転生して水になったので存分に楽し・・・・・・水っ!? 作:レイ1020
この辺から徐々に配下達も帰ってきます。
視点 エリス
翌朝になり、前線に出ていた軍勢が続々と戻りはじめた。最初に帰還したのはシュナやハクロウ、ソウエイら軍だ。彼らの傍らには、報告にあった通りアダルマンを筆頭とした
その夜にはベニマル達も帰還してきた。大将が先に帰還してもよかったのかと疑問に思ったものの、戦場の後始末は、彼が副官に任命したアルビスさんやガビルに任せている為、特に何も問題はない様だった。
「ベニマル、ガビルは後どれくらいで帰って来れそうかな?」
「そんなに時間はかからないと思いますよ?少なくとも数日以内では戻ってくることでしょう。ガビルに何か用事でも?」
「うん、そろそろ紹介したいと思って、テスタロッサのことをさ?ほら、彼女も僕の配下だし、ガビルもまた僕の配下でしょ?それなら早いとこ顔合わせをさせておきたいと思ったんだ。僕の配下の中で彼女と顔を合わせていないのはガビルだけだからね」
「っ?・・・・・・はぁ〜」
ガビルに用があると言うのは、主に彼をテスタロッサに紹介したかったからだ。同じ自分の配下というのもあるけど、早いとこ顔合わせを行い、二人には仲良くなって貰いたかったからね。・・・・・・それを伝えたはずなのだが、ベニマルは何故かため息をついた。
「?ベニマル、どうかした?」
「いえ、ただ・・・・・・あの女は非常に”めんどくさい性格”をしていると感じまして・・・・・・。正直、あの女を抑えるのがあの戦場にいて最もきつかったですよ・・・・・・
「・・・・・・はい?」
ベニマルの言ってる意味が理解出来なかったので、僕は彼に事情を説明してもらった。何でも、テスタロッサは一度、僕の命で偵察をしに来たという旨を伝えるべく、ベニマルと会っていたらしい。その際、クレイマン軍の大軍勢がこちらに攻め寄せてくるのを彼女は目撃してしまったらしく、元の好戦的な性格もあって・・・・・・『こちらに攻め寄せてくるのだから、わたくしが手を出しても正当防衛に値しますわね♡これならば手を出してもエリス様はお怒りにならないはず』みたいな言い訳を口にしつつ、目の前の軍勢に対して攻撃を仕掛けようとしたのを、ベニマルが必死になって止めたのだとか。別に僕はテスタロッサに対して、攻撃をするなと命令を下した訳ではない。テスタロッサも言ったように、正当防衛であったり、やむを得ない場合であった時であれば攻撃をしてもいいとしていた。
だが、ベニマル曰く、テスタロッサが放とうとしていたその”禍々しい魔法”は、放った途端に目の前の軍勢だけでなく、側で戦っている味方にまで被害を被る可能性がある事を察した様で、なりふり構わずに止めに入ったんだとか。・・・・・・一体、彼女は何を放とうとしていたんだ?
《解。推測の結果、
「(うん、ベニマルの判断は正しかったね。『
『
結局、その軍勢はベニマルがテスタロッサを止めている間にアルビスさん達、獣王戦士団が先に排除してくれた事もあって、テスタロッサは攻撃するのを諦めてくれたらしく、ベニマルはほっと胸を撫で下ろしたそうだ。いくら進化して強くなったベニマルとは言え、
「な、なんかごめんね?僕の配下が・・・・・・。後でちゃんと言って聞かせるから」
「い、いえ!エリス様が謝られることでは・・・・・・。と、とりあえず、一旦俺は家に帰らせて貰います。色々と疲れましたので」
本当に疲れた様子で、ベニマルはトボトボと家へと帰っていった。色々疲れたって言ってたけど・・・・・・多分、8割・・・・・・いや、9割テスタロッサのせいだろう。うん、彼女には後でお説教だ。そんな報告、彼女から受けてなかったし、隠そうとしたんだしね・・・・・・。
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「まぁ、それは後でやるとして、ガビルが来るまで特にやる事は無さそうだな・・・・・・。リムルの仕事を手伝おうとしても『お前にはこれまで色々仕事を任せっきりになってたから、今回は俺が一人でやるよ』って言われちゃったし・・・・・・」
ベニマルを見送った後、やることの無かった僕は一人、家へと戻って来ていた。副国主である僕が暇をしているのもどうかと思うかも知れないが、さっきも言ったように今の僕には仕事が無いんだ。・・・・・・いや、正確にはあったんだけど、その仕事は他のみんなが肩代わりしてくれていた。別に忙しくない事に嫌な思いは一切しないものの、今までこうして暇にしている時がほとんどなかった事もあってか、どうしても体がむずむずしてしまうんだ。
「仕方ない・・・・・・スキルの確認でもしよう。さて・・・・・・
頭の中で今ある自分のスキルの確認を行っていると、一つ”気になるスキル”を発見した。
「(リーテさん。『
《解。『
「(へ、へぇ〜?何となくは分かったけど、”水に関わる物”を操れるってどう言うこと?今まではそれは出来なかったの?)」
《解。『
「・・・・・・いろんな物を操れる様になった事はわかったけど・・・・・・血を操るって何?輸血とかが出来る様になるとかかな?」
リーテさんの話通りであるなら、『
《是。それも可能です。ですがそれだけでなく、対象の体内に巡る血流の流れや”血液の量の調節”もまた、可能となっています。端的に言えば、
「(怖いこと言わないでくれるっ!?そんなこと僕がする筈ないからっ!もうっ!)」
リーテさんのあまりにも物騒過ぎる発言に震えながら、盛大にツッコむ。確かに、血そのものを操れるって事は、そう言う事も出来るって意味なのは分かったけど、絶対にやらないから!リーテさんって進化してから話し方もそうだけど、性格もなんか変わったりしてないかな?
《否。そのような事実は一切ありません》
「(いや、そんな訳っ・・・・・・はぁ、もういいや。どうせまともな答え、返ってこないだろうし・・・・・・)」
リーテさんに対するツッコミに疲れ始めた僕は、とりあえず『
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それから数日後、ファルムス王国に協議に出向いていたディアブロが、賠償金の一部である星金貨千五百枚と、和睦協定締結の証書を持って戻ってきた。黒い箱にぎゅうぎゅうに入った星金貨の山に僕もリムルも目を丸くしたが、これでも全部を受け取ったわけではないと言う事にも若干の驚きを見せた。ディアブロの要求では一万枚との事らしかったけど、後々聞いた話だとそもそもの話、星金貨自体が非常に希少な金貨である為、数にも限りがあるそうで、ディアブロの要求通りに一万枚徴収すると言うのは事実上不可能という事になった。まぁ、星金貨一枚当たり”一億円”の価値があるそうだし、それを一万も纏めて徴収なんてどんな国でも不可能だろうけどね?
また、協議でファルムス王国は、こちらの(正確にはディアブロの)狙い通りにエドマリス王を退位することを選び、彼の後継に弟であるエドワルドが就く事も決定した。
エドマリス王は、王位を弟エドワルドへ譲った後に隠居する事になっており、ディアブロの読み通りであれば、新王エドワルドは残りの賠償金支払いを免れるために、前王エドマリスの命を狙って必ず行動を起こすとの事らしい。それを阻止するのが、ヨウムさん達だ。エドマリスはヨウムさん達が本拠地にしているニドル・マイガム伯爵領の近辺に移り住むため、万が一の事があればすぐにヨウムさん達が救援に迎えるという訳。それに、
「ねぇ、ディアブロ?」
「はい、何か質問でしょうか?」
「質問って言うか、お願いなんだけど・・・・・・次にファルムス王国に出向いた際に聞いてもらいたい事があるんだ。『何で、僕の命を狙っていたのか』を」
神妙な顔を見せつつ、ディアブロにそうお願いをする僕。・・・・・・ずっと気になっていたんだ。何故、僕がファルムス王国と西方聖教会に狙われているのかが・・・・・・。無論だが、僕が彼らに恨みを買うような事をした覚えはない。だと言うのに、僕は狙われた。だから・・・・・・その真意を確かめるべく、こうして願い出ている訳なんだ。
「なるほど。あの愚物どもはエリス様を・・・・・・。承りました・・・・・・必ずや奴らの口を割らせて参りましょう」
「ありがと。本当は僕が直々に聞きに行こうと思ったんだけど、リムルがダメって言うから・・・・・・」
「当たり前だろ?あんな奴等のとこにお前を行かせるわけにはいかない。・・・・・・何をされるか分かったもんじゃないしな」
「過保護過ぎないかな?僕だって自分の身くらい自分で守れるようには・・・・・・」
「そう言って一度死んだだろうが?お前からそんな風に言われたって何の説得力もねーぞ?」
「それはそうだけど・・・・・・」
あまりの過保護さに苦言を呈した僕だけど、リムルは折れる事はなかった。リムルの言ってる事も分かってるつもりだけど、僕だって一応キミと同じように”真なる魔王”に覚醒してある程度の力はついたと自負してる。リムルには及ばないのかも知れないけど、少なくとも自分の身を守れるくらいには成長している筈なんだけどな〜・・・・・・前にも言ったけど。
「はぁ・・・・・・こう言うわけだから、ディアブロ・・・・・・頼むよ?」
「はっ!お任せください」
僕の勝手なお願いにも快く了承してくれたディアブロに表情を緩ませた僕は、彼から発せられるファルムス王国との協議で決まった内容の情報に耳を傾けるのだった・・・・・・。
今のベニマルでテスタロッサを抑えるのはキツイはずですので、戦う羽目にならなくて良かった・・・・・・。テスタロッサは後でエリスからのお説教決定ですね!
次回、エリスが何故命を狙われていたのかが明らかになります。・・・・・・なんと無く想像のつく方もいるでしょうが。
『
大気中の水分を抜き、湿度をゼロにさせることも、対象の血液を根こそぎ奪い取り、死滅させると言った事も可能とする脅威的なスキルだが、それはスキル保持者が望めば起こる事であり、望まない限りはただの便利なる固有スキルでしか無い。