの心の声を主人(マスター)聞き取れるよう、細工を施しました》

 

 

 

「(そっか・・・・・・。奴は・・・・・・()は、仲間のことを大切に思う人ではあったのか・・・・・・)」

 

 

 

クレイマンの後悔の念は、まだ続きがあった。

 

 

 

「(ラプラスよ・・・・・・。キミの忠告通りだった・・・・・・戦闘に向いていない私は、素直に大人しくしていればよかった・・・・・・本当に・・・・・・すまない。出来れば、もう一度会って、こう謝りたかった・・・・・・)」

 

 

 

「・・・・・・」

 

 

 

その言葉を最後に、後悔の念は聞こえなくなった。クレイマンは確かに卑劣で、卑怯で、到底許せないことをした魔王だ。町を襲撃させる様人間達を仕向けたのも、配下であるミュウランさんを見捨てたのも、今でも許したつもりはない。彼はきちんと罪を償うべきだ。・・・・・・だが、そんな中でも、先程の彼の心の声を聞いて、僕の中には”もう一つの考え”が浮かび上がってくる。

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・もう十分反省したのだから、”殺す必要は無い”のではないか?

 

 

 

 

 

 

 

この考えは甘い!と言われても仕方がないのかもしれないけど、どうしてもこの考えだけは拭うことが出来なかった。僕もそこまで鬼ではない。後悔をし、きちんと反省をしている様子であるのであれば、無理に命までは取ろうとは思わない。いや、今となっては取りたくないとさえ思っていた・・・・・・。償い方は、何も”死”だけでは無いはずだ。他にも違ったやり方がきっとあるはず・・・・・・。

 

 

 

だが、リムルはどうやらその考えを持ち合わせてはいない様子だった。

 

 

 

「今から、クレイマンを処刑する。異論のある奴はいるか?」

 

 

 

リムルはやはり許せないのか、クレイマンを殺す気でいる様だ。クレイマンは、思った通り、自分の現状最大の切り札である『龍脈破壊砲(デモンブラスター)』を放つも、リムルには、まるっきり通用しないと見るや、既に諦めムードで視線を落としていた。

 

 

 

リムルの質問に誰もが、頷く中・・・・・・僕は、リムルに静かに申し出た。

 

 

 

「もう、良いんじゃないかな?そんなにボロボロになるまでやられた訳なんだし、プライドもズタボロでしょ?リムルの力も知ったことだし、もうこの人が今後魔国連邦(テンペスト)を脅かすことは無いと思う。だから、命まで取ることは・・・・・・」

 

 

 

「だめだ。こいつは言わばお前の仇だ。こいつのせいで、お前は一度死んだ・・・・・・こいつのせいで俺たちは深く悲しんだ・・・・・・。その罪は死を持って償ってもらう事にしたんだ」

 

 

 

「だ、だけど!」

 

 

 

「敵にまで情けをかける必要は無いぞ?お前は優しいが、それと同時に考え方が甘いとも言える。こいつが俺たちのことを脅かさないなんて保証がどこにあるってんだ?・・・・・・こいつは、生きていれば必ず俺たちの害悪となる。そうならない為にも、今ここでこいつは始末しておく必要があるんだ。・・・・・・お前には申し訳ないが、これは決定事項だ。俺は、クレイマンを殺す」

 

 

 

「・・・・・・」

 

 

 

僕が沈黙するのを肯定と取ったのか、リムルがクレイマンにとどめを刺そうとスキルを発動させる。先程、『龍脈破壊砲(デモンブラスター)』を打ち消した『暴食之王(ベルゼビュート)』と呼ばれるスキルだ。

 

 

 

 

「私は妖霊族(デスマン)だ!死のうとも何度でも甦ってみせる!貴様は絶対に・・・・・・」

 

 

 

 

「無理だな。俺の『暴食之王(ベルゼビュート)』はお前の星幽体(アストラルボディー)ごと喰らう。死ぬ前に一つ聞かせろ。この計画の真の黒幕は誰だ?」

 

 

 

「私は、仲間は裏切らない!それが・・・・・・中庸道化連の絶対的ルールなのだ!殺すのだったら、さっさと殺せばいい!!」

 

 

 

「はぁ〜・・・・・・わかったよ。なら、死ね!」

 

 

 

口を割らせるのが不可能と判断したリムルは、『暴食之王(ベルゼビュート)』を発動し、クレイマンを一欠片も残さず・・・・・・喰らい尽くすのだった・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(魂を守護せよ・・・・・・『魂の守護(ソウルプロテクト)』)」

 

 

 

 




何で、『絶対保護』を使わなかったのかはすぐに分かります。


さて・・・・・・エリスはクレイマンをどうするつもりでしょうかね?リムルの言う、『クレイマンが自分達を脅かさない保証は無い』と言うのも賛同できますが、逆に『クレイマンが自分たちを脅かすと言う保証も無い』のでは無いかと思いますけどね?性根は腐って無さそうですし?



話の展開をお楽しみに!




クレイマンにリムルが裏で画策していた証拠を見せるシーンがありませんが、単にカットしてるだけであって、ちゃんと証拠があることは証明済みですので、ご心配なく。

『エリスの日常日記』でやって欲しいことは?

  • 爆熱!何でもありのスポーツ大会!?
  • テンペスト・ファッションショー
  • 仮装で盛り上げれ!ハロウィンパーティー!
  • エリスののどかな一日!
  • 絶対にバレるな!寝起きドッキリ大会!
  • シュナのわくわくお料理教室!
  • シオンの秘書修行!
  • 最後まで残れ!地獄の飲み会!
  • リムルとエリスのもふもふタイム
  • 熱く盛り上がれ!テンペスト体育祭!
  • 豪華景品を見つけろ!宝探しゲーム!
  • 絶対に笑ってはいけないテンペスト
  • ソウエイの忍者修行&指導!
  • ベニマルの(慣れない)農作業!
  • ミリム、はじめてのおつかい
  • 依頼多数!?今日も忙しいクロベエの工房
  • トレイニーの本当にあった怖い話
  • いや、こう言ったことはやらなくて良い
  • いや、他の案を出してくれ!
  • いや、もう選ぶの面倒だから全部やれ!!
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