転生して水になったので存分に楽し・・・・・・水っ!? 作:レイ1020
そろそろ彼のことも書きたくなりましたので。
視点 エリス
ロキと別れた僕は、少しその場で休憩をした後、『空間転移』で執務館内へと転移し、
彼らは僕の姿を確認すると共に、血相を変えて僕の元まで駆け寄ってきて、僕の身に大事が無いかをジロジロと確認してきたが、僕が案ずる様に指示を出すと、すぐに冷静になった。彼らに心配させてしまったことに関しては罪悪感が湧いたが、そもそもそれの発端になったのはヴェルドラさんだから、若干言い訳も言ってみたくもなった。・・・・・・あの人には、後で注意しておく事にしよう。
3人には、僕の身に何が起こったかを軽く説明し、納得して貰った後で、少し息をつくために、カレンにお茶を入れて貰う事にした。カレンがお茶を準備している間、僕はと言うとヒョウガのモフモフボディーに寄りかかりつつ、疲れを癒していた。
「ふぅ・・・・・・疲れたなぁ・・・・・・」
「お疲れ様でした、主様。もし、お疲れの様でしたらお休みになっても構いませんよ?自宅へはワタシがお送りしますので」
「いや、いいよ。それだと、せっかくのカレンのお茶が飲めなくなっちゃうしね」
余談だが、僕は進化して”半精神生命体”になり、肉体を持ったこともあって、人型になった状態でも眠る事ができる様になった。勿論、元の水になった状態でも眠れるんだけど、元々人間だった僕としては、人型の方で眠れた方が気持ち良く寝れたりするんだよね。・・・・・・とはいえ、寝床であるあの壺も僕のお気に入りだから、今後は寝るときは交互にして行くつもりでいる。
「エリス様、お待たせしました」
「こちらもどうぞ、エリス様」
そんなことをぼんやり考えていると、カレンがお茶を持って僕の元へとやってきた。その後ろではセキガがお茶のお供としてクッキーをいくつか持ってきていた。う〜ん・・・・・・疲れた体には甘いものが良いから、セキガには後でしっかりとしたお礼をしないと。
「ありがと、カレン、セキガ。じゃあ、いただき・・・・・・ん?」
早速お茶を口にしようとした僕だったが、その瞬間、部屋内に見知った気配が感じ取れた為、不意にスッと視線を部屋の扉の前へと移してみる。
「エリス様。このテスタロッサ、命である戦場の偵察から帰還致しましたわ」
「あ、テスタロッサか。うん、お疲れ様。カレン、彼女にもお茶を淹れてあげてくれないかな?」
「分かりました。テスタさん、何を飲まれますか?」
「ふふ、では紅茶を一杯・・・・・・」
テスタロッサの注文を聞いたカレンは再び、お茶入れに精を出し始める。セキガは、彼女の為に部屋内に用意された椅子をわざわざ座りやすいように引くと言う紳士プレイを見せていた。この礼儀作法は、貴族であったヒューズさん仕込みなんだとか。
ちなみに、この二人は既にテスタロッサとは打ち解けている。元々、僕の配下として仲の良かった2人だが、新たに配下へと加わったテスタロッサという
ヒョウガは、元々の性格もあってか打ち解けるにはもうしばらくかかりそうな勢いだが、テスタロッサも悪い人ではないし、打ち解ける日もそう遠くはないだろう。ガビルに至っては、そもそもまだ面識すらないので、そのうち会わせる予定でいる。
「・・・・・・さて、じゃあ報告を聞かせてもらえるかな?」
「はい。まず、戦況の報告ですが・・・・・・」
僕とテスタロッサでミニお茶会を開きながら、テスタロッサに情報を求めると、テスタロッサは紅茶を飲みつつ報告してきた。既に、ベニマルから報告は受けているんだけど、細かいところまでは知らされてはいなかったから、詳しい事は彼女から聞く事にしたのだ。・・・・・・その為に、彼女を送った訳だしね?
まず、ベニマル達
「そうか。無事に勝てたか・・・・・・はぁ、良かった」
「もしもの時は、わたくしも参戦しようと思っていたのですが、残念な事に出番はありませんでしたわ・・・・・・」
「いや、出番はなくていいんだからね?キミの役割は偵察。・・・・・・それの意味くらいは分かってるでしょ?」
「わたくしを見くびりすぎでは?勿論分かっていますわ。・・・・・・”エリス様の命に従うは絶対”と、わたくしの中ではそう決めていますので」
・・・・・・本当に分かっているのか?うっすらと笑いながらそう言う彼女に対してそう思う僕は、お茶を啜りつつ彼女に疑念の視線を向けてみる。・・・・・・テスタロッサってこんな清楚で綺麗な見た目しているのに、すっごく好戦的な性格をしているから何事も用事を頼むとどうしても心配になってしまう。・・・・・・配下にしてから今更思うけど、僕がこの人をコントロール出来るのかな?・・・・・・いや、しなくちゃいけないんだろうけど・・・・・・。
「ならいいけど。じゃあ、シュナ達の方の状況はどうだったの?」
「そちらも情報を集めて参りましたわ。モス・・・・・・ここに」
「はっ・・・・・・状況を説明致します」
彼女が声をかけると共に、どこからともなく転移してきたのは、彼女の腹心であるモスだ。今回の視察には、腹心である彼にも同行して貰っていた。子供の様な見かけをしている彼だが、実は悪魔族の中でもかなりの実力者のようなのだ。流石に、ディアブロやテスタロッサには及ばないものの、多少の軍隊であるならば一人でも壊滅できるくらいの実力はあるのだとか。もう一人、テスタロッサにはシエンと言う、老執事の様な風貌をした腹心がいるのだが、今回は別件でこの場にはいなかった。
この二人も悪魔族である為、当然受肉をしてなければこの世に留まっていることは出来ないので、テスタロッサと同じように僕の分身体に受肉させ、ついでに名付けも行ったこともあって、二人も恐ろしい程に強くなったことは言うまでも無い。
モスの報告では、シュナ達も無事にクレイマンの城を制圧する事に成功したらしい(既に聞いてるけど)。報告の際、何故かクレイマンの配下であった
「モスって、テスタロッサの腹心にしては情報集めがうまいね?」
「えっ?い、いえ・・・・・・それほどでも。私はテスタロッサ様とエリス様のお力になる為と思い、動いたまでですので・・・・・・」
少し恥ずかしそうにモジモジし始めるモスは、その見た目も相まって可愛らしく見えた。そう、気になることとはこれだった。こう言ってはなんだが、こんな見た目もあって、モスがこんな諜報活動に秀でた特殊能力を持っているとはとても思えなかったので、どうしても疑問を覚えてしまう。・・・・・・考えても見てほしい。小学生の様な見た目をしている子が、”機密事項”や”重要情報”を取り寄せるといった重要な仕事である諜報活動をしている様を誰が想像できるだろうか?・・・・・・少なくとも、僕には想像できない。
「モスには、昔からこの様にして敵方の情報を集めさせてわたくしに報告する様、教育していましたので、こう言った類のことに関してはモスの右に出る者はいないのです。そうよね、モス?」
「はっ!」
その力強い返事を肯定と取ったようで、テスタロッサは満足そうな笑みを浮かべる。
「エリス様も、もし何か調べて貰いたい事があるのであれば、何なりとお申し付けください。モスであれば、どんな情報も取り寄せられますので」
「うん、そうさせて貰うよ。モスも問題は無い?」
「勿論でございます!何なりとお申し付けください、エリス様!」
部屋内に少し高い声が響き渡った。自分の主であるテスタロッサが従う僕に対しても忠誠を誓ってくれると約束してくれた彼だが、仮にも悪魔界では大侯爵であった彼がそんな簡単に僕の下につくことを承諾しても良い物なのか、疑問であるが特に拒む理由も無かった僕は、快くオーケーを出すことにしたんだ。勿論、シエンも同様だ。
「さて、みんなが戻ってくるまで時間もあることだし、僕は家で少し寝ることにするよ。みんなも疲れてるだろうから各自、もう休んでくれ」
「「「「「はっ!」」」」」
既に夜が更け始めていた事もあり、情報を聞いた僕は早々とこの場をお開きにすることに決め、みんなには疲れを癒すために帰って貰うことにした。僕自身も変な疲れも溜まっていたので、家に着いた後ですぐに床につく事とするのだった・・・・・・。
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翌朝・・・・・・というか、目覚めたのはもうお昼過ぎになってたんだけど、その頃にはリムルが戻ってきていたみたいで、今は執務館にて同じく帰還していたディアブロにファルムス王国との交渉、そして賠償金問題の情報についてを聞き出しているそうだ。軽く身支度を整え、執務館へ向かおうとした僕だったが・・・・・・何となく、”リムルと顔を合わせるのを後回しにしたい”と考え、僕は先に
別に、リムルと顔を合わせるのが嫌になったということでは無いんだけど・・・・・・今の僕は、どうしても”あの時”・・・・・・ロキを殺そうとしていた時の”恐ろしい程に怖い顔をしたリムル”の姿が頭にチラついてしまい、無意識にだが彼に対して恐怖を覚えてしまっているのだ。今のこの状態でリムルの前に顔を出したとしても、平常心でいられる保証はないと判断した僕は、先ほども言ったように、リムルの元へ行く事は後回しにしたんだ。
・・・・・・まぁ、僕が彼を避けたかった理由は他にもあるんだけどね?
歩く事数分、
「そういえば、僕の水を使って何か作ってるって話を聞いたんですけど、そっちの進捗はどうなんですか?」
「いえ、そちらに至ってはまだまだですね。私が望むような理想の品を作りたいのですが、これがどうにも上手くいかなくて・・・・・・。ですが、それも研究としては面白いですので、特に苦には思ってはいません。・・・・・・開発に成功したら、すぐにお届けに向かいますので、もうしばらくお待ちくださいエリス様」
「はい。体の無理にならない程度に頑張ってください」
ベスターさんは再び研究に力を出し始めた。『エリス水』を使っての研究に最近は夢中の様子のベスターさんだが、夢中のあまりか徹夜をする事もしょっちゅうある様なので、彼が倒れないか心配にもなってくる。実際、彼の目元には大きなクマが出来てたし・・・・・・。
「ちなみに、それが完成するとどんな効果を持つ代物になる・・・・・・とかは分かってたりするんですか?」
「現状では何とも言えませんが、私の理想としましてはこの『エリス水』を利用した”アリとあらゆる状態異常の快癒”が出来る薬『
「おぉ〜・・・・・・それは魅力的な」
テスタロッサは基本的に優しいところも多いので、比較的早くに仲良くはなれるとは思います。セキガもカレンも元々人見知りが少ないので、彼女とは悶着も起こすこともなく打ち解けています。ヒョウガはぶっちゃけシャイなので少しすれば打ち解けるとは思います。
ガビルは戦場から帰還してから会わせます。
ちなみにエリスの配下の強さ順はこんな感じです。
テスタロッサ>ヒョウガ=ガビル>セキガ>カレン>その他の
今後の展開次第ではこの順も変わります。
エリスの絵を軽く作ってみました。多分、これが一番エリスに近いと思っています。ちなみに服は白衣を着せてます。エリス診察院にいるエリスだと思ってください。
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