俺がカイドウの息子…?   作:もちお(もす)

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未来の為の結婚式を

百獣海賊団の代表としてレオヴァが万国(トットランド)に到着してから数日。

明日(あす)、ついに結婚が執り行われるのだが問題が発生していた。

 

それは来賓には告げられてはいないが、大きな問題であった。

あのスイート3将星が何者かに敗れたのだ。

 

これは由々しき事態である。

スイート3将星とはビッグ・マム海賊団の大幹部。

相手が誰であれ敗北は許されぬのだ。

 

更に、その侵入経路が未だに判明しないことも悩みの種であった。

麦わらの一味だと言う推測は立っているが、どうやってこの国に入り込んだのか。謎は深まるばかりである。

 

そして、その事態に追い討ちをかけるかのように、宝物庫にまで侵入者の手は伸びていた。

 

“ソウルキング”と呼ばれる男。

奴は山のように配置されていた兵士を1人で相手取って見せたのだ。

 

あわや大惨事…になりかけたが彼はビッグ・マムの手によって捕まりコレクションとなっている。

 

 

これだけ色々な問題が立て続けに起こってしまっているが、明日に控えた結婚式を取り止める訳には行かなかった。

ヴィンスモーク家の科学力は必ず手中に納めなければならない。

 

何より面子もある。侵入者がいるからと結婚式を延期させるなど沽券に関わるのだ。

 

 

ビッグ・マムは城の中から子ども達に告げる。

生死は問わない。侵入者を排除せよ、と。

 

 

────────────────────────────────────────────────────────────────────────

 

 

表向きは特に変化のないビッグ・マムの国で、レオヴァはドレーク相手に明日に向けて軽い準備運動をしていた。

 

 

「ふむ…どうやら侵入者に手こずっているようだな、ビッグ・マムは。」

 

「ハァッ…グ、分かるのか、レオヴァさん。」

 

「随分と殺気だってるだろう、気配が。」

 

「ハァ、っ…正直、おれにはあまり感じられない…が。」

 

「見聞色にもタイプがあるからなァ。」

 

拳の突きで吹き飛ばされたドレークは肩で息をする。

 

体を慣らしたいと言うレオヴァの要望に答え軽い組手をしていたのだが、涼しい顔をしているレオヴァとは対照的に汗でびっしょりと濡れた体に服が張り付いてしまっている。

 

 

「ここまでにするか。

悪いな、ドリィ。付き合わせちまって。」

 

「ふぅ…いえ、おれも武器がない状況に慣れたかった。」

 

ふらつきながらも立ち上がったドレークにレオヴァは準備していたタオルを投げ渡す。

それを受けとると額に流れる汗を拭い、彼は苦笑いを溢した。

 

 

「おれが相手で慣らしになったか、レオヴァさん。」

 

「勿論だ。

寧ろ少し熱が入りすぎたくらいだ。

これならドリィは素手でも十分に戦えるな。」

 

「…なら、良かった。

本当にレオヴァさんを相手にすると自分の未熟さが良く分かる……不甲斐ない。」

 

悔しそうに自分の拳を見つめるドレークの肩に優しく手を置くとレオヴァは身内にだけ向ける表情を見せる。

 

 

「自分を厳しく評しすぎだぞ、ドリィ。」

 

「レオヴァさん…」

 

「未熟さを不甲斐なく思う必要はねェ。

それはお前の伸び代…謂わば可能性だ。

おれも父さんと組手をすると同じように思う事もあるが、自信を失くしちゃならねェ。いいか?

自分を信じ、疑うな。そうすればおれ達は更に強くなれる。」

 

「前にレオヴァさんが言ってた“自己暗示”、か。」

 

「そうだ。良く覚えてたな、ドリィ。

お前の真面目さをおれは好ましく思ってるぞ。」

 

「ふっ…ありがとう、レオヴァさん。

そうだな、後ろ向きな言葉はマイナスな事態を引き寄せる。」

 

「あぁ、その意気だ。

明日の結婚式もきっと上手くやれる。」

 

レオヴァの言葉にドレークは屈託のない笑みを返す。

 

 

「じゃあ、おれは汗を流してくるが…レオヴァさんは?」

 

「おれもシャワーを浴びる。

そろそろ食事の時間だからな、流石に今のままは出られない。」

 

「また将星…カタクリが同席を?」

 

「いや、今日はアマンドが来るそうだ。

カタクリ達は忙しそう(・・・・)だからなァ。」

 

「…成る程、確かに。」

 

2人は屋内に戻ると部屋に向かって足を進める。

隣り合わせに手配されている部屋の前に到着したにも関わらず、何故か自分の部屋に入らずに待機するドレークにレオヴァが首を傾げた。

 

 

「ドリィ、部屋に戻らねェのか?」

 

「いや、おれはレオヴァさんがシャワーから上がるまで見張りを…」

 

「必要あるか…?」

 

呑気な返答を返すレオヴァにドレークは困ったように眉を下げる。

 

能力者は海は勿論、水場にも弱いのだ。

流石に力が抜けて動けなくなると言うことはないが、奇襲や暗殺を謀られるとかなり不利なのは間違いない。

 

自分のナワバリであれば良いが他人の、それも四皇のナワバリの中で水に触れるとなれば警戒は必須である。

 

ドレークは表向きとはいえ、護衛として共に来ている身だ。

百獣海賊団のNo.2を守る為に考えられる危険をはね除けようとするのは彼にとって当たり前の行動だった。

守りたい相手が自分より強くとも、忠義を尽くすのは当然なのだ。

 

そんなドレークの気合いを感じ取ったのかレオヴァは心配性な奴だと笑うと、扉を開く。

 

 

「すぐに出る。

そこの飲み物でも飲んで待っていてくれ。」

 

「いや、ゆっくりで大丈夫だ。レオヴァさん。」

 

真面目すぎる部下に困ったように笑いながらレオヴァはシャワールームへ入った。

その後ろ姿を確認し、ドレークはシャワールームを背に部屋の出入口である扉が見える位置に陣取るのだった。

 

 

 

────────────────────────────────────────────────────────────────────────

 

 

 

「うわ"~~ん!!カタクリお"にい"ちゃ~ん!!」

 

大粒の涙を流す女を前にキッドが青筋を浮かべる。

 

 

「さっきからうるせぇぞ!!少しは黙れねェのか、テメェ!!」

 

怒鳴られた女は瞳に涙を浮かべながらもキッと睨み返して見せたが、ロープでぐるぐる巻きにされている姿では威嚇にもなっていない。

 

だが、睨み返された事でキッドのこめかみがピクリと動く。

今にも怒鳴り散らしそうな彼の勢いを削ぐようにヒートが声を上げた。

 

 

「まぁ、お頭!その辺で…

こいつは作戦に必要なんですから。」

 

「…分かってる。

おれァ少し出てくる、後はヒートが残って聞いとけ。」

 

「へい。」

 

ドスドスと大きく足音を立てながら出ていったキッドの姿に同じ部屋にいたナミはホッと胸を撫で下ろす。

 

同盟相手ではあるが、いつキレるか分からない彼は心臓に悪い。

そう思いながら、未だに涙が乾ききっていない女にコップを差し出した。

 

 

「水、飲む?

あんなに泣いたんだもん、体の水分なくなっちゃったでしょ。」

 

「い、いらないわよ!!

アンタ達なんか、カタクリお兄ちゃんが来たら終わり!!絶対、来てくれるんだから…お兄ちゃんが…グスッ」

 

鼻をすすりながらも声を張り上げる姿にナミは少しの罪悪感を覚える。

 

元はと言えば先に手を出して来たのは、この女。

シャーロット・ブリュレなのだが、最終的には多勢に無勢。

シキとその部下達で囲んで捕らえてしまったからか、微妙にやりづらさを感じてしまっていた。

 

そんな2人のやり取りを後ろで見ていたヒートが小さく咳払いをして、話を切り替える。

 

 

「繰り返すようだが明日の作戦…問題ないよな?」

 

ヒートの言葉にルフィとシキが同時に頷く。

 

 

「おう!サンジにも話してある(・・・・・)からな。」

 

「説得は面倒だったがな。

殴り合いをおっ始めた時ァ、ハラハラしたぜ。」

 

シキの言葉にヒートが珍しく瞳を丸くする。

 

 

「ハ?殴り合い!?」

 

「色々あったのよ…」

 

疲れきった顔のナミの一言でヒートは苦笑いのような表情を顔に浮かべるが、一度頷くとルフィを見た。

 

 

「まぁ、おまえらが話し合った結果なら何も言わないが…」

 

ヒートの言葉にルフィが笑みを返せば、シキが呆れたような顔で溜め息を吐く。

 

 

「呑気な奴らだぜ、本当によ。」

 

独り言のように呟かれた言葉にも、ルフィはいつもの笑みを浮かべたままだ。

そんな姿に“あいつ”の面影を感じてシキは軽く頭を振る。

 

まったく、共に行動してから度々感じる面影は実に厄介だ。

海賊同盟はただの利害の一致。必要ならば裏切る事だって視野に入れている。

ドライな関係が望ましい。何より情で動くような真似、自分らしくない。

 

なのに何故だろうか。

麦わら帽子のガキは、どこまでも眩しく感じた。未だに記憶に焼き付く“あいつ”の様に。

 

脳裏に過る馬鹿馬鹿しい考えを振り払うと、シキは明日の作戦の確認の為に部下達のいる別室へと踵を返した。

 

 

「リンリンか……何十年振りだァ?」

 

呟いた声は自分で思ったよりも、楽しげな色を含んでいた。

 

 

────────────────────────────────────────────────────────────────────────

 

 

 

『サニー号に帰り"たい"っ…!!

でもおれが逃げればクソジジイも、血の繋がった悪の家族もただじゃ済まねェ!!

恩もねェ、恨みしかないクソみたいな家族だ。

なのに、それでもおれァ……アイツらを見捨てて逃げる勇気がねェっ…!

式が始まれば、おれ1人じゃ何も止められねェのに…!!

家族だとも思わねェ、あのクズ共をっ……おれは…助けたいと思っちまってる!!』

 

雨か涙か分からぬ冷たい雫がポタポタと手の平を濡らす。

俯くサンジの耳に、責めるでもない。笑うでもない。

自然体のままの声が届く。

 

 

『……だって、それがお前だろ!!』

 

サンジが顔を上げる。

いつの間にか雨は止んでいて、雲の切れ間から差す日の光に照らされて麦わら帽子の青年がいつもの頼もしい表情のまま言葉を続けた。

 

 

『おれ達がいるだろ!!

サンジ、式をブッ壊そう!!!』

 

『っ…!?』

 

息を飲んだサンジにルフィは、にししっと笑って見せた。

太陽よりも眩しい、見慣れた笑顔は荒んでいた彼の心の闇を払うようだ。

 

気付けばサンジは頷いていた。

確証はない。保証だってない。

けれど、ルフィなら……そう心から信じられた。

 

 

 

と、いう出来事は少し前の話だ。

あれからサンジは金獅子のシキから更に安心素材となる話を聞かされていた。

 

それは人質として取られているゼフ達やジェルマについてだった。

 

 

『おれの持ってる情報じゃ

ジェルマは百獣の息子と強い関係があるって話じゃねェか。

もし、仮に今回の件でビッグ・マムが奴らを殺そうとしてもあの息子が止めるだろ。』

 

『……いや、レオヴァはそんなに甘く…』

 

サンジが再会した時のレオヴァの言葉を思い出して口を開きかけるが、シキは遮って言葉を重ねる。

 

 

『甘い野郎じゃねェのはおれも分かってるさ。

マリンフォードであれだけの事をやった野郎だぜ?

おれが言いたいのはそう言う事じゃねェ。

ジェルマは百獣から見ても利用価値が高い。

だから簡単には処分しねェだろうって話さ…!

リンリンの奴は報復に力を入れてるからなァ、首を狙ってくる可能性は高いが……カイドウはそこまで拘る奴じゃなかった。』

 

自分の説明で少しずつ空気が軽くなるサンジを横目で確認しつつ、更に話を続ける。

 

 

『それに、だ。

今回式をぶち壊すのはおれや麦わら達だ。

上手くやればビッグ・マムと百獣の恨みをこっちに引き付けられる。

そうすりゃあ、標的はおれ達…!

お前がうだうだ考えてる心配事も消せるって訳だ。

まぁ、その分こっちはリスクが増えるがなァ!』

 

『確かに……すまねェ、おれの事情に巻き込んじまって…』

 

『かぁ~ やめろやめろ!!

悲劇の王子様気取りてェならお仲間の所でやるんだな。

おれはおれで自分に“利”があると踏んだから来てるんだ。

いつまでも情けねェ面は止せ。

本番で失敗されちゃいい迷惑だぜ。』

 

『っ…あぁ、足は引っ張らねェよ。』

 

 

こうして完全に覚悟を決めたサンジは一足先にビッグ・マムのナワバリの中へと戻っていた。

 

どうやらルフィ達はブリュレという捕虜の能力で万国(トットランド)と空に浮かべている船を行き来しているようである。

 

これならば明日の結婚式本番まで見つかる事もないだろう。

 

見張りに怪しまれないように運ばれてきた晩御飯を口に運ぶ。

サンジは暫く振りに食べ物の味を感じた。

 

 

────────────────────────────────────────────────────────────────────────

 

 

気持ちの良いほど晴れ渡る空。

ご機嫌に歌い踊るホーミーズ達。

賑やかな来賓の机には輝くような素晴らしい紅茶が注がれて行く。

 

そう、今日は待ちに待った結婚式。

 

ヴィンスモーク・サンジとシャーロット・プリン。

この2人が家族となる目出度い日だ。

 

カラフルな式場に歌声が響く。

シュトロイゼンとパティシエ達が一矢乱れぬ動きで来賓を魅了する。

 

 

「苦行の人生、涙の味は~♪」

 

「「塩少々!」」

 

「悔し涙は~♪」

 

「「大さじ一杯!」」

 

「だったらてめぇのデザートはァ!!

甘いケーキがいいじゃない!」

 

「「「料理長~~~!!!」」」

 

ドドンっと効果音を背負いながら歌うシュトロイゼンに歓声が贈られる。

 

ゆるふわの~♪

とまだ続くシュトロイゼンとパティシエ達のパフォーマンスに周りは楽しげに笑う。

 

本当に賑やかで素晴らしい結婚式の光景がそこには広がっていた。

 

その光景の中で周りに合わせるように笑みを浮かべていたレオヴァは、近くにいるビッグ・マムの部下に気付かれぬようにドレークへ目配せをする。

 

それに自然な素振りで目線を返すとドレークは紅茶に口を付けた。

 

 

「(本当にレオヴァさんの読み通り来るのか、麦わら。

いち船員の為に、この敵地のど真ん中に…!)」

 

ドレークはいつでも立ち上がれるように僅かに椅子をずらし、机とのスペースを確保する。

 

今、レオヴァもドレークもいつもの(・・・・)武器が手元にない状況だ。

 

代表であるレオヴァが了承した事ではあるが、ここで戦闘が起こるとなれば油断は出来ない。

 

百獣海賊団の幹部である二人は素手でも他を凌駕できる実力を備えてはいるが、ここには“ビッグ・マム(規格外)”もいる。

 

この先起こるとレオヴァが予想する“大混乱”の中で、ドレークにはやるべき事があるのだ。

 

優雅に紅茶を飲む体裁を崩さないレオヴァと同じように、外面にはおくびにも出さずドレークは神経を尖らせる。

 

タイミングは分からない。

だが、レオヴァがこちらに目配せしてきたと言う事はもうすぐ(・・・・)なのだろう。

 

人知れず脚に力を込めるドレークの数メートル先でシュトロイゼンが剣を地面に突き刺しポーズを決める。

 

すると床が波打ち、地面から何かが突き出て来た。

 

包んでいた外装がパキリと音を立てて割れると、中からは見事なウェディングケーキが現れる。

 

信じられないほど巨大なケーキは見た目もそれに引けを取らぬ精巧さだ。

至る所から圧巻だと驚きの声や称賛の拍手が飛び交う。

 

 

「すごいじゃないか、シュトロイゼン!!褒めてあげるよ♪」

 

興奮気味に近付いて来たビッグ・マムにシュトロイゼンは華麗にお辞儀をする。

 

そして、ついに余興が終わり結婚式が開始された。

 

巨大なウェディングケーキに新郎新婦が運ばれて行く。

空とぶゴンドラのような乗り物でケーキの上に立った2人は見つめ合う。

 

三つ目の新婦が恥ずかしさを誤魔化すように目を反らすが、新郎はデレデレと嬉しげな表情を浮かべている。

 

そんな夫婦になる2人の正反対の姿に、ある者は微笑ましいと目を細め、ある者は奴にプリンはもったいないと肩を怒らせた。

 

和やかなムードで進む結婚式。

神聖な服に身を包んだ神父が本を片手に一歩を踏み出した。

 

そして、誓いの言葉の為に口上を述べようと慣れた手付きで本を開いた時だった。

 

 

「うおぉ~~!!ビッグ・マム~~!!」

 

「え~~~~~!?」

 

内部から破裂するように巨大なウェディングケーキが壊され、中から大量の麦わらのルフィが現れたのだ。

 

その場にいた皆が目を見開く中、ビッグ・マムの怒号が響く。

 

 

「どれが麦わらのルフィだい!?

よくもウェディングケーキをォ~~!!!」

 

身が縮み上がるような剣幕で大量にいる麦わらのルフィを投げ飛ばせば、正面の奴が声を上げた。

 

 

「おれだ~~!!」

 

「お前かァ!!」

 

怒りの形相でビッグ・マムが拳を振り上げた時だった。

 

 

獅子・千切谷(せんじんだに)ィ!!

 

「「「ママ!?」」」

 

突然空から降り注いだ飛ぶ斬撃の雨に、あのビッグ・マムが吹き飛ばされる。

斬撃と巨体が倒れた振動で砂煙が上がり会場の視界が悪くなった一瞬。

 

弾丸のようにレオヴァに向けて突撃する人影を視た(・・)カタクリは咄嗟に声を上げた。

 

 

「レオヴァ…!!」

 

「あぁ…カタクリ、視えてるさ。」

 

二人の間を裂くように巨体が突っ込んで来る。

それは衝突した瞬間に金属が軋む音と共に砕けた。

 

晴れ始めた砂煙の中で赤い髪とそれに合わせたようなワインレッドのファーコートを羽織った男がレオヴァを睨み付けていた。

 

 

「久しぶりだな、キッド。

再会は喜ばしい事だが……少しヤンチャし過ぎじゃねェかァ?」

 

「クソがッ!!てめぇの、そういう所がムカつくんだよォ…レオヴァ!!!」

 

砕けた屑鉄が再びキッドの腕に集まっていく。

 

二人の間に漂い始めた緊張感。

しかし、それを邪魔するかのようにビッグ・マムとシキの戦闘の余波が周りに被害を出し始めていた。

 

逃げ惑う来賓を視界に捉えると、レオヴァはキッドから距離を置き指揮を取るように口を開いた。

 

 

「ドレーク…!

ここにいるビッグ・マムの客人や戦闘が得意でない者を避難させろ!

このままでは被害が広がるだけだ、いつも通り(・・・・・)人命を最優先に動け!!」

 

「っ…はい!

お前達、出口へ焦らず進め!

背中はおれが守る!!」

 

レオヴァとドレークの言葉に僅かながらも安堵したような顔になった来賓達は出口へと走り始める。

 

ドレークは避難を始めた人々を守るように立つと何処からか大量に現れたシキの部下達を拳1つで沈めて行く。

 

だが、そんな彼らの姿にキッドは唇を噛んだ。

 

 

「この期に及んで、まだ聖人君子の真似事かァ!?

そのふざけた余裕を消してやる!!」

 

再びレオヴァへ突撃を始めたキッドを横目にカタクリは戦況を見る。

 

レオヴァならばあの男を相手にしても負けはないだろう。

“キャプテン”キッドも“麦わら”のルフィも現時点では大きな障害と認識するほどの相手ではない。

問題は“金獅子の”シキだ。

 

麦わらと金獅子。

2対1とはいえ、ビッグ・マムの猛攻を防いでいることが問題なのだ。

 

今、加勢しに行くことも選択肢にはあるが、カタクリは弟妹の避難を優先させた。

 

いくら百獣海賊団の幹部とはいえ、この状況下では“(ディエス)”・ドレークだけでは身が重いだろう。

 

それにビッグ・マムには長男であるペロスペローが付いている。

頼れる兄がいれば即座に戦況が崩れることはない筈だ。

 

そう考えていたカタクリだったが、それの選択がミスだったと知る事になる。

 

大量にいる麦わらのルフィ。

その中の1人がハンマーを持ち、“アレ”に近付いている事に気付けなかったのだから。

 

 

 




ー後書き&補足ー

麦わら視点多いと進み遅いので飛ばしました!
↓以下、簡単なまとめ

・ブルックは原作通り写しをget
・ブリュレ戦はシキの介入によりすぐ終わった
・クラッカー戦もほぼ原作通り

・結婚式について
原作とは違いジェルマ暗殺は目論まれていないので本当に普通の結婚式。
ビッグ・マムは良い料理人と化学力が手に入るとウキウキだった。
ジェルマからしたらサンジを架け橋にビッグ・マムとの協力関係が結べて、百獣からの影響力を少しでも減らせる。
レイジュからすると百獣と何かあったとしても、いざと言う時はサンジがビッグ・マムの名前で守られるだろうという計算がある。(自分たちは滅んでも良いがサンジには生きてほしい)


人質問題難しい…
原作で特に解決案無しに進んでたので本当に落とし所が分からんぞ!
ビッグ・マムのヘイトが全部麦わらに行ってくれたお陰で解決……ハッ!(閃き)

今回も読んでくださりありがとうございます。

↓番外編『鳳皇の懐刀は苦労人』
https://syosetu.org/novel/279322/17.html

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