転生して水になったので存分に楽し・・・・・・水っ!? 作:レイ1020
どうするべきか・・・・・・。
「行くぞっ!」
声を上げると共に、フリッツが剣を振り翳しながら襲いかかってくる。その迫り来るスピードはかなりのものであり、避けるのも受け止めるのも一苦労だろう。とりあえず、『身体強化』で自分の体を強化した僕は、低く腰を落としつつ身構える。
「はぁっ!」
「ぐっ!?(・・・・・・見掛け以上に、一撃が重い・・・・・・けど)」
振り下ろされる剣に対しては、僕も真っ向から剣で受け止めそのままつば競り合う。思ったよりも、フリッツの剣の一撃が重かった事もあって少し身じろいでしまった僕だったが、それでも勝てない相手ではないとその一瞬で判断できていた。ハクロウとかと何度も模擬戦を行なっているし、それと比べちゃうとどうしても・・・・・・ね?
《解。『身体強化』を施した
「(そ、そんな怒ったみたいに言わないでよ・・・・・・。ごめんってば・・・・・・)」
どこか拗ねたように、口にするリーテさん。・・・・・・どうもすいません。
「やるな?・・・・・・だがっ!」
フリッツは一旦僕から距離を取ると、後ろに飛んだ反動を利用して再び僕に急接近してくる。今度は先程よりも速いスピードで接近してきていて、その速さは僕以上のものを誇っていた。
・・・・・・でも、残念でしたね?そんなスピードの攻撃など、これまでに何度も受けてきてます。
「これで終わり・・・・・・っ!?」
「外れですね?じゃあ、遠慮なく・・・・・・!」
スピードに任せて、強烈な突きを出してきたフリッツ。それを僕は、すんでのところで見極め、流れるようにしてその突きを躱した。そして寸分おかず、突きを出した事によってガラ空きになった彼の腹部に強めの裏拳をお見舞いした。
「ぐわぁっ!!」
腹部に強烈な一撃を食らった事により、フリッツは盛大に吹っ飛ばされ、そのまま近くの大木に叩きつけられた。
「フリッツ!大丈夫かっ!?・・・・・・だから言わんこっちゃねぇ・・・・・・」
「す、すいません・・・・・・けど俺・・・・・・って、あれ?どこも怪我して・・・・・・ない?あれ、なんで?」
普通であれば、大怪我をしていても不思議ではない攻撃を受けた筈だというのに、いざ自分の体を見てみれば傷一つない健康体でいたのだから、驚くのは当然のことだろう。
「それはエリス様の力のおかげだ。貴様らには、戦闘前にエリス様が加護を施していた事もあって、こちらが攻撃をしても一切傷を負わなくなったんだ。アルノー・・・・・・と言ったか?貴様も、俺の剣技を受けても傷は負わなかっただろう?」
「・・・・・・そういや、そうだな。バッガスもリティスも無傷だし・・・・・・(もしや、これが教会内でも噂となっているエリスの能力か?)・・・・・・エリス=テンペスト。
僕が彼らに施した事については、ベニマルが代弁してくれたことで説明せずに済んだ。・・・・・・本当に有能だけど、たまには僕から説明させてほしい・・・・・・。
「はい。僕達は何度も言っていますが、あなた方と戦う気は一切ありませんし、危害を加えたいとも微塵も思っていません。ですので、その意思表示として僕の力を持ってあなた達を守らせて頂きました。・・・・・・どうでしょうか?少しは僕達のことを信じては貰えましたでしょうか?」
「・・・・・・流石に、ここまでされちゃあ・・・・・・信じる他ないだろ。実際、俺たちを殺そうと思えばいつでも殺せただろうし、あえてそうしなかったって事は、本当に・・・・・・そういうつもりだったって事だからな。わかった、話し合いに応じよう」
「ありがとうございます」
そんな訳で、ようやく話し合いに持ち込めた僕は、剣をしまうと軽く一息をつくこととするのだった・・・・・・。
何か、”妙な気配”を感じている点については一旦棚に置いて・・・・・・。
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それから、数分間、僕はこれまでに起こった事全てを4人に打ち明けた。
「マジか・・・・・・。だが、こちらに送られてきた伝言は間違い無く、リムル=テンペストによる宣戦布告だった。・・・・・・という事は」
「何者かが、
事の真実に、4人は頭を悩ませていたが、僕を疑うような真似はしなかった。
「何か、伝言を受け取った際に変な事は起こりませんでしたか?」
「変な事?・・・・・・あ、そう言えば、レイヒムが来た際に”七曜”の方々が突如として現れたんですよ。で、その方達がレイヒムに『伝言は無いか?』みたいに諭して、レイヒムから伝言を受け取ったけど・・・・・・」
「七曜・・・・・・確か、神皇国ルベリオスの最高顧問と呼ばれてる、七人の老師達の事ですよね?もしかしたら、その人達が・・・・・・」
「可能性はなきにしもあらず・・・・・・と言ったところでしょう。ともかく、一旦ヒナタ様達の元へと戻りましょう。そろそろ勝敗も決している頃でしょうし」
バッガスさんの提案で、話を一旦打ち切ってリムルとヒナタさんの元へと戻ることへと決めた僕達。4人は先に戻っていき、それに倣って僕達も歩を進めることにした訳だが、僕だけは不意に足を止める。それを不審に思った、配下達は同じように足を止めて僕へと視線を向けてきた。
「エリス様?いかがなされましたか?」
「ごめん、先に行っててもらえるかな?少し用事ができて・・・・・・」
「用事?でしたら、俺が付き添って・・・・・・」
「大丈夫。そんなに大層な用事じゃないし、セキガとカレン、ヒョウガについて来てもらうから。ベニマル達は先に戻って、リムル達の様子の確認を」
「はっ!わかりました」
それだけ伝え終えると、ベニマル達は颯爽とこの場を後にし、リムル達の元へと向かっていった。この場に残されたのは、僕と近衛兵の二人、ヒョウガの4人だけだ。
「主様、用事というのは一体?」
「すぐに分かるよ。・・・・・・・・・・・・そろそろ出てきてはどうですか?そこに隠れているのはわかっていますよ?」
「「「・・・・・・?」」」
不意に、僕は”数m先にある木”に向かってそう口にする。いまだに理解の追いついていない3人は訝しげな表情を見せつつ、僕が視線を向けるその木へと同じように視線を傾ける。
「・・・・・・へぇ?気づかれてたんだな?
「っ!あなたは・・・・・・」
僕の声に反応し、観念したように木の裏からゆっくりと姿を表したのは・・・・・・・・・・・・まさかの人だった。
「よう、エリス。
「ギィ・・・・・・さん。久しぶりですね?あなたのような方が、どうしてこんな所に?」
「なに、暇だったもんで、オレが直々にお前を茶にでも誘いに来たってだけの話さ。だからそんなに警戒するなって」
薄く笑みを浮かべながらつらつらと言葉を募るギィさんに、僕は軽く冷や汗を浮かべる。怪しい人物がこの場の近くにいることは、先ほどから既に気づいてはいたものの、まさかそれの正体がギィさんであるとは思ってもいなかったので、どう立ち回って良いのか分からなくなってしまっているのだ。あの最古の魔王であるギィ・クリムゾンがこうして目の前にいるんだよ?そうなるのも当たり前でしょっ!
「エリス様、この人物は?」
「あぁ・・・・・・うん。この人は、ギィ・クリムゾン。魔王だよ」
「「「魔王っ!?・・・・・・っ!」」」
目の前にいる人物が、魔王であると知ると、3人は一斉に僕の前に立ちはだかり、臨戦体制に入った。・・・・・・いや、ちょっとっ!?
「3人とも落ち着いてっ!」
「・・・・・・エリス様に、何の用?」
「エリス様に近づけはさせぬっ!」
「主様!ワタシの後ろに!」
3人には落ち着くように、指示を出したものの急な魔王の登場にパニックになっているのか、聞く耳を持ってくれない。下手に刺激すれば死ぬのはこちらだ。・・・・・・ここはなんとか抑えないと。
「だから警戒するなっての。オレは別に戦いに来たって訳じゃねーんだからよ・・・・・・って言ったところで、聞かなそうだな?仕方ねぇ、オレが軽く遊んで・・・・・・」
「すいませんっ!この3人には後で言って聞かせますので、どうかご容赦ください!この場であなたが暴れればあなたの存在がバレますよっ!?」
「・・・・・・?う〜ん、それならそれで別にいいが・・・・・・まぁいいか」
どうにか抑えてくれたようで、ここら一帯が惨劇の場と化す事は無くなったことにほっとする僕は、3人に向き合った。
「大丈夫。この人は、戦いに来た訳じゃ無いって言ってるし、危険はないよ。魔王とはいえ、全ての魔王が悪ではないって事は、キミたちも分かってるでしょ?」
「「「・・・・・・」」」
「少なくとも、この人は悪意があってこの場に来てる様子は無いみたいだし、ここは僕に任せて?」
少し納得がいっていない様子の3人だったが、渋々といった感じで頷いた。・・・・・・それを見て、ふっと笑みを浮かべて僕はギィさんへと視線を戻す。
「それで、今日はなんの御用ですか・・・・・・って、僕をお茶に誘いに来たって言ってましたっけ?」
「ああ。いい茶葉が手に入ったんだ。よければお前もって思って来たんだが、良いよな?」
「・・・・・・」
この様子からするに、問答無用で連れて行こうとしてるよね、これって・・・・・・。確かに、以前からこの人には茶会に誘われてはいたけど、まさかこのタイミングで再び誘われる事となるとは・・・・・・何ともタイミングの悪い。
「少しで良いですから、時間を貰えませんか?お茶会にはちゃんと出席しますので」
「何だよ、今じゃダメなのか?」
「あなたも見ていたのであれば分かるでしょう?今、
いくらギィさんの誘いとは言え、仲間達が戦っている中で一人お茶をしに行くなんてできるはず無い。最古の魔王の誘いを断るだなんてなんて馬鹿何だろう・・・・・・って思ったりもしたが、僕はそれでもみんなを守りたいって思ってるから、これでギィさんの機嫌を損ねようと後悔はなかった。
「・・・・・・あんまり、オレからの誘いで断った奴は居なかったんだが、お前って面白いな?」
「この騒動が終わった後でしたら、いくらでも行きますので、今だけはどうか引いてください。これだけは譲るつもりはありませんので」
「(こりゃ、梃子でも折れないな)わかったよ。じゃあ、ちょっとしたらまた顔出す。そん時はちゃんと来いよ?お前と語らいたいこともたくさんあんだからよ」
「・・・・・・はい。ありがとうございます」
その言葉を最後に、ギィさんはどこかへと姿を消した。多分、またすぐに再会するだろうから、今のうちにあの雰囲気に慣れておきたいところだけど、しばらくは慣れそうにない。とりあえず、今まで入りっぱなしだった体全体の力をゆっくりと抜くと、その場に腰を下ろした。
「エリス様、大丈夫ですか?」
「うん。それにしてもやっぱり、魔王と相対するのはとても疲れるし、怖いよ。今回は、後ろにみんながいて心強かったけど」
「いえ、ワタシ達は何も。・・・・・・というより、魔王に対してあれだけ堂々と物言いが出来る主様の方がむしろ怖いというか・・・・・・」
「全くその通りね・・・・・・」
半ば呆れたように、苦笑するヒョウガとカレン。確かに、ギィさんに物言いするのは怖かったけど、
そんなこんなで、ギィさんと一悶着あった後で、若干の疲れを見せた僕たちだったが、いつまでも休んでるわけにも行かなかったので、一旦リムル達の元へと戻ることに決めるのだった。
ちなみに、現状でエリスとギィが戦えばエリスが普通に負けます。究極能力の有無はともかくとして、身体能力やスキルの破壊力を含めてギィの方が遥かに優っていますので。
とはいえ、エリスの防御を貫通できるかは不明ですが。
ロキはテンペスト陣営(エリス陣営)に加入させるべき?
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是非加入させて欲しい!
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それは絶対にダメ!