転生して水になったので存分に楽し・・・・・・水っ!? 作:レイ1020
展開をどうしようか迷いまして・・・・・・。
視点 エリス
「リムルってば・・・・・・本当に世話が焼けるんだから」
宴の翌日の朝、重度の二日酔いに苛まれていたリムルを介抱した僕は、リムルを寝かしつけた後で一人街中をぶらついていた。近衛兵の二人も昨日の疲れもあってかまだ眠っていたので、今この場では僕一人しかいないのでやたらと静かに感じる。
「羽目を外すのは良いと思うけど、それにしたって限度って物がある。少しは国主として・・・・・・」
「・・・・・・あら?エリス?随分と早起きなのね?」
歩きながらリムルへの愚痴をブツブツと言っていると、誰かしらに背後から声をかけられた。振り返ってみると、そこには少し眠そうに目をしばしばとさせているヒナタさんが立っていた。僕は甚平のままだと言うのに、彼女に至っては既に隊服に着替え、得物もしっかりと持ち合わせていた。・・・・・・流石は騎士団長と言ったところだろうか。
「おはようございます。あなたも随分と早起きですね?二日酔いとかは無かったんですか?」
「ええ、特には。・・・・・・リムルはどうやら二日酔いで苦しんでるらしいけれど、大丈夫だったの?」
「僕が治したので大丈夫だと思います。はぁ・・・・・・だらしない国主ですみません・・・・・・」
「別にあなたが謝る必要はないと思うけど・・・・・・」
リムルのことを心配され、何となく恥ずかしくなってしまった僕は、それとなくヒナタさんに謝罪をしておいた。
「ねぇ?少し話さない?散歩でもしながら」
「もちろん良いですよ。良い気晴らしになりますから」
そんな訳で、ヒナタさんの提案で散歩をしながらの談話をする事になった。ヒナタさんとこうして二人きりで話すことは初めてなので、少し緊張もあるがそれと同時にどこか嬉しさもあった僕は、内心でウキウキしていた。
「改めてみると、本当に発展しているわね、この町は・・・・・・。所々に日本を彷彿とさせるような建物もあるし、西洋をモチーフとしたインテリア、店なども展開されている。・・・・・・とても、魔物が作った町とは思えないわね?」
「はは。本当によくここまで大きく出来たと思ってます。当初は本当に小さな村でしたし、満足に家も建てられない人材しか居なかったので苦労しましたよ」
思ったよりもこの町を好評しているヒナタさんに対して、静かに笑みを浮かべる。正直、僕だって何にも無かった更地がまさかここまで大きく発展するとは思っても居なかったので未だに驚いていたりもする。
「このような建物や食べ物、施設はキミやリムルのアイデアを元として作っているの?・・・・・・というか、そうとしか考えられないのだけど?」
「そうですね。とは言っても、実際はほとんどリムルが思いついた事を実行に移してるだけで、僕はあくまでも補佐をしているだけに過ぎませんよ?」
「そうなの?キミも十分にやりたいことをやっているように見えるけれど?さっき見た『エリス診療所』という場所もそうだし、キミの水を利用した商品だって既にいくつかの国には出回っている・・・・・・例えば、ブルムンド国で買った”この水”とか」
「あ、その水買ってくれてたんですね?使い心地はどうですか?」
「非常に使い勝手が良いわね。飲んでも美味しかったけど、何より肌に塗るだけで一気に肌がツルツルでツヤツヤになるのだから、最初は本当に驚いた」
懐から取り出したエリス水を一口含みながら、ヒナタさんは上機嫌にそう口を動かしていた。ブルムンド国の商人さんに聞いたところ、この水はかなりの勢いで売れてる事らしく、売り切れ防止の為にさらに搬入したいと言う依頼が殺到しているらしい。・・・・・・何というか、自分の水がそこまで売れてるって聞くとちょっと嬉しくなるなー。
「他にも色々と開発してますので、後で差し上げますよ?化粧水としての利用に特化したエリス水や、水油、後は僕のスキルを利用して作った武器や、雫のペンダント、指輪、ピアスとかその他にも色々と・・・・・・」
「ねぇ?・・・・・・そんなのばかり作ってるから、女だと間違われるのではないかしら?」
「ぐっ・・・・・・そ、そういえば確かに・・・・・・」
どこか呆れたようにため息を吐くヒナタさんに対して、僕は軽く気を落としていた。確かに、僕が作るものって大体女性ウケがいい代物ばかりだ・・・・・・いや、別に男性にウケないって訳じゃないんだけど、それでも絶対数で言えば女性が圧倒的に多いことはいろんな人の証言から聞いて明らかなんだよね。そんな女性物の商品をたくさん作ればそりゃ、僕が女だって思われたって何ら不思議ではない・・・・・・うん、僕にも要因はあった。
「今後はもっと、男性向けにも商品を作ってみます・・・・・・はぁ〜」
「そうするべきね。キミは男という割に男らしさというのがまるで感じられないし、今後もそれらしさが出るとは思えない」
「そ、そんな直球で言わなくても・・・・・・というか、男らしさって具体的には?」
「女性に相対した時の反応の仕方が一番引っかかった所ね。リムルや他の男性陣が私やルミナス様を見て、あからさまに気持ち悪い下心を醸し出していたのに対して、キミはそう言った物をまるで出していなかったでしょう?女の私が言うのも何だけど、キミは女性に対して何も感じる事はないの?日本にいた頃に彼女とかはいたの?」
「いや、そんなのいる訳・・・・・・っ?」
神妙な表情で僕を見つめてくるヒナタさんに対して素早く返答しようとした僕だったが、何故か言い淀む。前世での僕の女性との交流はあると言えばあったが、それでも多いとは言えた物ではなかったし、何より彼女なんていた筈がない・・・・・・と思うのだが?
「(何だろう?何か・・・・・・
《解。現状では
「(うん、お願い。・・・・・・とりあえず、そっちはリーテさんに任せるとして、女性に対する感情か・・・・・・)」
少し腑に落ちないが、一旦はその問題を後回しにした僕は、改めてヒナタさんの問いについて考え始める。・・・・・・確かに、今まで僕は数多くの女性に会ってきた。シズさん、エレンさん、シュナ、シオン、カレン、ソーカ、テスタロッサ、ルミナスさん、そしてヒナタさん。男としてみれば、こんなに魅力的な女性達と会えた事を大いに喜ぶべきであり、場合によっては性的な意味で相手を見ることもするべきなのかも知れない。リムルとか、他のみんなのように。だけど・・・・・・
・・・・・・僕は女性を見ても
別に、彼女達を卑下している訳ではない。彼女達は女性として魅力的だし、親しみやすいし、非常に好意的な想いを抱いていた。だが、僕が抱いているのはそこまでであり、それはあくまでも知人や友人、配下に向けるような想いや気持ちでしかない。それ以上先の・・・・・・女性を恋愛対象として・・・・・・”特別な感情”を持って見る・・・・・・という、意識は本当に湧いてこなかったんだ。
・・・・・・一体、僕はいつからこうなったのか?それはいまだに僕にもわかっていない・・・・・・。
「エリス?大丈夫?」
「え?あ、ああ・・・・・・すいません。それで、あの・・・・・・僕が女性に対して思うところは・・・・・・」
黙りこくる僕を見て心配になった様子のヒナタさんは、心配そうに僕の顔を覗いてくる。そんなこの女に対して、改めて答えを伝えようと口を開いた・・・・・・その時だった。
「よぉ、エリス?お前の言う通り、ちゃんと時間を空けて来てやったぜ?」
「・・・・・・へ?って、ギィさん!?いつの間にっ!!?」
「っ!(気配も無しにこんな接近を・・・・・・この男は?)」
後ろから誰かに肩を組まれた。・・・・・・誰だろうとゆっくりと振り返ってみると、そこには何ともご機嫌そうな顔つきな魔王ギィさんが立っていた。気配と言うか、魔素を完璧に抑えているせいか、『万能感知』でも存在を確認出来なかったのだろう。当然、いきなり現れたギィさんに対して、僕もヒナタさんも相当に驚き、顔をこわばらせていた。
「・・・・・・誰?」
「ん?・・・・・・お前は確か、ヒナタ・サカグチだったな?ルミナスが懇意にしている西方聖教会の騎士団長」
「質問に答えて。貴様は・・・・・・何者だ?」
ギィさんを見て、すぐに只者ではないと判断したのか、ヒナタさんは得物を抜いてギィさんを威嚇している。だが、当のギィさんは涼しい顔を崩さない。
「ルミナスに聞いてないのか?・・・・・・って、会った事なかったか。俺はギィ・クリムゾン。ルミナスと同じ、魔王だ」
「っ!(
「まぁ、そんな訳でだ。さっさと行こうぜ、エリス?ミザリーとレインが茶を淹れて待ってるからよ?」
「わ、わかりましたから、とりあえず離れてください」
軽くヒナタさんに挨拶したギィさんは、僕が茶会に行くことを了承すると、ご満悦そうに口角を上げていた。
「待ちなさい!エリスをどうするつもりっ?」
「は?いや、さっきも言ったろ?俺の家で茶会をするからエリスを招待しに来た。別に危害を加えるつもりはねーよ?」
「その言葉を信じろというの?それに、いきなり
「信じるも信じないもお前の勝手だし、そんな長い時間借りる訳じゃねーから問題ないと思うぜ?」
いまだに警戒するヒナタさんと不敵な笑みを浮かべながら彼女を見据えるギィさん。このままでは、この場が戦場と化してしまう可能性があったので、僕はとにかく止めることにした。
「ヒナタさん。少しお邪魔して来ますので、みんなに居場所を聞かれた時は『ブルムンド国に行ってる』とでも言っておいてください。流石に『ギィさんの家に行ってる』なんて言えば心配かけてしまいますので」
「止める義理はないけど、本当に大丈夫?」
「大丈夫ですよ。敵意はないみたいですし、僕もこの人とは話してみたいと思っていたので」
「そう。・・・・・・わかった、リムル達にはそれとなく伝えておくわ」
ようやく納得したヒナタさんは、得物をしまうとそのまま踵を返して来た道を戻っていった。・・・・・・彼女に任せておけば、大丈夫だろうし僕は僕で頑張らないと!
「へへ。嬉しいこと言ってくれるな?オレと話してみたいってか?」
「ええ。何故、そんなにも僕の事が気になるのか、非常に興味深かったので」
「茶会で話してやるよ。・・・・・・さて、じゃあ行くとするか!」
街のはずれまで移動した僕達は、ギィさんの召喚した以前にも”目にしたことのある巨大な門”をくぐり、茶会が開催されるギィさんの居城へと足を運ぶ事にするのだった。
リムルも配下も昨日の疲れもあって眠ってるので、ギィが来たことには当然気がついていません。街の人々も大半が寝ていたこともあって、ギィが来たことを知っているのはヒナタとエリスだけです。起きていたエリスやヒナタですら、声を掛けられなければ気付けなかった事を考えると、流石はギィ・・・・・・と思えてしまいます。
後、前半でのエリスの事に関しては、色々と後になって重要になってくるので覚えておくといいかも知れません。特に、『僕は女性を見ても