転生して水になったので存分に楽し・・・・・・水っ!?   作:レイ1020

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悪魔達がようやく活躍し出します。

明らかに、オーバーキルな気もしますが・・・・・・。


白き悪魔

視点 三人称

 

 

 

「クフフフ・・・・・・新王自ら出陣とは、何とも愚かですが・・・・・・狙い通りと言った所でしょう」

 

 

 

二ドル領のとある広場にて、ディアブロは不気味な笑みを浮かべながら空を悠々と舞っていた。彼の眼下には、ファルムス王国新王である、エドワルドを総大将にした軍が在中している。彼らの目的はこの領にて匿われている先代王、エドマリスなのだが、今は先に来ているヨウム達の軍と交戦状態へと移っており、状況は思わしくはなさそうだった。

 

 

 

『クロ?笑っている暇があるのなら、さっさと行動に移す方が良くてよ?リムル様にこれ以上、無様な姿は見せたくは無いのでしょう?』

 

 

 

『あなたに言われずとも分かっております。・・・・・・それにしても、まさかあなたがこちらに駆けつけるとは・・・・・・どう言う風の吹き回しでしょうか?』

 

 

 

笑いを収めたディアブロは、不思議そうな顔をしながら笑いを収めたディアブロは、不思議そうな顔をしながらテスタロッサに思念を飛ばす。彼女は、ディアブロとは別行動をとっており、ハクロウやランガ、ゴブタ達と共に、別の場にて待機をしている。

 

 

だが、ディアブロにとってはその彼女の行動にはどうしても違和感が拭えないようで、未だに首を小さく傾げたままでいた。ディアブロの知る彼女は、その苛烈極まりない性格であるが故に、他者を許さず、誰の命令にも従う事の無い孤高の悪魔とも呼べる者だった。さらに、付き合いは長けれど自分とも仲が良いとは言い難い関係性であるので、こうして同じ場にて共同戦線を張っていることにどうしても違和感を覚えてしまうのだ。

 

 

 

『・・・・・・大した理由はなくてよ?エリス様がこちらに加勢するようわたくしに命令されたからこうして来ているだけ。本来だったらあなたと共闘なんて死んでもごめんですわよ?』

 

 

 

『クフフフ・・・・・・あなたの様な方が誰かの命令通りに動く姿が見れる日が来ようとは、長生きはしてみる物ですね?』

 

 

 

『リムル様に酔狂しきっているあなたに言われたくは無いわ。わたくしからして見れば、あなたの方がよっぽどリムル様に忠実な気がするけれど?』

 

 

 

『当たり前でしょう?リムル様は、私が初めてお支えしたいと願った大切な主なのですから』

 

 

 

テスタロッサのエリスへの忠誠度もかなり高いのも事実だが、ディアブロはそれを遥かに凌駕していると言っても過言では無いほどに、リムルにゾッコンなのは側から見ても明らかだ。実際、リムルに『帰っていい!』と悪魔界への帰還を促された時には、”この世の終わりの様な顔”を浮かべながら絶望するほどなのだから。

 

 

 

『だったら今度こそ行動に移すことね。再度リムル様の期待を裏切る様なこととなれば、あなたは今度こそ悪魔界へ返されてしまうわよ?』

 

 

 

『っ!・・・・・・えぇ、もちろんです。あの様な恐怖感は、二度と味わいたくなどありませんから。・・・・・・こちらは私が対処をしますので、あなたはハクロウ殿達と共に、そちらに向かった怪しい一団の対処をお願いします』

 

 

 

『・・・・・・』

 

 

 

最後のディアブロの言葉にはテスタロッサは何も答えぬまま『思念伝達』を切った。彼女の性格からして、ディアブロの指示には頷きたく無いというプライドでもあったが故の行動だろう。とは言え、エリスの命令もある以上、彼女がそれを無下に出来ないことは彼としても分かり切っている事なので、そこまで懸念を抱くことはなかった。

 

 

 

「さて・・・・・・では、こちらもそろそろ動くとしましょう。ファルムス王国・・・・・・この私に濡れ衣を着せた罪・・・・・・必ずや報いを受けて貰いますからね・・・・・・」

 

 

 

邪悪に笑うディアブロは、軽く肩を鳴らすと、そのまま新王の軍めがけてゆっくりと降り立つのだった。

 

 

 

 

 

 

––––––––––––––––––––––––––––

 

 

 

 

 

場所は変わって、ハクロウ陣営。こちらには、先に説明した通り、ハクロウを目つけ役としてランガやゴブタ達狼鬼兵部隊(ゴブリンライダーズ)を始めとした多くの魔国連邦(テンペスト)陣営が備えており、戦力としては申し分無い。これに加えて、エリスによって派遣されたテスタロッサやモス、シエンもいるのでさらに盤石となったと言って良いだろう。

 

 

 

「ハクロウ殿、ディアブロからの伝達によると、こちらに怪しい動きを見せる軍勢が向かって来ているとのことですわ。気配から察するに、数人ほどそれなりの力を持った人間がいる様ですわね?」

 

 

 

「ほう?ならば、そ奴らは生捕りにして交渉の材料にでもするかのう。ランガ殿やゴブタ達には後で伝えるとして、テスタロッサ殿達は自由に動いてもらって構わぬが、くれぐれもやりすぎぬ様にな?」

 

 

 

「さて、それはどうでしょうね?向かってくるのであればまとめて排除するのみですが・・・・・・善処しますわ」

 

 

 

ハクロウはテスタロッサにそう念を押すと、その場を離れてランガ達の元へと向かっていった。こうでも言っておかないと、テスタロッサは傍若無人に核撃魔法を放ち、人間達の命を根こそぎ刈り取ってしまう可能性があるのでハクロウのこの念押しはまさに重要と言った所だ。

 

 

 

「テスタロッサ様、ただいま帰還いたしました!」

 

 

 

「ご苦労様、モス。それで、情報は十分に集まったのかしら?」

 

 

 

「はっ!集めた情報を全て説明いたしますと・・・・・・」

 

 

 

モスは自らの手で集めた情報の数々を次々とテスタロッサに報告していく。まず、レイヒムを殺した真犯人・・・・・・つまり、ディアブロに濡れ衣を着せたのは、七曜の老師たちである事。そして、新王エドワルドは、そのレイヒム殺人の罪を犯したディアブロを粛清という名に置いて討伐をし、英雄王としての名を広めようと企てている。そして、ディアブロを討ち取るため、東の国から悪魔討伐者(デーモンハンター)を数名用意している・・・・・・以上が、今回モスが集めた情報の数々である。

 

 

 

「なるほど。・・・・・・ディアブロも面倒なのに目をかけられてしまった事。まぁ、彼なら自分で何とかするでしょう。それにしても、相変わらず仕事が早いわね、モス?あなたの様な有能な配下を持てて、わたくしは嬉しいわ」

 

 

 

「い、いえ!私などまだまだ!テスタロッサ様のお役に立つにはもっともっと・・・・・・」

 

 

 

「あら?わたくしに意見する気?わたくしがこう褒めているのだから素直に受け取るべきではなくて?それとも、またわたくしからの調教が必・・・・・・」

 

 

 

「失礼致しました!ありがたく受け取らせていただきますっ!」

 

 

 

黒い笑みを浮かべつつ、そう答えたテスタロッサに対して、モスは顔を真っ青にしながらその場で土下座をした。正直そこまでする必要があるのかという話なのだが、こうでもしないとモスには生きている事も苦になる程の”生き地獄”がテスタロッサによって課せられてしまうので、これは正当なる謝罪なのだ。

 

 

 

「ならば良いわ。では、わたくし達も動くとしましょう。シエンはハクロウ殿達への援護を。モスは今の情報をディアブロに伝えて来なさい?」

 

 

 

「はっ!お任せを!」

 

 

 

「直ちにっ!」

 

 

 

その指示に反応した配下2人は、指示に従うように同時に姿を消す。それを見送ったテスタロッサは、上空に飛び立つと、こちらに向かってくるその軍、およそ5000人を視界に捉えた。軍を率いるは十大聖人の一人であるグレゴリーという男であり、彼もまたかなりの実力者である事は間違いない。距離を考えると、その軍がハクロウ達の軍と激突するのはそう遅くは無い。

 

 

 

「一人・・・・・・少しだけマシな気配を感じるけれど、残りは相手にもならなそうね。わたくしの出る幕は無さそうですが・・・・・・折角来たのだし、少しばかりはわたくしも手を出させて頂きますわよ?」

 

 

 

口角を僅かに吊り上げたテスタロッサは、その軍の周りに味方がいない事を確認すると、その軍目掛けて突撃をしていった。

 

 

 

「っ!グレゴリー隊長!上空から怪しげな人影がっ!」

 

 

 

「空からだとっ!?一体誰が・・・・・・っ!」

 

 

 

「ご機嫌よう。あなたが、この軍を率いる隊長さんで合っているかしら?」

 

 

 

軍を進めていたグレゴリーは、自分達を阻むかの様にして目の前に降り立ったテスタロッサに視線を向ける。その風貌、その澄んだ美しき声に一瞬魂を持っていかれたグレゴリーだったが、なんとか踏みと止まり声を発した。

 

 

 

「(なんて可憐な・・・・・・)っ・・・・・・何者だ?・・・・・・見たところ、悪魔族(デーモン)に見えるが・・・・・・大司教殺しの悪魔の仲間か?だとするならば、何をしに来た?」

 

 

 

「そうですわね・・・・・・。強いて言うなら、あなた方の足止め・・・・・・もとい暇つぶし、と言ったところかしら?」

 

 

 

「ふざけるなっ!我らの邪魔をするなら容赦はせんっ!」

 

 

 

そのテスタロッサの馬鹿にしたような発言に腹を立てた一人のグレゴリーの配下が、剣を片手にテスタロッサに襲いかかった。グレゴリーは咄嗟にそれを止めようとしたが、時既に遅し・・・・・・だった。

 

 

 

 

(ザァシュッッ!!)

 

 

 

 

「わたくし・・・・・・人の話を聞かない愚か者は嫌いですの。そんな愚か者など、生きている資格など有りませんわよね?」

 

 

 

「くっ・・・・・・(こいつ・・・・・・やばい。ただの悪魔族(デーモン)じゃねぇぞっ・・・・・・!上位悪魔(グレーターデーモン)いや、下手すると上位魔将(アークデーモン)の可能性も・・・・・・)」

 

 

 

自分の直感的に、そう捉え冷や汗を浮かべるグレゴリーとは対照的に、微笑を浮かべつつ襲ってきた愚か者の()()を、無造作にグレゴリー達の元へ放り投げたテスタロッサ。その生首を見たグレゴリーは顔を青くしながら深く動揺していた。そもそもの話、悪魔族(デーモン)が受肉している事自体が異常な話であって、本来であれば悪魔族(デーモン)は例外を除いてこの世界ではなく悪魔界で生きているのが普通である。だというのに、こうして平然と地に降り立って自分達に向かって攻撃を仕掛けてこようとしているのだから、驚くのも当然なのだ。

 

 

 

「あなた方に提案がありますの。大人しく、このまま引き返してくれると言うなら、命の補償はしてあげる。ただし、グレゴリー・・・・・・と言う名を持つあなたは、わたくしに同行して貰いますわ。あなたを捕虜として、交渉の材料として利用したいと思っていまして」

 

 

 

「貴様っ!良い加減にしろ!我らが隊長を見捨てるわけなど・・・・・・」

 

 

 

「少し黙ってて頂けますこと?」

 

 

 

再び自分に突っかかってきたその者に対して、テスタロッサは『魔王覇気』を発動し、その者を含めた多くの軍の兵士たちの意識を刈り取った。本来の彼女であるなら無礼を働いたとしてこの場にいる者全員の魂を根こそぎ食らってた所だろうが、エリスの教育故か意識だけを刈り取るだけに留まったのは、ある意味この兵士達は運が良かったと言っていい。

 

 

 

「むしろ、これはあなた方の為を想って言ってあげているのよ?変に犠牲を増やすぐらいならば、大人しく引き返したほうが双方にとってもメリットは大きい。それはあなた自身がよくわかっているのではなくて?」

 

 

 

「・・・・・・随分でかい口を叩くな?その言い方だと、貴様一人で俺たち全員を相手にできるって言ってるように聞こえるが?」

 

 

 

「相手に出来るかはともかくとして、そちらがやる気ならわたくしは喜んで受けますわよ?」

 

 

 

笑みを収めたテスタロッサは、掌の上に・・・・・・拳大程の大きさの”黒い炎”を揺らびかせる。その深淵の闇より呼び出された黒い輝きを放つ炎は、異質かつ邪悪な雰囲気を漂わせていた。

 

 

 

「っ・・・・・・(なんだ?・・・・・・黒炎、にしては雰囲気がまるで違う・・・・・・。しかも、この寒気のするような異様な緊張感は・・・・・・)」

 

 

 

「ふふ。良い顔になったわね?・・・・・・思わず食べてしまいたくなりそうだわ?」

 

 

 

恐怖の色に染め上がりつつあるグレゴリーの表情に、テスタロッサは再び表情を和らげる。彼女の掌に展開させている炎は正確には『黒炎核(アビスコア)』と言い、本来では制御など不可能に近い”地獄の業火”のことを表している。

 

 

 

「言っておくけれど、この『黒炎核(アビスコア)』を潰したその時は、この場にいる全員が命を落とすことになりますわよ?」

 

 

 

「っ!?う、嘘など吐いても・・・・・・」

 

 

 

「嘘かどうか・・・・・・試してみるかしら?」

 

 

 

その言葉に、グレゴリーは半ば腰を抜かしていた。実際、テスタロッサの言っている事は事実であり、彼女が『黒炎核(アビスコア)』を握り潰した途端、核撃魔法『死の祝福(デスストリーク)』が発動し、この場にいる者全てを死に至らしめる。先程、テスタロッサが味方が周りにいない事を確認したのは、この魔法は敵味方関係なしに無差別で命を刈り取ってしまうので、それを危惧した為だ。

 

かの、魔王ギィ・クリムゾンもこの世界に初めて降り立った際、この魔法を使用して万を超える人間を殺した。そう言ったことが平気で出来るほど、この魔法は残酷で残虐な代物なのだ。

 

 

つまり、簡潔に言うとグレゴリー達は今・・・・・・生死の境目に立っている事を意味している。

 

 

 

「・・・・・・わ、わかった。俺が素直に連行されてやるから、こいつらは助けてくれ」

 

 

 

「た、隊長っ!?それでは我が軍の目的が・・・・・・」

 

 

 

「黙れっ!全員今すぐここで死にたいのかよっ!?良いから黙って戻ってろっ!早くっ!!」

 

 

 

グレゴリーと言えど、テスタロッサ相手では勝ち目はないと踏んだのか、潔く連行されることを選んだ。当然、配下達はそれに納得出来ない様子でいたが、グレゴリーが一喝すると流石に折れるしか無かったのか、兵達は踵を返して来た道を戻っていった。それを見たテスタロッサは、『黒炎核(アビスコア)』を収めると、グレゴリーへと近づく。

 

 

 

「では、わたくしについて来てもらって宜しいかしら?それと、あなたの配下を一人殺した事は、申し訳ないと思っています」

 

 

 

「あいつが勝手に突っ込んだだけの話だ。あんたが謝る必要はない・・・・・・にしても、悪魔族(デーモン)が人間の命を敬うだなんて、珍しいもんだ」

 

 

 

我が主(マイロード)の考えに賛同しているだけの事ですわ。・・・・・・さて、では向かいましょう」

 

 

 

テスタロッサは、グレゴリーを連れると、ハクロウ達の元へと歩を進める。その後、グレゴリーは敵国との交渉材料として捕縛され、二ドル領での攻防戦は、激化する前に密かに終焉を迎える事となった。後は、ディアブロの冤罪を証明し、彼に罪を被せた”愚物共”を抹消するだけだ・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・少しばかりと言ったものの、結局は軍そのもの自体を撤退させ、隊長であるグレゴリーをも降伏させると言った大活躍をしてしまったテスタロッサだったが、任務の成功と、エリスの役に立てた事が嬉しかったのか、本人はそれを気にする事もなく笑みを深めるばかりだった。




テスタロッサがこの場にいたらこうするだろうなぁ・・・・・・って言う風に考えて執筆しました。エリスの教えもあって、ある程度は命の尊さを理解してますので、原作程には残虐性はないかと思われます。強さは変わりませんが(場合によってはエリスの手によって原作よりも強くなる可能性も・・・・・・?)。

思ったんですけど、テスタロッサにはどんな役職を与えるべきでしょう?原作通りに外交武官に就かせるのも良いですが、その他にも何か役職を与えたいと思っていますが、絶賛悩み中です。

ロキはテンペスト陣営(エリス陣営)に加入させるべき?

  • 是非加入させて欲しい!
  • それは絶対にダメ!
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