転生して水になったので存分に楽し・・・・・・水っ!?   作:レイ1020

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久々の本編スタートです。


本当にお待たせして申し訳ございません!


遠い昔の約束

視点 ギィ

 

 

 

「ギィ?アタシに話って何かしら?・・・・・・またとんでもなく、くだらない事でも考えついたんじゃ無いわよね?」

 

 

 

「ちげーよ。ってか、その言い方だと、オレが”常に何かくだらない事でも考えていそう”・・・・・・とか思われてるみたいじゃねーかよ?」

 

 

 

「実際そうでしょうが。はぁ・・・・・・で?話って何?」

 

 

 

オレが主催とした茶会で、用意した料理を他の魔王たちと存分に堪能したオレは、古き友であるラミリスと共に、茶を飲みながら腹休めも兼ねて少し話をしていた。既にオレたち以外の魔王は皆、それぞれの国へと帰って行き、ラミリスの配下である、あのベレッタとか言う悪魔と樹妖精(ドライアド)には席を開けてもらった為、この場にはオレとラミリス以外は誰もいない。

 

 

 

「ああ。なぁ、ラミリス?お前・・・・・・あのエリスと親しげに話していたが、知り合いだったのか?」

 

 

 

オレが人払いをした理由は、単にオレがラミリスと二人きりで話したい事があったからだ。オレもラミリスも古い付き合いで、今いる魔王達の中でも最古参に位置する。それ故に互いの人隣も理解している事もあって、信頼も厚く、時折こうして二人きりで世間話などを話す事もあるのだ。ミリムもそうだが、今回の話にあいつはそこまで関係はなかった事もあって、あいつを呼び止めることはしなかった。

 

 

 

「へ?・・・・・・ええ、そうよ?この魔王達の宴(ワルプルギス)が開催される前に知り合って、仲良くなったのよ。最初は、アタシの事を敵対視してきて、信用してなかった様子だけど、ちゃんと話し合ってお互いに分かち合うことも出来たからね。それにしてもビックリしたわよ?古の魔王たるこのアタシに対して物怖じせずに堂々と喧嘩を売ってきたんだもの」

 

 

 

「へ〜?それがよくもまぁ、心を開いてくれたもんだ」

 

 

 

「ん〜・・・・・・それがね?なんか、エリスが言うには”アタシが自分の配下のことを大切に想う心優しい魔王だ”って事がわかったから、信用する気になったんだって」

 

 

 

「はぁ?たったそれだけの理由で信用する気になったってのかよ?魔王であるお前を・・・・・・何とも、お人好しな・・・・・・」

 

 

 

オレが話したかった事は、あのスライムのリムルの傍にいた女・・・・・・エリス=テンペストについてだ。どうにも、ラミリスはリムルだけでなく、そのエリスとも親しいとの事もあって、少しでもあいつの情報を取り寄せたかったオレは、こうして話を聞いてもらってるわけだ。・・・・・・それにしても、ラミリスが優しいと言うだけで、信用する気になるとは、さっきも言ったが、お人好しな奴だ・・・・・・先ほど見せたエリスのあの力と言い、そのお人好しな性格と言い・・・・・・やっぱり似てるな、()()()()

 

 

 

「で?あんたがエリスのことが気になってる事はなんとなく分かってたけど、それとアタシを呼び出す理由と何の関係があるわけ?」

 

 

 

「いや、なに。少しお前と昔話でもしようと思ったんだ。・・・・・・エリスの”あの能力”に、お前は心当たりがないか?」

 

 

 

「はぁ?エリスの能力・・・・・・もしかして、あの異常な回復力と防御力を持つスキルのことかしら?・・・・・・そんなの、心当たりなんてあるはず・・・・・・・・・・・・あっ」

 

 

 

ラミリスは何やら思い出した様子で、目をぱちくりとさせていた。

 

 

 

「・・・・・・思い出したか?」

 

 

 

「ええ。本当に・・・・・・遠い昔だったけど、あのエリスの能力に近いものを持ってる人間の子がいたわね。・・・・・・あれ?そういえば、ギィ・・・・・・あの子のこと・・・・・・」

 

 

 

「・・・・・・」

 

 

 

ラミリスのその言葉には何も言葉を返さなかった・・・・・・いや、返せなかったと言うべきか。オレもまた、久しぶりに思い出してしまったんだ・・・・・・。あの時・・・・・・オレが、エリスの能力を見た際に・・・・・・遠い昔に、オレやラミリスと親交のあった一つの小さな国・・・・・・そして・・・・・・一人の()()()()()の事を。

 

 

 

「ギィ?」

 

 

 

「いや、悪い。・・・・・・でだ?お前も、覚えがあるだろうから言うが、大昔・・・・・・ちょうどお前が魔王に覚醒してから数年が経った頃、ある”一つの小国”が立ち上がり、徐々に勢力や国土を広げて行ったのは知ってるよな?」

 

 

 

「ええ。それで、どうにも気になったアタシ達は半ば強引にその国の中に潜り込んで、その国の国王との接触を図ろうとしたのよね?・・・・・・で、その際に、国王よりも前に、接触をしてしまった人物がいた。・・・・・・それが、()()()だったのよね?・・・・・・あんたが好いていた」

 

 

 

「別に好いちゃいない。ただ、あの女といた日々は・・・・・・それまでの人生の中でも上位に位置するくらいには楽しかったのかもしれねーな。・・・・・・”あの野郎”と喧嘩してた時とはまた違った楽しみがあった・・・・・・」

 

 

 

「それを好いてるって言うのよ。・・・・・・全く、相変わらず素直じゃないんだから。もしあんたが素直な性格であったら、もしかしたら()()()も・・・・・・」

 

 

 

「っ・・・・・・」

 

 

 

「あっ・・・・・・ご、ごめん・・・・・・」

 

 

 

その言葉に反応したオレは、意味も無しに『魔王覇気』を発動してしまい、それと同時に今まで抑えていた魔素も多く漏れ出すことを許してしまった。・・・・・・ったく、オレから話しておいてなんだが、()()()のことを話すと、どうにも自分をコントロールすることが出来なくなってしまうな・・・・・・。

 

 

 

「・・・・・・気にするな。それで、その場であの女とは色々あって・・・・・・なんかよく分からないが、仲良くなったんだよな?そんでもって、あいつが取り次いでくれた事もあってか、その国の国王とも面会出来て、その国王とも交流を結ぶようになったんだっけか?」

 

 

 

「ええ。最初、アタシ達ビックリしたわよね?魔王であるアタシ達を、人間であるあの二人・・・・・・いや、王妃も入れて三人だったかしらね?それが”全く恐れてなかった”ことに対して。特にあの子に関しては、『今度アタシ達の領土にも行ってみたい!』なんて吹っ飛んだ意見も出たぐらいだものね」

 

 

 

「あいつの破天荒ぶりにはあの国王も悩んでたぐらいだからな。いつも、オレが出向けば『魔法を見せて!』だの『剣術を教えて!』だの『ギィの宮殿に連れてって!』だの、そんな事ばかり頼まれてたもんだ・・・・・・。直々、オレが躾も兼ねて、軽く魔法や剣で傷付けたりもしたが、あいつはスキルで直ぐに傷を治しちまってたから、そこまで躾にはならなかったんだよな・・・・・・」

 

 

 

「そうね。・・・・・・いつしか、その国の人達も、その三人に感化されてか、頻繁に訪れてたアタシ達に対しての恐怖感みたいなものは消えて、三人同様に友好的に接してくるようになったのよね。あの三人、国民からの信頼は絶大だったみたいだし、大方あの三人がそう接する様言ったのかもしれないけど・・・・・・あの時は、結構楽しかったわね〜。精霊女王から魔王に堕ちて塞ぎ込んでた、アタシを立ち直らせてくれたんだから!」

 

 

 

「そうだな。・・・・・・だが、お前も知ってるだろ?()()()()()()()()・・・・・・」

 

 

 

「・・・・・・」

 

 

 

オレの小さく出た言葉に、今度はラミリスが沈黙する。

 

 

 

「・・・・・・結局、あんたは何が言いたい訳?」

 

 

 

「・・・・・・あくまでオレの憶測に過ぎないが、近い将来・・・・・・魔国連邦(テンペスト)が”あの国と同じ結末”を迎えるかもしれねーと踏んでる」

 

 

 

「・・・・・・はっ?なんでよ?魔国連邦(テンペスト)にはリムルも居るし、あいつの強い配下も数多く居るのよ?」

 

 

 

「だから憶測だって言ってんだろ?必ずしもそうなるって決まった訳じゃない。・・・・・・だが、物事に”絶対”なんて存在はしないだろ?魔物はともかくとして、人間や魔人ってのは本当に掴めねー奴らが数多くを占めてるし、性根が腐り切ってる奴らだって存在しているのも事実だ。実際、そいつらのせいでオレの友人とその妻は殺されたしな」

 

 

 

「ギィ・・・・・・やっぱりあんた、まだ引き摺ってんのね、()()()の事・・・・・・」

 

 

 

どこか心配そうに見つめてくるラミリスに対し、オレは椅子の背もたれにゆっくりと体重を乗せつつ、天井を見上げていた。人類の愚かさ、卑劣さ、醜さはオレ自身が身を持って理解している。実際、そいつらのせいでオレもオレの友人達も悲しい思いをさせられた。それ故に、一時的ではあったがそいつらに対してかなり強い怒りと憎しみを覚えた事もあったが、それはもう過去の話であって、今ではもうその怒りも冷めていた。それに、オレには”この世界を見守る”と言う大事な任がある。情に任せて行動すると言うのは”調停者”としては失格なのだ。オレやラミリスが交流を持ったあの国もそうだ。元々、オレ達はあの国の人間達とは誰とも接触する事なく、ただ様子だけを見て帰るつもりだったのだ。で、もしその国がくだらん理想を持つ愚かな国だと判明したら、その場で跡形も無く消し飛ばす算段だった。だが、それは叶わずに接触を許してしまい、渋々であったが交流をすることになった。

 

 

 

もしかすれば、その時からあの国の運命は決まってたのかも知れない。・・・・・・オレと交流を持ってしまった事によって・・・・・・。

 

 

 

「いや、もうそんな事は思っちゃいねーよ。で、話を戻すが、オレはどうにも魔国連邦(テンペスト)をあの国と同じ道へと進ませるのは釈でな?だからオレは、近い内にエリスと一度話し合いをする為に、オレの宮殿に呼ぶつもりなんだ。その時の奴との話し合いの結果によっては・・・・・・オレは、今後の魔国連邦(テンペスト)に対する対応について考えるつもりだ」

 

 

 

魔国連邦(テンペスト)の国主はリムルなんだから、リムルと話し合ったほうが良いんじゃないの?」

 

 

 

「いや。ここはエリスで良いんだ。オレは別に魔国連邦(テンペスト)の国主と話したい訳じゃなく、ただ単にエリス=テンペストと腹を割って話したいだけなんだ。・・・・・・もっと知りてーんだよ。あいつの事を」

 

 

 

「・・・・・・ねぇ?もしかして、エリスとあの子のことを重ねてるんじゃないでしょうね?もしそうなら言っておくけど、エリスはあんたが好いていたあの子とは全く違うわよ?変に期待してガッカリするのはあんたなんだから、少しは考えたほうが良いんじゃない?」

 

 

 

「重ねて・・・・・・ね?」

 

 

 

それは無い・・・・・・と言えば嘘になってしまうのかもしれない。実際、オレが初めてエリスの姿、形、スキルを見た途端、オレの脳裏に”あの女”の事が過ぎったんだからな。エリスと話したいと思ったのも、それがチラついたせいかもな。・・・・・・ったく、オレとした事が・・・・・・。ラミリスの言った通り、まだ()()()の事を引き摺ってんのかも知れねーな。

 

 

 

「ま、あんたが何しようと勝手だけど、またアタシに迷惑かけるのだけはやめてよね?」

 

 

 

「わかってるよ。これ以上、お前に借りは作りたくねーしな」

 

 

 

「はぁ・・・・・・アタシは貸しを作りたくて作った訳じゃ無いんですけど〜?」

 

 

 

何処か呆れた様子でため息を吐いたラミリス。

 

 

 

「悪かったっての。・・・・・・なぁ、ラミリス?オレがエリスと話したいと思ったのは、オレの興味本位であるのも理由の一つなんだが、それともう一つ・・・・・・”あの女との約束”の事も、その理由の一つにしてるんだ」

 

 

 

「・・・・・・『あの子と交わした約束、そして願いを叶えてくれるのはエリス』・・・・・・そう言いたいの?」

 

 

 

「さぁな。それを確かめる為に、エリスとはしっかりとした話をしないとな」

 

 

 

今後の方針をしっかりと固めたオレは、既に冷め切ってしまっている紅茶を一気に飲み干すのだった・・・・・・。




ギィの視点は初めてでしたが、色々なところで意味深な発言が飛び交っていますね〜?


ギィとラミリスのこの会話が表す意味とは一体?


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